日本映画

の


野火
FIRES ON THE PLAIN
(1959)
3
2009年9月
病気であっても瀕死の兵隊が病院に大勢いるため再び自分の部隊に戻ってきた田村だったが、食料も少ないこともあり病院へ戻れと言われてしまう。仕方なく病院のそばで野宿する田村だったが、ある日病院が爆破されてしまい田村たち兵隊は噂に聞いた集結地に向かうのだったが・・・
市川崑監督の戦争末期の壮絶さを描いた戦争映画。
極限状態で人間の肉を食べて生き延びるという内容かなと思っていたのですが、そういうシーンはあるものの全体的には船越英二を中心に終戦間近の兵隊の様子を描いた原作者の実体験を描いたヘビーな内容でした。
とにかく船越英二の役作りが良くて、
普段は割りと三枚目な役が多いけれど今回はとことんシリアス路線。常に空腹、常に極限状態という状態なので何か獲物を探すかのようなギラギラとした目つきが時に猟奇的に見えて船越英二は芸達者な人だなと関心しました。
他にもミッキー・カーチスや山茶花究なんかも出ていたらしいのですが、みんな人相が違っているので言われても気がつきません。多分ミッキー・カーチスだと思うのですが、一見普通に見えて精神が病んできていて猿の肉と言って差し出す肉が仲間の肉だったりともう知り合い以外は猿に見えていて恐らく片っ端から襲っているであろうと思うシーンを見ると戦争って・・・と思うのでした。
そんなところを観るとリアルに作られているなぁとは思うのですが、真面目すぎてちょっと小難しかったです。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
船越英二
(田村)
目つきがランランとしている印象のあるジャレット・レトで。


野良犬
STRAY DOG
(1949)
4
2005年4月
射撃訓練を終え満員のバスで帰宅する村上刑事はコルトを盗まれていることに気がつきすぐに怪しげな男を追うが逃げられてしまう。コルトを必死で探す村上だったが、やがて盗まれたと思われるコルトによる強盗殺人が起きてしまう。村上はベテランの佐藤刑事と組み捜査を続けるのだったが再び強盗殺人が起きてしまい・・・
いきなりコルトが盗まれているところから始まって盗まれるまでに至る経緯を回想シーンで見せる。テンポがよくっていいです。ちょっと気になたのはコルトを盗まれた三船が一人でなんとかしようと街を彷徨うシーンがあるのですがこれが無駄に長いように思えてここのところもうちょっとスッキリしなかったのかなぁなんて感じました。
三船敏郎は意外と三枚目だから緊迫した状態でも女が絡むとコミカルになるんですよね。コルトを盗んだ張本人?の女スリ師を追いかけるシーンがほとんど追いかけっこだったり千石規子が演じるところのピストル屋のヒモがはすっぱな感じで三船に突っかかって何かと困らせたりと三船と女優陣の絡みは笑いを誘います。
千石規子からつながるピストル屋の元締めを観客で満員の野球場で捕まえるエピソードもハラハラして秀逸この辺の後半から一転、コンビを組んだベテラン刑事志村喬との正統派ハードボイルド刑事物になって見ごたえが増すから不思議です。
この前半と後半のギャップがありながらもずれないところが黒澤マジックなんですよね。
事前に「セブン」っぽいよ。と聞いていたのですが捜査が難航している間に次の強盗殺人は起きるし志村喬の刑事像がモーガン・フリーマンっぽくて後半に行くにつれて本当「セブン」っぽかったです。
ただやっぱり三船敏郎はちょっとこの役違うかなぁとちょっと感じてしまいました。三船はこう苦悩する役は微妙なんですよね。この役はコルトの似合う田宮二郎あたりがしっくりくるなぁと思いました。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
三船敏郎
(村上五郎)
「セブン」っぽいということでブラッド・ピットで。
志村喬
(佐藤)
ベテラン刑事という役どころがモーガン・フリーマン的で。


野良犬
STRAY DOG
(1973)
4
2009年7月
ひったくり現場に偶然遭遇した刑事の村上は被害者の女性を助けようとするが6人組のひったくりに襲われ拳銃を奪われ被害者の女性も撃たれてしまう。警察では捜査本部が設けられるのだが奪われた銃で次々と殺人事件が起きてしまい・・・
黒澤明監督、主演が三船敏郎で先輩刑事が志村喬の同名映画をリメイク。
拳銃が盗まれるというきっかけは同じですがその後の展開が全くといっていいほど別物になっていますが、これはこれで面白いです。70年代の若者のやりどころのない怒りが爆発している感じもアグレッシブでよかったです。
脇役で千石規子が出ているのですが、オリジナル版にも出ているので四半世紀を超えて同じ作品に出ているところも感慨深いです。

渡哲也と芦田伸介それぞれの視点で捜査をしていき真相に近づいていくところもよかったのですが、芦田伸介の家庭の事情みたいなのが描かれていて、奥さんは赤木春江、娘は松坂慶子に受験を控えた息子がいて、芦田伸介は事件を解決するとケーキを買って帰るのですが事件の陰で泣いている人がいる事を知ってからケーキが大嫌いになったと本音を吐露する松坂慶子のシーンとかオリジナルにない要素でよかったです。
それにしてもリメイク版の「犬神家の一族」での食欲大盛なシーンが強烈な印象に残っていたのですがこの頃はものすごくいい演技をしていていったいいつから松坂慶子はあんな風になってしまったのか気になりました。
熱血というか半分任侠道みたいな感じの渡哲也は事件が深刻な方向に展開して国つれた顔が劇画ちっくになっていくのには笑っちゃいけないが笑ってしまいました。
犯人たちは沖縄から来た若者たちなのですが当時、集団就職で都会に出ては来たものの、安い賃金で働かされてそういった社会的な偏見からきたやりきれない思いが爆発して起こしてしまった今回の事件という当時の時代性ならではのエピソードがなんだか切なくなるのでした。
ちなみにこの集団に志垣太郎がいたそうなのですが、最後まで気がつきませんでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
渡哲也
(村上)
迫力満点のジェイソン・ステイサムで。
芦田伸介
(佐藤)
ジョン・リスゴーあたりにお願いしたい。


女番長 野良猫ロック
シリーズ第1作
(1970)
4
2003年12月
対立するメイ率いるグループとトシエが率いるグループの対決が始まり、メイのグループが優位だったがトシエが青勇会の黒服、勝也を密かに呼んでいてメイ達は不利な状況になってしまう。しかしその対決を密かに見ていたアコはメイ達に加勢し何とか逃げ切った。
一方メイの恋人道男は青勇会からボクシングの八百長試合を引き受けるも失敗し拉致されてしまう。アコとメイは青勇会に殴りこみに行くが・・・
野良猫シリーズ第一弾。オープニング、信号待ちしているバイクにわざとぶつかる車。バイクから降りて
ヘルメットを脱いで「おりろよ!」とと啖呵を切るた和田アキ子。男っぽいっていうよりかは少年のようでした。そして自ら歌う野良猫ロックのテーマ曲が流れる、あぁなんてパンチが効いていることか。
それになんといっても
梶芽衣子の女番長がはまっていることもさることながら1970年のファッションがおしゃれでかっこいいんですよね。いまもちょっと流行ってるパンタロン風の裾が広がっているパンツにウエスタン風のジャケットが決まってます。他のスケ番達?もカラフルなファッションでこちらもまたいいですね。
で肝心の内容はというと、発展しつつある雑多な新宿の風景と無軌道な若者達がマッチしてハリウッド映画にはない妙にリアリティがあると思います。だからメイの仲間が捕まってリンチに遭うシーンは痛々しいんですよね。バーナーで胸を火傷させたりタバコを押し付けたりする小技の効いたリンチの方法なもんだから。
ラストもネタバレ→
道男が青勇会の幹部に撃ち殺されメイが仇を討つもメイも凶弾に倒れる。アコは再び旅立ち、敵対するリーダーのトシエは無言で遠くから見つめている。←という苦い終わりかたに切なさを覚えるのでありました。そして野良猫シリーズ全5作品をぜひみたいと思うのであります。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
和田アキ子
(アコ)
パンチの効いた女性はパム・グリアくらいしか思いつきません。
梶芽衣子
(メイ)
いまやかっこいい女性といったらこの人ユマ・サーマンです。
和田浩治
(矢上道男)
この道男情けないんですよねぇ。情けない役といったらこの人、オーウェン・ウィルソンで。


野良猫ロック ワイルド・ジャンボ
シリーズ第2作
(1970)
3
2004年2月
C子、ガニ新らの集まる「ペリカン・クラブ」は「西部会」に手を焼いていた。そんなある日メンバーのタキの前に謎の女アサ子が現れ正教学会に集まる寄付金三千万円を強奪する計画を持ちかける。「ペリカン・クラブ」のメンバーはやがて作戦を実行するが・・・
登場人物の名前や設定がまったく違うシリーズ第2作。期待していたけど前作に比べてパンチ不足。(消して和田アキ子がカメオ出演程度だからじゃありません。)「ペリカン・クラブ」に敵対する組織はあるものの戦いを挑んでくるキャラクターがいないんですよね。梶芽衣子、藤竜也と魅力的な俳優達が仲間って設定だから強力な敵キャラが一人でもいれば相当面白くなったと思うんだけどなぁ。あと主役の梶芽衣子が脇役扱い。そこのところだけが残念なのです。
野良猫シリーズらしくインパクト大。
「ペリカン・クラブ」というクラブの名前もすごいけど、夢の島で車を走らせていると突然現れる范文雀がセレブな衣装に身を包み白馬に乗って登場という想像をはるかに超える映像が衝撃的でした。そして現金強奪のために海で合宿して体を鍛えるという微笑ましさもあり、このなんでもありな感覚が70年代だなぁなんて思うのでした。
藤竜也の暴力的なキャラクターもはまっていてもうギラギラしてていいんですよね。(今の俳優にこの手のタイプっていないよなぁ。)彼が中盤ナイフで刺されて作戦に参加できなくなりそうになると「いまさら仲間はずれにしないでくれよぅ。たのむよぉ。」ってすっごく弱気になったりするギャップも楽しくて、なんか藤竜也作品にもちょっと興味がわいたのでした。
内容は「ミニミニ大作戦」のような感じだったけど、ネタバレ→
ラストは辛くも現金強奪には成功するものの全員撃たれて死んでしまうという辛口な結末。梶芽衣子が生き残る野良猫シリーズがありますように←と祈るのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
(ミニミニ大作戦の出演者を中心に)
梶芽衣子
(C子)
ビキニももちろん着こなす、シャーリーズ・セロンで。
藤竜也
(ガニ新)
ジェイソン・ステイサムで。なんか濃いところが・・・
地井武男
(タキ)
なぜかこの手のタイプが主導権を握る、マーク・ウォールバーグで。
范文雀
(アサ子)
セレブな衣装といったらこの人、グウィネス・パルトロウで。


野良猫ロック セックス・ハンター
シリーズ第3作
(1970)
5
2004年4月
立川ではバロン率いる「イーグルス」とその恋人マコが率いるグループが仕切っていた。そんなある日数馬と名乗るハーフの男が生き別れた妹のメグミを探しにやってくる。ハーフを極端に嫌うバロンは町からハーフを締め出すために極悪非道な行動を起こすのだがそんなバロンの行動にマコは嫌気がさし・・・
若者達の暴走する無軌道な青春のイメージが強い野良猫ロックシリーズですけど、第三弾は実は奥の深い映画なのです。暴力の行き着く果ての無常さを描きつつも人種差別の要素を大いに含んでいるところがすごいのです。
梶芽衣子とその仲間の一人との喧嘩シーンからして見せてくれます。仲間に斬りつけられて刺し返すというパンチの効いたオープニング(しかも刺したほうも刺されたほうもしっかり後で仲直りしているところがすごい)で始まったかと思いきや、突然暗闇から主題歌の「禁じられた一夜」を歌いながら登場するハーフ役の安岡力也。当時は松田優作ばりにかっこよかったんだー安岡力也。
梶芽衣子はさそりを彷彿とさせる衣装もばっちり決まっていたけど、唯一に合わないファッション発見。それはドレッシーな姿ってよりデヴィ夫人のような髪型が似合わなかったんだな。
藤竜也も相変わらず職業不明な役(その名もバロン!)だけどあくどさにクラーク・ゲーブルが混ざった感じでよりパワーアップしているし、藤竜也がハーフを嫌うバックグラウンドもしっかりあるから力也にも藤竜にも共感できるんですよ。
ラストの決戦前夜身を隠したマコと数馬が一夜を明かすんですけど、そこで
なんと安岡力也と梶芽衣子の奇跡のデュエット。これだけでも観た甲斐があったってなもんですよ。
あ、劇中バロン率いる「イーグルス」の面々がおんなの事をナオンを言うこの時代性も味があってよかった。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
梶芽衣子
(マコ)
ジーナ・ガーション級の姐さんクラスで。
安岡力也
(数馬)
濃い口の顔がアントニオ・バンデラスを思いこさせ・・・
藤竜也
(バロン)
クラーク・ゲーブルに似てて似てて。


野良猫ロック マシンアニマル
シリーズ第4作
(1970)
4
2005年10月
LSDを売って海外逃亡を計画しているノボ達がマヤのグループと佐倉のグループが仕切る横浜にやってきた。マヤはノボの事情を聞き協力しようとするが佐倉にLSDを奪われてしまう・・・
「野良猫ロック」シリーズ、4作目からTSUTAYAを探し回ってもないなぁと思ったらそれもそのはず、4作目、5作目とビデオ化されていないそうで一日限りのレイトショーもちろん観に行きました。
久しぶり(一年半ぶり)に観た「野良猫ロック」は梶芽衣子&藤竜也VS郷^治という構図なのですが藤竜也にギラギラした感じがなくて態度も意外と紳士的で最初、こんなの藤竜也らしくないと一瞬焦ったのですがLSDは絡んでくるは腕っ節は強いわで内面的にはいつもの藤竜也で一安心だし梶芽衣子は相変わらずクールでカッコいいしでやっぱり楽しかったです。
1970年の風俗の流行のゴーゴークラブっていうんですか?そこで歌われている
歌謡曲や爽やかなグループサウンズとは裏腹に愚連隊ちっくな集団がマリファナやLSDを裏取引しているこのギャップがなんともたまりません。拳銃とかも出てくるししかも実際にある店で撮影されたそうでLSDとか密かに取引している様を映しちゃっていいもんかと今でこそ思いますが当時はそんなこと別に問題なかった大らかな時代だったんですね。郷^治がサイドカー付の車で逃げるところを梶芽衣子達はバイク屋からバイクを失敬して追いかけるのですがやることやったらちゃんとバイクを返す律儀さときたら。70年代って荒々しいイメージがあって確かに暴力的なところもありますけど案外平和だったんだなぁと思いました。
藤竜也の海外逃亡の目的はアメリカの脱走兵のチャーリーをスウェーデンに逃がすことが目的なのですがこのチャーリー、アメリカ兵なのに日本人がやっているという強引なところも70年代の勢いある映画って感じがしてやっぱり「野良猫ロック」シリーズはこうでなくっちゃという感じがしてすごく好きです。
「野良猫ロック」シリーズの常連の范文雀ももちろん今回も出ていますが今回は郷^治を陰で操っている女ボスですよ。梶芽衣子たちに拉致されても動じない気丈さとミステリアスさ、范文雀の敵役を観てこんなにカッコよかったとはと新たな魅力を発見できて今まで以上に「野良猫ロック」好きになったのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
梶芽衣子
(マヤ)
タフでカッコいいアンジェリーナ・ジョリーで。
藤竜也
(ノボ)
チンピラ感覚のマーク・ヲルバーグで。
郷^治
(佐倉)
ちょとtくどいてチキンな感じの悪役にはクライヴ・オーウェンを。
范文雀
(ユリ)
悪そうなスカーレット・ヨハンソンで。


野良猫ロック 暴走集団’71
シリーズ第5作
(1971)
3
2005年10月
密かに愛し合う振り子と地方の有力者の息子の隆明はある日父親の差し向けた親衛隊に連れされてしまうがその途中隆明は一人を殺してしまう。罪をかぶった振り子は少年院に入れられてしまうが脱走し隆明のいる町へと向かい、ピラニアたちも後を追うのだが・・・
「野良猫ロック」シリーズもこれで終わり。全5作を観て1、3、4作目が長谷部安春監督、2作目と今回の5作目が藤田敏八監督なのですが完全に長谷部安春派です。どこが好きかって長谷部安春監督の方は男のグループと女のグループに分かれているのが特徴で、歌謡曲もふんだんに使われているし何より梶芽衣子がエッジが効いていてオシャレでカッコいいのが特徴なんです。
一方、藤田敏八監督はというと敵が大きな組織でグループは男女混在で梶芽衣子がシャープじゃないのでちょっと物足りないんですよ。しかも今回の梶芽衣子しょっぱなから監禁されているから残念ながら出番も少ないし喧嘩もほとんどなしなのが残念。(最初「さそり」のように脱走するからちょっと期待は膨らんだのですが)
原田芳雄と藤竜也どっちもカッコいいしギラギラしているてお互い敵同士なら問題ないのですが今回仲間同士だから、生意気言わしてもらうとなんだか二人の持ち味出し切れてないようでちょっともったいなかったなぁなんて思いました。敵に郷^治といういかにも敵役にぴったりのギラギラしている人がいるのだから原田芳雄カッコいいけどいなくてもよかったかもと感じます。
結局、原田芳雄達は梶芽衣子と地位武男(隆明と書いて仲間内ではリュウメイと呼ばれている)の救出劇で田舎町をひっちゃかめっちゃかにして
スーパーの品物強奪したりとまさに暴走集団なんですけど町の人も負けずに?猟銃持って原田芳雄達よそ者を殺そうとするからこっちの暴走集団の方がよっぽど怖かったりします。最後も鉱山に追いつめられた藤竜也達は鉱山にあったダイナマイトやけくそで投げまくって無茶苦茶です。というこのあたりは「野良猫ロック」な雰囲気でしたけどね。
最初にも書きましたけど全作品通して長谷部安春監督作品の方が絶対的に好きなのはやっぱり主人公達に対して対立するグループが明確に存在して最後はマシンガンとか猟銃とかまで出てきて大乱闘というところが勢いがあって梶芽衣子のナイフを握る姿がカッコいいところがポイントなんだなぁと思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
原田芳雄
(ピラニア)
コリン・ファレルはなんだかよく分からないけど濃いという印象がある。
梶芽衣子
(振り子)
ナイフを握ったウィノナ・ライダーを観てみたい。
藤竜也
(マッポ)
ギラっとした雰囲気のあるマーク・ラファロで。
地井武男
(荒木隆明)
微妙に存在感のいいバリー・ペッパーあたりで。
郷^治
(総統)
チンピラ顔というか敵方のチンピラやったらかなりの腕前のジョン・レグイザモで。


呪いの館 血を吸う眼
LAKE OF DRACULA
(1971)
3
2006年7月
富士見湖畔にに住む柏木姉妹。姉の秋子は幼い頃から悪夢に悩まされていたが、何かと世話をしてくれる近所の、便利屋的な男、久作の元に柩が届けられてから悪夢が現実となり・・・
美人姉妹が吸血鬼、岸田森に襲われる怪奇もの。
以前から岸田森のが吸血鬼に扮した「血を吸う」シリーズは気になって観てみたいと思っていてちょうど観ることが出来てラッキーでした。想像していたより岸田森の登場シーンは少なくてちょっとがっかりしたですが美人姉妹の妹がビジュアル的にキャラクター的にも主人公の姉より個人的には見せ場もあって好みでした。
姉さんには医者の彼氏がいるんですがクヨクヨしがちな姉に妹が「佐伯さんをとっちゃうぞ!」的なおきゃんな発言をしたり岸田森に襲われて吸血鬼になった妹が密かに幼少時代から抱いていた不満を姉にぶつけるという
吸血鬼映画でありながら姉妹の葛藤も盛り込んでいるところが何気に斬新でした。
吸血鬼の岸田森は当然血の気がなく青白い顔で人間を威嚇するときはシャー!!みたいな声を出し、吸血鬼になった人間も思いっきり顔色が悪くてこいつ血を吸われていると分かりやすい演出も昔ならではという感じがして楽しかったです。
吸血鬼が朽ちてい特撮シーンは今見てもすごく手が込んでいてこれは本当に感心しました。
大滝秀治が出ているらしく観ているときは全然分からなかったのですが岸田森の父親役立ったんですね。息子を葬ることの執念だけで生きながらえているからほとんどゾンビ化して半分死んでいるような感じで気がつきませんでしたよ。もし何かの機会があってもう一度この映画を観ることがあればこんどは大滝秀治に注目してみます。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
藤田みどり
(柏木秋子)
ウィノナ・ライダーあたりにお願いしたい。
江美早苗
(柏木夏子)
ウィノナ似のキーラ・ナイトレイに妹役をやってもらいたい。
岸田森
(影のような男)
吸血鬼はやはりクリストファー・リーで。


ノンちゃん雲に乗る
NOBUKO RIDES ON A CLOUD
(1955)
4
2008年12月
悲しいことがあったノンちゃんは木登りをして気を紛らわしていたが誤って木から落ちて池に落ちてしまう。気がつくとノンちゃんは雲の上にいておじいさんと出会い・・・
原節子も病気療養からの復帰作としても話題となった文部大臣賞を受賞した原作を映画化。
子供らしさが感じられて一人で観てもよし、親子で観るとなおよしといういい映画でした。
主人公のノンちゃん役の子は天才バイオリニストだったらしいのですが日本人離れした美少女という感じで同じく日本人離れした感のある原節子がお母さんという設定に無理がありませんでした。
そんなノンちゃんが生死の境にある時に観た光景が描かれているのですが、夢の中でノンちゃんは家族の事を色々話すという子供らしいストーリーもさることながらノンちゃんもお兄ちゃんもちゃんと子供子供していてよかったです。
お兄ちゃんが道路に飛び出して車を急停車させる遊びをやった時にお父さんの藤田進が「何でやったのか」と問いただすと「やりたかったから」と答えたお兄ちゃんに藤田進はひっぱたくのですがお父さんが殴ったーと泣き叫んでみれば、お父さんは殴りたいからといって殴ったらどういうことになるかわかるか。とちゃんと殴った理由を言って叱るし、それを見ていたノンちゃんも心を痛めたりして
この映画、人を思いやる大切さもちゃんと描いていてものすごく教育的にもいい映画だなと思いました。
ノンちゃんは病弱で田舎にやってきたのですがお母さんの原節子とお兄ちゃんが黙って東京に行くエピソードでは口惜しくって涙するシーンなど本当に子供らしくていつまでも泣いているとお父さんに「そうやっていつまでも泣いていなさい。」と言われればノンちゃんも「泣いてますよぅ。」なんておませな負け惜しみするところも微笑ましかったです。
原節子は出番は少なめですがやさしくて愛情溢れるお母さんを好演。今まで観た原節子の作品の中でもかなりいい感じだったと思います。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
原節子
(お母さん)
やさしいお母さんという感じのするジェニファー・コネリーで。
藤田進
(お父さん)
最近いい人役が多いマーク・ウォルバーグで。


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