日本映画

え


エクスクロス 魔境伝説
(2007)
4
2007年12月
傷心旅行に親友の愛子と阿鹿里村にやってきたしよりだったが宿に落ちていた携帯から今すぐ逃げるように言われるが宿はすでに村人たちに囲まれていた。一方その頃、愛子もハサミを持ったレイカという女に襲われていた・・・
無理して観たのですがこれが期待していなかった分相当面白かったです。
松下奈緒が主演で鈴木亜美は脇役かなと思っていましたが確かに松下奈緒はストーリー的に主役なのですが話の進み方が松下奈緒の章、鈴木亜美の章と別れていてこの時こっちはどうしていたというという展開がよかったし展開が速すぎるってくらいどんどん話が進んでいくところがいいです。
面白いのは断然鈴木亜美の方で演技はかなり荒削りという感じなのですがロリータファッションで怪演する小沢真珠との対決が面白すぎます。
本筋の阿鹿里村とは全然関係なくて「キル・ビル」のユマ・サーマンとダリル・ハンナばりのチェーンソーVSハサミという構図が理屈ぬきで楽しいです。ハサミが何故かどんどん大きくなることなんか気にしてはいけません。
松下奈緒は綺麗で話も悪くはないとは思うのですがちょっと物足りないかな?
他人の携帯で鈴木亜美に連絡を取ったりするのですが、いくら親友だからって電話番号とメールアドレスを憶えている訳がないと思ったり電波が入らない山奥なのにタイミングよく電波が入ったりと色々と気になったりするところがかなりあるのですがスピード感があって別にいいかという気にさせてくれます。これも全て小沢真珠のおかげです。池内博之は好青年とばかり思っていたのですが壊れていました・・・
ハリウッドバージョンはこの人で!!
松下奈緒
(水野しより)
ここのところ好調のケリー・ラッセルで。
鈴木亜美
(火請愛子)
キレたら怖いロザリオ・ドーソンで。
小沢真珠
(レイカ)
大きなハサミも余裕で振り回しそうなデヴォン青木で。
池内博之
(朝宮圭一)
何か裏がありそうなウェス・ベントレーで。


越前竹人形
(1963)
4
2005年5月
竹細工の名人だった父を亡くした喜助のもとに生前世話になったと玉枝という遊女が訪れてくる。喜助はそんな玉枝のことが忘れられず身請けするのだったが・・・
最初観るつもりなかったんですが観てみると純愛でいて悲恋物でなんだかいい作品でした。
若尾文子はいつもどおり惚れ惚れするのですが喜助役の山下洵一郎が純情でよかったですね。せっかく嫁に来てくれた若尾文子。炊事だって竹細工の手伝いだってするのに夫婦らしいことをせず寝室も別。そんな喜助に玉枝も不安を感じるけど喜助は愛しているけど父親が可愛がった遊女を抱けないと思っている本当に生真面目すぎる性格で観ているこっちはハラハラしますがそれほど純粋な男なんですね喜助は。
そんな喜助の竹細工も認められて注文殺到したところに竹人形を買い付けに来た玉枝の昔の客、西村晃がやってくるのですがむりやり抱かれて妊娠しちゃうんですよね。
喜助は忙しすぎて玉枝の友人の遊女、中村玉緒のもとに酔っていくと玉枝と父親は一回も関係がなかったと真相を聞きようやく本当の夫婦になる決意をしたのに玉枝は妊娠しているから子供を堕ろすあてを見つけに町に出るのですがネタバレ→
とうとう渡し舟で流産してしてしまい家に帰るとそのまま死んじゃうし喜助も後追い自殺をして物語は終わってしまい希望が絶望に突然替わってしまう展開の作品はいつもながら切ない余韻が残ります。
親友の遊女中村玉緒は助演ながらいつもどおりすごい存在感だと思っていたら毎日映画コンクールで助演女優賞を受賞したそうで思わず納得してしまいました。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
若尾文子
(玉枝)
最近売れっ子のエヴァ・メンデスに。
山下洵一郎
(喜助)
純情っぽいイメージのトビー・マグワイアで。
中村玉緒
(お光)
男女問わずいい相談相手になってくれそうなドリュー・バリモアで。


江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間
(1969)
3
2004年9月
精神病院に閉じ込められている医学生の人見は病院を脱走して一人の少女に偶然出会い自分の出生に関する秘密を知り北陸に向かったのだが、そこでは自分に瓜二つの菰田源三郎という男が病死していて・・・
どぎつい色使いでどこから見ても石井輝男作品と分かるこの作品。しかも石井監督作品の常連の吉田輝雄が主演だったもので結構期待していたのですけど話の内容に無理があり(そこがカルトと呼ばれるところなのかもしれませんが)今一歩乗れませんでした。
吉田輝雄役の人見が出生の謎を追って死んだ菰田になりすまして菰田家にもぐりこむ前半はなにが起こるんだろう?とミステリーの醍醐味?みたいなのが味わえてよかったんですけど、中盤から父親が実験をしている無人島にのりこんだ当たりからおかしくなってきました。手が水掻きのようになってしまっている父親にこの島を案内されるのですが、こ
れが無人島案内というよりか石井輝男ワールドを案内されているようで(悪い夢を見ているようで)クラクラしてしまいました。
父親役の土方巽も「怪談昇り竜」のせむし男みたいなキャラクターそのまんまだし、動きも水の中を流れるような感じに歩くんで存在自体恐いです。小池朝雄も女装して精神病院に閉じ込められている女達をいたぶったりしてこっちもなんかすごかったです。
最後も突然ネタバレ→
明智小五郎が乱入してきて事件を解決しちゃって観ているこっちは、えっ!?という感じですよ。しかも明智役が大木実って・・・今まで観た明智でもっともらしくないぞ!
で本当の最後がネタバレ→
「模倣犯」じゃん。もしかしたら「模倣犯」←も20年くらい経ったらカルト映画になるの可能性はある。と思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
吉田輝雄
(人見広介/菰田源三郎)
見た目は普通なのになぜか売れっ子のポール・ベタニーあたりで。
土方巽
(菰田丈五郎)
ジョン・マルコヴィッチは特殊メイクをほどこしたら難なく演じられそう。


江戸川乱歩の陰獣
(1977)
3
2004年9月
人気推理小説家の寒川光一郎はひょんなことからファンの小山田静子という人妻と出会う。そんなある日、静子の元にかつての恋人で謎の推理小説家の大江春泥から脅迫状が届き・・・
藤井隆が明智の孫って設定のドラマ「乱歩R」で陰獣のエピソードやっていて大体のエピソードを知っていた(最後のオチを知っていたともいう)のであんまり楽しめませんでした。やっぱりミステリーは何にも知らずに観なきゃだめですね。
この映画内容はあんまり書けないのでいつも以上に出演者について書いてみようと思います。
なんと言ってもちょっとづつ出てくる出演者が豪華なこと。倍賞美津子なんてクレジットに3番目か4番目だったからどう絡んでくるんだろう?とワクワクしていたら寒川の小説映画化にあたっての主演女優という役どころで最初にちょこっと出てくるだけ。本当カメオ程度の出演時間でちょっと残念。加賀まりこや藤岡琢也、菅井きん、若山富三郎、尾藤イサオも脇役なんですけどやっぱり存在感はすごいというか濃かったですわ。
そんな中感心したのが野際陽子。静子の旦那の秘密のお相手の外人の通訳をするんですが、なんと英語の流暢なこと。元アナウンサーだったことは知っていたけど
野際陽子にこんな才能が隠されていたとは恐れ入りました。
あおい輝彦はカルト映画「真田幸村の謀略」の金髪の猿飛佐助のイメージを払拭することが出来ずすごーく違和感があってのれなかったのも事実です。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
あおい輝彦
(寒川光一郎)
推理小説を書きそうなガイ・ピアースあたりで。
香山美子
(小山田静子)
最近いい感じになってきているタンディ・ニュートンで。


江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者
(1976)
3
2004年9月
下宿に住む郷田は屋根裏を這って人の生活を覗き見することが生きがいの男。下宿には美那子という婦人がたびたび現れていたが美那子は郷田に覗かれていることに気がついていた。やがて美那子が不倫相手を殺してしまった時二人は次々と殺人を犯し始める・・・
「陰獣」的な内容ベースに「人間椅子」とかを取り入れたりして江戸川乱歩のいいとこどりをした感じの成人映画。
人を殺すことに味をしめた婦人の美那子、屋根裏を忍び歩いているうちに殺人の欲求に駆られ実行してしまう男の郷田。一見郷田が殺しをやっていたかなと思ったら思い返してみるとイビキをかいて寝ているおじさんを天井から毒薬を口に落として毒殺しただけで美那子が殺された人たちほとんど殺していたなぁ。しかも
カニ挟みで首絞めて殺してましたから。お前は「蜘蛛女」のレナ・オリンかって感じです。美那子のために人間椅子になっている運転手を窒息死させてみたり、旦那をヒ素でじっくりと殺してみたりとバラエティに富んでいます。ヒ素って昔からこういう事に使われていたんですね。
最後、血管状のボディ・ペインティングをした二人はネタバレ→
関東大震災で死んでしまうんですけど井戸から血が出てきたのはなぜ?と思っていたら映画館出る時に映画通の人?があれは動脈で動脈が切れたから井戸から血が出てきたらしいという解説が聞こえてきて、なるほどと思うのでした。
それにしても石橋蓮司、未見ですけどたしか杉本彩の「花と蛇」にも出ていませんでしたっけ?思えばこのときから変な役やっていたんですね。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
宮下順子
(清宮美那子)
ということでカニ挟みといえばレナ・オリンで。
石橋蓮司
(郷田三郎)
ジョン・マルコビッチあたりは変態的な役もこなしそうで。


江戸っ子判官とふり袖小僧
(1959)
3
2005年6月
世間を騒がす義賊の振袖小僧ことおえんは最近殺しもやる偽物が出回っていることを知り江戸を離れるのだったが名奉行遠山金四郎も独自に調査を始めていた・・・
美空ひばり、大御所片岡知恵蔵を相手に一歩もひけをとっていないというか同じレベルの存在感ってところにやはりただ者ではなかったと感じずにはいられませんでした。
美空ひばりが江戸で起きている事件のほとぼりが冷めるまで仲間と共に旅に出るけれど途中で狙った相手が遠山の金さんと知らずに以後腐れ縁のようにドタバタしながら旅を続けるというオーソドックスな話なんですけど美空ひばりは男装もすればちょっといいところの娘が着る様な着物姿も披露して歌もありでまるで一人宝塚。顔もよく見ると中性的な印象すら受けて、この宝塚感覚がおばさんたちの圧倒的な支持を集める理由なのではないでしょうか?
オーソドックスな話なんですけどこれ実は振袖小僧はすでに牢屋に入っていて最近牢屋にやってきたばかりで新入りの物書きが書いた話っていうのがちょっとひねりが効いていて面白いなぁと思いました。だから最後この話の中じゃ振袖小僧は捕まってしまってちょっとした遠山の金さんに対する恋心も実らず終わってしまうんですけど切なくないところが沢島忠監督っぽいなぁと思いました。しっかり義理人情の世界の要素も入っていましたし。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
片岡千恵蔵
(遠山金四郎)
太っ腹感がショーン・コネリーっぽく感じました。
美空ひばり
(振袖小僧おえん)
美空ひばりとジュディー・ガーランドはかなり近いものがあると思う。


江戸っ子繁昌記
(1961)
3
2006年2月
酒癖のが悪く怠け癖のある魚屋の勝五郎は女房のおはまにたたき起こされて仕入れに出かけるが大金を拾ってくるがそのころから旗本の青山播磨に奉公に出ている妹のお菊が殺される悪夢を見るようになり・・・
中村錦之助の十八番、一人二役でしかも江戸っ子でなおかつ天才的な酔っ払い演技をしてくれるので単純に楽しめるのですが、魚屋の勝五郎というキャラクターがちょっと甘い顔をすると仕事をさばるような奴なのでどうもちょっと違うなぁと思いました。人情味はいつもどおりあるのでやっぱり中村錦之助は仕事もきっちりやるキャラクターの方がいいなぁと感じました。
それに二役目の旗本も苦渋の選択で仕方なく愛するお菊を斬るしかなかったという役で旗本は太平の世の中ではもう用がないと幕府からいろいろな嫌がらせを受けるというところが忠臣蔵の浅野内匠頭のような悲壮感漂う人なのでどうせならこの作品は市川雷蔵のほうがしっくりきたような気がします。雷蔵なら怠け癖がある役もいけるし。
あとちょっと物足りないなぁと思ったのは多分相手役の長谷川裕見子がしっかりしすぎた姉さん女房とところにもあると思います。錦之助の相手はこういう人情ものの場合、中原ひとみのような町娘的な存在のキャラクターの方がどちらかというとぴったりなんです。
個人的には前半の財布を拾ってウキウキする勝五郎にこれじゃあまた怠けると思っておはまが財布を大家さんに預けてすっとぼける前半と旗本が受ける嫌がらせと妹お菊の死の真相の話があまりにもトーンがかけ離れすぎてそれほどのめりこめなかったのですが最後は江戸っ子の人情味溢れるさわやかな締めですっきりしたのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
中村錦之助
(魚屋勝五郎/青山播磨)
性格の違う二役をなんとかやってくれそうなユアン・マクレガーで。
長谷川裕見子
(おはま)
年上女房っぽいユマ・サーマンで。
小林千登勢
(お菊)
夢枕に立ちそうなクレア・デーンズで。


江戸っ子祭
(1958)
4
2008年5月
屋敷での生活に飽き飽きしていた竹千代を見かねた大久保彦左衛門は素性を隠し魚屋の太助に竹千代をあずけるが国松派の刺客に命を狙われて・・・
タイトルからしてお祭り騒ぎな感じの内容かと思いきや「一心太助」ものでした。
川口浩と野添ひとみが時代劇?と最初ものすごく心配だったのですが「一心太助」ものは話が面白いし世間知らずの竹千代というキャラクターが川口浩にぴったり合っていて、将軍になるのに庶民の生活を知らないで国を治められるのか。なんて熱血感溢れるところも川口浩らしくて面白かったです。
長谷川一夫は二枚目の印象があったのですが川口浩が竹千代と知らずにひっぱたいたりして魚屋の商売を仕込んでいて正体を聞いてビックリして急に態度がオドオドするというコミカルな三枚目のキャラクターが以外によかったし、やっぱり長谷川一夫は時代劇の人だなぁと思いました。
野添ひとみは八百屋の娘ということで地主の息子かなにかから求婚されていてウンザリしていたところに川口浩が現れて当然のことながら好きになってしまうのですが川口浩は後の徳川家光なので珍しくこの二人は結ばれなくてちょっと切なかったです。
「一心太助」といえば中村錦之助が太助と竹千代を一人二役を演じていて素晴らしかったのですが、
大映版は太助を長谷川一夫、竹千代を川口浩を綺麗に割り切っていたし、お仲役の阿井美千子が中原ひとみとはまた違った感じで気風のいい姐さん女房という感じで今で言う風俗嬢?と大乱闘したりして太助夫婦が大人の感じがしていて大映版もなかなか乙でした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
長谷川一夫
(一心太助)
魚屋さんとか案外似合いそうなジェラルド・バトラーで。
川口浩
(竹千代君)
若(プリンス)役は得意なオーランド・ブルームで。
野添ひとみ
(お豊)
素朴な役の方が向いている感じのナタリー・ポートマンで。
阿井美千子
(お仲)
姐御肌のコートニー・コックスで。


炎上
CONFLAGRATION
(1958)
3
2009年12月
住職だった父親が死に父親の親友でもある田山道詮のところに身を寄せることになった溝口。身を寄せることになった驟閣寺は父親がこの上なく美しいを言っていた寺で溝口は次第に驟閣寺に異常なまでに惹かれてていくのだが・・・
三島由紀夫の「金閣寺」を映画化。
本編では金閣寺ではなく驟閣寺となっています。原作は映画を観てから読もうと思っていたので想像していた内容とはちょっと違っていましたがあえてアレンジしているようです。
主人公は真面目な学生ながらもどもりがあり、早速、No2の信欣三から嫌われてしまい、唯一の味方だと思っていた中村鴈治郎にも芸者と街を歩くような姿を見かけてしまい幻滅して、本当に美しくて裏切らないものは驟閣寺しかないと三島由紀夫独特の青年の苦悩がこれでもかと描かれます。
苦悩が頂点に達して驟閣寺への放火という破滅的な結末については同じ市川雷蔵と三島由紀夫ものでは「剣」という映画があるのですが、個人的には「剣」の方がやるせなさ加減は大きいのですが好きです。
と市川雷蔵が周囲の反対を押し切ってやったという有名な「炎上」で賞も取っているのですが、
個人的には同じ大学に通う身体の不自由な仲代達矢が強烈なインパクト。身体が不自由のを逆手にとって女を次々と手玉に取るようなろくでなしなのですが、とにかく役の作り込みが半端じゃないほどリアルです。そして住職の中村鴈治郎もどこか信用ならない感じをかもし出しながらも誰にも口を出させないその威厳の強さは相変わらず見事です。
新珠三千代も出ているのですが、本当にゲスト程度の出演でここは物足りなかったです。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
市川雷蔵
(溝口吾市)
少し大人になった神木隆之介あたりで。
中村鴈治郎
(田山道詮老師)
ちょっとイヤらしい感じなのですが威厳のある國村隼で。


煙突の見える場所
WHERE CHIMNEYS ARE SEEN
(1953)
3
2008年9月
見る場所によって煙突の和が違って見える「おばけ煙突」の近くに住む弘子は戦争で夫を亡くしたが隆吉と再婚し二階は下宿人の税務署員の久保とアナウンサーの仙子がいて幸せに暮らしていたが、ある日、隆吉よ弘子の部屋に赤ん坊が捨てられていて・・・
名優共演の人間ドラマ。
上原謙と田中絹代がものすごくラブラブで煙突が見る角度によって本数が違って見えるという下町が舞台。ということでほのぼのとした内容かなと思いきやいきなり冷酷な展開でびっくりします。世知辛すぎます。
まず田中絹代が上原謙に秘密で競輪場にパートをしに行っていたことが発覚してものすごく上原謙の機嫌が悪くなります。「俺の稼ぎじゃ足りないのかっ。」って。ただお金を貯めて喜ばせようとしてただけなんです。
もっと酷くなるのは戦争で死んだと思っていた絹代の元夫が住所を探し出して家に赤ん坊を置いていってしまってから。実は籍が抜けていなくて絹代が二重婚していることが発覚したら上原謙は手続きしに役所に行くとかしないで重婚の罪になることにあたふたして逆ギレ。赤ん坊の面倒も当然見ることはなく夜泣きでうるさいので絹代を睨みつけて襖を閉めて布団を被って寝ちゃうんです。絹代が不憫なのですがそれ以上に上原謙にイラッときます。
これで夫婦の危機が訪れてしまい、見かねた下宿人の芥川比呂志は正義感から元夫を探しを仕事を休んでまでやっているのに上原謙はパチンコしているんですよ。さすがに芥川比呂志も怒りましたね。「あなたの為に会社を休んで、交通費だけでも○○円使っているんですよ!」と。そうしたら上原謙は「お金はお支払いします。」ですって。そういう問題じゃないのに。高峰秀子なんて恐らく上原謙がダメと気がついているのいないのか相手にするのが田中絹代と芥川比呂志だけというところが一番利口だなと感じました。
上原謙の印象は森雅之と同じダメ男という印象があったのですが、森雅之のダメな感じとは別次元の人間としてダメな感じがするなぁと思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
上原謙
(緒方隆吉)
雰囲気はレイフ・ファインズといった感じでしょうか。
田中絹代
(緒方弘子)
苦労する約が似合うジュリアン・ムーアで。
芥川比呂志
(久保健三)
気は良さそうだけど無鉄砲なところもありそうなクリス・エヴァンスで。
高峰秀子
(東仙子)
しっかりしていそうなクリスティーナ・リッチで。


日本映画に戻る