日本映画

ほ


宝石泥棒
(1962)
3
2008年6月
泥棒コンビの小夜子と秀子の次のターゲットはとある未亡人が所有している50カラットのダイヤ。二人はさっそく未亡人の泊まるホテルに向かうが車が故障し、立花健一と松野という男の車でホテルに到着する。小夜子たちは世間で有名な立花財閥の遠い親戚を名乗り未亡人に近づこうとするが車に乗せてもらった健一は立花財閥の御曹司だった。そっして未亡人につきまとう怪しげな佐川という男まで現れて・・・
山本富士子と野添ひとみの「キャッツ・アイ」的なラブコメディ。
山本富士子も財閥に成りすまして宝石泥棒を働こうと考えていたけれど実は川口浩も泥棒だったというお決まりの展開が繰り広げられていく中で前半、二人はお互いの正体が分かっていないから「泥棒と財閥の身分違いの恋は許されるのかしら?私、足洗う。」なんてお互い言っていて相棒の野添ひとみや船越英二に叱られるというシーンが展開されて後半はお互いの正体が分かってダイヤ争奪戦と発展する予想通りの内容なので安心して観ていられます。
四人の泥棒にもそれぞれキャッチコピーがあって山本富士子は「エレガントのお小夜」、野添ひとみは「アトミックのデコ」、川口浩はカミソリのように切れ味抜群ということで「カミソリジレットの健」、船越英二は「ジェントルマンの五郎ちゃん」とみんな無理目なキャッチコピーが楽しいです。
謎の男菅原謙二はネタバレ→
実は保険会社の探偵で密かに盗まれた時のことを考えてダイヤをすり替えていたというオチ。結局、山本富士子に盗まれてしまいますが足を洗う決心をした山本富士子と川口浩に返してもらって大満足。←という大雑把と言うかノンキな性格がゆるくてよかったです。
惜しかったのが山本富士子の相手が川口浩というところ。主役が山本富士子だから仕方ないですが、観ていてものすごく違和感があってやっぱり川口浩の相手は野添ひとみに限ると思いました。(野添ひとみがダメな時は若尾文子だと思います。)
ハリウッドバージョンはこの人で!!
山本富士子
(紫小夜子)
こういう作品にぴったりなキャメロン・ディアスで。
野添ひとみ
(附添女中秀子)
相棒は「チャーリーズ・エンジェル」で共演のルーシー・リューで。
川口浩
(立花健一)
ジュード・ロウにお願いしたい。
菅原謙二
(佐川洋介)
愛嬌のあるロバート・ダウニー・Jrで。
船越英二
(松野五郎)
船越英二っぽい感じもするケヴィン・クラインで。


暴走パニック 大激突
(1976)
4
2006年7月
銀行強盗の山中高志は最後の逃走で相棒の光男が車にはねられ死んでしまい指名手配されてしまう。恋人のミチと逃亡生活を続ける中、光男の兄が現れ山中を執拗に追われ始め・・・
序盤の渡瀬恒彦と相棒の小林稔侍との銀行強盗のシーンでは渡瀬恒彦はイキイキしていて相変わらずワルが似合うなぁと感心して強盗に入る銀行も実名というところも妙にリアリティあってこの後の展開も男気溢れる展開に期待していたら小林稔侍があっさりトラックにものすごい轢かれ方をして死んじゃってからはだんだんおかしな展開になって最終的には痛快なギャグになっていて笑えます。
ヒロインのスケバン女優杉本美樹にキモイおっさんが付きまとっていたり渡瀬恒彦を執拗に追い回す凶暴的な稔侍の兄貴、室田日出男と出てくる人物がみんな狂っていて確実におかしな方向に向かっているのが分かって楽しかったです。
その中でも最初っからドジっぷり全開で笑かしてくれるのが出ました川谷拓三。同期の警官は出世街道まっしぐらだし、ミニスカの婦人警官のアパートに行ったら近所のガキンチョにバカにされるわ後輩に彼女を寝捕られるわは散々なんですがなぜかメゲナイところがまた笑えるし、後半渡瀬恒彦の追跡じゃ一般の車ぶつけまくり一般人の怒りを買って普通に川谷拓三が一般人に追われて渡瀬恒彦そっちのけで町中大パニックのトラブルメーカー。
今回の川谷拓三は浪花のクルーゾー警部(「ピンクパンサー」の)かよ!と思うくらい天然入っていたんですけどスティーヴ・マーティンみたいにくどくないのは本人が狙っていないからだと思いました。
劇中、修理工の美少年が金持ち医者の高級車を修理して返すときに密かにまた傷をつける変な癖があってとうとう美少年が捕まってしまって何されるかと思いきやホテルで犯されそうになるという本編と全く関係ない展開、しかしながら当時としてはこういう描写が時代を先取りしているんだかいないんだか良く分からない展開がまた斬新でした。
最後はネタバレ→
(逃げ切った二人を)見かけたものはいない。しかしながらブラジルかどこかで日本人二人組みの銀行強盗が現れたらしい・・・みたいな字幕で終わり←なんだか最後はおとぎ話?みたいな感じの終わり方がまた爆笑ものでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
渡瀬恒彦
(山中高志)
まだまだワルが似合うマット・ディロンで。
杉本美樹
(緑川ミチ)
スケバン風味のキーラ・ナイトレイあたりで。
川谷拓三
(畠野作治)
ドジが似合うウィル・フェレルで。


抱擁
THE LAST EMBRACE
(1953)
3
2008年6月
山で暮らす伸吉と雪子は結婚を誓い合っていたが伸吉が雪崩に遭って死んでしまう。東京に出てきた雪子は伸吉そっくりな早川という男と出会うが早川はかつての仲間に追われていて・・・
三船敏郎と山口淑子の「醜聞」コンビが送る悲恋風な物語。
三船敏郎の出番が少なくて少々不満なのですが毎回、
山口淑子が三船敏郎を偶然町で見かける姿がクリスマスの日だからなのか、なぜか仮面を付けているというギャングに追われているのに逆にものすごく目立っていますよ。というのが一番印象に残っています。(仮面はものすごく似合っていてカッコいいのですが・・・)
東京にやってきた山口淑子は居酒屋風のレストラン?みたいな所でアルバイトをしていてあまりの美しさに志村喬を初めとしてファンクラブなんて出来ています。その中に新人時代の平田昭彦がいてちょっとした金持ちなのですがな何故か山口淑子とくっつけようとするお節介がイラッとしました。金にものを言わせて付き合おうとする半分ストーカーみたいなところがその後の平田昭彦を暗示するようで興味深かったです。
終盤、ギャングを撃ち殺してしまって雪山に逃避行。次第に二人は追いつめられていくのですが、追いつめられていくまでの過程で壮大な景色と音楽のシーンが長すぎて眠くなってしまいます。最後は意外な終わり方でびっくりしましたが、これはこれでありかなと思いました。
山口淑子はちょっと日本人離れしてたルックスで、もちろん歌も歌うところなど三船敏郎の映画というより完全に山口淑子の映画だと思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
山口淑子
(野上雪子)
ジュディ・ガーランドっぽかったです。
三船敏郎
(伸吉/早川)
ギャング顔のロバート・ミッチャムで。


亡霊怪猫屋敷
THE MANSION OF THE GHOST CAT

(1958)
3
2005年12月
医師の久住哲一郎は妻の病気療養のため故郷で開業することになったがそこにすんで以来妻は毎晩老婆の悪夢にうなされるようになりついには老婆が現れ妻を襲い始める・・・
「東海道四谷怪談」の中川信夫監督の化け猫ものなんですが、これ上映時間69分と短いのにすごく充実感ありました。それは多分この短い時間の中に細川俊夫とその妻がいわくつきの家に住んだことによって恐怖に襲われる話とその家が呪われる元凶となった事件の2つの話があったからだと思います。
「セクシー地帯」や「黒線地帯」主人公をナイスサポートしていて印象に残った細川俊夫見たくてこの作品観にいったのですが細川俊夫、医者で相変わらず渋いのですが、妻や看護婦さんが老婆を見ていて妻なんて何度も首絞められているってのに「気のせいだよ。」の一言で済ませてしまうものすごく霊感というかそういうものを感じる力が全くないのが怪談の中にちょっと笑いのアクセントとなっていてよかったですね。
感心したのが
現代のシーンはモノクロなのでこれは普通にモノクロ映画かと思っていたら江戸時代の回想シーンになったらいきなり鮮やかなカラーになってなんて斬新なんだろうと感じたのと中川信夫監督の怪談ものってセットとかすごいなと改めて感じました。
それにしても老婆というか化け猫なんですけど、土砂降りの雨の中裸足で音も立てず家に忍び込んで首絞めたり飼っている犬を惨殺したりしてこの老婆怖いです。
「東海道四谷怪談」の時もそうでしたがこういう怪談もののきっかけはやはり横暴な権力者のせいで怨みを残して死んでいった人間の思いがこういった怪奇現象を引き起こすものが日本のホラーには多いんだなと感じました。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
細川俊夫
(久住哲一郎)
最近は白衣を着る役もあるショーン・ビーンで。
五月藤江
(老婆)
動物にたとえるなら猫っぽいライザ・ミネリで。


放浪記
A WANDERER'S NOTEBOOK

(1962)
4
2004年7月
林芙美子自身が貧しく不遇な時代から「放浪記」で成功するまでを描いた自伝的作品。
森光子の舞台でお馴染みの「放浪記」内容全く知らなかったのですが原作の林芙美子自身の話だったんですね。
序盤は詩を書くことが好きな女の子(でもないけど)という感じで貧しいけれど健気にがんばっているなぁと思って、最初貧しい高峰秀子を馬鹿にしていてさらに恋敵だった草笛光子とも友情関係を結んで一緒に同人誌を出そうというところにまできてハッピーエンドにまっしぐらな展開でこれはいい話なんだんだなぁと思ったら一転してすごく嫌な話になってびっくりしましたよ。
まず同人誌仲間の宝田明と結婚してからおかしくなり始めるんですけど、この宝田明、自分の原稿を高峰秀子に出版社に持って行かせておいてダメだったら八つ当たりするし、高峰秀子の方が逆に売れっ子になり始めると今度はひがんで家を出て行くわの気分屋でめちゃくちゃ性格悪いからすごく腹が立ちます。たまらず家を出た高峰秀子に泣きを入れて戻ってもらったくせに昔からの知り合いの加東大介(この役ちょっとストーカー入っています)が訪ねてくると嫉妬で殴るしでこんな最低の宝田明見たことないからちょっと新鮮でした。
そんな高峰秀子も草笛光子のどちらかの詩が採用されるコンテストに参加するのですが、ここで高峰秀子が草笛光子に作品提出を頼まれちゃうんですよね。ここですでに草笛光子の作品が期限までに届かないのは明らかで、実際劇中でも作品の提出が遅れて高峰秀子が勝利するまではいいんですよ。理由もいろいろあって遅くなっちゃったのかなぁと思ったら、草笛光子の
原稿を読んでみたら自分が負けそうだと思ったからワザと作品出すのを遅らせたと開き直っちゃいましたよ。そりゃ草笛光子もビンタ食らわせるわ。と高峰秀子の性格の悪さにびっくりしました。
しかも「放浪記」ってかつての夫の非情さを書いた暴露本的な内容だし、林芙美子ってすごい性格なんだなぁと思いました。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
高峰秀子
(林ふみ子)
可哀想な役でもなにか企んでいそうな恐さのあるジェニファー・ジェイソン・リーで。
宝田明
(福池貢)
嫉妬に狂う役が最近多いケヴィン・ベーコンで。
草笛光子
(日夏京子)
キャサリン・キーナーはバリバリ仕事をする役が良く似合います。


誇り高き挑戦
(1962)
3
2005年8月
鉄鋼新報の記者黒木はある企業が武器を密輸しているのではないかと感づき後輩の畑野と捜査を進めるがやがて戦時中、黒木に拷問を行った諜報部員の高山の存在にたどり着くのだったが・・・
鶴田浩二に丹波哲郎おまけに梅宮辰夫で監督が深作欣二だからやくざものかと思ったらハードボイルドタッチのノワールものでした。謎の組織による武器の密輸という闇の大きな力が働いて真実を明かそうとする新聞記者の奔走というこういった路線は好きなので始まったときはおもしろいなぁと思ったし、なんてったて
丹波哲郎が英語を話すのですがこれが流暢なもんでびっくりします。さすが大俳優丹波哲郎。劇中五分の一くらいは英語だったんじゃないかなぁ?
闇の組織も鶴田浩二の知り合いの女の子(これが中村錦之助の明朗な時代劇でしか見かけたことのなかった中原ひとみってところも衝撃的)を精神崩壊させて病院送りにしたりと、本当面白い要素は十分にあったはずなのに観終わった時はいろいろ手を広すげちゃってまとまりきらなかった印象を受けてしまいました。そもそも鶴田浩二と丹波哲郎は敵対しているはずなのに最後ネタバレ→鶴田浩二は闇の組織に消された丹波哲郎に同情的だし←丹波哲郎もなんとなく鶴田浩二のことを気にかけていてちょっと不満でした。いや気にかけるのはいいし、こういうジャンルの映画じゃ敵対していた者同士がなんとなく心を通わせることはよくあることなんですけど、この映画にはそのプロセスが感じられなくて唐突だったのがもったいなかったですね。
関係ないけど梅宮辰夫は最初あまりにスマートでさわやか過ぎてどこに出ているのか全く気がつきませんでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
鶴田浩二
(黒木)
正義感の強そうなデニス・クエイドで。
丹波哲郎
(高山)
変な迫力のあるレイ・リオッタで。


牡丹燈籠
THE BRIDE FROM HADES
(1968)
4
2007年11月
燈篭流しの晩に新三郎は遊女のお露と女中のお米と出会う意気投合する新三郎とお露だったが日に日に新三郎には死相が出始めて・・・
大映の永田雅一プロデュースの怪談もの。
大映といえば若尾文子や京マチ子、山本富士子といった女優陣が思い浮かびますが今回は赤座美代子がヒロインという珍しい作品。しかしこの怪談にはぴったりでとても面白かったです。
武士の階級でありながら町人に読み書きを教えるような心優しい本郷功次郎は一族からそういった行為を煙たがられ一族が安泰であるように政略結婚をさせられようとしていてうんざりしているという江戸時代の階級社会を批判することも忘れない山本薩夫らしい描写を取り入れながら正統派の怪談としてしっかり仕上がっているところに感心しました。
赤座美代子が幽霊と分かっていながらも愛し続ける本郷功次郎とラブシーンなど本人から見る分には美しい女だけれど他人が見ると一目で死人とわかるトリック(赤座美代子は腕とかが白骨化したメイクを施している)も古典的ですが面白いし女中のお米が「一緒にあの世に行ってください。」的ななかなか無茶なことを言うのも可笑しかったです。
可笑しいといえば、西村晃は半分やくざみたいな男ですがすっかり改心して今では本郷功次郎の手伝いをしているのですが妻の小川真由美の入れ知恵で幽霊に本郷功次郎を売り渡すところなども滑稽で西村晃は本当に芸の幅が広いと思いました。
すっかり大金を手にした西村晃と小川真由美もさらに欲を出したばっかりに手痛い仕打ちに合うという展開も
怪談話の王道といった感じでテンポもよく今まで観た怪談話では一番クオリティが高いんじゃないかと思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
本郷功次郎
(萩原新三郎)
見るからにいい人のヒュー・ジャックマンで。
赤座美代子
(お露)
ナオミ・ワッツにぜひやってもらいたいです。
大塚道子
(お米)
顔が既にちょっと怖いジェシカ・ラングで。
西村晃
(伴蔵 )
ろくでなしキャラが板についてきたマット・ディロンで。
小川真由美
(おみね)
悪女をやっている時のファムケ・ヤンセンといった感じです。


ポルノ時代劇 忘八武士道
(1974)
3
2005年11月
明日死能は忘八者の白首の袈裟蔵に仲間に誘われるが彼らのような外道になりきれず吉原の客人として私娼窟を取り締まるようになるのだが・・・
忘八者とは八つの徳を忘れた無法者のことらしくて成人映画からも学ぶこともあるのかと思うと感慨深いです。
一応私娼窟という吉原以外で個人的な娼婦をする者たちを成敗?するような内容で丹波哲郎と伊吹吾郎が出ているのに内容は相変わらず成人映画ということもあってかキテました。
最初の方で伊吹吾郎が丹波哲郎の腕を試すためにピストルで撃って丹波哲郎が刀で弾で弾くという唯一ちゃんとしていてカッコいいシーンもありつつも、
とりあえず脱いどけ精神が前面に出てきてくノ一みたいな五人衆がなぜか全裸で戦うってとんでもないもこのくらいの年代になると石井輝男監督も手馴れている感があってある意味感心します
で腕がよすぎるのでやりすぎたとみなされた丹波哲郎は阿片付けにされて陥れられて最後ふらふらになりながら腕は飛ぶはの斬りあいが始まって当然伊吹吾郎と一騎打ちがあるのかと思いきや肝心のそれがないんですよ。それどころか伊吹吾郎は仲間に丹波哲郎は強すぎるからよしとけみたいなニュアンスをかもし出して戦いに参戦しないところが斬新すぎる。
伊吹吾郎も「脱獄広島殺人囚」とかやくざものでカッコいいけど殺されるって役のイメージが強いですけど「水戸黄門」で格さんになっちゃったりするから人生って不思議です。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
丹波哲郎
(明日死能)
さらりとしたロン毛はジョニー・デップが似合いそうで。
伊吹吾郎
(白首袈裟蔵)
普通にカッコいいベニチオ・デル・トロで。


ポルノの女王 にっぽんSEX旅行
(1973)
3
2004年7月
さえない男、一郎は京都から東京までやってきてナンパをするのだがさっぱりであきらめて羽田から京都に帰ろうとする。そんな時イングリットと名乗る女が一郎の車に乗り込んできた。言葉も通じず一郎は車を走らせるが、彼女は実は運び屋で車を間違えたのだ。そんな事とは知らず一郎はイングリットを自宅に監禁するのだが・・・
これ成人映画なんですよね。でも実際観てみるとまぁ裸は出てくるけど成人映画にする必要もないんじゃない?って程度で別にたいしたこともなかったように感じたけどやっぱり当時としては成人指定にしないとダメだったのかな?
ともあれ、監禁されて一度は隙をみて逃げ出したものの街では再び酷い目に遭って街を彷徨っていたら一郎にひろってもらい仕方なく一緒に暮らすんですよね今度は監禁とかそういうのなしで。そこでイングリットは一郎の本当の優しさにふれ、さえない男と運び屋の女が言葉の壁を越え真実の愛に目覚める。って
タイトルに騙されちゃいけない!ちゃんとした青春映画?なんですよ。
さえない一郎役にどこかで見たことあるなと思ったら「893愚連隊」で松方弘樹の弟分を演じていた荒木一郎でした。荒木一郎ちょっとオタッキーな雰囲気がよく出ていてこの人実は上手い人だったんだなぁなんて感心しました。
主人公のクリスチナ・リンドバーグもケリー・プレストンを若くしたみたいで綺麗だったなぁ。もちろん脱いでもよしです。
一郎を追うチンピラにまたまた川谷拓三が出ておりました。この人ほんと幅広いです。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
クリスチナ・リンドバーグ
(イングリット・ヤコブセン)
ビジュアル的には吉本多香美を若くした感じだと思います。
荒木一郎
(五味川一郎)
もうフィリップ・シーモア・ホフマンしかいないでしょう。


ぼんち
(1960)
4
2004年2月
年老いた喜久治がふと「女はこりごりや。」とつぶやき足袋問屋の若だんな時代を振り返る。そこには何人もの妾と母親や祖母との苦労話が語られるのであった。
池袋の新文芸座に「白い巨塔」を観にいったら同時上映していたこの作品。前々から市川雷蔵の作品を観たかったんでちょっと得した気分でした。市川雷蔵は特別かっこいいとわけじゃなく何かひょうひょうとした感じが爆笑問題の太田のようだったけどちょっと違う
やっぱり体に芸が染み付いているというか画面に映っているだけでオーラが感じられたもんなぁ。
市川雷蔵を取り巻く女優陣達も草笛光子、越路吹雪、京マチ子やら超豪華。これに母親役の
山田五十鈴とその母親がそろって嫁の中村玉緒を陰湿ないじめをしてさすがの玉緒もたまらず号泣の図でブルーリボン賞の助演女優賞したそうな。
ラスト戦争で蔵がひとつだけ残って次々と集まってくる女達。最初はギクシャクしていた女達も喜久治に金をやるから寺に逃げろといわれたとたん、どの札束の山が一番高いか喜久治そっちのけで真剣に見比べる姿はおかしいやら人間の本性が見えておそろしいやらで、いやーお金って怖いですねぇー。
タイトルの「ぼんち」とはぼんぼん(おぼっちゃま)の最上級系で仕事も出来る若だんなって意味のようであります。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
市川雷蔵
(喜久治)
ぼんぼんといったらもうこの人ヒュー・グラントしかいません。


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