「SCW 伊豆ツアー2003 〜 再出発 〜

 

出発
 
  朝5時。早朝の荻窪にて戸倉さんの車を待つ。白んでいく空が綺麗だ。

  早朝出発組は俺と戸倉さんとまっつんの3人なので、二子玉川に
  まっつんを迎えに行く。早朝から道路はトラックでひしめいている。
  休日なのにご苦労なことだ。

  二子玉川でまっつんを拾い、高速で一路静岡へ。しかしこの時点で
  伊豆半島が静岡なのか神奈川なのか分からず、軽い不安を覚える。
  この時俺は戸倉さんからデジカメを託され合宿カメラマンとなる。
  とりあえずまっつんの無防備な寝顔がかわいいので撮っておいた。
  カメラマンには被写体に対する情熱が必要だ。

  海老名のあたりで、深夜出発組に連絡を取るため越智さんに電話。
  到着した途端にテニスコートでサッカーを始めているとの報に
  我が耳を疑う。寝る気はないのか。もともと集合場所を確認するために
  電話をしたのだが、そんなものは誰も決めておらず結局現地に行ってみる
  ことにした。このチームに細かい決め事など似合わない。



集合

  とりあえず宿舎の住所まで行ってみると、駐車場に見覚えのある
  人影を発見。クロちゃんだ。深夜組との合流に何となく成功。しかし
  ベンチで休んでいるクロちゃんの顔は憔悴しきっている。彼はつねづね
  深夜発のほうが楽だと言っているが、本当なのだろうか。

  その他のメンバーは足湯に浸かっていた。合宿1日目の朝9時にして
  全員が漏れなく一仕事終えたような表情をしている。午後の練習は実施可能
  か心配になる。かく言う俺も布団で寝たとは言え3時間。昼飯まで足湯に
  身を任せて寝ていても良いのではないだろうか。しかしウェンブリー合宿に
  観光は欠かせない。ようだ。ひとまず集合する。徹夜明けのような、というか
  徹夜明けの顔が円陣を組んで実に濃い雰囲気が立ち込める。特にオガちゃんは
  死ぬほど眠そうで、得意のハッピートークも影を潜めている。対照的に元気
  なのは、今や妻子ある身の杉森くんだ。駐車場にあった人糞なみにでかい
  ウンコの周りでドリブルをするというスリルを満喫している。これだから
  ウェンブリーはやめられない。



活動開始

  車で睡眠を続行するオガちゃんと山口さん長さん三上さんの4人を残し、
  浄蓮の滝へ。マイナスイオンを大量に浴びた。と思うがそんなものは
  分からない。車へ戻る登り坂を上っただけで息切れになり、27歳とは
  決して若くないのだと実感。滝は非常に綺麗だったのだが、杉森くんの
  浮気現場だけはいただけなかった。所沢にいる奥さんとお腹の子供に
  何と報告すれば良いのか。おそらく目撃者の旅行記には必ず書かれるで
  あろう名場面の一つだ。

  次は天城越えに。ここでの思い出はわさびソフトと謎の体操人形の二つだ。
  わさびソフトは・・・まあわさびだ。どちらかというと体操人形の方が
  印象深い。要は回転する鉄棒と、それにひっついて一緒に回転している
  人形の玩具で、新体操の鉄棒のような動きをする。最初にまっつんや
  古館の二人が遊んでいて、周りはくだらん玩具だ、くらいの目で見ていた
  のが、気がつけばほぼ全員の目が釘付け。あなどれない玩具であった。

  昼飯はガイドブックにものっているらしい蕎麦屋へ。ようやく全員が
  目の覚めた状態で集合する。シバくんと隣になったがあまり話せず。
  シバくんの潜在能力(トーク面)を引き出せない自分に腹が立つ。
  離れたところでは、下ネタトークが炸裂している。お昼時なのに・・・


練習
  
  午後になり、ようやく本来の目的であるサッカー練習が始まる。
  せっかくなのでミニゲームの前に練習をしようという話になるが、
  皆どんな練習をしたものかいまいち思いつかず、しばし固まる。
  やはり普段からそれなりの練習メニューをやっといた方が
  いいのだろうか。

  練習も佳境に入った頃。気がつくと見知らぬ人が胡坐をかいて
  我々のミニゲームを見ている。彼を見たとたん、一気に全員の
  緊張感が高まる。今まで聞いてきた伝説の数々が俺の脳裏を駆け巡る。
  あれが噂のMTさんか!!今までそのエピソードばかりを聞いていて、
  姿を見たのは今回が初めてだ。伝説の男の前で恥ずかしいプレーはできない。
  結局MTさんを交えてさらに1時間ほど練習。いつもそうだが、
  ウェンブリーの練習は暗くなる、またはグラウンドの使用時刻が過ぎるなど、
  続行不可能にならないと終わらない。この根性は男塾もかくやと思わせる
  ものがある。



  
  ウェンブリーの夜は、長い。

  といつも聞いている。しかし睡眠不足に何より弱い俺がついていくのは至難の業だ。

  まずは誰もが待ち焦がれていた混浴温泉へ。しかし、案の定というか
  なんというか、だるそうなカップル一組以外は男の客すら満足に見当たらない。
  まるで貸切りのようだ。しかしそれは我々が思い描いていた光景とは違い、
  あまりに寂しいものだった。結局みな普通にお風呂を満喫。風呂上りに血圧を測ると、
  下36(上は忘れた)という驚愕の数値が。死人か俺は。

  ロッジに帰る。掃除をかなりしたので、我々が来る前よりも綺麗になっている
  気がする。電球まで換えてメンテナンスまでばっちりだ。俺が追い出した
  体長15センチ程の蜘蛛(2匹)はもう部屋の中にいないだろうか。

  酒盛り開始の後、ビンゴゲーム開始。やはり交換するプレゼントは
  エロビデオが中心だ。俺が出した三浦あいかのエロビは、光栄なことに
  MTさんの懐におさまった。しかしあれだけの数の玉を出しておきながら、
  なぜあんなにビンゴがなかなか出なかったのか謎である。7割がた穴が
  開いていながら、リーチすらかかっていない人が何人いたことか。
  罪なビンゴだった。

  ビンゴ後は、人生ゲーム班と囲碁班に分かれる。俺は光栄なことに
  MTさんに囲碁班にご指名いただく。そういえば中学時代に親父に
  囲碁を教わったことがあるので、何となく分かる。15年ほど
  前の話だが。人生何がどこで役に立つか分からないものである。
  隣のクロちゃんは、眠すぎるのか囲碁が肌に合わないのか、終始
  辛そうな表情だった。苦悶するクロちゃんの顔の向こうには、
  杉森くんが幸せそうな顔で昏睡している。寝息を立てている動き
  すら分からないほどに微動だにしない。やはり初めての高速が
  神経をすり減らしたか。そんな静かな面々をよそに、人生ゲーム組は
  宴もたけなわだ。中には前夜からほぼ徹夜の人もいるはずだが、
  感心するばかりである。

  囲碁の後、俺はすぐに就寝してしまったので、その後どんなドラマが
  繰り広げられたかは知らない。知っているのは、大半がAM4時まで
  起きていたこと、杉森くんとMTさんの間でマジトークが交わされて
  いたことくらいだ。とにかくこの集団は鋼のスタミナを持つ人間で
  構成されている、というのが1日目の結論だった。
  囲碁の後、俺はすぐに寝てしまったので、その後
  どんなドラマが展開されていたのか良くしらない。