475kHz Study on Variation of Earth Resistance to EIRP
[475kHz EIRPへの接地抵抗の及ぼす影響の実験]
7L1RLL(若鳥)
02 November 2017 V.1.0.3
An Example of EIRP Calcuration by Variation of Earth Resistance is shown here.
Above photograph is a variable resistor unit for this experiment as a tool.
[ここでは,475kHz(中波帯)用ワイヤアンテナのEIRP(等価等方輻射電力)を計算するMS_EXCELプログラムを用いて
アンテナ整合コイルのインピーダンス変換トランスの引出線ごとの最小接地抵抗値を疑似計算したので紹介する。
上の写真は,実験道具の一つとして組立てた可変抵抗器100W/50Ωである。]
1. Abstracts(概要)
This page summarises 7L1RLL's experiment on EIRP calcuration program for 475kHz Medium Frequency band (hereafter MF).
[このページには,筆者(7L1RLL)の475kHz中波帯(MF)のEIRP計算プログラムの実験を示す。]
1.1 Purpose of the experiments(実験の目的)
- Pre-calcuration of EIRP before Installation of Antenna and Earth(EIRP制限の順守)
運用に当たって,EIRP制限を必ず順守できるように,事前計算する。
- Establishment of an EIRP monitor method(接地電流の監視手段の確立)
接地電流計によって,大まかなEIRP上限を監視できるようにする。
1)アース抵抗の低減努力の結果,傘型アンテナの直下の100mの河川ガードレールと小型乗用車の車体とをアース極とすると,
良いときには10Ωを切る状態が観測された。この状態では,送信機出力20W程度に抑えていたが,
上の写真の可変抵抗器によって接地抵抗を増加させ,最大出力35WのときでもEIRP:1W以下を実現する方法を実験した。
2)現実の接地抵抗は,季節,天候,設置場所などによって変動し,河川ガードレールの場合,大雨のあくる日で土壌がぬかるんで
いる状態のときに抵抗値が上昇するように感じる(非科学的な感触)。
1.2 Schemadic drawing of testing circuit(対象アンテナ回路)
計算対象の長中波のアンテナ等価回路を次のFigure 1に示す。送信機からの出力は,インピーダンス変換トランス経由で,アンテナ整合コイル(L)に導かれ,
アンテナ容量(C)と共振してL分が打ち消され,インピーダンス(Zo)はコイル抵抗(Rc),接地抵抗(Re)及びアンテナ放射抵抗Ra(約0.1Ω)の合計となる。
ある一定のコイル抵抗(Rc)としたとき,接地抵抗(Re)が減じるとアンテナ電流が増加する。
Figure 1. Schematic Diagram of Antenna Evaluation Circuit(アンテナ評価試験回路)
1)f=1/(2.0*Pai*Root(C*L)。ここで,f=共振周波数[Hz],Pai=円周率,
Root(x)=xの平方根,C=アンテナ容量,L=アンテナ整合コイルのインダクタンスを示す。
2)マルコニ型アンテナ:垂直接地型アンテナと同義で,マルコニの業績をしの(偲)んで呼ばれる(特に欧州。対比語:ヘルツ形)。
3)ここで実験に用いたアンテナは,垂直接地型アンテナで,垂直部:10m,水平部:20mで,水平部は遠方に広がるに
連れて低くなっている。傘(Umbrella)型アンテナとも呼ばれる。
4)ここで実験に用いたインピーダンス整合コイルの引き出し線は,一次側50Ωに対して,二次側は14.5,18.9,23.9,
35.8,42.6,50.0,57.9及び66.6Ωである。
2. Modification of EIRP Calc program(EIRP計算プログラムの変更)
2.2 After Modification(変更後の計算プログラム)
2.2.1 Major modificatio(主な変更)
- インピーダンス整合タップ別のEIRPの計算
コイル抵抗と接地抵抗値との合計とインピーダンス整合タップとは,平均タップ間隔(ここでは,約5Ω)との
差が平均2.5Ω生じ,反射損失が変動するので,タップごとに反射損失を計算し,その反射損失から実際に計測している電圧定在波比VSWRを求めた。
- 電圧定在波比(VSWR)の計算式 V.1.0.3
インピーダンス整合タップごとに計算された反射係数から,VSWRを次の式2.1によって計算した。
VSWR=(1+絶対値(反射係数))/(1-絶対値(反射係数)) --- 式 2.1
- 接地電流(Ei)の計算式 V.1.0.2
インピーダンス整合タップごとに計算された反射係数から,Eiを次の式2.2~式2.4によって計算した。
電力 = (出力電力Po)-(絶対値(反射係数による損失分)) --- 式 2.2
抵抗 = 接地抵抗とコイル抵抗との合計(放射抵抗は省略)--- 式 2.3
接地電流 = 平方根(電力/抵抗) --- 式 2.4
2.2.2 Modified EIRP Calc Program(変更後のEIRP計算プログラム)
An Example of EIRP Calcuration using MS_EXCEL is shown in Figure 2.
[475kHz(中波帯)用ワイヤアンテナのEIRP(等価等方輻射電力)を計算するMS_EXCELプログラムを用いて
アンテナ整合コイルのインピーダンス変換トランスの引出線ごとの最小接地抵抗値を疑似計算した例をFigure 2に示す。]
Figure 2 Earth Resistor variation Program(接地抵抗変化によるEIRP計算例)
2.2.3 Outline of EIRP(EIRP計算の説明)
後述するExcelプログラムをダウンロードすれば,Figure 2.のデータ(指定値及び式)は,すべて入力されているので,
セルの数字(式)の意味が分からない場合に参照されたい。
- Wave Length(波長λ(指定値)[m])
計算対象の波長[単位m]を1行B列(B1)に入力する。
例えば,136kHz帯:300,000[km]/136[kHz]=2,200,475kHz帯:300,000[km]/475[kHz]=630とする。
- Height of Antenna(高さH(指定値)[m])
計算対象のアンテナの垂直高さ[単位m]を2行B列(B2)に入力する。例:10
- Horizontal Length of Antenna(水平長L(指定値)[m])
計算対象のアンテナの水平長さ[単位m]を3行B列(B3)に入力する。例:20
- Output Power(出力電力Po(指定値)[W])
計算対象の送信機の出力電力Po[単位W]を4行B列(B4)~4列F列に入力する。例:35
- Earth Resistance(接地抵抗Rloss(指定値)[Ω])
- 5行B列:接地抵抗5.8Ω
計算対象の接地抵抗[単位Ω]を5行B列(B5)に入力する。例:5.8(この値は,EIPRが1Wを越えないように増やした値である)
- 5行C列:接地抵抗6.9Ω
計算対象の接地抵抗[単位Ω]を5行C列(C5)に入力する。例:6.9(この値は,EIPRが1Wを越えないように増やした値である)
- 5行D列:接地抵抗7Ω
計算対象の接地抵抗[単位Ω]を5行D列(D5)に入力する。例:7(この値は,EIPRが1Wを越えないように増やした値である)
- 5行E列:接地抵抗15Ω
計算対象の接地抵抗[単位Ω]を5行E列(E5)に入力する。例:15
- 5行F列:接地抵抗20Ω
計算対象の接地抵抗[単位Ω]を5行F列(F5)に入力する。例:20
- 6行B~FへCoil RF Resistance(コイル抵抗Rcoil(指定値)[Ω])
計算対象のアンテナ整合コイルの高周波抵抗[単位Ω]を6行の(B6),(C6),(D6),(E6)及び(F6)にB6と同じ値を入力する。例:14.5
- 7行:接地抵抗Reとコイル抵抗Rcとの合計
7行A列(A6)に接地抵抗とコイル抵抗との合計(計算値)[Ω]
B7に=B5+B6,C7に=C5+C6,D7に=D5+D6,E7に=E5+E6及びFに=F5+F6と式を設定する。
- 8行:Output Power(整合トランスインピーダンスZo(指定値)[Ω])
インピーダンス整合トランスの2次側インピーダンスZoの値を8行B列(B8)に14.5,(C8)に18.9,(D8)に23.9,(E8)に29.6及び(F8)に35.8を入力する。
2.3 Equations or Constant Part(計算値又は定数値)
- Antenna Gain Constant(利得Gi(定数値))
計算対象のアンテナの利得(総務省指定値[単位なし],地面を理想大地としたときの反射による利得向上)を9行B列(B9)に入力する。
例:3
- Power Factor of Antenna(電力換算係数p(計算値)[単位なし])
計算対象のアンテナの高さH(B2)と水平長さL(B3)の値によって,
倍数が1,2又は4になるように次の計算式を10行B列(B10)に入力する。
これは,水平長(B3)=0の場合:等倍,H/2<水平長(B3)かつ水平長(B3)<=2*高さH(B2)の場合:3dB増加(2倍),
2*高さ(B2)<水平長(B3)の場合:6dB増加(4倍)させている。
=IF(AND(B3=0,B2>0),1,IF(AND(B2/2<B3,B3<=2*B2),2,IF(2*B2<B3,4,1)))
計算結果例:2
- Radiation Resistance(放射抵抗Rin(計算値)[Ω])
計算対象のアンテナの放射抵抗Rinは,波長(B1)とアンテナ高さ(B2)とによる次の計算式を11行B列(B11)に入力する。
=10*(2*PI()/B1*B2)^2
計算結果例:0.099466913
- Refrection Factor(反射係数Γin(計算値)[単位なし])
計算対象の反射係数Γin(ガンマ_イン)の次の計算式を12行B列(B12)~F列(F12)に入力する。
この反射係数は,接地抵抗,コイル抵抗)及び放射抵抗の合計と
整合トランス1次側インピーダンス(B8~F8)とによる反射を見ている。値が負数になる場合,整合トランス
のインピーダンスの方が高いことを示し,正数の場合は整合トランスのインピーダンスの方が低いことを示す。
EIRP,接地電流及びVSWRの計算に使うときは絶対値とする。
- 12行B列:整合トランスインピーダンス14.5Ωの反射係数
=(($B$11+B$7)-B$8)/(($B$11+B$7)+B$8)
計算結果例:0.1690417
- 12行C列:整合トランスインピ^ダンス18.9Ωの反射係数
=(($B$11+C$7)-C$8)/(($B$11+C$7)+C$8)
計算結果例:0.064344
- 12行D列:整合トランスインピーダンス23.9Ωの場合の反射係数
=(($B$11+D$7)-D$8)/(($B$11+D$7)+D$8)
計算結果例:-0.05056
- 12行E列:整合トランスインピーダンス29.6Ωの場合の反射係数
=(($B$11+E$7)-E$8)/(($B$11+E$7)+E$8)
計算結果例:-0.00000900494
- 12行F列:整合トランスインピーダンス35.8Ωの場合の反射係数
=(($B$11+F$7)-F$8)/(($B$11+F$7)+F$8)
計算結果例:-0.017053156
- EIRP Calcuration(等価等方輻射電力EIRP(計算値)[単位W])
計算対象のEIRPを得るために,次の計算式を13行B列(B13)~F列(F13)に入力する。
- 13行B列:整合トランスインピーダンスが14.5の場合のEIRP
=($B$11/(B$7+$B$11))*$B$9*(1-ABS(B$12)^2)*B$4*$B$10
計算結果例:0.9946913
- 13行C列:整合トランスインピーダンスが18.9の場合のEIRP
=($B$11/(C$7+$B$11))*$B$9*(1-ABS(C$12)^2)*C$4*$B$10
計算結果例:0.967539
- 13行D列:整合トランスインピーダンスが23.9の場合のEIRP
=($B$11/(D$7+$B$11))*$B$9*(1-ABS(D$12)^2)*D$4*$B$10
計算結果例:0.964591
- 13行E列:整合トランスインピーダンスが29.6の場合のEIRP
=($B$11/(E$7+$B$11))*$B$9*(1-ABS(E$12)^2)*E$4*$B$10
計算結果例:0.70569013
- 13行F列:整合トランスインピーダンスが35.8の場合のEIRP
=($B$11/(F$7+$B$11))*$B$9*(1-ABS(F$12)^2)*F$4*$B$10
計算結果例:0.603534651
- Earth Current(接地電流Ei(計算値)[A]) V.1.0.2
出力電力Poから,整合トランスインピーダンスの反射損を減じてから抵抗で乗算して接地電流を求めるために,次の計算式を14行B列(B14)~F列(F14)に入力する。
この計算の根拠は,電力=抵抗*(電流)^2という公式を変形して,電流=平方根(電力/抵抗)による。更に,反射係数は正負があるので絶対値とした。
(!-- 2nd level -->
- 14行B列(B14):整合トランスインピーダンスが14.5Ωの場合の接地電流
=SQRT(B$4*(1-ABS(B$12))/B$7)を入力する。
- 14行C列(C14):整合トランスインピーダンスが18.9Ωの場合の接地電流
=SQRT(C$4*(1-ABS(C$12))/C$7)を入力する。
- 14行D列(D14):整合トランスインピーダンスが23.9Ωの場合の接地電流
=SQRT(D$4*(1-ABS(D$12))/D$7)を入力する。
- 14行E列(E14):整合トランスインピーダンスが29.6Ωの場合
=SQRT(E$4*(1-ABS(E$12))/E$7)を入力する。
- 14行F列(F14):整合トランスインピーダンスが35.8Ωの場合
=SQRT(F$4*(1-ABS(F$12))/F$7)を入力する。
- Voltage Standing Wave Ratio(電圧定在波比VSWR(計算値)[単位なし]) V.1.0.1, V.1.0.3
計算対象の整合トランスインピーダンスごとの反射係数から電圧定在波比を求めるために,次の計算式を15行B列(B15)~F列(F15)に入力する。
- 15行B列:整合トランスインピーダンス:14.5Ωの場合のVSWR
=(1+ABS(B$12))/(1-ABS(B$12))
計算結果例:1.4068598
- 15行C列:整合トランスインピーダンス:18.9Ωの場合のVSWR
=(1+ABS(C$12))/(1-ABS(C$12))
計算結果例:1.137538
- 15行D列:整合トランスインピーダンス:23.9Ωの場合のVSWR
=(1+ABS(D$12))/(1-ABS(D$12))
計算結果例:1.106509
- 15行E列:整合トランスインピーダンス:29.6Ωの場合のVSWR
=(1+ABS(E$12))/(1-ABS(E$12))
計算結果例:1.00001801
- 15行F列:整合トランスインピーダンス:35.8Ωの場合のVSWR
=(1+ABS(F$12))/(1-ABS(F$12))
計算結果例:1.034698023
- Antenna Capacitance(アンテナの自由空間容量(計算値)[F])
計算対象のアンテナの自由空間容量Cはアンテナ合計長(B2+B3)に6[pF/m]を乗ずる次の計算式を16行B列(B16)に入力する。
=(B2+B3)*6E-12
計算結果例:1.8E-10(つまり,180pF)
- Inductance of Coil(整合コイルのインダクタンス(計算値)[単位H])
計算対象のアンテナの自由空間容量C(B16)に対して波長λ(B1)が
共振するインダクタンスは,次の計算式を17行B列(B17)に入力する。
=1/((2*PI()*300000E+3/B1)^2*B16
計算結果例:0.0006206(つまり,620μH
- Quality Factor(アンテナの整合コイルの良さQ(計算値)[単位なし])
計算対象のアンテナの整合コイルの良さQとして次の計算式を18行B列(B18)に入力する。
=2*PI()*300000E+3/B1*B17/B6
計算結果例:185.0557
3. Results of the Experiment(実験結果)
3.1 Before this modification(従前の方法)V.1.0.1
整合コイル抵抗と接地抵抗との合計が18.9Ω以下の場合,送信機出力を20Wに1段階減じて運用していた。
しかし,これでは,EIRPは0.8W台までしか上げられない(Figure 3.参照)。
Figure 3. Reduce Power to 20W when Re=14.5 or Re=18.9(接地抵抗が18.9Ω以下の場合,電力20Wに低減する例)
この実験に使用している送信機JUMA TX500改は,送信出力をMIN=5W,LOW=20W,HI=35W,(Max=60W,プログラムで排除)の
ように階段的設定だから,1段階下げると20Wとなる。他には,供給電圧を13.8Vより下げる方法も存在する。
3.2 Easy to Calcurate of EIRP(最低接地抵抗値の判明)
整合コイル抵抗と接地抵抗との合計が23.9Ωを下回る場合,送信機出力を減じるか又は接地に直列に7Ω以上の抵抗を
直列に挿入すれば,VSWRを低く抑えながら,EIRPを1W以下にできることが計算によって得られた。
別な見方をすれば,整合トランスインピーダンスが最低の14.5Ωの使用中に,余りに低い接地抵抗の場合,直列抵抗を入れて
反射係数を増加させ(整合損失を増加させ),EIRPを下げているともいえる。このように接地抵抗を人工的に増加させた場合,
整合トランスインピ^ダンスを次の18.9Ωに変えるのが正しい。
3.3 Validation of EIRP at the Installation(設営時の接地抵抗の補正)
接地抵抗値は,設営して初めて確定するが,接地がたまたま低過ぎる場合,直列抵抗を挿入し,EIRP:1W以下に抑えることができる。
3.5 Validation of EIRP at the Installation(実際の運用例)
日時:2017年10月27日8:32UTC,運用地:日本国神奈川県横浜市青葉区下谷本町(谷本川右岸)で,送信機:JUMA TX500改,受信機:FT991M,アンテナ:10mh(容量環:20m)
傘型アンテナ,整合トランスインピーダンス:29.6Ω,可変抵抗器で約4Ωを接地抵抗値に加えて,VSWR=1.0にして,送信機出力:35Wで送受を繰返した。
最初の出力が35Wで,次のサイクルでは供給直流電圧が低下して,出力:33W程度に低下した。
この時間(日没後1時間半経過)は,偶然にも,ハワイと日本列島との間の伝搬状態が良く,K9FDの電波を日本国の5局が受信できていた(Figure 4.参照)。
- ハワイのK9FD局に届いた様子
日本国の7L1RLLとJA1PKGの2局とがハワイに届いた(Hearing)。この時間にハワイのK9FD信号を日本国で受信できた局(Heared by)は,
7L1RLL2,JA1NQI/2,JA1PKG/2,JH1XCU及びJR1IZMの5局だった。
Figure 4. K9FD received(ハワイ局K9FDの送受信状態)[出典:http://WSPR.net/Mapから複製]
- 現場での受信状態
2017年10月27日8:32UTC,現場で筆者が運用していた7L1RLL2の受信系がハワイのアマチュア無線局K9FDWSPR型式送信電波を捉えて,WSJT-X画面に表示した。
この7L1RLL2は送信アンテナと同じアンテナを切替えて,受信していたものである。
当日18時JSTに撤収開始するまでに3回受信できた。主波475.702Hzの約100Hz低い周波数に-50dBより低い不要波も観察している(規格内)。
なお,自局(7L1RLL)の送信波は,空間結合している(Figure 5.参照)。
Figure 5. Monitoring by 7L1RLL2 at the place(現場での7L1RLL2の受信状況)[出典:受信機と連動させていた計算機応用系WSJT-Xの表示画面を複製]
1)受信機と計算機との接続詳細は,
アマチュア無線へのタブレットPCの応用例を参照。
2)WSPRモードの場合,呼出符号の直後の数字又は斜線+数字は,受信系を区別する符号でしかない。例えば,/2は,受信系2を意味する。
3.4 Further Studies Items(残存事項)
- 無保証
ここでの計算式は,総務省発行の“136kHz及び475kHz帯を使用するアマチュア局に係る等価等方輻射電力について”を
MS_EXCELにプログラムしたが,境界条件で誤差が生じていないかどうかの検証はこれからである。
よって,計算値は,参考としていただきたい。
例えば,インピーダンスが一致している場合でも,VSWRが1.00にならなくて,小数3位以降は誤差を示している。
- 簡便な監視方法の確立:V1.0.2で解決
同じ垂直接地型アンテナを定常な高さに設置する限り,アンテナ利得,電力換算係数及び放射抵抗が同じと仮定すると,
EIRP計算値=1Wのときの接地電流計(アンテナ電流に等価)に印を付与して監視するなどの簡便な方法の確立はこれからである。
- 本当に接地抵抗が下がったのかの疑問 V1.0.3
接地抵抗を10Ω以下に下げるのは相当な接地が求められるものだが,河川ガードレール接地と車体接地とを
併用する場合,高周波の近接短絡経路が生じて接地抵抗が見掛け上低いのではないか? 又は,誤測定によって接地抵抗が
低いと誤解しているだけなのではないか? これは,電流計を常時観測しながら車内配線経路を変更してみるなどの実験の継続
によって後日判断したい。
4. History(履歴)
-
2017.10.29,First Release(開示)
V1.0.0. 公開開始した。
-
2017.10.31,Addition of Power Reduction(電力低減の計算例追加)
V1.0.1. 接地抵抗とコイル抵抗の合計が18.9Ω以下の場合,電力低減するときの計算例を示した。
-
2017.11.01,Addition of Earth Current(接地電流の計算追加)
V1.0.2. 接地電流の計算と1.2Aを監視すれば過大出力を予防できることを示した。
-
2017.11.02,Modification of VSWR Equation(電圧定在波比の計算式変更)
V1.0.3. VSWR計算式を単純化した。なお,計算結果は同じである。
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Amateur Radio Activities by RLL[RLLのアマチュア無線活動]
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