Development of 136kHz Slow-Hell-Transmitter
[136kHz Slow-Hell送信機の開発]
7L1RLL(若鳥)
09 January 2016, V.1.6
A Sample of 136KHz Slow-Hell Receiving Image by Argo in QRSS30 mode.
The callsign is represented by a sequencial multi frequencies technique within 1.125Hz of narrow bandwith around 137770.6Hz.
"Hell" is based on Rudolf Hell(1902-2002) who invented the first dotted-character telegraph system named Hellschreiberdies in 1929.
[136KHz Slow-Hellによる呼出符号のArgo受信例。およそ137,770.6Hzを基準に狭い周波数偏移幅1.125Hzに絵文字が納る。
語彙“Hell”は,1929年にRudolf Hellによる点による絵文字電信機(Hellschreberdies)の発明をたたえるために冠している。
ここでのHellは,一般英語の“地獄”を意味しない。Hellschreiberは,ドイツ語で“HELLの(奇怪な)文字を描く仕掛け”位の意味らしい[TNX JA1QQU]。
冒頭に例示の筆者の呼出符号のデータ生成には,可変字送りフォント(Proportinal pitch font),
食込み文字(Kerning)機構を模擬している。例えば,“R”と"1"とは横幅(つまり,字送り幅)が3倍異なるし,
“1”は,“L”の上部の空いた部分に食い込ませるなどして,全体として,所要時間を短縮している。
これら技巧(Technique)及び(又は)芸術性(Arts)を有効に利用していただくために,絵文字データは利用者の好み・有効性などを勘案して利用者が作成・組入れできるように入口を開けてある。
1. Abstracts(概要)
This page summarises 7L1RLL's Slow-Hell Transmitter for 136KHz Low Frequency band (hereafter LF).
[このページには,筆者(7L1RLL)の136kHz長波帯(LF)向けのSlow-Hell送信機開発の概要を示す。]
アマチュア無線のHellschreiberモードは,主にHF短波帯での計算機援用通信のモードとして用いられてきた。中波及び長波では計算機及び音声生成機構を利用して主にソフトウエア
によって単調音を生成,送信機に入力して送信されてきた。
このバンドに絵文字方式によってビーコン送信機を作ろうという発想で,JR6RMZ,JH1ARY及び7L1RLL(筆者)の3人で開発プロジェクト(開発名=QRSS_IMAGE)を2010年3月に立ち上げて試作してきた。
2010年7月1日現在,試作段階から本製作段階へ移行し,筆者の試作機は,2010年6月25日付けでTSSの保証認定も取得して,
即日,関東総合通信局での局免許状変更を申請し,
2010年6月25日“到達”,2010年6月29日“受付処理中”,2010年7月1日“審査中”,2010年7月9日“審査終了”,2010年7月14日免許状受取という状態にある。
電波形式は,絵文字の部分がF1B(多周波断続,占有帯域:1.125Hz),CWによる呼出符号送出部分がA1A(単一周波数のモールス符号による断続)である。
絵文字形成技術は,Feld Hell(折返しヘル)及びSequencial Multi Frequency Hell(順次多周波ヘル,略称SMF-Hell)に大別されるが,ここでは後者のSMF-Hellと呼ばれる方式で,
縦軸:周波数領域(Frequency domain),横軸:時間領域(Time domain)を使っている。時間領域は,QRSSの受信時間(写真の時間軸例:QRSS30)に合わせている。
1.1 Purpose for the experiments(実験の目的)
- Study on LF band(長波帯の性質の研究)
アマチュア無線に新しく(2009年3月30日に)与えられた未知の周波数帯の性質を研究し,知見を得る。
- Study on LF antennas(超短縮アンテナの研究)
波長=2200mに比べて,超短縮アンテナのアマチュアでの最適解を探る。
- Study on Propagation in LF(長波での微弱電波伝搬の研究)
このSlow-Hell送信機の開発は,この目的の実験のための金物の準備に相当する。QRSS(遅い電信)が1波又は2波の断続であるのに比べて,
Slow-Hellは多周波を断続させ,雑音耐性などの実験を行い,知見を得る。
1.2 Hardware for 136kHz Slow-Hell TX(136kHz Slow-Hell送信機)
この送信機は,移動運用を想定し,最大でも出力2W,占有帯域幅1.125Hzで,免許条件の100Hzを越えない免許条件を備えている。
発射可能な電波形式は,絵文字がF1B(帯域:1.125Hz),電信がA1Aである。
An development model of 136kHz-Slow-Hell Beacon transmitter is shown below. (Clickable map is prepaired for all switches and lamps.)
136kHz Slow-Hellビーコン送信機の試作機の正面写真を次に示す(スイッチ又はランプ近辺のクリックによってその機能説明へ飛ぶ)。
A font view of 136kHz Slow-Hell Transmitter[試作したSlow-Hell送信機の正面写真]
この試作機は,別途,製作したQRSS_Beacon_Keyerのプログラム試験機としても機能するように,
Slow-Hell送信機だけのスイッチよりも多くを取付けている。
ランプの色は,操作者に注意を促す場合に黄色(暖色系),正常動作の場合に緑色(寒色系)とし,国際的な安全の慣習に従った。
この装置の場合,人体に損傷を与える危険な操作はないので,赤ランプはない。
1.3 Functions(機能)
この試作装置は,試験モード,書込みモード,送信モードの三種類の機能を提供する。
1.3.1 Test Mode(試験モード)
装置の大まかな動作を試験するモードであって,絵文字データとして“HELL”,
CW識別子として“VVV HELL”をメモリに自動生成した後,絵文字送信モードとなる。
1.3.2 Write Mode(書込みモード)
この装置に利用者データを学習させるモードであって,装置背面の2.5mmステレオジャックに接続した計算機から,
利用者の呼出符号の絵文字(16進数表現の10行,最大15バイト)及び呼出符号(ASCII表現,最大12バイト)を取得する機能である。
データ区切子は復帰記号(CR,0x0D)及び改行(LF,0X0A)とする。
これらの区切子の一組を呼出符号及び10行の絵文字データの末尾に付ける。
これらの区切子の到来によって,装置はそれぞれのデータの末尾と判定する[自由長]。
この装置がデータを受取る順序は,呼出符号,絵文字第1行(最上行),
第2行,...,第10行(最下行)とする。
1.3.3 Send Mode(送信モード)
送信モードは,絵文字送信副モード及びCW識別子送信副モードの連接からなり,特に指示しない限り,無限に繰返す。
- Image Character Send Sub-Mode(絵文字送信副モード)
この副モードは,揮発性メモリ(試験モード時)又は不揮発性メモリに記憶させた絵文字データを予め計算した周波数及び時間表に従って,送信する。
もし,初期状態であって,絵文字を学習させていない場合,15*8本の斜線が送信される[スプリングの側面図風又は縄の絵]。
-
CW-Identifier Send Sub-Mode(CW識別子送信副モード)
この副モードは,呼出符号をモールス符号(速度約20WPM)を自動送信する機能である。
このCW識別子送信は,SendIDスイッチをオフすることによって,送らないようにすることができる[この場合,絵文字データとして,呼出符号を送信されることを推奨する。]。
2. Character Generation Technique(絵文字生成技巧)
2.1 Font Data Creation[絵文字データの生成]
An Example of Font Data Creation(絵文字データの生成例)
絵文字幅,字送り寸法,食い込み文字など利用者の好みで設計されたい。そうは言っても,点の数に制約があり,文字としての識字率の良い文字列にするのが基本である。
この例では,送信時間の短縮のために,文字の横幅を節約し,8ビット境界を無視して絵柄を設計し,全体で3バイトのデータ長さにしている。
2.2 Creation of Character(文字の生成の解説)
文字の生成は,順次多周波数HELL(Sequencial Multi Frequency HELL)方式に分類される技巧を使っている。データの縦軸が周波数領域,横軸が時間領域である。
つまり,周波数を順次上げながら,絵文字に必要な時刻だけ送信して,人にはあたかも文字であるように見せるのである。
この方式によって,文字に見せる模擬的な絵を次に示す。
この装置では,一定時間に10段階の音程を発生させ,文字を合成するに必要な音程のときだけスイッチをオンし,
遅い表示面では最初の10音階の右側に次の10音階の時間軸が詰まって表示されるように制御している。
周波数の断続は,必要な周波数だけ希望時間に発生させても良いし,順次段階周波数を出した後で断続させても,絵文字として再生される[2方法とも実験済み]。
このように分析的に見ると,ある時点では単一周波数の断続(A1A)であって,順次10周波数を規則的に断続して10波のCWを送っていることに他ならない。よって,電波形式A1Aとも解釈できる。しかし,ここでは,4アマにも使っていただくために,電波形式F1Bを取得している。
別な言い方をすれば,この機械は,予め呼出符号の文字列を学習させて,周波数と時間とを決められたとおりに繰返すロボットでもある。
3. Slow-Hell Editor(Slow-Hell編集系例)
4. 136kHz Slow-Hell Related Licenses(136kHz Slow-Hellの免許取得)
筆者(7L1RLL)の136kHz帯のSlow-Hell送信機は,電子申請を利用
したTSS保証認定事業部経由の日本国の関東総合通信局長(担当:無線通信部陸上第3課)への変更申請である。この占有帯域は,100Hz以下の条件を満たしている。
読者の参考のため,免許申請時に添付した送信機系統図の写し及びTSSへの提出資料の写しを次に示す(送信機番号は,各自の実情に合わせて変えられたい。)。
- 136kHz Slow-Hell Tranmitter Block Diagram(136kHz Slow-Hell送信機系統図)
Slow_Hell_Block.JPG
- Block Diagram of AKI-DDS Kit for 136kHz Slow-Hell Tranmitter(AKI-DDSキットの利用図)
Block Diagram of AKI-DDS Kit.JPG
- Description of AKI-DDS Kit(AKI-DDSキットの説明書)
AKI-DDS.pdf
- Description of ICAS 136kHz Tranmitter Kit(ICAS 136kHz送信機キットの説明)
ICAS 136kHz TX.htm(外部リンク)
- A Sample Image of Slow-Hell(Slow-Hell受信画面見本)
Slow_Hell_Test_Pattern.jpg
5. History(履歴)
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2010.7.1,First Release(開示)
公開開始した。2010.06.11:TSS保証認定願い提出。
2010.06.25:TSS保証認定終了。2010.06.25:関東総合通信局に送信機増設申請“到達”,2010.06.29:“受付処理中”,
2010.07.1:“審査中”,2010.07.09:“審査終了”, 2010.07.14:“免許状が到着”した。
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2010.7.2,Add Rudolf Hell(Hell由来を変更)
印字電信機の発明者:Rudolf Hell,発明品:Hellscreiberdiesと訂正。
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2010.7.9,the License on Slow-Hell-TX was authrized(免許審査終了)
Slow-Hellビーコン送信機の関東総合通信局の審査が”審査終了”になり,2010年7月14日に免許状を郵便で受取った。
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2010.7.19,Addtion of functional description for lamps(ランプ群の説明更新)
未完成だったClickable mapのランプ説明を更新した。同時に1.機能を簡単に説明した。
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2010.8.27,Addtion of Block Diagrams(系統図追加)
免許申請の系統図を追加した。
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2011.8.24,Addtion of Slow-Hell Editor(Slow-Hell編集系追加)
絵柄データの編集系を追加した(TNX JH1ARY)。
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