ワインの保存方法

 ここでは家庭でのワインの保存について考えてみます。

 

 ワインの保存には温度、湿度、振動、光、臭いなどいろいろな制約、条件があるので、家庭での保存は難しいといわれていますが本当なのでしょうか?
 家の冷蔵庫でワインを保存するのはダメだといわれますが、本当にダメなのでしょうか?
 これらはどんなワインにでもあてはまるわけではありません。

 私もワイン好きのはしくれとしてワインの保存について、次のようにいろいろ(バカな方法もまじめに)考えました。

 あなたも参考になさっては??(ワインの保存効果に関しては保証できませんが)

カジュアルなワインの保存
やや熟成が必要なワインの保存
数年以上の長期間保存が必要な高級ワインの保存

カジュアルなワインの保存

購入後、比較的早く飲んでしまうような日常的なワインに関しては、直射日光や高温になる場所を避ければ、保存にそんなに気を使う必要はありません。
 もちろん冷蔵庫の中でもOKです。

   

やや熟成が必要なワインの保存

しかしある程度の期間、家でワインを保存しなければならないときは、できるだけ涼しいところ、温度変化の少ないところを探します。押入の中とか、階段の下の物入れ、玄関の空いているスペースなどが候補です。
 次にワインが入る大きさの発泡スチロールの箱と新聞紙を用意し、保存したいワインを新聞紙で何重にもくるんで発泡スチロールの箱の中に並べ、見つけておいた場所で保存します。(発泡スチロールは魚屋さんなどでもらってきてもよいですが、臭いを完全に取ってください。)
 この方法ですと、1年ぐらいは品質を劣化させずに保存することが(たぶん)できます。


 実際に私は84年のピション・ラランド(ボルドーのワイン)を12本、新聞紙でくるんで発泡スチロールに入れ、物置の中で1年間保存しましたが、特に目立つような劣化は感じられませんでした。(夏を1回越させたのですよ)
 しかし、この方法で夏を2回越させる勇気は私にはありませんでしたし、やめた方がいいと思います。

 

   

数年以上の長期間保存が必要な高級ワインの保存

高級ワインの保存には、次のような制約、条件が必要になります。 
 ・温度は14℃前後
 ・湿度は70%以上
 ・振動なし
 ・光なし
 ・臭いなし

 これらの条件を満たすような保存場所は、一般の家庭ではそんなにあるわけではありません。それでワインセラーを作ろうという発想になります。
 ワインセラーにもいろんな種類がありますが、私は今まで次のようなものを検討しました。

小型冷蔵庫を改造してセラーにする

 学生時代に使用していた1枚ドアの小さな冷蔵庫を使用しました。もちろんワインだけを入れます。

 冷蔵庫でワインを保存するときの最大の問題は、冷えすぎることです。5℃まで冷えるとワインの熟成などは期待できません。

 しかし私の使用した冷蔵庫は、古い物であるためか温度設定を最高温度(弱冷)にしておけば14℃という都合のよい温度に設定することができましたので、私はこの最大の問題を難なくクリアする事ができました。

 しかし私の弟の場合はこんなにうまくはいきませんでした。

 

 私には、やはり同じようにワイン好きの弟がいます。それで弟も同じ方法でワインの保存を試しましたが、新しい冷蔵庫だったためか、私のようにうまくはいきませんでした。弱冷にしても冬には10℃以下になってしまうのです。

 そこで彼は、冷蔵庫の中に熱帯魚用のヒーターを入れるという奇抜な発想でどうにか14℃の環境を作り出しましたが、どうにも不経済なことです。(このため弟は、その後、小型冷蔵庫での保存をあきらめました。)

 冷蔵庫でワインを保存するときの2番目の問題は乾燥です。

 通常の冷蔵庫の中は湿度がとても低く、これがワインの保存には向いていないといわれる由縁です。(もちろん家庭の冷蔵庫には他の食べ物の臭いもありますが)
 少し工夫しましたが、私はこれに関しても次のようにクリアする事ができました。

 まずこのような小型冷蔵庫に特有の、製氷器下にある水受を取り払います。

 次に冷蔵庫の中段に水をはった面積が広くて浅い器を用意し、その器の中からワインを積み上げておき、ご丁寧に積み上げたワインにタオルをかけておきます。

 これで準備はOKです。

 このシステムは、冷蔵庫内の乾燥により蒸発した水が、製氷器下の取り除かれた水受けに溜まることなく、積み上げられたワインの上のタオルに再び水滴となって落ち、タオルにしみた水が再び蒸発するという永久機関なのです。

 本当にこのような仕組みで循環したかどうかはわかりませんが、結果的には常に湿度95%を確保できました。(直接水滴攻撃にあうワインのラベルは悲惨でしたが。)

 しかしなんせ小さな冷蔵庫ですから20本程度しか入りません。すぐこれだけでは足りなくなり、もっと多くのワインを保存する方法を考えざるをえなくなりました。

地下室を作ってセラーにする
 こんな大げさでお金のかかることは、私の身分ではできませんでしたので、この案は最初から断念しました。

 (外気の影響を受けないためには最低10mは掘る必要があり、さらに日本は地下水が多いので、乾燥を防ぐためにセラーの床を土のままにしておくのも難しいとのことです。)

部屋自体をセラーにする
 ワインセラー用のエアコン設備や部屋をワインセラーにするための改造にお金がかかることと、そもそも余っている部屋がないために、この案も断念しました。

 

 アメリカのワイングッズ屋さんなどで見かけますが、本当に大がかりな装置とお金が必要です。もちろん維持費もバカになりません。

 これは部屋自体をワイン・セラーにした様子です。立派ですね。

 

 ここまでできなくても、部屋の中にセラー用の部屋を作る方法もあります。これも夢のまた夢。

画像はInternational Wine Accessories のカタログよりいただきました。

地面に穴を掘って埋める
 先にご紹介したような立派なセラーは無理だとこのバカげたような案も真剣に検討しました。

 穴はどのくらいの深さが必要だろうか、雨が入り込まないようにするにはどうしたらよいか、など考えましたが、条件を満たすためには結構大がかりになってしまい、ちょっとした地下室を作るのと変わらなくなってしまったので、この案は断念しました。

水の中に入れる
 このあたりにくると少しでも可能性があるものは検討対象にしていましたが、頭はそうとう熱くなり、冷静な判断を失いかけていました。

 

 この案は、大きな水槽のような物に水をはり、ワインのボトルをその中に入れて保存する方法です。

 水は温度変化が少ないし、何といっても湿度は100%ですから理想的な保存環境に思えました。

 しかし、夏などは水温が上がるので、スイカを冷やすような感じで水を取り替える必要があるとか、冬は冷えすぎるので熱帯魚用のヒーターを水槽に入れるなどの考慮が必要だと気づきました。

 それに何より、この熱帯魚用ヒーターが設備された水槽の中身が金魚ではなく、ワインのボトルだというところがさすがに変だと思い、この案も断念しました。(わずかに冷静さを取り戻せました。)

レンタル・ワインセラーを利用する
 もっと早くこの案の検討をするべきでしたが、投資用に多くの量を買うわけでもないし、ワインを出すのに1週間程度の時間が必要になるし、何といっても手元にワインがないことは我慢できなかったので、この案も断念しました。

ワインを買ったお店で預かってもらう
 自分のワインをお店にきた客に触られるのもイヤだし、自分の手元にワインを持っていられないこともイヤだし、そもそもお店に預かってくれと頼んでいいのかわからなかったので、この案も断念しました。

ワイン用冷蔵庫(小)
 いろいろ検討した結果、やはりワイン用冷蔵庫の購入が現実的であり、ワインの保存という本来の効果も期待できるとの結論に達しました。

 水に沈める方法の検討以来、実に半年後のことです。

 ワイン用冷蔵庫もユーロ・カーヴ、サイレント・カーヴ、ロング・フレッシュ、ワインテリアなどいろいろありましたが、冷却方式、収納ボトル数、価格などから検討し、ロング・フレッシュを選びました。

 高価なことと置き場所のことを考えて30本入りのものを買いましたが、収納本数が少なすぎたことを購入後たった2ヶ月で実感することになりました。(学生時代の冷蔵庫改造セラーでの経験を学習しなかった私はバカだ〜。)

ワイン用冷蔵庫(大)
 ワイン用冷蔵庫(小)を購入後すぐに収納本数が少なすぎたことを実感した私は、学生用冷蔵庫セラーと発泡スチロールセラーを併用し、何とかしのいで(しのごうとして)いましたが、いよいよ何ともならなくなってきました。

 なんせ、ピション・ラランド12本を発泡スチロール・セラーで保存しようなどという発想が出るくらいだったのです。(先に書きましたが、このピション・ラランドは1年間この方法で保存しましたが、ラッキーなことに品質劣化はしていませんでした。)

 そこでもっと大きなワイン用冷蔵庫の購入の検討をはじめました。またまたいろいろ検討した結果、日本での使用を考えるとロング・フレッシュの120本入りが一番よいとの結論に達し、購入することにしました。

 あとは購入資金をどう集めるかです。家族会議の結果、まずボーナスで購入し、その後、私の小遣いから少しずつ家計に戻すという方法になりました。結局、私の小遣いで買ったのです。先に購入していた30本入りのロング・フレッシュは友人池○伸○に安く譲り、今回の返済にあてました。

 

 しかし、またまた120本という数字は決して大きい数字ではないことを、6ヶ月後に実感することになりました。

 ワイン用冷蔵庫をもう一台置く場所もなければ、お金もありません。

 とほほ・・どうすりゃいいんだ〜。

 どんな画期的な保存方法がでてくるかと心待ちにされた方もいらっしゃったことでしょうが、このように『ワイン用冷蔵庫での保存が最適』という、あまりにもかわりばえしない結論に達してしまいました。

 

 しかし、もっと多くのワインの保存を考えると、私にとって(私の経済状態にとって)ワインの保存法は永久に課題のようです。

 どなたかよい方法を考案された方がいらっしゃいましたら、教えてくださいませんか?