日本映画

数


0課の女 赤い手錠
ZERO WOMAN: RED HANDCUFFS
(1974)
4
2009年7月
女刑事の零は潜入捜査中に行き過ぎて外交官を殺害して刑務所に入ることになる。そんなある日、次期総裁候補の娘が誘拐され極秘に娘を取り戻すため零は外交官殺しをもみ消すことを条件に誘拐犯のもとに潜入するのだが・・・
セクシー女優(というかポルノ女優?)杉本美樹主演のハードなバイオレンス映画。
初っ端から杉本美樹は全裸で白人外交官を乱闘、そして赤い手錠を首に食い込ませ殺害というパンチの効いたオープニングからグラインドハウス感抜群で期待も膨らみます。タイトルの「赤い手錠」手錠と書いてワッパと読ませるところが既にただ事じゃありません。
そして自ら警察を去った杉本美樹は留置所で「おやぁ、急に犬の匂いがしてきたよ。」とアバズレ悪女の三原葉子(高島屋みたいな模様のワンピースを着ています)に見つかって10人くらいから壮絶なリンチ。とここで主題歌挿入。杉本美樹自身が歌う演歌調なその名も「女の爪あと」。内容も梶芽衣子の「さそり」シリーズを彷彿とさせますがもしかしたらこれ、「さそり」シリーズよりもバイオレンス描写が激しいかもしれません。
誘拐犯の主犯格、郷^治。その仲間で一見変装していて誰だか分からない荒木一郎。一応杉本美樹の仲間の室田日出男に娘を誘拐されて政治生命のためなら娘の命もどうってことのない冷酷な次期総裁候補に丹波哲郎とどのシーンを観ても濃すぎます。という顔ぶれなのですが一番アクが強いのは何といっても三原葉子。上手いこと郷^治のアジトにもぐりこんだ杉本美樹だったがそこには三原葉子がいて大ピンチという構図なのですが、三原葉子シルバーのオカッパのカツラとワンピースを着てラーメンとカツ丼をほおばっております。そして出てくるシーンは全てラーメン、カツ丼たまに餃子丼?という高カロリーな食事をしまくってメタボまっしぐらと思ったらメタボになっていました。そして
何故か尋問と称して杉本美樹とのレズシーンがあるのですが三原葉子の裸は三段腹が妙に生々しく「セクシー地帯」の時のむっちりは何処へ?という感じでした。とそんな三原葉子は全裸のまま殺されバスタブに顔とふたつの乳房を浮かせて絶命という笑わずにはいられない最期が前半の一番の見所です。
後半は娘を連れて警察から逃げまくる展開になるのですが全体的にそうなんですが5分に一回女の裸と血しぶきのどっちかが出てくるというくらいすごいことになっています。誘拐犯も警察に捕まって万力で手を潰され、バーナーで体をあぶられ、オマケに水責めという「ホステル」も真っ青な拷問でこんなのだったら殺してくれた方がましです。
クライマックスは今はゴーストタウンとなった郷^治の生まれた場所で杉本美樹と郷^治郷^治と室田日出男の三つ巴の激しいバトル。というかよくよく考えてみると杉本美樹はほとんど戦っていなかったような・・・と細かいことはおいて置いて、70年代でなければ作ることが出来なかったまさにグラインドハウスの王道と言うべき作品h勢いがあっていいですね。
2回目のコメント
2011年8月
2回目をみんなで観ましたよ。DVDもせっかく買ったので。
映画館で観た時はお客さんもこういったグラインドハウス系の映画を観たくてくる人ばかりだからどんなシーンでもやりすぎてみんな笑っていしまいます。みたいな雰囲気なのですが、人の家で観るとちょっとヘビーでした。
何か改めてじっくりと見直すと、全てのシーンが拷問だらけで尋常じゃないんですよ。犯人グループの、メンバーの一人も丹波哲郎に捕まって万力で挟まれるし、太ももバーナーで焙られるし
。今の時代だったら絶対映像化できないシーンがこれでもかと出てきて正直真面目に観たら笑えないかもしれません。でもこの映画勢いがあって好きです。
三原葉子は何度観てもこの映画ではすごいインパクトで結構出ているかなと思ったら意外と出演シーンは短めでした。しかしあの山姥ギャルの元ネタみたいな恰好は何だったのだろうか謎です。微妙に似合っていたのもまたすごかったですが。
しかし、言われて気が付いたのですが(遅い)杉本美樹ってほとんど何にもしていませんよね。あんまり戦わないしほとんど柱に巻きつけられて殴られているとかそんなシーンばかり、郷^治いつでもやっつけられるでしょうというシーンがあるのに仕事をしないんですよね。むしろ半分悪徳刑事みたいなキャラクターの室田日出男の方が事件を解決しようとして必死だったような気がします。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
杉本美樹
(零)
エヴァ・メンデスはこういう役が似合いそうです。
郷^治
(仲原義秀)
ヴァンサン・カッセルあたりにお願いしたい。
室田日出男
(日下正志)
レイ・リオッタがまさに的役。


三婆
THREE OLD LADIES
(1974)
4
2009年9月
社長夫人の松子はある日、夫が愛人の駒代が急死したと知らせを受ける。そんな知らせを受けつつも立ち直った松子だったがやがて小姑のタキと愛人の駒代までもが松子の家に転がり込んできて・・・
日本の映画界をしょってきた三益愛子、田中絹代、木暮実千代3人の晩年の辛らつなドラマ。
原作が有吉佐和子だから毒っ気があると思っていたら想像通り毒っ気満載で面白かったです。罵りあいを大物ベテラン女優たちがやるというところがやはり一番の魅力です。
大女優つかまえて「三婆」<さんばば>というタイトルにまず潔さを感じられていい。
三人とも性格の違う、本妻の三益愛子、小姑の田中絹代、愛人の木暮実千代。三益愛子は二人を追い出したくてあの手この手を使うのですがガッツのある田中絹代はへこたれず、水商売あがりの木暮実千代は猫なで声で三益愛子に取り入ってなかなか二人とも家を出て行きません。そしてあるときは三益&田中がタッグを組んで木暮の悪口を言い合っていたかと思えば今度は田中と木暮が三益の悪口を言い合うといった展開が面白すぎる。そして田中絹代がバージンらしいという設定が怖いです。
そして田中絹代を密かに老人ホームに入れようと画策した三益愛子だったのですがものすごい抵抗に合い失敗。しかし冷静になって考えてみた田中絹代は自ら老人ホームに入ろうとするけれど、一人で屋敷で暮らしていくことが考えられなくなった三益愛子はやっぱり三人で暮らそうというのです。この終盤あたりかた突然老人福祉問題にいきなり切り替わるのですがそれからこの三人と有島一郎の四人は全員ボケてしまって誰にも気付かれずひっそり暮らし続けているというラスト。ただ辛らつなだけではなく色々と老後について考えさせられるのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
三益愛子
(武市松子)
優等生タイプのメリル・ストリープで。
田中絹代
(武市タキ)
ガッツおあるグレン・クローズで。
木暮実千代
(富田駒代)
アネット・ベニングあたりにお願いしたい。


四つの結婚
FOUR MARRIAGES
(1944)
4
2009年10月
親友の結納を届けに行くよう頼まれた河野は快く引き受けるも相手の名前を聞かずに出かけてしまう。翌日届け先に着いた河野はその家の娘が四姉妹であると知り混乱してしまう・・・
戦争中に作られたラブコメディ調な作品。
1944年ということで第二次世界大戦も末期な頃に公開されたことになると思うのですが結構コミカルに描かれていたのが印象的でした。そして四姉妹というのが入江たか子、山田五十鈴、山根寿子、高峰秀子という顔ぶれが豪華すぎます。
長女が未亡人、次女の夫は北京に出兵中、三女が今度結婚する相手で四女はいい人を待っているという感じで、感の悪い主人公はこの一家の人が何となく長女や次女の夫のことを話の中で遠巻きに話すも全く感づかないマヌケな感じで高峰秀子を三女と思いこんでがっくりするというお茶目な間違いもありながらも誤解が解けて二人はいい感じに。
60分くらいの短い作品の中で戦争中のネタも盛り込みつつも戦争っぽさを感じさせない作りに感心しました。
高峰秀子はlこの顔ぶれで堂々のヒロイン扱い。さすがだなと思いました。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
三島修平
(河野秋武)
ちょっと抜けた感じのクリス・エヴァンスあたりで。
高峰秀子
(小坂啓子)
しっかりしていそうなエミー・ロッサムで。


四つの恋の物語
FOUR LOVE STORIES
(1947)
3
2008年5月
タイトルどおりオムニバス形式で展開される四つの恋の物語。
第一話【初恋】豊田四郎監督
池部良の両親が志村喬と杉村春子というすごい一家にある日女学生の久我美子があずけられて二人はやがていい感じになっていくという内容でこれが俳優的にも豪華で一番好きかな。
池部良と久我美子がだんだんいちゃいちゃしてくる勢いがすごくなってきて観ていて恥ずかしいのですがそんな久我美子に杉村春子が嫉妬して家に帰してしまい「渡る世間は鬼ばかり」的な不憫な展開で終わるところが以外でした。
第二話【別れも愉し】成瀬巳喜男監督
木暮実千代がダンサー時代に知り合った彼氏に本当に好きな娘が出来たから別れてください。と言われて・・・という感じの内容。
木暮実千代が彼氏に心配させないようにちょっと強がって私も実は好きな人がいているから心配しないでいいみたいなことを言うので切ない感じでした。木暮実千代の髪型がサザエさん風でちよっと野暮ったくもあり時代を感じます。
第三話【恋はやさし】山本嘉次郎監督
劇場の役者、榎本健一は踊子の若山セツ子が好きだけどいい出せない。若山セツ子も実は榎本健一が好きなんだけどなかなか告白してくれないから田舎に帰ろうとするという内容。
二人をくっつけようとする飯田蝶子がやっぱりいいです。おせっかいなおばさんという感じがして。この話だけ唯一のハッピーエンドでした。
第四話【恋のサーカス】衣笠貞之助監督
空中ブランコでサーカス団員が墜落死する事件が起きて殺人容疑で捕まった相棒?が事件の真相を語るみたいな幹事の内容。
最後は一気にサスペンスフル。性格悪そうな女空中ブランコのスターとの三角関係の話で、要はこの女がいけないということになるのですが舞台裏ではもっと複雑な人間関係があってこれを30分でまとめるのはちょっと無理があったように思えます。
個人的にも顔と名前が一致するスターがいなかったのでもう一回ぐらい観ないと分からない感じです。
全体的に悲恋ものばかりで想像以上にからっとしていなかったのが予想外でした。でも
杉村春子とか飯田蝶子が出てくるとやっぱり雰囲気ががらっと変わるところに二人のパワーを感じました。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
(登場人物多数のため今回はなし)


七人の侍
SEVEN SAMURAI
(1954)
5
2005年3月
麦の刈り入れが終わる頃、野武士達が襲ってくる貧しい村の村人達は侍を雇うことにするのだったが、食べ物だけが報酬のこの仕事になかなか侍たちは集まらず・・・
誰もが知っている黒澤明監督の名作にして傑作と言われている「七人の侍」とついに観ました。
スティーヴ・マックイーンとかユル・ブリンナーの「荒野の七人」は観たことはないけどあらすじは知っていてなるほどおんなじだなぁと思い改めて世界の黒澤ってものを感じることが出来ました。
上映時間が3時間30分くらいあって観たいけど疲れそうという気がしていたのですが途中に休憩もあったので意外と疲れずじっくり鑑賞できました。
前半は旅の仲間ならぬ侍集めにじっくり時間をかけていて最初は正直展開が遅いと思ったのですが今思うとすっごく丁寧に描いていたんですよね。だから後半の侍達の絆みたいなものが伝わってくるんだと思います。
断然面白くなるのはやはり三船敏郎が仲間に加わってから。三船敏郎が出ている作品って何作か観ているのですがオールバックでダンディなやくざの組長みたいなイメージが強かったので今回の菊千代には驚きました。
三船敏郎はこんなにも豪快でやんちゃなそれこそ「宮本武蔵」の中村錦之助みたいに若さ溢れるって感じがして一気にファンになりました。
後半は合戦シーンがメインだったのですがこれがまたよかったです。最初は警戒していた村人達も侍達と手を取り合って野武士達と弱いながらに戦うところにぐっときます。
ネタバレ→
最後菊千代死んじゃうんですよね。勘兵衛が死んで菊千代が侍魂を受け継ぐみたいなことを想像していたので結構ショックでした。
農民のキャラクターも個性豊かでいつも泣きそうな顔で菊千代に突っ込まれている与平なんて見ているだけで微笑ましかったです。
長かったけどもう一回観たいと思うのはやはりこの作品がすばらしいからだと思います。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
三船敏郎
(菊千代)
やんちゃなイメージのコリン・ファレルで。
志村喬
(勘兵衛)
師匠っぽい役が多いリーアム・ニーソンで。


八月生れの女
(1963)
3
2008年11月
ある日車をぶつけられた滝川由美はあろうことか車をぶつけた村瀬という男に訴えられてしまう。訴えられた由美は親友の探偵早苗に村瀬の調査を頼み・・・
若尾文子と宇津井健のラブコメディ。
今回の若尾文子はカメラ会社の女社長です。タイトルの「八月生れの女」とは若尾文子扮する女社長が八月生まれで八月生まれの女は気が強くて周りが振り回されてしまうからこういうタイトルになっています。
車をぶつけた宇津井健も実は訳ありで若尾文子に恋愛感情抜きで接近するためにわざと車をぶつけたのですが次第にお互いが気になる存在になるとう王道ストーリーに仕上がっていました。若尾文子は勝気な女社長を好演していてよかったのですが宇津井健との相性はいまひとつという感じでした。勝気な若尾文子に押されっぱなしで彼女の相手をするのはもうちょっとアクの強い俳優の方が向いていると思います。
結婚しない若尾文子に秘書の東野英治郎が結婚させようと策略を練って騙して四国の富豪の川崎敬三とお見合いをさせるのですが宇津井健とライバルになって恋の鞘当になりそうな展開もなく全体的に物足りない感じがしました。
堅物の秘書、東野英治郎は実は若尾文子の踊りの先生と密かに付き合っていたり、若尾文子は社長というセレブな設定なのでモダンな衣装をとっかえひっかえして脇役たちの面白さや見た目に華やかだった分、なんだかもったいないなぁと思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
若尾文子
(滝川由美)
気が強そうなペネロペ・クルスで。
宇津井健
(村瀬力)
ラブコメディはマシュー・マコノヒーがぴったりな感じ。


十三人の刺客
13 ASSASSINS
(2010)
4
2010年10月
江戸時代末期、明石藩主の斉韶の暴君ぶりに誰もが恐れをなしていた。そんな中、島田新左衛門は斉韶暗殺の密命を受け仲間を集め準備を整えるのだが・・・
1963年の時代劇を三池崇史が豪快にリメイク。
三池監督史上もっとも硬派でまともな作品なんじゃないでしょうか。内容は単純なのですが、シンプル・イズ・ベストって感じなくらい綺麗にまとまっていた。ラスト50分のクライマックスもすごいことになっていているのですが、個人的にはもうちょっと遊びというか笑いが欲しかったなと思いました。(まぁこの映画で笑いがあったら、逆にダメかもしれないのですが・・・)そいうった意味では「クローズZERO」シリーズの方が好きですね。
映像的にはハードコアな時代劇といった感じで大変好みで
配役では稲垣吾郎と野蛮人の伊勢谷友介が完全においしい役でした。
稲垣吾郎なんてぼんやりとした印象しかなかったのですが、こういうドSの役で新境地を開拓した感じはするし、伊勢谷友介は最近映画で見かける機会が多くなってきているのですが、役幅が意外と広いことに気がつき感心しました。
もうひとつ欲を言えば、仲間を集める過程でもうちょっと各キャラクターのバックボーンが描かれていたらかなり満足していたと思います。聞いた話によると4時間バージョンがあるようなので、DVD化されるときは是非そのシーンが入っていることを願います。
注目の山田孝之は確かに精悍でカッコいいのですが、ストイックなキャラだから仕方ないのですが、もう少しはじけて欲しかったなと思います。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
役所広司
(島田新左衛門)
これはやっぱりクライヴ・オーウェンにやってもらいたい。
山田孝之
(島田新六郎)
いい味出してくれそうなジャレット・レトで。
稲垣吾郎
(松平左兵衛督斉韶)
ポール・ダノあたりがやったら面白いと思います。
市村正親
(鬼頭半兵衛)
リーアム・ニーソンあたえいにお願いしたい。


20世紀少年
TWENTIETH CENTURY BOYS
(2008)
4
2008年9月
コンビニを経営し失踪した姉の子供を育てているケンヂのお得意様の教授一家が失踪する事件が起き、同級生だったドンキーも謎の死を遂げてから次々と怪事件が起こり始め、やがてケンヂが子供の頃に書いた「よげんの書」とそっくりなことに気がつき・・・
浦沢直樹原作の大ヒットコミックの実写化。
原作を読んでいないので観ようか迷っていたのですが原作を読んでいない分、先入観もなかったこともあり面白かったです。
脇役までやたらと豪華でどうなの?と思いましたが各キャラクターが脇役までコミックの雰囲気にそっくりでとても感心しました。ノスタルジックな子供時代のケンヂもで唐沢寿明の雰囲気があってよかったです。見た感じはそれほど派手さはなくどちらかというと硬派寄りな感じがするのですがテンポが良いのと勢いがあるところがよかったのかなぁと思いました。
あと、こんなちょい役にこの人が!?というところがいいですね。生瀬勝久の奥さん役もしかして洞口依子?と思ったらやっぱりそうで本当人件費にお金かかっていますというところがすごいです。それにじゃにが一切出ていないところも珍しくてよかったです。(フックンは元ジャニーズです。)
個人的には
本編とあまり関係ない唐沢寿明のコンビニで働くやる気のない店員役の池脇千鶴が結構出番が多かったのですがその演技の上手いこと。池脇千鶴が一番光っていたかもしれません。宮崎あおい、蒼井優とかこの辺りの世代の女優はバラエティ番組にもほとんど出ないでストイックに女優業に専念しているところが今どき珍しく、若手三大女優と呼んであげたいと思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
唐沢寿明
(ケンヂ)
最近ノリにノッているロバート・ダウニー・Jrで。
豊川悦司
(オッチョ)
ジョニー・デップにお願いしたい。
常盤貴子
(ユキジ)
気が強い役が似合うキャサリ・ゼタ=ジョンズで。


20世紀少年<第2章> 最後の希望
TWENTIETH CENTURY BOYS: CHAPTER TWO THE LAST HOPE
(2008)
4
2009年2月
血の大晦日から15年が経ち、高校生に成長したカンナは行方不明になったケンヂのことを思いながらやがてクラスメイトの小泉響子とともにともだちランドに行き、ともだちの秘密に近づいていくのだが・・・
人気コミックの映画化の続編。
唐沢寿明が出ていない分、豊川悦司がおいしい所を持っていっているという感じでした。
カンナ役の娘。最初出てきた時は元気印のボーイッシュな女の子で正義感が強くて好感度満点みたいなところが付いていけない。と思ったのですが慣れれば意外と平気で、今回も楽しかったです。
序盤は新キャラの紹介といった感じなのでそれほど盛り上がらないのですが(藤木直人は浦沢作品に出てくる爽やかイケメンにイメージがぴったりでこういうそっくりさん加減を見つける分には十分楽しい)カンナと小泉響子がともだちランドに行くあたりからテンションが高めになって面白くなってきます。
それもこれも全部、顔は笑っていても目の奥は笑っていない感じで常にハイテンションの小池栄子のおかげだと思います
。第2章の楽しみは小池栄子の怪演と思って観に行って大正解。出番もともだちランドの責任者的なポジションに留まらず友民党の幹部クラスだったりと意外と多くて完結編の活躍というか暴れっぷりに期待が膨らみます。
小泉響子役の娘も漫画からそのまま飛び出てきたみいたいでリアクションも漫画っぽい感じが様になっていてとても感心しました。
と全体的にテンションが高くなったのですが最後の重要なシーンにスティーヴ・マックイーンの息子が出ていると後から知って親の七光りの恩恵を受けられないのも何だか切ないなぁと、しみじみ思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
平愛梨
(カンナ)
ボーイッシュじゃないですが好感度の高いアン・ハサウェイで。
木南晴夏
(小泉響子)
ちょっとボーっとした感じのブリタニー・マーフィーあたりで。


20世紀少年<最終章> ぼくらの旗
20TH CENTURY BOYS: THE LAST CHAPTER - OUR FLAG
(2009)
3
2009年9月
ともだちが世界を制した2017年、カンナは過激派集団を結成しともだちを倒すべく行動を開始していた。一方その頃ケンヂが東京にやって来て・・・
待望のシリーズ最終章。
1作目2作目が思っていたより面白かったので最後も期待していたのですが、ともだちの正体とかも分かりスッキリして内容もなるほどと思ったりもするのですが話のまとめ方が最後に来てイマイチでちょっとがっかりです。
とりあえず最後だからと言って前に出てきた人を無理やり出すのはやめてもらいたかったです。前回フェードアウトしていた宮迫も復活してはいるし、原作は未読なので何とも言えないのですが別にいなくてもよかったかなと思いました。あと
毎回ちょっとだけ出てくる有名人もこの映画の売りと言えば売りなのですが肝心な時にこういう人が出てくると集中力が途切れます。特に常盤貴子のシーンはシリアスなシーンが多いのに武蔵とか出てきて確かに浦沢顔ではあるのですが気になって仕方がないし、最後のほうに出てくる地球防衛軍のヘルメットを取ったらロンドンブーツの田村淳ってどうなのかな?て思いました。しんみりするシーンなのに場内も失笑でしたし。
あと個人的にがっかりしたポイントは全作までに強烈な印象を残したキャラクターが余計なキャラクターのおかげで出番が少なくて残念。片瀬那奈、小泉響子とか小池栄子の高須の活躍を期待していたら二人とも出番はちょっとだけ。片瀬那奈は一瞬だし小泉響子なんてコンビーフ食べてるだけみたいな幹事でこれじゃ本人も浮かばれなし、小池栄子も常盤貴子と取っ組み合いという個人的には一番盛り上がるシーンはあったものの出番が少なくテンションが上がりきらないと全体的に消化不良なんです。
登場人物を全部出したい気持ちは分かるのですがここはケンヂ、オッチョ、ユキジ、ヨシツネ、カンナくらいまのエピソードに絞って後はばっさり切り捨てた方が全体的にスッキリするのにもったいなと思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
石橋蓮司
(万丈目胤舟)
こういう役はクリストファー・リーがぴったりです。
小池栄子
(高須)
007時代のファムケ・ヤンセンにお願いしたい。


二十四の瞳
TWENTY-FOUR EYES

(1954)
4
2005年12月
昭和の初め、小豆島の分校に赴任してきた新任の大石久子と12人の一年生の生徒とのふれあいを描いた作品。
ようやく有名なこの作品を観ることができましたが、普通にいい映画だなぁってのが正直な感想です。
戦争がが始まるちょっと前の昭和初期の瀬戸内海の小豆島って本当田舎の村が舞台だからほとんど女の人は和服でそ子で新任の大石先生はスーツに自転車で出勤というスタイルだから最初お母さん達には変な目でちょっと陰口たたかれるような存在だけど子供達のおかげで分かりあえるところとか定番なんですけどこういうのっていいものだと思います。
そのきっかけっていうのが子供達が落とし穴で大石先生をはめようといたずらしたら思いっきり骨折して子供ってこういうこと考えないでやるから残酷だよなぁって思いますけどそのあと学校を休職中の先生のところに小学校一年生のちびっ子達が歩いて先生の家まで訪ねて来たりしたら
子供が苦手でもこのピュアさにころっとやられますね。
結局、本校勤務になった大石先生は5年生に成長してから彼らに再会するのですがそのうちの一人は家が貧乏だから食堂に奉公出されたりしてこの食堂の女将さんが浪花千栄子なんですが子供に労働を強制するようなタイプじゃなくて先生が来たから挨拶しなさいと言ってくれる人情がある人でホッとします。
それからまた月日が経ち終戦を迎えて生き残った生徒達が同窓会を開いたりしてクライマックスは感動するポイントがたくさんあるのですがこの映画のみ見所はやっぱり初めの小学校一年生の話が一番面白いですね。
子役達も一年生の時と五年生の時の子供がやけに似ているなぁと思ったらどうも本物の兄弟がやっているらしいところが今の時代じゃここまで徹底できないだろうって感じでこれは本当にすごかったです。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
高峰秀子
(大石久子)
先生だったらガッツありそうなケイト・ウィンスレットで。


33号車応答なし
NO RESPONSE FROM CAR 33
(1955)
4
2007年3月
クリスマス・イブの日、警官の仕事を快く思っていない妻の敦子と夫婦喧嘩をした村上巡査は夜勤に出かけ原田巡査とともに夜の街をパトロールするうち二人は殺人事件にそうぐうするのだが・・・
池部良と志村喬がタイトルどおりパトロールカー33号車に乗ってパトロールするも事件に巻き込まれ応答なしの状況に追い込まれるサスペンス。
前半は警官の苦労をたっぷり描き、後半は凶悪犯、平田昭彦との死闘を描いた作りになっています。
前半はクリスマス・イブという世間が浮かれた夜にバーやキャバレーで酔っ払った客をたしなめたりして酔っ払いが女なら(これが塩沢とき)周りの野次馬にやじられたりして可哀想でこんなシーンばっかり続くのでこれでまさか終わったりしないよなぁ、と一瞬焦ったのですがスピード違反で注意した運転手が後に殺されたり、
前半の一見関係なさそうなシーンが意外と後半に繋がっていて本格的に物語が展開していくあたりは感心します。
警官を殺している凶悪犯、平田昭彦も頭脳派で一見穏やかそうなんですが実際は冷徹でイメージにぴったりで隠れ家として使っているある場所も前半に伏線があってやっぱり関心しましたし、最後、池部良とのガチンコ勝負のシーンは本当に泥まみれで取っ組み合いをしているところなんかを見ると何となく今とは気合の入り方が違うなと思うのでした。
旦那さん思いだけど真面目でメソメソするのがたまに瑕な奥さん役の司葉子は事件に巻き込まれるか?と思いましたがケンカしてお姉さんの中北千枝子に励まされて夜の街に繰り出すも旦那が心配でイマイチはじけきれないというキャラがはまっていました。結局、司葉子は池部良の身に起きた事件を知らずに終わるのですが池部良が妻を心配させまいとして仕事のことは話さない思いやりの気持ち、ケンカをしても夫のことが気になる司葉子、結婚してるけど二人は恋人気分で幸せ者でした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
池部良
(村上巡査)
イメージはマーク・ウォルバーグで。
志村喬
(原田巡査)
面倒見がよさそうなジョン・C・ライリーで。
平田昭彦
(浅沼浩)
こういう役はポール・ベタニー以外考えられません。
司葉子
(村上敦子)
レイチェル・ワイズは真面目な奥さんという感じがする。


三十六人の乗客
(1957)
4
2006年12月
凶悪な強盗殺人事件が起き捜査を担当する山上刑事は犯人が草津行きのスキーバスに乗ったとの情報を得る。ちょうどその頃、山上刑事の婿で部下の渡辺は辞表を出し不倫旅行のため犯人が乗ったと思われるバスに愛人の三津子と乗っていて・・・
乗り合わせたバスに強盗犯がいるかもしれない・・・という巻き込まれ型サスペンスなんですけど、たまたま乗っていた刑事は不倫旅行に行く途中でしかも辞表を出していてその上義父が上司の刑事という設定にエンターテインメント魂を感じてワクワクします。
仕方なく犯人探しをする小泉博がバスに乗り込むときに一通り乗客が映るのですが千秋実、佐藤允、中谷一郎なんかのブレイク前の人たち(千秋実はベテランですが)次々に登場してしかもみんなどこか胡散臭く大体察しは着くのですが犯人が誰だか分からないように作ってあるところがいいですね。
それにこういう人たちの秘密というか正体が次々に明らかになっていき一人一人にちゃんとエピソードが割り当てられているのはすごいなぁと感心しました。バスガイドの扇千景が小泉博の手伝いをして乗客のカバンを開けようとした時に塩沢ときに見つかってみんなに攻められてバスの後ろで泣いてると思ったら小泉博に泣いたふりして色目を使うというなめてんのか?という展開にイラッときたりもしましたが全体的によく出来ていたなと思いました。
3年以上前から浮気をしている小泉博の奥さん若山セツ子は夫が浮気をしているとは全く思っていないおめでたい奥さんで今回も何にも知らずにネタバレ→
最後草津にやってきて淡路恵子は身を引くという珍しく愛人が可哀想に思える終わり方なんですが、何も考えてなさそうな鈍感な女がこういうときは勝ってしまうものなんですね。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
小泉博
(渡辺一郎)
テンションの低そうなトーマス・ジェーンで。
淡路恵子
(柳沢三津子)
気が強くしっかり者の感じのジュリア・ロバーツで。
志村喬
(山上刑事)
いぶし銀のモーガン・フリーマンで。


四十八歳の抵抗
(1956)
3
2005年5月
平凡なサラリーマン西村耕太郎はある日謎めいた部下の曾我法介から誘いを受け銀座のクラブに行くようになる。そんなある日、曾我に連れて行かれたバーで出会ったユカという娘の理枝より若い娘に次第にはまっていき・・・
今では自分の娘より若い子に入れあげるなんて当たり前のようによく聞く話ですけど当時は斬新だったんじゃないでしょうか?そんな内容なのはいいのですが
バーの娘が不思議系の子、自分のことをユカちゃんと呼ぶような子だったからテンションあがらず・・・やっぱりは個人的に自分のことをちゃん付けで呼ぶ子はダメですね。
なので肝心の本筋はノレずに娘の結婚エピソードあれこれの脇エピソードの方が断然面白く感じました。
OLの娘、若尾文子にどうやら付き合っている男がいるらしいがそいつが年下で収入もない学生ってところに自分のやっている事を棚に上げ激怒するというオーソドックスな展開なんですが相手役が学生か新入社員やらせたら天下一の川口浩なもんだから安心して観ていられます。川口浩を見ているとやっぱり若いというか青春っていいなと思います。
オーソドックスだと思っていたけどネタバレ→
若尾文子は妊娠していたという←これまた時代を先取りした展開にこの映画ちょっと挑戦的だったんだなぁと後から思うのでした。
謎めいた部下が船越英二なんですが主人公を誘惑する悪魔的な存在がめずらしいと思っていたら本当にバイキンマンのようなコスプレしたのにはずっこけました。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
山村聡
(西村耕太郎)
デニス・クエイドは真面目そうだから若い子にはまらないように気をつけてもらいたい。
若尾文子
(西村理枝)
ダイアン・クルーガーは年下が似合いそうで。
雪村いづみ
(ユカ)
不思議系といえばオドレイ・トトゥ


100発100中
IRONFINGER
(1965)
3
2008年3月
飛行機で国際秘密警察のアンドリュー星野と一緒になった陽気な男は香港に降り立つがしかし突然の襲撃を受けアンドリューは死んでしまう。アンドリュー星野になりすました男は日本に戻り怪しげな中国人を追いかけるのだが・・・
宝田明主演のコミカル・スパイアクション。
マザコンで色々な言葉を操る謎の男が国際警察になりすまし事件を解決する?といった内容ですがコミカルすぎてビックリします。改造銃をめぐる対立する赤月組と青沼興業に命を狙われたりもするのですがそれぞれ赤月組みに雇われた殺し屋が爆弾使いの浜美枝で超音波で爆弾を遠隔操作して爆発させます。青沼興業に雇われた殺し屋が硫酸使いの平田昭彦で酒を入れる銀のケースに硫酸を仕込んで相手にぶっ掛けるという面倒くさい方法で自分の手に引っかかっちゃうんじゃないかとハラハラしますが硫酸の威力はものすごく協力と武器も登場人物も個性豊かなのが面白いです。
赤月組のメンバーは赤い服で青沼興行のメンバーは青い服という分かりやすい格好も単純明快でいいです。
てんやわんやのうちに浜美枝とコンビを組んだ宝田明&ちょっと抜けていり警察の有馬一郎VS影の大ボス&平田昭彦という構図でクライマックスになだれ込んでいくのですが
浜美枝はさすがボンドガールだなだけあってハル・ベリーなみにオレンジのビキニで戦っています。そしてパラシュートから脱出した武器商人をヘリコプターで木っ端微塵にするという意外に残酷なことをしでかしてさすが殺し屋といった感じです。
終わり方も「007」風でこれはコミカルな和製ボンドだなと感じたのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
宝田明
(アンドリュー星野)
ちょっと三枚目という感じのルーク・ウィルソンで。
浜美枝
(沢田ユミ)
オレンジのビキニが似合っていたハル・ベリーで。
有島一郎
(手塚部長刑事)
ウィリアム・H・メイシーがぴったり。
平田昭彦
(小森)
冷たい感じの役が多いピーター・サースガードで。


100発100中 黄金の眼
GOLDEN EYES
(1968)
4
2008年3月
ベイルートに滞在していったアンドリュー星野は父親を殺された少女から犯人を探しの依頼を一ドル銀貨で引き受ける。一方その頃、金の密輸団を追ってベイルートにやってきた手塚刑事と再会するがアンドリュー星野たちは何者かに狙われて・・・
無国籍アクションのシリーズ第二弾。
ハードボイルド度がアップして前作より面白かったです。宝田明以外キャストを一新して、腕の立つ謎の女が前田美波里に借りがあって宝田明に協力する刑事に佐藤允と事件に巻き込まれた売れない歌手とエンターテインメント要素も衰えていません。
初っ端からベイルートの殺し屋に囲まれた宝田明と佐藤允は敵の落としたマシンガンをピストルで遠隔操作?して乱れ撃ちそして敵は全滅みたいな無茶苦茶な展開が笑えます。
後半も宝田明と前田美波里が弾切れでいよいよ絶体絶命の大ピンチというところで佐藤允が助けに来てくれるのですがものすごく陽気に両手を振って「おーい!大丈夫かぁー!」と緊張感がないところも徹底的にコメディにしていて好きだし、
ベイルートの双子の幹部がどうらんをべったりと塗りたくった日本人というところも楽しいです。
ボンドガール的な前田美波里は前作の浜美枝よりも個人的には好みなのですがこの時代から活躍している前田美波里はいったい何歳なのだろうかと考えてしまいました。
もう一人のボンドガール的な存在の沢知美は売れない歌手役なのですが事件に巻き込まれたことを利用して積極的に芸能活動に利用するような性格なのですが今も昔も芸能界というところはしたたかでないと生き残っていけないのだなと思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
前田美波里
(ルビー)
コメディには欠かせない感じのするヘザー・グラハムで。
佐藤允
(手塚竜太)
たまには陽気な役も観てみたいドン・チードルで。
沢知美
(斎藤ミツコ)
負けず嫌いそうなケイト・ハドソンで。


三百六十五夜 総集編
365 NIGHTS
(1948)
4
2010年2月
小牧蘭子から逃げるように世田谷に下宿することになった川北小六ははそこの娘、大江照子とたちまち恋に落ちるのだが蘭子と小六に因縁のある津川厚はそれぞれの思惑で二人の仲を引き裂こうとして・・・
「風邪と共に去りぬ」のような少女漫画っぽい設定の大作恋愛ドラマ。本当は東京篇と大阪篇に別れているようですが今回観たのはひとつにまとまった総集編です。
上原謙がモテまくりという設定でそのくせ振り方が酷いという相変わらずな感じなので、偶然出会った山根寿子に真実の愛が芽生えて苦悩しても全く同情できないところが上原謙らしいところです。これが森雅之だったらがんばってという気にもなるのですが・・・
だから関西弁でガンガン上原謙にアタックする高峰秀子は今回ヒロインの山根寿子の恋敵という珍しい役どころなのですが、俄然応援したくなるんですよね。山根寿子は地味なお嬢さんという感じで因縁のある堀雄二の汚い罠に陥ってもむしろ立ち向かっていってやろうじゃないかとどんどん逞しくなっていきこういう女こそ実はしたたかなんですね。
山根寿子は本当少女漫画に出てきそうなくらい不幸でまずは何故か家に強盗が押し入ってお母さんとお手伝いさんが縛られて別室の彼女もピンチというところで上原謙登場という展開。次は、大好きな上原謙のために借りてはいけない相手の堀雄二からかりたまではいいもののそれをロクでもないお父さんに盗まれてしかもその盗んだ金も何故か堀雄二の手下に奪われて借金地獄。
借金返済のために堀雄二に紹介されたモデルの仕事では着替えている姿を盗撮されてしまう始末。山根寿子が世間知らず過ぎるのか堀雄二があくどすぎるのか・・・と思いきや元はといえばは上原謙がいけないんですよねぇ。
がとにかく上原謙のダメっぷり山根寿子に襲い掛かる不幸の連鎖に掘雄二のこれでもかと言わんばかりの悪徳の策略に高峰秀子の確かな演技力これだけでとっても観る価値はあるかと思います。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
上原謙
(川北小六)
ジュード・ロウがやれば応援したくなりそうです。
山根寿子
(大江照子)
不幸にも逞しく立ち向かっていきそうなケイト・ウィンスレットで。
高峰秀子
(小牧蘭子)
気の強そうなサルマ・ハエックあたりにお願いしたい。
堀雄二
(津川厚)
ジョシュ・ブローリンがやりそうな感じでした。


893愚連隊
(1966)
5
2004年7月
京都で愚連隊のリーダーをしている谷口ジローはある日刑務所から出所した杉山と偶然出会う。行く場所のない杉山を谷口は向かいいれるのだが、時代遅れの杉山の考えが次第に中間たちとの溝が深くなっていた。そんな中、杉山は一千万円の大仕事を持ってきて仲間たちとも再びうまくいくと思われたのだがやくざの黒川が横やりを入れてきて・・・
愚連隊とはやくざにならず稼いだ金を折半するちいさな組のようなものだそうな。そんな愚連隊の生き様を描いた作品です。
松方弘樹たちの愚連隊の格好がレザボア風でスタイリッシュだったけどネクタイ細いし短っ!これ当時のおしゃれなんだろうか?と思いつつもこの映画面白かったなぁ。松方弘樹の作品は初めて観て松方弘樹はよかったけど、なんといってもそれ以上に天知茂がしょぼくれ感を出しつつニヒルな部分もあったりしてかっこよかった。天知茂の役どころは出所して時代の流れに取り残された一匹狼的存在なんですけどこれがはまりすぎ。金のためなら何でもやるような近頃のチンピラとは違い仁義を重んじて仕事をする姿勢がいいんですよね。
それに引き換え新入りで愚連隊のナンパ担当の色男に扮した近藤正臣が憎たらしいこと。ナンパした女を売り飛ばすんだけども腹立たしいけど松方弘樹を差し置いて影でこっそり企んでいるところがむかつくんですよね。このむかつき感は「トロイ」の状況がわかっていなくて状況悪化を招いたオーランド・ブルームとは別のむかつき感なんですよね。しかも終始へらへらして最終的に裏切るところなんかはほんと一発殴りたくなよ。と憎まれキャラと肩入れできるキャラがバランスよく配置されているところもすばらしいところなんですよね。他にもラッキー池田のような風貌の三枚目キャラの荒木一郎とかやくざの幹部で邪魔をする高松英郎とか本当にキャスティングが最高ですね。
クライマックス一千万円を高松英郎に横取りされた松方弘樹たちが奮起していろいろあの手この手で取り返すところネタバレ→
結局取り返したけど車が爆発してお金も燃えちゃったりもするけど←そこを面白おかしく描ききってしまうところが痛快で観おわったあと後味さっぱり感が心地いいのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
松方弘樹
(谷口ジロー)
その強烈な個性と濃さがベニチオ・デル・トロのようでもあり。
天知茂
(杉山)
天知茂=ショーン・ビーンの図式が個人的にできあがりつつあり・・・
荒木一郎
(参謀)
荒木一郎同様に髪型が微妙な印象のある、ジョシュ・ハートネットあたりで。
近藤正臣
(大隅幸一)
さわやか系の顔立ちでいろいろ腹黒いことを考えていそうなジョナサン・リース・マイヤーズで。
高松英郎
(黒川)
はい、悪役といえばこの人ゲイリー・オールドマンで。


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