No.46 那須岳1917m 活火山と花・そして優しい三本槍 |
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INDEX @三斗小屋温泉と北温泉に泊って…: 1997年7月 A風が強くてガニ股で歩いた: 2007年8月 B再び山の仲間たちと…: 2025年7月 → 地理院地図の該当ページへ 那須岳@ 三斗小屋温泉と北温泉に泊って… 第1日=JR東北本線黒磯駅-《バス1時間》-那須山麓〜峠の茶屋〜峰の茶屋跡〜茶臼岳1915m〜峰の茶屋跡〜朝日岳1896m〜熊見曽根〜隠居倉〜三斗小屋温泉 第2日=三斗小屋温泉〜大峠〜三本槍岳1917m〜清水平分岐〜(中の大倉尾根)〜北温泉 第3日=北温泉〜(那須自然研究路)〜八幡温泉-《バス45分》-黒磯駅 【歩行時間: 第1日=4時間 第2日=6時間 第3日=45分】
もう20年近くも昔のことだが、ヨチヨチ歩きの長男とまだ赤ちゃんだった長女を背負って、ロープウェイを利用して那須の茶臼岳に登ったことがある。快晴の日で、近くの那須連峰や磐梯吾妻連峰などの雄大な景色に見惚れたものだった。風が強かったことや子供たちが小さくて軽かったことなど、妻の佐知子とそのときの思い出話をしながら、今回は麓から歩いて登ってみた。 第1日目(7月19日): バス終点の那須岳山麓からロープウェイ乗場を左に見送り、峠の茶屋も通過して暫らく進むと、右手前方に朝日岳や鬼面山の岩峰が見えてくる。足元のあちこちにはウラジロタデが群生して白い花をつけている。 稜線へ出て、峰の茶屋跡から茶臼岳を往復。ゴウゴウと音を立てる爆裂火口の噴煙やザレた岩場などの景観は、相変わらずの迫力だった。こういった火山特有の荒涼とした景色を眺めると、何時も私は、下北半島の霊場恐山を観光したときのような畏敬と戦慄を覚える。それは多分、火山の凄さと怖さを本能的に感じ取っているからだと思う。 茶臼岳山頂部の「お鉢廻り」をしたのだが、ちょうどこのときガスってしまい展望を得ることはできなかった。早々に引き返し、主稜線を北進する。 赤茶けたガレ岩の景色を楽しみながら(ガスの引いた)朝日岳に登り、展望を満喫してから踵を返す。熊見曽根の尾根を下り、隠居倉を経て、この日は三斗小屋温泉に宿をとった。 第2日目(7月20日): 三斗小屋温泉の裏手から、いくつかの沢筋をトラバースして大峠へ出ると、お花畑が見事だった。そこで出会った中年のご夫婦から教えてもらい、ハクサンフウロやナントカ(忘れた)シャジンなどの花名を知る。有名な高山植物なんだそうだ。花の名前も勉強しなくてはいかんな、と思った。大峠辺りからの明るく開けた尾根歩きは気分がよかった。 今ではこちらが那須岳の最高峰という三本槍岳は、打って変わって緑の穏やかな山だった。しかし、一等三角点のある広いザレ(裸地)の山頂は、ハイカーなどの大勢の人間が踏み続けたせいもあるのだろうか、草木は生えていなかった。 それから、ササとハイマツの平地(清水平)を右に見ながらなだらかに下り、長い中ノ大倉尾根を辿って北温泉へ下山した。いたるところで沢山のトンボが飛んでいたが、その正確な種名は分からずじまいだった。→ 赤く色づく前の(避暑に来ていた)アキアカネだったかもしれない。 この日は下山地の北温泉に宿をとった。 第3日目(7月21日): 北温泉から車道を少し登って那須高原道路へ出て、そこから「那須自然研究路」へ入り、八幡温泉のバス停まで歩いてみた。1時間足らずの歩程だったが、那須高原一帯の景色を眺めながらの楽しくてのどかな「散歩」だった。 * 那須岳: 那須五岳などの総称。五岳とは茶臼岳1915m、三本槍岳1917m、朝日岳1896m、南月山1776m、黒尾谷岳1589m、を指しているという。標高で三本槍岳に少し負けているが、盟主が茶臼岳であるのは誰も依存のないことだと思う。 * 峰の茶屋跡に避難小屋: 私達夫婦が訪れた数ヶ月後(H9年の秋)、峰の茶屋跡にログハウス風の避難小屋が新築されたらしい。強風で有名なこの地に逃げ場ができた、ということは、ハイカーにとっては頼もしいかぎりだ。[後日追記] ![]() ![]() 部屋の窓から見た、次々と谷を下る蜻蛉の大群…。あれは、一体、何だったのだろうか…。
このページのトップへ↑ 那須岳A 風が強くてガニ股で歩いた 第1日=東北新幹線・那須塩原…黒磯-《バス60分》-那須山麓駅-《ロープウェイ》-那須山頂駅〜茶臼岳〜峰の茶屋跡・避難小屋〜三斗小屋温泉 第2日=三斗小屋温泉〜隠居倉〜熊見曽根〜朝日岳〜峰の茶屋跡・避難小屋〜那須山麓〜大丸温泉(入浴)-《バス50分》-黒磯駅… 【歩行時間: 第1日=2時間30分 第2日=3時間30分】
山の仲間たち(山歩会)と三斗小屋温泉(今回は煙草屋)に1泊して歩いてきました。 第1日目はロープウェイを利用して山頂へ至り、峰の茶屋からは、かつては茶臼岳の噴気孔から採取した硫黄を牛の背に乗せて運んだという道を、三斗小屋温泉へ下りました。 第2日目は、熊見曽根から朝日岳を経由してふりだしのロープウェイ山麓駅前へ戻り、そこから大丸温泉までテクテクと歩きました。 身体にやさしい(イージーな)コース設定でしたが、那須岳の真骨頂は充分に味わうことができたと思います。火山性の岩山(茶臼岳や朝日岳など)の凄まじい景色や、そんなガレに咲くウラジロタデなどの地味な植生もたっぷりと観察しました。山の麓や中腹のあちこちではノリウツギが白く咲き、三斗小屋温泉から山稜へ至る山道ではギボウシ、オヤマリンドウ、ソバナ(ミヤマシャジン?)などが紫色に咲いていました。いい山は、何回行ってもいい山だと思いました。 両日ともお天気はまぁまぁだったのですが、特に稜線上の峰ノ茶屋跡(ログ風の避難小屋が建っています)付近は風の通り道としても有名とかで、物凄い強風でした。下山後の温泉に浸かりながらの雑談の中で、男性メンバーのKさんからずばり言われてしまいました。 「風対策についてTamuさんは “重心を低くしろ! ガニ股で歩け!” と指示していたけれど、それならTamuさんは特に何もしなくても大丈夫だね」 、だって…。 ![]() 泉質などは「大黒屋」と殆ど同じ。湯量はどちらも豊富。宿泊料は若干「煙草屋」のほうが安いようだ。(H19年8月現在、「煙草屋」は1泊2食付一人8,000円、「大黒屋」は同8,800円) どちらも日帰り入浴は不可とのこと。 さて、結論はどっちだ!? * この後、煙草屋にも個室が用意されたそうです。また、令和3年11月現在、1泊2食付きの宿泊料については両館とも同額(税込みで10,000円)になっています。[後日追記] 那須岳B 再び山の仲間たちと… 第1日=東京07:00-《東北新幹線なすの251号》-08:08那須塩原8:35-《バス》-9:52那須ロープウェイ・山麓駅-《ロープウェイ》-山頂駅〜茶臼岳1915m〜峰の茶屋跡〜三斗小屋温泉「煙草屋」(標高約1460m) 第2日=三斗小屋温泉7:15〜隠居倉1819m〜熊見曽根〜朝日岳1896m(巻道)〜峰の茶屋跡〜峠の茶屋〜那須ロープウェイバス停-《バス》-那須塩原駅-《東北新幹線》-東京…
山の仲間たち(山歩会)と再び同コースで…久しぶりに…那須岳に登ってきました。 景観に優れ、岩っぽい山稜も魅力的で、花もいろいろ咲いていたり、日本百名山の面目躍如といったところで、流石の那須岳です。三斗小屋温泉の源泉掛け流しの風呂も相変わらずの素晴らしさで…、無事に歩き通せれば最高の山旅になる、筈でした。 第1日目の峰の茶屋跡避難小屋から三斗小屋温泉へ向かって下っていたとき(午後1時40分頃)のことです。佐知子が滑って転倒しそうになり、片手を突いて身を守った…、その左手首を強く捻ってしまいました。応急処置(冷やす・固定する)をしてから…手拭いを2本繋げて三角巾代わりにして腕を吊るしました。そして、暫く休んでから三斗小屋温泉へゆっくりと下りました。痛そうでしたが、特に気分は悪くない、ということで、彼女の歩みはしっかりとしていました。 三斗小屋温泉「煙草屋」のご主人と女将さんにも、いろいろとお世話になりました。 第2日目の行程を若干短縮して(朝日岳往復をカットして)、昼過ぎには那須ロープウェイのバス停に下山することができました。色々と協力していただいたメンバーのみなさまに感謝感激です。ご心配をおかけしました。 山中で目立ってきれいに咲いていたのはホツツジ、オトギリソウ、ヒメシャジン、ウラジロタデ、ノリウツギ、などでした。食草のヨツバヒヨドリに群がるアサギマダラの集団も見ごたえがありました。 注意していたにもかかわらず事故ってしまった今回の山行でしたが、総括としては、下界のくそ暑さを鼻で笑ってしまうような涼しくて清々しい、とてもよい二日間の山旅でした。 * 後日談ですが、佐知子の左手首は矢張り骨折していて、数日間の入院・手術が必要、との医者の診断でした。…まぁ、ギリギリのところで“大過なく”、セーフの状態です。しかし、とはいえ、トシはとりたくないものです、やっぱし…。 ![]()
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