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2, 2002年8月27日 「アメリカと私」 ゲスト ケビン・モール氏 |
第二回無事終了しました。出席は12名と私とゲストの14名でした。がま口塾に来る人を見たいと思っても無理ですねえ。だって固定したメンバーは部屋主のみ。今回は先回に続いての方はわずかに2名。全く初対面の方が3名。あとは旧会員でした。司会は今日初めていらした方。だってジャンケンに負けたんですもんね。Kさん、お疲れ様でした。みんなほっておいても次々発言するから時間が足りないくらいでしたね。とにかく何のきどりもヘチマもありゃしません。がま口塾は本音が飛び交うのが目玉です。 岐阜からの方々の岐阜弁も存在感がありました。戦中派の方の、実体験から得た思考も迫力がありました。服部君のお母さん、YOSHIの会のメンバー、英語の先生たち、お連れ合いが老人介護を代わり、かつ近くの駅まで送ってくださるという応援を得てきてくださった方。おともだちを誘ってきてくださった方。最後にちゃんとうまくまとめてくださる方。私は参加者の皆さんを誇りに思わずにはいられません。 <ケビンさんの話の要約> アメリカとは何か。私はアメリカのことだけを考え、アメリカのことだけを優先するものではない。アメリカは世界で嫌われている。でも、一人一人は人間、個人として扱ってもらっていると思う。何故国は嫌われ、人は嫌われないか。私が好きなアメリカは「理想」があるということ。アメリカを愛することは嫌い。愛国主義は嫌い。問題はアメリカの理想が現実になっていないということ。表現、宗教人権、男女平等、人種の平等、多文化多言語、教育等の面で話してみる。 言語の面では、学校では英語のみで話させる規則が増えてきて、子どもの教育に影響が出てきている。スペイン語も読むな、聞くな、話すな。基本的な一つの言語が上手でない子が、他の言語を上手になろうとしてもできない。家で話している言語が尊敬されないと英語も尊敬されない。こういう子がギャングになっていく。 教育の面では貧富の差が激しくなってきている。私は小学校の教員の免許もとって教育の現場をよく見ているが、金持ちの地区の学校の図書室には本が千冊もあるが、貧乏な地区の学校には10冊、いや、全くなかったり、閉鎖しているところもある。図書室の担当者を雇うお金が警備費やコンピューターを買うお金にまわされていく。子どもたちは本を読みたくても読めないという現実がある。 外交政策もいっぱい問題がある。アメリカは「理想」ではじまった国。とりあえず人間は平等。理想に向って行ける国としては私の国アメリカはすばらしい。(外交政策は具体的な話がありました) <フリートーク> ●今は英語は世界の共通語。私の子どもの時代は英語は敵。背が高くお鼻が高く女の子は食べられちゃうよ・・・と教えられ、その後は墨で教科書を塗りつぶし、一生懸命アメリカに馴染んできた世代。今のアメリカは経済第一主義。日本はアメリカさん第一主義。でもアメリカは日本より今は中国。何故よその国まで出かけて銃の犠牲者を増やすの?っていう素朴な疑問がある。家にはアメリカからのお客様も迎えることがある。個人的にはいいけれど、何故かたまりになると問題がおきるのか。 ●「国益」って、いつごろから聞くようになったっけ?私は戦後アメリカから来た自由の恩恵にあずかって生きてきた。テロ事件以来報復に対して疑問をもっている。 ●日本人は発言しない。声をあげない。考えないようにしている穏便主義。問題意識をもたないようにしている。 ●舞の海が小錦に勝つと今夜はお赤飯!と思う。いつもアメリカが一番、白人が一番って言うのは? ●世界の裁判官だという感じ。アメリカンドリーム、お金第一主義、営利第一主義。 ●今の日本もそういうアメリカになりたがっている。 ●今年の広島の原爆記念日にアメリカから大勢の方がいらしてた。とっても静かな祈りの式典であることに感銘を受けて、この方式をアメリカにもって帰ろうという発言があった。 ●住基問題。私は理由書をつけて返した。セキュリティーに不備がある。小さいことでもちゃんと市民はウォッチしてるんだとぞと言っていくべきだ。アメリカ人は個人でも直接大統領に手紙を書く。凄い。 ●国ではなく、人間としての問題。民族として、人間として、皆が声を出して真剣に考えていきたい。 ●もう戦後57年といったら、「何言っとるの。今は戦前かもよ」と言われ、ドキッとした。 <今朝8/27の中日新聞(東京新聞)の「中日春秋」>朗読 ♪命あるかぎり語り継いでいくよ。弾丸に貫かれたあなたの胸の痛みを・・・。シンガーソングライター、まのあけみさんの「海を越えて銃を超えて」をCDで聞いた。優しく強い歌だ。 <8/10の朝日新聞の記事>朗読 ケビン氏●都会では銃規制派が圧倒的多数。テキサス州のダラス、ヒューストンでもそうだ。 ●最近あるお坊さんの説教を聞きに行った。お坊さんはベトナム戦争で夫が死んだ女性が書いた詩を朗読した。「あなたは何もしなかった」という詩。許容したと言う意味。アメリカの大きさを感じた、印象的な詩だった。 ●アメリカのことを考えるということは日本のことを考えるということだ。一つ一つのことを検証しながら、私たちは民間外交をすることが大切。 ●広島の新しくできた記念館に行った。きれいに整いすぎておぞましさが希薄だった。生なましい形で伝えていくことが大切だ。 ●戦争の悲惨さをもっと伝えていくべきだ。 等、等。ほんとにおおまかなまとめです。 2−1とても有意義な会でした。ありがとうございました。彼は、よい話し手であると同時に、上手な聞き手でもありましたね。アメリカのいろんな面を、冷静に、しかもはっきりとした視点で知らせてくださって、すごく参考になりました。何となく、今日は彼の話をもっと聞く会のように思っていましたが、日本の元気な出席者の方々の、飛び交う話が面白かった! |