佐知子の歌日記・第十六集
佐知子の歌日記・第四十六集
令和6年1月〜3月
「津波くる!」必死で叫ぶアナウンサー われも震える能登はどうなる
娘・孫と二代が着たる振袖を贈ってくれし父母を偲びぬ
横須賀の千八百円マグロ丼 三崎が近いとやっぱり旨い
お好みはどちらときかれて困りたりブラッド・ピットとジョージ・クルーニー
ゆうべ降った五センチの雪すでに消え ぴっちゃぴっちゃとゴミ出しに行く
笑う人頷く人いる講演会 聴こえぬわれは唯すまし顔
急な坂をスニーカー履き手には杖 地元老婆の日課の歩み
「青春18きっぷ」を持ちて行きたるは芦屋駅まで七十路こえて
六甲山すなわち眼鏡をなくしたと多分記憶にとどまるだろう
大相撲じっくりテレビを観るために朝から仕込む激辛カレー

「津波くる!」必死で叫ぶアナウンサー われも震える能登はどうなる (1.1)

駅伝のケニアの選手足長くスーイスイスイ走り過ぎたり (1.2)

あと一分ずれていたならの思いありJALと海保の接触炎上 (1.2)

年末の疲れたまりて鼻水と熱と咳とが我を支配す (1.6)

娘・孫と二代が着たる振袖を贈ってくれし父母を偲びぬ (1.8)

 
大楠山ハイキング (1.14)
大楠山「火気厳禁」の貼り紙に鍋山行の予定失せたり
横須賀の千八百円のマグロ丼 三崎が近いとやっぱり旨い

斜むかいのアパート火事と電話きて夫は飛び出す娘の家へ (1.19)

年上の親類四人集まれば競いて話す己がボケ具合 (1.21)

 
弘法山ハイキング (1.23)
大鍋を囲み年始の初登山 予定のアルプスがんばろう・・・ねと

お好みはときかれて困るテレビにはブラッド・ピットとジョージ・クルーニー (2.2)

夕食は要らぬと息子「・・・たっく」昼に山盛り炒飯作って食べて (2.4)

もうすでに雪の予報に喜ばぬ齢となりてラジオ体操す (2.5)

ゆうべ降った五センチの雪すでに消え ぴっちゃぴっちゃとゴミ出しに行く (2.6)

 
高幡不動尊から南平丘陵 (2.11)
如月の高幡不動ゆ眺めたる富士山くっきり奥多摩すっきり

笑う人頷く人いる講演会 われ聴き取れず唯すまし顔 (2.14)
 
養老孟司先生の講演会に参加して

道すがら天神様の梅咲きて確かめるごと香り嗅ぎおり (2.14)

 2月の大菩薩嶺登山 (2.17〜18)
明日から晴れの予報に小躍りし急ぎリュックにアイゼン入れる
シャッターを三回押す間に富士は消え ため息ばかりの大菩薩かな
ストックがどこへ行ったか見当たらぬ温泉までは使っていたが・・・
山稜の霧氷

 池上梅園にて
花はもう盛りを過ぎてしまえども梅園に人あまた眺める (2・24)

日曜は囲碁と将棋を平日は洋画に夫のチャンネル権よ (2.25)

登山用ヤッケやシャツのプレゼント金婚式にと二人子からの (3.1)

 
玄岳ハイキング (3.2)
急な坂をスニーカー履き手には杖 地元老婆の日課の歩み
富士山の近くに来たのに雲が湧く 恨み辛みの玄岳
(くろたけ)山頂

日本語力怪しくなりぬ娘からのメール違えて夕食作らず(3.8)

 
兵庫県への山旅(六甲山) (3.10〜13)
「青春18きっぷ」を持ちて行きたるは芦屋駅まで七十路こえて
六甲山すなわち眼鏡をなくしたと多分記憶にとどまるだろう
姫路城白く美し 城内は戦に備える基地ではあるが
六回の乗り換えをして横浜へ 旅の〆には「ライオン」のビール
六甲山の風吹岩にて

スモッグやほこりを払う大雨の 後の東京ビル群綺麗 (3.20)

大相撲じっくりテレビを観るために朝から仕込む激辛カレー (3.22)

一面に通訳の賭博 裏面に敬礼の小野田少尉の記事 (3.26)


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