佐知子の歌日記・第十六集
佐知子の歌日記・第四十五集
令和5年10月〜12月
汗染みの残るTシャツどうしやう夏は終わりぬ十月七日
島根県 はじめましてと言ってみる 青空に向け小さき声にて
女三瓶・子三瓶・孫三瓶 家族のような山を抱き男三瓶はあるじのごとし
扇風機しまいて十日後設える石油ストーブや南部鉄瓶など
ボージョレの味わからねど我が作る烏賊の塩辛うまいと皆言う
まだ高い苺と林檎を手渡せば風邪の孫の目にっこりまるい
優勝は大関霧島おめでとうに宿の人は笑む霧島温泉
葡萄色
(えびいろ)にえびの高原染められて静かに歩く二人で歩く
行きずりの聾
(ろう)の少女と「話す」友 十の指にて笑顔をひき出す
契約は1015億円というドジャースへ大谷翔平日本男子ぞ
一日中キッチンまわりを掃除して夕べは湿布す年の暮れかな

汗染みの残るTシャツどうしやう夏は終わりぬ十月七日 (10.7)

呆けゆくわが脳の重さ如何程か今日の青空まぶしいよ、もう・・・ (10.13)

 
荒崎シーサイドをハイキング (10.14)
道違え「ソレイユの丘」にたどり着く童と親の楽しむところ

弁天島の松も美しい!
 荒崎海岸の弁天島

 
都留アルプス (10.20)
UFOのような笠雲あらわれて富士の頂きを被いはじめる
風強く大木の葉はどこへ行くひらりひらひら流されながら

 
島根県への山旅 (10.23〜26)
島根県 はじめましてと言ってみる 青空に向け小さき声にて
足ならしに高瀬山へと登りたり夫と二人で笹かき分けて
(め)三瓶・子三瓶・孫三瓶 家族のような山を抱き男三瓶はあるじのごとし
暗闇に手掘りの洞
(ほら)の背は低く石見銀山の宝は人か
巨大なる注連縄をはる社なり出雲の神に祈る平安
日御碕
(ひのみさき)の灯台に昇り眺めたる海の向こうに島影は無し
西ノ原にて三瓶山を振り返る
 
男三瓶山(左)と女三瓶山(右)

朝五時の日本茶うまし目覚めよと口から喉へ香りひたひた (11.3)

東北の血筋なれどもムコ殿は阪神ファンなり祝日本一 (11.5)

扇風機しまいて十日後設える石油ストーブや南部鉄瓶など (11.12)

木枯らしの一号かもねと言いながら昼の蒲田をふらふら歩く (11.13)

ボージョレの味わからねど我が作る烏賊の塩辛うまいと皆言う (11.16)

まだ高い苺と林檎を手渡せば風邪の孫の目にっこりまるい (11.17)

 九州南東部・4日間の山旅 (11.26〜29)
優勝は大関霧島おめでとうに宿の人は笑む霧島温泉 (11.26)
葡萄色
(えびいろ)にえびの高原染められて静かに歩く二人で歩く (11.26)
くねくねと車道は曲がる目が回る吊り橋揺れる両足すくむ (11.27)
駐車場夕方五台の翌朝は五十台なり格安ホテル (11.27)
歩きづらい林道なれど岩をうつ清き水流を幾たびも眺む (11.28)
左膝かばいつつ着く尾鈴山木々のすきまにちらり山並み (11.28)
一時代前のハネムーンロードかなヤシの並木と青島の宿 (11.28)
これは何?巨岩奇岩を見上げたり双石山は不思議なオブジェ (11.29)
えびの高原にて
 
えびの展望台から韓国岳を望む

麦茶用大きなやかんに穴があき底の二ミリを繕う夫よ (12.3)

歌会の日すっかり忘れカレー煮る友の電話にあわてふためく (12.5)

行きずりの聾
(ろう)の少女と「話す」友 十の指にて笑顔をひきだす (12.8)

契約は1015億円というドジャースへ大谷翔平日本男子ぞ (12.10)

一日中キッチンまわりを掃除して夕べは湿布す年の暮れかな (12.13)

うつらないと言われていても不気味に赤い夫の帯状疱疹 (12.16)

声細く動くと痛いと言う夫の疱疹あれど欠かさぬ晩酌 (12.18)

晩餐のあまたの皿を片す夫五十年目のはじめての家事 (12.22)


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