大悪党 THE MOST CORRUPTED (1968) | |
2006年10月 | |
洋裁学校に通う太田芳子はボウリング場で安いという男に出会い睡眠薬入りのカクテルを飲まされて犯され裸の写真を撮られ脅されてしまう。やがて芳子は得田という弁護士に出会い助けを求めるのだが・・・ 緑魔子が佐藤慶とバーに行ってバーテンがチンピラ役でよく見かける俳優だなと気づいた時点でこりゃ酒に何か盛られてると思ったら案の定、睡眠薬入っていて一気に転落人生で「嫌われ松子」も真っ青です。 オープニングも緑魔子のヌード写真のが次々と映し出されてこれから一体どんな酷い目に遭うのだろうかと一見下品な感じになりそうなんですけどそこは増村保造らしく緑魔子を監禁する佐藤慶のマンションというかアパートメントも確か畳の部屋とかじゃないしクローゼットとか内装ひとつとってもモダンに仕上がっているところはさすがだなと思いました。 やくざ者の佐藤慶の差ディスティック度も強烈でちょっとでも逆らおうものなら殴る蹴る、踏みつけるは当たり前というところがすごかったし、緑魔子を使って人気歌手と売春まがいのことをさせそれを盗撮してゆするというところも時代を先取りしている感じもしました。(体にちゃんとアザが残っているという芸の細かいところもいい。) ここで弁護士の田宮二郎がようやく出てくるのですがこれがまた一見いい人を装っていますがものすごい悪徳弁護士というところがこの映画のツボなのですが緑魔子に殺人を煽って実際やってしまうのですが、ここから一段と面白くなってくるわけで一回わざと捕まらせて裁判で一気に無罪になるよう二人して画策していくわけなのですがお嬢様だった緑魔子が平然と嘘の証言を次々としていく様はあっぱれです。最後もより強くなった感じで終わるところもよかったし緑魔子って「盲獣」の時もそうでしたがこういう役やらせたら右に出るものはいないまさに適役だったと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
田宮二郎 (得田仁平) | ヴィゴ・モーテンセンにこのニヒルな悪徳弁護士をやってほしい。 |
緑魔子 (太田芳子) | 第二のデミ・ムーアと言われているジョーダナ・ブリュースターで。 |
佐藤慶 (安井一郎) | サディスティックなイメージの強いケヴィン・ベーコンで。 |
大虐殺 (1960) | |
2008年9月 | |
突如起こった関東大震災。地震の時に火災が起きたのは朝鮮人の仕業という噂が流れ軍はこの機会に朝鮮人や社会主義思想の人々を虐殺していく。古川も一度は逮捕され命からがら逃げ切るが、古川の師が軍の手により殺され古川たちは暗殺計画を計画するのだが・・・ 理不尽な軍のやり方に立ち向かう天知茂主演の社会派作品。 今では決して実現できないような描写がこれでもかというくらいあってさすが新東宝はやることが違うと感じるのですが新東宝らしくだんだん変な展開になっていくんですよね。やっぱり。 関東大震災の意外と迫力ある映像後に社会主義者や朝鮮人が女や子ともを含めて次々銃殺されるいやーなシーンがありその後、捕らえられながらも生き残った人たちが川原で開放されたかなぁと安心していると今度はマシンガンで虫けらのように殺されていく人々。なんだか今じゃこういうこと映像化できないなと思いました。 命からがら逃げることに成功した天知茂に先生の細川俊夫が軍の手によって抹殺される悲劇が・・・とここで細川俊夫を殺す大尉は沼田曜一。陰湿でサディスティックな軍人という役どころがこれぞ沼田曜一という感じではまっていました。 とここまでは結構映像的にスケールが大きかった気がするのですが天知茂がとうとうテロリストになっていくあたりからどうやら雲行きが怪しくなっていきます。(天知茂も内容も) もう何か悪い事しましたか?というくらいやることなすこと上手く行かないんです。資金がないからと大阪の知人を頼りにして行ったら知人は現われず、仕方がないから銀行員を襲ったら間違って殺してしまい殺人犯。仲間も軍の大ボスを暗殺する絶好の機会に拳銃を撃ったら空砲だったというありえない失敗。このほかにもまだまだ出てくる失敗の連続でイライラしっぱなしです。 これだけテロに失敗する意図ははたしてテロはいけませんよというメッセージが隠されているのではないかと思ったりしてしまうのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
天知茂 (古川大次郎) | 極端な心変わりはトゥーフェイスをやっている時のアーロン・エッカートにお願いしたい。 |
大殺陣 雄呂血 (1966) | |
2007年5月 | |
家老の息子が岩代藩士を殺してしまい水無月藩の師範代の小布施拓馬は許婚の波江の父に頼まれ身替りとして一年間姿をくらますことになるのだが波江の父が急死し拓馬は岩代藩と水無月藩から追われる身となってしまい・・・ どん底に転がり落ちていく様が悲痛な市川雷蔵の時代劇。 前から観たいと思っていたのですが痛快時代劇と思っていたら必要以上にドロドロとした悲劇ものだたのでビックリしました。 許婚、八千草薫のお父さんに身替りを頼まれるのですがこれが加藤嘉というところから嫌な予感がプンプンします。案の定、加藤嘉は死んでしまって雷蔵早くも窮地に。中谷一郎も事件の真相を知っているのに嫉妬か出世欲かに取り付かれしらばっくれられていよいよ逃亡生活が本格化するのですが中谷一郎がこんなに卑怯な役をやっているのは初めて見たので新鮮でした。 八千草薫ものほほん顔で雷蔵に危機を知らせようと旅にでるのですがいきなり賊に誘拐され女郎にまで身を落とすというかなり悲惨なことになっていてまさに悲劇のカップルという感じです。 逃亡中に役人も斬ってしまいラストは総勢100人以上はいるんじゃないかと思われる岩代藩士と水無月藩と役人たちに取り囲まれ大立ち回りが始まるのですがキル・ビルも真っ青のまさに「大殺陣」といった感じなのでこんなのありえないとは思うのですが、これだけ人を斬ると刀を握り締めすぎちゃって手が広げられないとか「薄桜記」なみの寝転がりながらもなりふりかまわず生への執念で斬り続けるという細やかな芸風が雷蔵らしかったなぁと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
市川雷蔵 (小布施拓馬) | エリートそうな顔つきのヨアン・グリフィズで。 |
八千草薫 (波江) | 不幸せな雰囲気のクロエ・セヴィニーで。 |
中谷一郎 (真壁十郎太) | 裏切りそうなジョナサン・リース・マイヤーズで。 |
第三の死角 THE THIRD DEAD ANGLE (1959) | |
2008年11月 | |
造船会社の経理課の社員が事故死するがその社員から大金が発覚し、やがて重要な情報が漏洩していることが発覚する。調査課の芳川は極秘に指令を受け調査を開始するが、やがて大学時代の親友葉山の存在が浮かび上がってきて・・・ 企業乗っ取りをテンポよく描いた社会派サスペンス。 乗っ取る側、乗っ取られる側どちらも平等にそれぞれの立場を苦悩、嫉妬を織り込んでドラマチックに仕上がっていて面白かったです。内容も今どきという感じで今観ても色あせていないところも良かったです。 乗っ取られる側の社長は東野英治郎で調査員は長門裕之。乗っ取り側のボスは森雅之で右腕となって暗躍するのは葉山良二。葉山良二は乗っ取る側ですがいったい乗っ取ることに意味があるのか?と次第に自己嫌悪に陥っていき、逆に長門裕之は会社のためと次第に冷徹になり恋人までも捨て仕事に没頭していくところが皮肉めいていて面白いです。 長門裕之は葉山良二にものすごくライバル心むき出しで例えば葉山良二が東野英治郎の娘に近づいていい感じになりつつも長門裕之も運良くお見合いのチャンスが訪れるのですが、娘の稲垣美穂子はこんな生活に嫌気が差しているので打算で近づく長門裕之のことなど相手にしなかったら、葉山良二は株券ほしさに近づいているんですよお嬢さん。なんて告げ口する嫌なタイプの人間なのですが(おまけに妊娠してしまった恋人の渡辺美佐子には平気で堕ろというし)長門裕之は友達もいなそうでどことなく影がある感じなので何となく健康的な葉山良二より感情移入してしまうところがありました。 東野英治郎はずさんな経営をしていたおかげで森雅之に会社を狙われるという役どころなので出番は少なめで印象もあまり残らないのですが乗っ取りを企てる森雅之は優しそうな顔をして後半とてつもなく冷酷になるシーンがあり系統は違いますが「狙撃」も冷酷で森雅之はこういう役本当似合っているなぁと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
葉山良二 (加治英介) | 色々と苦悩する役が意外と似合っているレオナルド・ディカプリオで。 |
長門裕之 (芳川一郎) | ちょっと暗い役をやった方がはまるエドワード・ノートンで。 |
大盗賊 LOST WORLD OF SINBAD (1963) | |
2009年5月 | |
海賊の疑いで火あぶりの刑になりかけたところ間一髪で脱出した商人の菜屋助左衛門はそのまま船で海賊になるため海に出るが凶悪な黒海賊に襲われ流れ着いた島で仙人に助けられ・・・ 三船敏郎主演の無国籍冒険活劇。 とにかく楽しい仕上がりもさることながら、出演者が超豪華。悪評を全て王のせいにして国を乗っ取ろうとする宰相に中丸忠雄でその愛人(でも実はいい人)の草笛光子。中丸忠雄にそそのかされ海で大暴れする黒海賊に佐藤允に妖術使いの婆さんが何と天本英世。そんな中丸忠雄が悪事を働いていると薄々感じている姫に浜美枝。村で旅人を襲う女盗賊に水野久美。三船敏郎を助ける女にめっぽう弱い妖術師に有馬一郎。オマケに王国の兵士で割りと根はいい奴といった感じの田崎潤というざっと挙げただけでもこの顔ぶれ。どうですか。 衣装も無国籍というかオリエンタル?な感じではじけていて剣での戦いあり妖術ありと超娯楽大作となっているとkろが楽しいです。三船敏郎も海賊に間違われたんだから海賊になってやろうじゃないかという意気込みが単純でいいのですがそれが何だかんだ言っているうちにとある王国乗っ取り陰謀を阻止する事件に巻き込まれていくところが三船敏郎らしいです。 そして先日お亡くなりになった中丸忠雄が出ているのですが最初はちょい役かなと思っていたらとんでもない。悪役じゃないですか。それも策略を練って裏でこそこそ悪事を働くイヤらしいタイプの。そして最後のやられっぷりも今まで観たことのないやられ方が斬新です。 とにかく豪華キャストの無国籍な雰囲気と中丸忠雄の死に様が見所の娯楽超大作なのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
三船敏郎 (菜屋助左衛門) | 裸が似合うジェラルド・バトラーにお願いしたい。 |
有馬一郎 (久米地仙) | ウィリアム・H・メイシーはちょっと間の抜けた仙人の役も出来そう。 |
浜美枝 (弥々姫) | お姫様と言ったらエイミー・アダムス。 |
水野久美 (美輪) | 盗賊とか体を使う役がぴたりなルーシー・リューで。 |
中丸忠雄 (宰相) | このやられっぷりはショーン・ビーンにしかできません。 |
台所太平記 THE MIAD STORY (1963) | |
2009年5月 | |
作家の家に次々とやってくるお手伝いさんの姿を描いた谷崎潤一郎原作のドラマ。 森繁久彌と淡島千影夫婦のもとにやってくるお手伝いさんを描いたオムニバス風の仕上がりになっていて4世代?に分かれているのですが、1世代目が森光子、乙羽信子、京塚昌子。2世代目が淡路恵子、水谷良重。3世代目が団令子、大空真弓、池内淳子。最後の4世代目が中尾ミエという超豪華な出演者。みどころもいっぱいです。 一番ほのぼのというか安定したドラマとして観ていられたのはやっぱり森光子が淡島千影のお見合いを受けるか、田舎の姉が持ってきた結婚話を受けるかを中心に展開されていく1世代目。皆さん演技がベテランと言った感じで観ていて楽しいです。森光子の見合い相手が山茶花究だったり、乙羽信子の相手がフランキー堺だったりと脇役もいい感じでこの世代だけでもずっと観ていたいと思えるレベルの高さ。 雰囲気の全く違う2世代目はとにかく怖い。淡路恵子が水谷良重とレズっぽい関係にありながらも森繁久彌の私物を勝手に引き出しを空けて使ってしかも叱られても全く悪びれることがないところがサイコです。表情も常に無表情で淡路恵子が出ている2世代目の話だけ異様に怪奇ムードで家全体も心なしか暗く見えるところが怖かったです。 3世代目から今どき感が出てきて団令子は口述筆記も出来て森繁久彌のお気に入りだけれどサボり癖と男癖が悪く、大空真弓の恋人(小沢昭一というところが何となく微妙)にちょっかい出してキャットファイト状態に。真面目で努力家といった感じの池内淳子だけがまともで池内淳子だけが出ているシーンは落ち着きます。 最後の世代の中尾ミエは留守番中に男を連れ込んだりしてしょうがないキャラクターですが仕事は意外とやっている感じがしてそれほどダメなキャラクターではなく自分なりに考えがあって色々行動しているところが現代的な感jがしました。 女中と呼ばれて家のものと区別されていたお手伝いさんが時代が進むに連れて家族の一員のようになっていく様子に時代の流れを感じることが出来る感慨深い内容でした。 森繁久彌は飄々としていて、淡島千景のしっかりした感じとの相性が相変わらずよかったです。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
森繁久彌 (千合磊吉) | 作家役が合いそうなジェフリー・ラッシュで。 |
淡島千景 (千合讃子) | ケイト・ブランシェットにお願いしたい。 |
太平洋戦争 謎の戦艦陸奥 (1960) | |
2008年4月 | |
1942年アメリカに暗号解読をされた日本海軍は撤退することになりその中の戦艦陸奥は瀬戸内海に停泊することになる。そんな中、少佐の伏見は美佐子という女と出会うのだが・・・ 実際に陸奥が謎の爆発によって沈没し1000人以上が死亡した実話を新東宝オールキャストで描いたサスペンス。 原因不明の陸奥沈没を新東宝らしい内容でまとめてありました。結果的になんというか今でいうとテロを扱った仕上がりになっていて「24」の前半みたいな感じだと思いました。 主人公は天知茂で偶然知り合ったクラブのママ小畑絹子が実は敵のスパイで色々情報を天知茂から引き出すつもりが二人が本当に恋に落ちたりするし、敵に脅された船員が陸奥に爆弾を仕掛けたりとエンターテインメント性抜群です。 しかもオールスターキャストなので特別出演の大御所は嵐寛寿郎。若手は宇津井健という気合の入りよう。艦長役は白髪メイクで威厳を出したつもりがちっとも威厳がなくて逆にこの人が艦長で大丈夫?と心配になってしまうのは沼田曜一です。という緊張感ある内容なのにところどころ脱力してしまうところはさすが新東宝という感じです。 残念なのは新東宝なのに三原葉子と吉田輝雄が出ていないところ。この二人が出ていればまた違った内容になっているのだろうなぁと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
天知茂 (伏見少佐) | クリスチャン・ベールあたりにお願いしたい。 |
大菩薩峠 シリーズ第1作 (1960) |
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2004年12月 | |
市川雷蔵と中村玉緒の代表作と聞いたのですが、市川雷蔵の机龍之助というキャラクターがつかめませんでした。オープニングで巡礼の老人を殺しこれはこれで雷蔵らしいスタイリッシュさはあるのですがなぜ殺したのかが最後まで見えてこなかったのです。しかも終盤は気が触れてしまうし・・・ その代わりすばらしいと思ったのがお浜というキャラクター。夫の宇津木兵馬が机龍之助と試合をする事になったと知って机龍之助に手加減するよう頼みに行くけど逆に犯されてしまうしそのことがばれて夫には離縁されたりして散々な目に遭うけれど結局生きていくために机龍之助と一緒になってしまうたくましい女なのです。さらには生まれた子供の面倒を見ない机龍之助にかつての恨みが重なって殺そうとするけど逆に殺されてしまうもう本当悲惨なキャラクターだけどやっぱり中村玉緒はこういう役をやらせるとすばらしい。玉緒の出演作品は数える程度しか観ていないですけど、「ぼんち」のように姑にいびられてめそめそしている役よりこういった不運な人生の中でもたくましく生きていこうとする役とか恨みを持った情念の女みたいな感じをやると凄みがあると感じました。 あと本郷功次郎ってのが前々から気になっていてようやく今回始めて観ることが出来たのですが今でいうタッキーとか堂本光一のようなジャニーズ系のポジションに位置する人のような気がしました。 最後は机龍之助と宇津木兵馬がまさに対決するところで終わってしまうのですが続きがすごく気になるってことはそれなりに面白かったんだなぁと思うのでした。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
市川雷蔵 (机龍之助) |
着流しが似合いそうなジョニー・デップで。 |
本郷功次郎 (宇津木兵馬) |
スチュアート・タウンゼントがイメージにぴったりだと思いました。 |
中村玉緒 (お浜/お豊) |
案外不幸な役も多いペネロペ・クルスで。 |
大菩薩峠 竜神の巻 シリーズ第2作 (1960) |
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2005年1月 | |
机竜之助と宇津木兵馬がいよいよ対決という時にお互い深い霧で見失ってしまい。兵馬は再び竜之助の行方を探すことになる。一方竜之助は以前助けたお浜の生き写しのお豊と再び出会うのだがお豊は金蔵にしつこく言い寄られていた・・・ 前作は机竜之助という人物の性格が把握できずにイマイチだったのですが続編の机竜之助は前作のような気がふれたような奇行をするようなことはなく無愛想でお豊と一緒に江戸に旅立つ途中にお豊がさらわれてしまったときなんかはこれも縁がなかったからとあっさり見捨てる冷たいところは相変わらずだけどそれなりに自分の道みたいなものをもっているように見受けられて今回はすんなり話しに入っていけました。 劇中、雷蔵が中村玉緒に自分の杯におしゃくをして渡して酒を玉緒が飲むのですがその後、口をつけたところを指でサッと拭いて杯を返すのですが、その一連の動作が普通の人なら演技をしている感じがどうしても出てしまうと思うのですが中村玉緒の場合それがすごく自然で感心しました。それに今回も嫉妬深い男の金蔵に付きまとわれて散々な目にあう相変わらず男運のない役どころだけどただメソメソしてる女ではなく機会があれば現状を打破しようとする力強いところや、山本富士子は前作のオープニングでおじいさんを殺されてしまったがために悲惨な人生を送る娘役で竜之助が仇とは信じられずに兵馬と旅を続けるのですがこちらもお豊に負けず強い女であるところがいいなと思います。 クライマックスまたもやいいところでおあずけ状態でずるいです。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
山本富士子 (お松) |
実は不幸な役ばかりのナオミ・ワッツで。 |
片山明彦 (金蔵) |
ちょっと嫉妬深そうなエイドリアン・ブロディで。 |
太陽を盗んだ男 THE MAN WHO STOLE THE SUN (1979) |
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2005年1月 | |
中学の教師城戸誠はある日原子力発電所からプルトニウムを盗み出しついにその手で原子爆弾を作り出して・・・ 前々から観たかったこの作品。題名に太陽とついているから初日の出代わりに元旦までおあずけにしておいて、ついに観ましたけどこれは面白かったぁ。任侠物や時代劇以外でこんなにもよく出来ている邦画はこの「太陽を盗んだ男」が初めてじゃないかな?元旦からいいもの見せてもらって今年はいいことありそうです。 中学の理科教師がプルトニウム盗んで原爆作っちゃう突拍子もない設定なんですけど話の進め方が上手いからぐんぐんのめり込めちゃうしジュリーの追跡者となる菅原文太もどう絡んでくるのかと思っていたら序盤にジュリーがバスジャックに遭ってそれを助けるのが菅原文太で原爆を作ったジュリーが指名するんですよね。この菅原文太の絡め方も上手くって本当感心しました。 原爆持ったジュリーが警察に要求することがナイターを最後まで放送しろですよ。あぁその小市民的なところが好感持てるしその気持ち分かるなぁ自分が要求するんだったらアカデミー賞とかエミー賞を地上波でやってくれと迷わず要求するなぁ。 それにラジオのDJの池上季実子がふともらした事を憶えていて武道館でローリングストーンズ公演を要求させて日本政府をあたふたさせるところも痛快にすら感じられるのと同時に70年代の荒々しさみたいなものも映像から感じ取られもしました。 最後、菅原文太はなんだか超人みたいになっちゃっているのはちょっと笑えますけど渋谷のデパートでの撮影やらカーチェイスやヘリも出てきてアクション映画としても十分に堪能できるいい作品だと思います。 ラストもネタバレ→原爆が警察の手に渡らずについには爆発する・・・?ところで終わるのが←個人的にはすごくいいと思いました。 それになんと言ってもこれは主演のジュリーのおかげでしょうね。教師をやっている時はやる気がないけど原爆作っている時は活き活きしている俺様的なところが何ともすばらしかった。これを現在リメイクするとなれば悔しいがキムタクあたりなんだろうなと感じたのでした。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
沢田研二 (城戸誠) |
エドワード・ノートンなんかはすごく上手にやってくれそう。 |
菅原文太 (山下満州) |
いい刑事でもやばい雰囲気漂うレイ・リオッタで。 |
瀧の白糸 (1933) |
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2004年9月 | |
美しく水芸で人気の瀧の白糸はある日貧しさから法律学校にいくことの出来ない青年、村越欣也に出会う。彼のまっすぐな性格にほれ込んだ白糸は学費を出すことにするのだが、やがて白糸も資金難になり欣也に金を送ることが難しくなり・・・ 欣也に冷たくあしらわれて今までそんな経験のない白糸が欣也にほれ込むという序盤はこれはちょっとしたラブコメか?なんて思っていたら話が進んでいくうちに白糸がどんどん悲惨な状況に陥るすっごい悲恋の映画でした。 中盤以降資金繰りに苦しみながらもそれを顔に出さず約束どおり学費を払い続けたり、芸人仲間の駆け落ちを助けてやったりとみんなのアイドルというより気前のいい姐さんという感じの白糸は見ていて気持ちがいいです。しかもいよいよ芸人達に払う金すらなく送金どころじゃなくなると欣也のために男とまで寝るなんてなにもそこまで・・・とは思うのですが世知辛い世の中に一人ぐらいこんな姐さんいたっていいじゃないかと思えてくるです。 だけどこのせっかくの金も悪漢に盗られてしまうのですがこれが全てライバルの罠だったっていう本当に可哀想なくらいどん底に落ちていく白糸。怒った白糸は騙した奴を殺し指名手配になりながらも欣也のもとに向かうのですが欣也はあいにくの留守。とうとう捕まった白糸は取調べをうけるのですがその検事が欣也。ようやく出会えた二人は裁く者と裁かれる者。罪を言い渡しネタバレ→白糸は舌を噛み、欣也は銃で自殺←久しぶりに切なくなりました。 それにしても水芸のシーンは70年前なのにすごいですね。ちゃんとエンターテインメントしていましたよ。当時としてはディズニーシーの水芸?位すごかったんじゃないんでしょうか。 この映画、無声映画に活弁がついていたのですがやっぱり活弁は味わいがありますね。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
入江たか子 (瀧の白糸) |
ジュリア・ロバーツは勝気で気前がよさそうです。 |
岡田時彦 (村越欣也) |
ジム・カヴィーゼルは真面目な学生さんだったんでしょうね。 |
竹取物語 PRINCESS FROM THE MOON (1987) | |
2010年1月 | |
娘の加耶を亡くして悲しみに暮れる竹取りの夫婦。ある日、竹取りの造が竹林に行くと金色に輝く竹を発見し、中から赤子が見つかる。その子は瞬く間に加耶そっくりに成長して・・・ 市川崑がかぐや姫を映画化。 珍品という噂を聞いていたのですが噂どおり珍品でした。リアルタイムで観たら間違いなく?という感じがするかと思うのですが、ベテラン陣が大物ばかりなので今観るとすごい贅沢な感じがして楽しいです。 沢口靖子は無表情な感じなので宇宙人というかかぐや姫にぴったりですが何より、竹取のおじいさんとお婆さん夫婦が三船敏郎と若尾文子という今までありそうでなかった組み合わせが新鮮。 二人の夫婦も若尾文子は三船敏郎が連れて帰ってきた子が死んだ娘にそっくりなので娘が帰ってきたと大喜び。しかし三船敏郎も冷静にそんなことはない。とたしなめるも若尾文子は嬉しすぎて全くの無視。劇中、三船敏郎はところどころ若尾文子が沢口靖子を溺愛するところで突っ込みを入れるのですが聞く耳持たないところがこの夫婦今まで上手くやってきたのだろうかと思えるほどかみ合っていないところが面白すぎます。三船敏郎も突っ込み担当みたいな感じになっているのですが、相変わらずの三船節の演技と若尾文子に無視されることが多いので何だかんだ言ってこの夫婦は両方ともボケ担当みたいな感じになっています。 若尾文子は都合が悪いと無視を決め込んでいるところがポイントです。 沢口靖子のお相手は中井貴一なのですが、ライバルが春風亭小朝とコント山口君と竹田君の竹田君なものだから中井貴一は余裕の勝利なのでもうひとつ面白みがないのはいたしかたありません。 そんなこんなで沢口靖子も中井貴一も一難去ってまた一難な状況を乗り越えて二人はついにいい感じになりかけたときに宇宙からのお迎えが・・・ これが噂の宇宙船かぁ。確かにチープと思いましたが、沢口靖子を乗せる前はクラゲ型、乗せた後はひっくり返って?蓮の花型という演出はさりげなく素敵でした。 色々と突っ込みどころもあるけれど面白いです。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
沢口靖子 (加耶) | エヴァン・レイチェル・ウッドあたりにお願いしたい。 |
中井貴一 (大伴の大納言) | コスチュームものが似合うオーランド・ブルームで。 |
三船敏郎 (竹取りの造) | ボケをかましてくれそうなハリソン・フォードで。 |
若尾文子 (田吉女) | ベテランのメリル・ストリープで。 |
TAJOMARU (2009) | |
2009年9月 | |
畠山家の長男の信綱、次男の直光、長なじみの阿古たちはある日盗みを働いた少年を助け、桜丸と名づけ親友として育っていった。やがて大人になった4人だったが野心的に育った桜丸に裏切られいい名づけだった阿古は取られ、直光は盗賊として生きる運命になってしまい・・・ 芥川龍之介の「藪の中」をアレンジして小栗旬で映画化。 評判が悪そうな噂を聞いていたのですが、思っていたよりは悪くなかったです。が評判が悪いのも何となく分かるような映画でした。セットも俳優たちも個人的にはよかったとは思うのですがそれぞれの演技がみんなかみ合っていないのがきっと致命的なのかなと思いました。メインの若手三人は割と舞台向きの演技をする人たちだなと思いつつもかみ合っていないから阿古役の柴本幸が突然、旧多襄丸の松方弘樹に小栗旬を殺せというシーンなんかはただの頭のおかしい人にしか見えないのが残念でした。演技は上手いのに。桜丸役の田中圭も何だかいきなり裏切るのでえっ?と思ってしまいます。 小栗旬が多襄丸の旧多襄丸の松方弘樹はと桜丸の田中圭が大好きな男色家の大物萩原健一は変な意味で存在感がありすぎて松方弘樹はスケベ根性丸出しで、シリアスな内容なのにここだけバカらしかったです。 そして半分死んだような顔色の萩原健一が出てくると余計に全体の雰囲気がバラバラになってしまってもったいなかったです。 一番良かったのはやはりやべきょうすけたちの盗賊軍団がのびのびといつもの調子で自然で楽しそうにやっているところ。ここだけは重苦しい内容の中楽しい時間が流れていました。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
小栗旬 (畠山直光/新多襄丸) | 意外と熱血感溢れているクリスチャン・ベールで。 |
柴本幸 (阿古) | 何を考えているかつかみ所のないエレン・ペイジで。 |
田中圭 (桜丸) | キリアン・マーフィーあたりがぴったりな気がします。 |
たそがれ酒場 TWILIGHT SALOON (1955) |
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2004年12月 | |
大衆酒場のとある一日を描いた群像劇。 大衆酒場が舞台だから客も入れ替わり立ち代りで本当ちょっとしたエピソードが連続なんですけど、この酒場だけで話が進んでいくところが徹底していてすごいなぁと思いました。 エピソードの一つに店の娘をめぐるチンピラ同士のちょっとしたいざこざがあるのですがこれが宇津井健VS丹波哲郎のなんかすごい構図で、いいチンピラがもちろん宇津井健なんですけど笑っちゃいけないが何度観ても宇津井健のちょっとすかした様は笑えます。しかも丹波哲郎をやっつける方法が隠し持っていたフォークを不意に手に突き刺すという結構卑怯な戦法でそこのところも観ていておかしかったなぁ。 あとはこの酒場専属ピアニストとその弟子で歌手みたいなのがいてその歌の才能を見出されて楽団に誘われるけど師匠はなかなかそれを許すことが出来ないとか本当いろいろなエピソードがあって書ききれないのですが一番印象に残ってのは酒場そのものですね。英語の題名は原題の「たそがれ酒場」をそのまま直訳して「TWILIGHT SALOON」。「TWILIGHT SALOON」なんともシャレた響きですがこの酒場も昭和の雰囲気をかもし出しつつも店の中に中二階みたいなちょっとステージがあってシャレています。そこで専属の伴奏に乗せて歌い手が歌う他にそこでストリッパーのダンスとかもやっちゃうのね。男女が集まる大衆酒場なのに。当時の日本って大らかだったんですね。 物語りも酒場に住み着いたような有名な画家の梅田がいろいろ人の世話をしてなんとなく心温まる余韻を残してくれるのも内田吐夢作品にしては珍しくてよかったです。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
小杉勇 (梅田茂一郎) |
アルバート・フィニーはなにかと面倒見がよさそうで。 |
脱獄囚 (1955) | |
2009年12月 | |
雨の降る日、死刑囚三人が系無償から脱走した。次々と逮捕されるも一番凶悪な山下だけが見つからないままであった。そんなある日、山下を死刑にした検事の妻が殺害される事件が起き、当時山下を逮捕した刑事の星野が担当になるが、山下は星野の妻、節子の命を狙っていた・・・ 死刑囚の逆恨みサスペンス。 爽やかで実直そうな池部良の刑事といつもこんな役ばかりですいませんという感じになってしまう佐藤允の配役が抜群でスリリングなのですが、佐藤允が奥さんの草笛光子を殺そうと家に近づこうとするたびに邪魔が入るのが、この人ついていないんだなと思ってしまい凶悪犯なのですが間の悪さにちょっとだけ同情してしまいます。 とそんなこんなでなかなか草笛光子にすら近づけない佐藤允。仕方がないのでお隣の中北千枝子を人質にとってしばらく様子見。池部良も自分の妻がターゲットになっているというのに気がつくのが遅めで、この映画のメンズは割りと抜けています。 中北千枝子と娘が人質に取られるのですが、娘は最初寝たふりとしてやり過ごそうとしたり、さりげなく電話を掛けて助けを呼ぼうとしたりで結構な活躍っぷりをしていて実はこっちの方がスリリングで面白かったりします。 クライマックスは草笛光子と佐藤允が二人きりになってハラハラするシーンもあるのですが、草笛光子だと何だかやり過ごせそうな感じでもうひとつ迫力がないところが残念でした。こういう役は新珠三千代みたいな人がぴったりだと思うのですけどねぇ。 池部良は草笛光子をあっさりおとり捜査に使うので今回は割りと冷血に見えました。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
池部良 (星野正之) | キーファー・サザーランドにお願いしたい。 |
草笛光子 (星野節子) | か弱い感じのケリー・ラッセルあたりで。 |
佐藤允 (山下亮介) | 恨み顔な感じのレイ・リオッタで。 |
脱獄広島殺人囚 (1974) |
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2004年7月 | |
戦後まもなく闇市をしている男の元におとずれた植田と仲間の田上は男を殺害し物資を持ち逃走する 。しかし逮捕された植田は広島の刑務所に入るはめになる。植田は隙をみて脱獄し妻の元へと向かうのだが捕まり刑務所に逆戻りしてしまう。再び脱獄に成功した植田は妹の和子の元へと向かうのだが・・・ 脱走しては捕まり懲罰(暴力)を受け、脱走しては捕まり懲罰を受けを繰り返すこれは松方弘樹版「サソリ」か?って思うような内容でした。まぁ「女囚サソリ」は女囚も敵でしたけどこっちは囚人に松方弘樹の敵はほとんどいなかったですけどね。 二回目の脱走で仲間に加わるのが梅宮辰夫と西村晃なんですけど、西村晃ってちっちゃな悪ささせるといい味出しますね。しかも脱走できたのに車に轢かれて死んじゃうし・・・初めて映画で見たのはたしか「華麗なる一族」だったと思うんですけど、この時あくどい役も出来るんだと感心してたら西村晃かなり小悪党とか嫌味な奴演じていたのね。今じゃすっかり水戸黄門やってたのが信じられなくなりましたよ。水戸黄門といえば松方弘樹に戦いを挑んで負けちゃう男前がいて、どこかで見たことあると思ったら格さんでおなじみの伊吹吾郎でした。しかも殺され方がが風呂場でやられちゃったよ。もちろん全裸で。水戸黄門キャスト恐るべし。 次に逃げたところ(実は二回逃げてくる)は妹の大谷直子(お若い)のところで牛の屠殺をやって一儲けってところだったけど仲間に裏切られてまた捕まっちゃうんですよね。このときの仲間の一人にこの2週間で何回お目にかかったよ?ってくらいよく見かける川谷拓三がまた出ていました。 て感じで散々殺しと逃亡を繰り返した結果、懲役40年以上になっちゃってとうとう松方弘樹も塀の中で一生を過ごす覚悟を決めたところ裁判所のガラス越しに見えた女を見て急に(ふと我に返り)逃げ出しちゃうんですよね。自由をを求めて再び・・・みたいな終わり方も中島監督らしかったな。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
松方弘樹 (植田正之) |
脱獄と殺人囚ってフレーズがぴったりのマイケル・マドセンで。 |
他人の顔 THE FACE OF ANOTHER (1966) | |
2008年1月 | |
仕事中に顔に大火傷を負った男は妻からも見放されたと思い込み、精神科医に全く別人の仮面を作ってもらい妻を誘惑しようとするのだが・・・ 仲代達矢、平幹二郎、京マチ子を中心に話が展開するサスペンスフルなドラマ。 平幹二郎扮する医師のクリニックが前衛的なアートで出来ているという感じで話もほとんどがアパートやクリニックなどで進んでいくのでそのまんま舞台にしても問題ない感じでした。 ミイラ男のように顔が包帯で覆われている仲代達矢はいつその素顔が出るのだろうと思いきや全くの別人のマスクを顔につけたときに仲代達矢になるというアイディア。近くでよく見ると「バニラ・スカイ」のトム・クルーズのような仮面というところが仲代達矢が仲代達矢の仮面を付けたという感じでどことなく不気味です。 火傷のせいで妻に拒絶されたと思い込み整形して復讐しようとする仲代達矢ですが実は妻の京マチ子はそんなことはあまり気にしていなくてそのことが分かり精神的に危うくなるところなどは見かけは案外他人には関係ないと頭では分かっていても実際は他人の見た目を気にしてしまう人間の本質を付いていて、仲代達矢もそこのところ上手に表現していてさすがでした。 京マチ子もネタバレ→別人になりすまして近づいてきた男が夫と見抜いているところはさすが。←そして特に必要もないと思うのですが熟女ヌードも披露。50年代に脱いでいないところをみるとこの頃から裸が解禁されたということなのでしょうか? 平幹二郎も野心家な感じのする精神科医がものすごくはまっていたし、看護婦の岸田今日子の淡々とした無表情な演技が光っていました。 もう一人顔に火傷を負った美女のエピソードが時々挿入されるのですがこれはいらなかったかな?これがなければもっとすっきりしてよかったと思います。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
仲代達矢 (男) | ダークな感じのホアキン・フェニックスで。 |
平幹二朗 (医者) | 野心的なイメージのポール・ベタニーで。 |
京マチ子 (妻) | むっちり系のケイト・ウィンスレットで。 |
たみおのしあわせ (2008) | |
2008年7月 | |
父親の伸男と暮らす民男は父の勧めるお見合いを毎回断っていたがついに理想の女性、三枝瞳と出会い結婚を決意するのだが・・・ 「時効警察」の熊本課長でお馴染みの岩松了が「時効警察」主演の二人を迎えて監督したコメディ。 基本的には「時効警察」と同じようなノリなので全体的にゆるい感じがしてオダギリージョーには合っているなぁと思いながら父親役の原田芳雄はこの雰囲気は大丈夫だろうか?何せ70年代はアウトローバリバリな感じだったし・・・と最初は違和感ありましたが次第に原田芳雄も雰囲気に馴染んできてそれなりに主役三人の絡みはくすりと出来てよかったと思いますが個人的には、原田芳雄の恋人の大竹しのぶと義理の弟の小林薫のエピソードの方が面白かったです。 こんなゆるい作品なのに小林薫はニューヨークで仕事に失敗して密かに日本に帰っていて天井裏でひっそり暮らしているような男で、偶然大竹しのぶに見つかってから何故か口の上手い小林薫にのせられて二人が付き合いはじめる辺りから妙にスリリングな展開が・・・ 最初原田芳雄tと大竹しのぶは社内恋愛をしていていつも大竹しのぶは待つ女という感じで不憫な感じをかもし出しているのですが原田芳雄に黙って小林薫と付き合い始めてから性格は一変。原田芳雄の住んでいる家を早く追い出して自分たちの家にしようとする姿が怖いです。しかも結婚式場の人目の付かない場所で相談しあっているところが。 と、全編通して煮え切らないオダギリージョーについていけるかでこの映画の好みが分かれるところなので個人的にはちょっと・・・という感じなのですが、麻生久美子だけはさわやかで素敵でした。浴衣もよく似合うし。「私のことちゃんと見ててね。私バカな女だから。」ととても健気な台詞にそんな事を言われたら一生面倒見ますからと思わずにはいられないのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
オダギリジョー (神崎民男) | 雰囲気的にいけそうなキリアン・マーフィーで。 |
麻生久美子 (三枝瞳) | 健気な感じのケリー・ラッセルで。 |
原田芳雄 (神崎伸男) | 強面のジェフ・ブリッジスあたりで。 |
単騎、千里を走る。 千里走単騎 (2005) | |
2008年3月 | |
長年疎遠になっていた息子が重病と連絡を受け病院に向かった高田剛一だったが息子は面会を拒否する。そんな中、息子のやり残した仕事あると知った剛一は単身中国に向かうのだが・・・ チャン・イーモウと高倉健がタッグを組んだ感動ドラマ。 末期癌の息子との確執を何とかしようと単身、漁師の高倉健が息子のやり残した仕事をやり遂げようとするところはどう考えても機材を扱えそうにないし言葉も通じないので無茶だと思うのですがそこは不器用な健さんらしくて健さんだからこそ成り立っている映画だなと感じました。 中国に着いた健さんは早速、仮面劇の「単騎、千里を走る。」を撮ろうとするのですが肝心の役者が刑務に入ってしまったということで普通なら仮面を付けているわけだし代わりの俳優がやった仮面劇で済ませてしまおうと考えるところですが日本語がほとんど分からない現地ガイドを連れて単身、刑務所に向かうんですよね。政治的なやりとりも健さんの心が言葉の壁を越えて面会もOKになってめでたしめでたしというと行きたい所ですが仮面劇俳優が一度も合ったことのないない子供に会いたいと泣いて劇が撮れないとしると次は子供探しですよ。何もそこまで・・・と思うのですがそこは義理人情を大切にする健さんなので違和感ありません。 子供探しもあっさり見つかってよかったよかったと思ったら子供が逃げ出して大変なことに。ようやく子供を見つけたけれど広い荒野で迷子になって言葉も通じない子供と二人っきり。ひ孫くらい歳の離れた子供と心を通わせるありきたりなエピソードもあるのですがこういうシーンはいいものです。多分現地の子だと思うのですが子役も素朴で表情がものすごく自然でよかったです。 ネタバレ→結局、子供が嫌がるので近況を報告しに刑務所に戻るのですが←ラストで見せ方が上手いのかなというのもあるのですが、久しぶりに泣いたなぁという感じです。 チャン・イーモウ作品は活劇っぽいものしか観たことがないのですがこういうドラマの方がいいのかなと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
高倉健 (高田剛一) | 寡黙そうなトミー・リー・ジョーンズで。 |
誰よりも君を愛す (1960) | |
2008年11月 | |
テレビプロデューサーの半沢はある番組で女優が急病のため、以前から気になっていたスチュワーデスの森砂江子をくどき出演させた。それがきっかけで二人はお互いの事を好きになるのだが・・・ 本郷功次郎と叶順子の昼ドラのようなドロドロしたラブストーリー。 叶順子がヒロインというところがよいですね。しかも悲劇というかついていないヒロイン。 最近都会ではちょっと名の知れてきたテレビディレクターの本郷功次郎がスチュワーデスの叶順子と恋に落ちる話ですが、これでもかというくらい障害があってもどかしいです。 まず二人の恋路の邪魔をするのが野添ひとみ。本郷功次郎の手がける番組のスポンサーの娘で叶順子の嫉妬心むき出し。一方、叶順子にお熱の川崎敬三は野添ひとみのいとこで親のすねをかじり会社での地位も重役でそのコネを使い本郷功次郎に次々と仕事面で圧力を掛けてくるいやらしい性格なのですが、極めつけは叶順子に薬入りジュースを飲ませて純潔を奪うんです。しかも言い訳がいつまでもじらすからいけないんだよ。とものすごくポジティブに考えるところがたちが悪い。 と川崎敬三周りの最低エピソードが充実してドロドロしています。宝石店のマダムの宝石をくすねて叶順子にプレゼントするのは序の口で、社長秘書の左幸子を妊娠させて捨てるという内容もあるのですが相手が左幸子ですから半分ストーカーのようになって川崎敬三を追い回してさすがに川崎敬三もうんざりとなるシーンでは左幸子をめずらしく応援したくなります。それほど川崎敬三の役は人間として酷い役なのですがこのキャラクターのおかげで色々盛り上がるのである意味川崎敬三がいなければ成り立たない話なのです。 野添ひとみは最初やな娘だなと思いましたが後半、川崎敬三の卑劣ぶりにいとこながらにうんざりしてライバルの叶順子と和解して漫画に出てくる典型的な金持ちのお嬢様タイプの鼻持ちならない娘なのですが、意外と根はいい娘さんというところもよかったです。 本郷功次郎は熱血感溢れる好青年なので特にコメントするようなことはないのですが叶順子は、純潔を奪われながらも私の恋を奪った川崎敬三に恋の辛さを思い知らせてやると復讐を誓うところが逞しくてよかったです。叶順子の主演作はあまりないですがどの作品も一風変わっていて面白いなぁと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
本郷功次郎 (半沢明人) | 熱血という感じがするジェームズ・マーズデンで。 |
叶順子 (森砂江子) | 一見地味だけどしっかりしてそうなケイティ・ホームズで。 |
川崎敬三 (進藤恭次郎) | 一瞬性格悪く見える時がたまにあるジェームズ・フランコで。 |
野添ひとみ (志摩美加子) | キーラ・ナイトレイは勝気な令嬢役がよく似合う。 |
丹下左膳 シリーズ第1作 (1958) |
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2005年1月 | |
色々な人でシリーズ化された丹下左膳。おそらく最も人気のあった大友柳太朗版のシリーズ第1作目。 単発のもで中村錦之助の「丹下左膳 飛燕居合斬り」は以前観ていたのですが基本的にこけ猿の壷が出てきたりして大筋は同じだったのですがさすが人気があったというだけあって左膳のちょっと子供っぽい言ってみればやんちゃな性格が見事にはまっていて大友柳太朗の丹下左膳は最高ですね。左膳がなぜ腕と片眼を失ったかのバックグラウンドは一切説明がないのですがとにかく左膳が豪快で刀を抜いて走り回るシーンは格好いいのでそんなことはどうでもいいと思わせるくらい楽しかったです。 左膳と意気投合してこけ猿の壷を一緒に探す事になる柳生源三郎役の大川橋蔵も凄腕の剣の使い手で美空ひばりの元へ婿入りするんですが大川橋蔵もこの役にはまっていてシリーズ化されたのも納得。美空ひばりも道場の娘という設定なので武術に長けていて当時のファンは相当喜んだんじゃないかな? さりげなくよかったのは月形龍之介が将軍吉宗のご意見番的なところでまるで「一心太助」シリーズのようなところが観ていてうれしかったし、山形勲はひばりの道場を乗っ取ろうと画策する悪役で出ているのもツボにはまります。 ただ借りてきたビデオが廃盤のためすごく状態が悪くってところどころ音飛びしてたまーに観られたもんじゃないシーンがところどころあってこれさえなければなぁとすごく残念に思うのでした。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
大友柳太朗 (丹下左膳) |
ヴァンサン・カッセルは仇っぽさのなかにやんちゃなところがあると思う。 |
大川橋蔵 (柳生源三郎) |
どんな役でも無理なくこなししかも嫌味にならないジュード・ロウで。 |
美空ひばり (萩乃) |
道場の娘というところがチャン・ツイィーっぽい。 |
丹下左膳 怒濤篇 シリーズ第2作 (1959) |
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2005年3月 | |
大友柳太郎の「丹下左膳」シリーズ二作目。続編と言うよりは同じ俳優が出演している別エピソードといった感じでしょうか。百万両の壷から百万両の宝の秘密が記されているという二対の香炉になって、大川橋蔵も前作とは役名が違うもののやっている役どころは丹下左膳を助ける幕府の人間だし。 大友柳太郎の丹下左膳は相変わらずやんちゃで豪快で観ていて楽しいのですが荒くれ度というかわがまま度が薄まって角が取れた感じで、「長屋のみんなのために香炉を手に入れてみんなを幸せにしたい。」となんだか丹下左膳らしくないなぁと少し物足りなかったです。やっぱり丹下左膳は女の家に転がり込んで酒ばっかり飲んで金に目がないといけないなぁと思います。 全然関係ないですけど、大友柳太郎って台詞を言っている時に全くまばたきしないので一瞬、義眼なのかなと思いましたが別の台詞のないシーンなんかを観るとちゃんとまばたきしているから大友柳太郎って演技をする時、目に力が入る人なんだと思いました。 親なしっ子のちょび安を丹下左膳が親代わりとなって面倒を見るのですが、このちょび安、前作でも出てきましたけど松島トモ子なんですよね。多分男の子の役なんですけどこういうのを観ると昔は女の子の子役が男の子の役が結構あったように感じられました。 全体的に二番煎じ感はするけれど、ちょび安の面倒を見る事になって、子供がいかにも嫌いそうな丹下左膳の女、お藤もしだいに情が沸いてくる・・・とこういった一連の人情系のエピソードはいつ観てもいいものです。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
長谷川裕見子 (お藤) |
子供が苦手そうなキム・キャトラルで。 |
丹下左膳 飛燕居合斬り (1963) |
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2004年10月 | |
隠密によって片眼片腕を失いながらもなんとか生き延びた相馬藩士丹下左馬之介は丹下左膳として変わり果てた姿で浪人生活をしていたがある日ひょんなことから百万両の価値のあるこけ猿の壷を手にして・・・ 中村金之助版「丹下左膳」。丹下左膳って名前だけは知っていましたが、エリートの藩士がスパイを斬ったら潜んでいたスパイたちに腕を斬られてしまいそれ以降アウトローな浪人になってしまった男の話だったんですね。 錦之助はオープニングのエリート藩士の格好がさすがに似合っていて決まっているなぁと相変わらず感心していよいよアウトローの丹下左膳となって登場ですがアウトローすぎて最初違和感あったんですけど酔っ払うシーンと「たたっ斬るぞ!」の台詞を聞いてやっぱりうまいなぁ錦之助はと思うのでした。 柳生藩を潰そうとする政界の黒幕みたいな愚楽が柳生藩に百万両の壷の存在を知り奪おうとする話ですが、あれですか「丹下左膳」っていろいろな方がやっているようですが基本的に百万両の壷がらみの話なのかな? 丹下左膳の仲間になる盗賊コンビ淡路恵子と藤岡琢也もまた姐さんとダメな子分という感じで左膳も盗賊もお役人が嫌いだから自然と仲間になっちゃって他の盗賊連中もみんな協力してくれたりするの。ボス的な存在がいなかった盗賊連中に突然腕の立つ浪人が来たら頼りにしたくなるって気持ちよくわかるなぁ。人間やっぱり誰かに頼りたいんですよね。 他にも柳生藩のボスに丹波哲郎、弟に木村功、密かに両思いの娘に錦之助の悲恋のお相手はおまかせの入江若葉だったりと知っている顔が次々出てきて楽しかったです。 最近、中村獅童のテレビスペシャル版と豊川悦司の映画版がかぶってなにかと話題でしたが、中村獅童版の方が絶対荒くれ者ぽくていい。と思っていましたが。丹下左膳の過去を知った今は豊川悦司版もあながち悪くないと思いました。エリートだったという設定とあの顔色悪そうなところがトヨエツにぴったりだもんなぁ。こうして色々と知ってから(さわりを知った程度ですが・・・)観ると中村獅童はまだ若いかな?なんて大分印象変わりましたね。ともあれビデオに録画しっぱなしのがあるので今度観てみようと思います。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
中村錦之助 (丹下左膳) |
「バットマン」の新作でダークヒーローもこなすクリスチャン・ベールで。 |
淡路恵子 (お藤) |
新世代の姐さんになりつつあるサンディ・ニュートンで。 |
藤岡琢也 (与吉) |
ジャック・ブラックで。基本はコミカルなんだけどやるときゃやる、みたいなところが。 |
男性No.1 DAUGHTER'S ADVENTURE (1958) | |
2008年5月 | |
興行界を取り仕切るビュイックの牧のシマにある日ダフ屋のラッキョウの健と呼ばれる男が健を売りさばいていると知った牧は健を呼び出すが健の身の上を知った牧は健を許すのだが・・・ 鶴田浩二と三船敏郎が共演した始めての作品。 タイトルから想像するとどっちが男気があるのだろうかという内容かと思いきや、鶴田浩二が最低な男なんです。こんな最低な男を鶴田浩二がやったというところが見所です。 鶴田浩二が三船敏郎の牛耳るシマでダフ屋をやっていたら仲間が捕まってしまい女たらしのリーダー鶴田浩二が痛い目に合わされそうになるのですがここで鶴田浩二は仲間の母親が病気という偽の話をでっち上げ三船敏郎の共感を得て許してもらったのにもう一度ダフ屋行為をやったりして最低です。 三船敏郎の情婦の越路吹雪が実は鶴田浩二に入れあげていて三船敏郎からもらった小遣いを鶴田浩二に渡したりして三船さんは本当に散々な目に遭うのですが三船敏郎はこういういかついけれど根は優しくて力持ち的な男気溢れる役がよく合います。 さらに鶴田浩二の最低なところといえば、越路吹雪(影で三船敏郎を小バカにしているのですが全然気がついていないところが人がいいんだか切ないやらで・・・)から金をもらってヒモみたいな生活をしている割に本命の彼女、岡田茉莉子がいるのですがチケットショップ勤務をいいことに岡田茉莉子にチケットをくすねさせているのです。 最後も本当に三船敏郎を怒らせて半殺しになりそうだったところを母親の浦辺粂子のおかげで助かったしこんなダメな鶴田浩二を見るのは最初で最後なんじゃないかと思うと得した気分になりました。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
鶴田浩二 (ラッキョウの健) | ダメ男という感じのヴィンス・ヴォーンで。 |
三船敏郎 (ビュイックの牧) | 意外と若いしいい人そうなハビエル・バルデムで。 |
岡田茉莉子 (長みち子) | 男運がなさそうなケリー・ラッセルで。 |
越路吹雪 (タカ子) | ケイト・ブランシェットにクールに決めてもらいたい。 |
暖流 (1957) |
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2005年2月 | |
志摩病院の院長に頼まれて病院の再建を任せられた日疋祐三は院内の腐敗を取り除くために看護婦の石渡ぎんから病院の情報を聞き出し病院再建は順調に進んでいたが日疋はぎんから異常な愛情を寄せられてしまう・・・ 池袋の新文芸座で増村保造監督特集が始まり一発目はこの映画でした。 病院内の不正、乗っ取り、誹謗中傷にストーカーと今見ても全然通用する要素がてんこ盛りしかもスピーディな展開がすごかったです。なにがすごいってこの映画に出てくる登場人物が誰一人としてまともな人が出てこないところでしょう。 主人公の日疋祐三は唯一まともと思っていたのに病院を任された翌日には人を呼びつけることはあっても人の所には出向かない俺様的な傲慢さがあるし、志摩病院の家族も全員どこかおかしい。まず娘の啓子は恋愛に対して天邪鬼でつねに最後で恋愛では失敗するし、血のつながっていない息子で医者の船越英二は腕はいまひとつで芸術に病院の金を使うような男で何か嫌なことがあると確か「めけめけはもはも馬っ鹿やろう!」とかわけ分からない歌でごまかすし、母親は母親でダメ息子に金をねだられるとすぐ金を渡す優柔不断な性格でみんな常に腹立たしいんですけど面白いんですよね。 極めつけは左幸子演じる石渡ぎん。日疋に病院の内情を報告するように命じられたこの看護婦。段々なれなれしくなっていき、何かっていうと付きまとってうっとうしいんです。恋愛下手に見せかけておいて啓子と日疋が惹かれあっていると気づいたぎんはこの仲をさりげなく裂こうとするしたたかさを持っている恐ろしい女なのです。しかも駅の改札で「妾でもいいから待ってます!」なんて叫ぶし本当迷惑な女なんですよね。 ネタバレ→ラスト日疋は信じられないことになんと真実の愛に気がついた啓子をじゃなくこのストーカー女ぎんを選ぶんですよね。ら孤児という同じ境遇とその強引さに負けて。←この不条理な結末に納得いかないけれど面白いと感じてしまう不思議な作品なのでした。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
根上淳 (日疋祐三) |
スーツを着る職業が似合うマシュー・マコノヒーで。 |
左幸子 (石渡ぎん) |
クロエ・セビニーはストーカーちっくな役をやるとはまりそう。 |
野添ひとみ (志摩啓子) |
たまにはケイト・ベッキンセールは婚約者に浮気相手ありとかの役を観てみたい。 |