小春編

第一章 〜出発〜

午前3時43分、携帯電話が鳴った。僕は手を伸ばし携帯電話を手に取ると、すぐに着信音は切れてしまった。
『なんだか蒸し暑いなぁ』などとぼやきながら着信者を確認する。
相手は『オガちゃん』だ。
僕は2、3回顔を叩いてから電話をかけ直した。

オガ『起きた?』
僕『はい。助かりました。』
僕『セロは?』
オガ『先に電話して、もう起きてる。』
僕『了解。今から向かいます。』

自力で起きる自信がまったく無かった僕は、オガちゃん、セロに電話で起こしてもらえるようにお願いをしていたのです。
僕はオガちゃんにマッツンへの電話連絡をお願いしてから電話を切り、慌てて支度を済ませてセロを迎えに急いで車を走らせました。
4時8分にセロの家に到着。前日までの予定では4時に迎えに行くはずだったので、予定より少し遅れ気味。