日本精神文化という言葉

天地自然への畏敬の念、共生の心、そして八百万の神々(やおよろずのかみがみ)を感じる心。日本の精神文化とは、遥か昔からの日本人の根底にある精神です。

日本人の根底に息づく心

文章 最終更新
2004年05月25日

太古の昔から日本人はこの自然豊かな島国で暮らしてきました。人々は自然からの恵みに感謝し、時に災いとなる自然の猛威に恐怖しました。また、時に見せる自然の不思議な光景に魅了されました。

人々は常に自然の中で自然と向き合い、生きるために感性を鋭敏に澄ましていました。そして人々は、自然のその背後にある何か計り知れない大きな気配を感じたのです。やがて人々は自然に対し畏敬の念を抱きます。自然を単なる自然現象としてではなく、自然の優しさ、自然の恐ろしさ、自然の不思議さ、そのすべてに神々を見たのです。

昔から「八百万の神々」と云いますように、人々にとって神々とは天地自然すべて、そのものでした。山の幸、海の幸、自然から分け与えられた恵みは神々の命が宿った恵みであり、自然の猛威は神々の力、自然の光景は神々の姿でした。人々は暮らしの中で常に神々(自然)との繋がりを実感し、神々(自然)に感謝し、神々(自然)を畏れ、神々(自然)を称えました。そして神々(自然)と共生して生きていこうとする精神が育まれました。

天地自然への畏敬の念、共生の心、そして八百万の神々を感じる心。遥か昔の日本人にはこのような素晴らしい心がありました。そして、その心は今でも私達の根底に息づいていると思うのです。