ちいさこべ (1962) |
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2004年10月 | |
老舗の大留の若棟梁としてひとり立ちした茂次が初仕事をしていると江戸が大火事で棟梁も死んでしまったと聞かされる。江戸に帰り大留と建て直そうと世話係のおりつも雇ったのだがおりつは火事で親を亡くした孤児達とこっそりと連れて来ていて・・・ 「ちいさこべ」ってなんだろう?と思って調べてみたら「雄略天皇が養蚕振興のため、蚕(こ)を集めるよう命じたところ、意味を取り違えて子を集めてしまい子供達を育てるはめになった。」とあり、この作品は子供絡みなんあだなぁと察しをつけて観てみましたけどこれがまたえー話でした。 おりつが連れて来た孤児を最初は煙たがっていた茂次が心から引き取ろうというという気持ちになった時、本当の大留を建て直すということを見つけ出すさわやかな感動物語で3時間の大作なんですがこれがまたあっという間でした。 町の人に家を建ててくれと頼まれるもののすでに米問屋の仕事を請けていた若棟梁の茂次は苦渋の選択で町の人の家を建てる事を断って周りから冷たい視線を浴びてしまうのですがこのとき出てくるのが赤木春恵。家が建たないと知ったとたん、「こいつとは町付き合いやめてやる」発言でこれ以降なにかっつーと茂次にいちゃもんつけてきて、この頃から渡鬼キャラが確立していたんですね。親友も親友で断れたら手のひら返したような態度になってしまい世間って冷たいもんだなぁと思うのでした。 中盤、茂次にしかられたおりつと子供達は孤児上がりの遊び人利吉のもとで暮らし始めるのですが、この利吉役が錦之助に似ていて得意の二役?と思ったら弟の中村賀津雄と知り、どうりで似ているわけだと納得しました。中村賀津雄もおりつや子供の前では明るく振る舞っていたりもするけど、茂次の元に結局帰っていってしまったおりつ達のいないことに気がついた時のふとしたその悲しげな表情や誰にも愛情を受けずに育ったから同士のように思えた子供達を茂次にとられたと思い嫉妬するその表情はさすがに上手いなぁと思いました。 江利チエミも学も金もなくて強情っ張りだけど情だけは人一倍熱いおりつ役にぴったり。本当隣のお姉さん的存在ではつらつとしていて好感もてました。 茂次も子供達のために「ちいさこべや」と呼ばれる家を建てそこで読み書きそろばんを教え大人になっても不自由ない生活ができるよう教育するのですがここのところはさすが子供が似合う錦之助らしさが出ていてこの人はスクリーンの外でもきっといい人だったんだろうなと思わせてくれるエピソードでした。全編を通して錦之助の人柄がうかがえるいい作品でした。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
中村錦之助 (茂次) |
本当にいい人そうなヒュー・ジャックマンで。 |
江利チエミ (おりつ) |
コートニー・コックスはちゃきちゃきしていて面倒見よさそうで。 |
中村賀津雄 (利吉) |
マーク・ウォルバーグはチンピラ風遊び人がよく似合います。 |
チエミの婦人靴 (1956) | |
2007年6月 | |
靴屋で住み込みで働いている柴谷又吉は雑誌にハイヒールを造るのが得意と投稿しやがて早川美代子という娘から返信をもらい文通を始める。やがて二人は実際に会い順調に交際を進めるのだが・・・ 婦人靴と書いてハイヒールと読む、江利チエミ主演のロマンチック・コメディ風青春短編映画。 住み込みの見習い靴職人の又吉が自分をちょっとだけよく見せて投稿する雑誌が「明星」で江利チエミの大ファンで実際に返信のあった娘、美代子は江利チエミにそっくり・・・だから江利チエミは美代子に成りすまして又吉と交際しているのかなと思いきや本当に江利チエミにそっくりな娘さんなのでした。 ハイヒールを造ったことがないけど雑誌にそう書いてしまった手前、造らなくてはならない状態に陥ってしまった又吉は靴屋の主人もハイヒールなんてそんなハイカラな品物を造ったないけど二人で力を合わせ見事造り上げて美代子にプレゼントし、大喜び。 だけどそれから一切手紙が来なくなってしまい江利チエミが物だけもらって消えるような娘じゃないから何かあったに違いない。と思ったら数週間後、ハイヒールで出かけたらヒールが折れて骨折したことが判明。又吉は自分の未熟を素直に詫びるが、江利チエミの本当はものすごく貧乏なのにお嬢様ぶってよくすればハイヒールがただでもらえると思い手紙をだしたことを詫びるのです。しかしその時の後悔の仕方が「米俵みたいな体してハイヒールなんて履くから罰が当たったんだわ。」って江利チエミスターなのに良くぞ言いました。こういう台詞をすらっと言えちゃうところが江利チエミのよさだし、出てくる登場人物達も靴屋の夫婦、ラーメン屋の親友江原達怡とかみんな又吉のことを思って色々気づかってくれたりして、戦後の助け合い精神にあふれていてさわやかな後味なのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
江利チエミ (早川美代子) | 下町とか庶民的な雰囲気がぴったりのマギー・ギレンホールで。 |
井上大助 (柴谷又吉) | 見習い職人役なんて意外といけそうなヘイデン・クリステンセンで。 |
千曲川絶唱 RIVER OF FOREVER (1967) | |
2006年7月 | |
トラックの運転手の五所川は仕事仲間の服部の妹、美子を見舞いに行った際偶然にも検査を受けるのだったが五所川は白血病に冒されていた。看護婦の浮田は五所川に悟られないよう病院に来るように勧めるのだが・・・ 松山善三のオリジナル脚本ということで期待して観たのですが、今回は青春+難病物といった感じでいつもの女性中心の家族物とは違った感じでしたが新鮮だったしやっぱり松山善三が脚本を担当している作品はどれもハズレがなく良く出来ていて感心します。 最近ちょっと体調悪いなぁくらいでまさか自分が大病に冒されているとは夢にも思っていない北大路欣也が事故きっかけで白血病が知ってしまい自暴自棄になりやがて残された時間を精一杯生きていこうとするスタンダードな展開なんですけど、北大路欣也の誰からも好かれそうなやんちゃなトラック運転手、その仕事仲間でよき親友というこういう役どころは得意な田中邦衛なのですんなり映画の世界観に入り込めたしそれぞれのキャラクターに共感できました。 そして看護婦の星由里子はやけくそになった北大路欣也に殴られるは田舎の父親に殴られるはで献身的なのに散々な目に遭うまさに体当たりで挑んでいてよかったです。 難病に苦しむ田中邦衛の妹いしだあゆみは最初青春も謳歌できずにかわいそうな子だなと思っていたら北大路欣也と星由里子の微妙な関係に気がつき嫉妬して星由里子の父親に二人は付き合ってます。的な手紙を書いたりじんわりとした嫌がらせをして少女漫画に出てきそうな嫌な女の子みたいな感じでちょっと怖いものがありました。そんないしだあゆみの嫌がらせも黙って受け流す星由里子は大人の振る舞いでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
北大路欣也 (五所川肇) | いつまでもやんちゃでいて欲しいマーク・ウォールバーグで。 |
星由里子 (浮田奈美) | やっぱりこういう役はナオミ・ワッツにお願いしたい。 |
田中邦衛 (服部勇次郎) | 主人公の親友とか相棒が多い気がするバリー・ペッパーで。 |
いしだあゆみ (服部美子) | ブライス・ダラス・ハワードあたりに挑戦してもらいたい。 |
痴人の愛 (1967) |
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2005年2月 | |
会社では生真面目な男で通っている河合譲治は密かにナオミという女を囲っていた。ナオミを理想の女にすべく教育していたのだが譲治は次第にナオミに振り回されるようになり・・・ ナオミも譲治にも共感できなかったですけど譲治の哀れさとナオミの奔放さを楽しく鑑賞しました。 ナオミが勝手にドレスを買ってですよそれに似合う真珠のネックレスが欲しくって「よー、買ってよーぅ。」とねだりっぷりというより駄々ぷりが豪快で実際こんなことされた日にゃキレそうなものですがここまですごいと腹が立つのも通り越して何かすがすがしいものさえ感じます。 ナオミは友達にするには申し分ないけど付き合ったりしたらダメな典型的な女ですね。 そんなナオミはイタリア語講座で出会った大学生の田村正和と倉石功ととも肉体関係がある女なんですけど大学を卒業する倉石功はナオミをふるんですよね。この映画で一番まともというかしっかり者なのは倉石功ですよ。社会人になるからきっぱりぐうたらな生活を捨てるっていう心がけがいいですよね。 ナオミも手痛い仕打ちを受けて落ちぶれてちょっとは反省するかと思いきや譲治がナオミに未練たっぷりだと知るとすかさず魔性の女っぷりを発揮し、譲治を奴隷のように扱い譲治はそれでも喜ぶという思ったとおりの終わり方。これ一見ナオミの魔性っぷりに腹が立っているのかと思っていましたけど実は譲治の情けなさに腹が立っていたのだと気がつきました。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
安田道代 (河合ナオミ) |
年上をたぶらかす「魔性の女」のイメージのスカーレット・ヨハンソンで。 |
小沢昭一 (河合譲治) |
ダメ男やらせるといい味だすポール・ジアマッティで。 |
父ありき (1942) | |
2010年4月 | |
ある日、教師を辞め田舎暮らしを決めた周平はやがて生活のために息子の良平を田舎に残し再び東京に働きに行き・・・ 小津安二郎の父と息子の愛情物語。 小津安二郎と言えば、父と娘(特に原節子)との関係を描いた作品が多いイメージだったのですが珍しく息子との関係を描いた作品で新鮮でした。戦後の作品ではないからなのかなとも思いました。 とにかく笠智衆のお父さん像が古きよき時代の理想的なお父さんという感じで基本優しいけれど時に厳しいところがとても懐かしい感じがしました。息子役の佐野周二の少年時代の子役も本当に素直でいい子で笠智衆が一人で東京に働きに出て行くことを告げられると悲しい顔をして隣の部屋で一人涙するシーンとか切ないです。そして笠智衆も「男が泣くのはおかしいぞ。」みたいな事をいうのもやっぱり古きよき時代の親子関係なんだなとしみじみとしてしまいました。 笠智衆の演技はこれが一番上手いかなと思いました。ネタバレ→最後心筋梗塞?で倒れるのですがその具合の悪くなる様から「うっ」と言って倒れるところとか笠智衆史上最もリアルな演技をしていたし息の引き取りかたもよかったです。← 佐野周二は若すぎてなんだか奇妙な感じがしました。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
笠智衆 (堀川周平) | 優しいくもあり厳しくもありそうなマイケル・ケインで。 |
佐野周二 (堀川良平) | トビー・マグワイアあたりにお願いしたい。 |
血とダイヤモンド BLOOD AND DIAMONDS (1964) | |
2008年3月 | |
三億五千万円以上のダイヤの原石を税関から仲間とともに強奪した小柴だったが小柴は撃たれて重症を負ってしまう。そんな中、悪徳探偵の黒木に保険会社からダイヤの行方を追う依頼を受け独自に調査を始めるが、初めにダイヤの原石強奪計画をしていた宇津木もダイヤの行方を追っていた・・・ 善人が出てこないダイヤの強奪戦の結末は・・・東宝のハードボイルドアクション。 田崎潤率いる本物の一流ギャング集団を出し抜いて先にダイヤの原石を奪ったのはほとんど佐藤允がリーダーの素人同然の即興で作られたチンピラみたいな集団だったtこいうところがポイントですが佐藤允が主役じゃなくてダイヤの行方を追う悪徳探偵の宝田明というところが新しく、この三つ巴の争いに警察にも加わって最終的には四つ巴な感じになっていき斬新でよかったです。 紅一点の佐藤允の仲間だった水野久美も自分に不利にならなそうなところに次々と乗り換えていく悪女っぷりが観ていて期待を裏切らないし水野久美のルックスにマッチしています。 佐藤允が傷を負ったので外科医の志村喬が誘拐されてくるのですが老齢でもうメスを持っただけで手が震えて自身を失った志村喬が設備のなにもない隠れ家で脅されて弾を摘出させられたけれど失いかけた外科医としての自信を取り戻すエピソードも一歩間違えると邪魔なエピソードになるところを上手く織り交ぜてちゃんとまとまっているし、佐藤允の仲間内でも裏切りが次から次へと展開しお互い信用していなかった宝田明と佐藤允のほのかな男の友情と色々なところが見所になっているところがすごいと思いました。 宝田明がいつもと違う雰囲気で違和感があって個人的にはもうちょっと違う人にやってもらったら完璧だなぁと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
宝田明 (黒木) | ちょっと悪い役の方が合っている感じのマーク・ウォールバーグで。 |
佐藤允 (小柴) | このところ絶好調のテレンス・ハワードで。 |
水野久美 (利恵) | こういう悪女はファムケ・ヤンセンにお願いしたい。 |
地平線がぎらぎらっ (1961) | |
2008年6月 | |
刑務所の雑居房、様々な罪を犯し服役中の受刑者たち。そんな雑居房にマイトと呼ばれる男が入所してきた。刑務所のしきたりを無視した言動にマイトはリンチを受けるがマイトがダイヤを隠していると知り受刑者たちは脱獄をしダイヤを手に入れようとするのだが・・・ ジェリー藤尾の脱獄もの。 ジェリー藤尾が刑務所内での空気読めず多々良純や天知茂たちにリンチを受けてもやり返す元気いっぱいというところがジェリー藤尾らしくてテーマソングも口ずさみたくなるようなシンプルでノリのよさがよかったです。 オープニングも雑居房にいる面子がどんな罪で入所してきたのかがサラッと描いている割には分かりやすく性格づけされていて、後半それぞれの性格が災いして色々なことが起きていく作り方が上手いと思いました。 ジェリー藤尾たちが後半女の子を人質にとり逃亡を続けるのですがなぜか女の子がジェリー藤尾にだんだんと好意が出てきて逃げればいいのに逃げなかったり、いよいよ目的地というところでネタバレ→なぜかジェリー藤尾が突然マムシに噛まれて瀕死の状態に。←多々良純と天知茂がダイアの在り処を聞き出そうと必死で二人は当然のように欲に走って仲間割れという展開がいかにも新東宝らしくていいです。 序盤、刑務所の中でもそれなりの秩序があり、そこにいきなりジェリー藤尾が礼儀をわきまえない行動をとるものだからリーダー格の多々良純が「最近の若いものは・・・」とぼやくシーンがあっていつの時代も若者と年寄りの関係は変わらないのだなと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
ジェリー藤尾 (新波/マイト) | 暴れん坊という感じのするコリン・ファレルで。 |
血槍富士 A BLOODY SPEAR AT MT. FUJI (1955) |
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2004年11月 | |
江戸までの道中、若侍の主人、酒匂小十郎の槍持ちをしている権八を中心に様々な出来事を描いた作品。 解説によると内田吐夢監督が中国より帰国後の1作目ということで監督仲間の小津安二郎、伊藤大輔なんかが協力したという作品。小さなエピソードで成り立っている作品なのですがこれがまた一本の作品としてまとまっているところ、道中で出会う人たちがちゃんと活かされているところがすごいなぁと観ていて感じました。 例えば小汚い身なりで30両もの大金を持っている藤三郎、ちょうどそのころ大泥棒が世間を騒がせていたので藤三郎はおかっぴきに目を付けられてしまうが藤三郎の金は娘を引き取るために身を粉にした金だったのだ。しかし娘は死んでいて変わりに借金のために売られていくどこぞの娘のためにその金を譲る。そんな人情味溢れるエピソードがあったり、禁酒している主人が酒を飲んでしまいその酒癖の悪さのため普段は温厚な主人が大暴れしてはちゃめちゃになったりの喜劇的なエピソードもあり終盤までは単純に娯楽作品として楽しめました。 後半、本物の泥棒を捕まえた権八は本来なら感謝されるべきなのに役人は手下の手柄は主人の手柄と同じことと言いそそくさと帰ってしまう。ネタバレ→そんな縦社会に納得できない主人の小十郎は酒を飲みに行ったところを運悪くいかにもな侍に絡まれて斬られてしまう。権八は怒りもちろん侍たちを倒すわけですが←前半と悲劇的な後半のこの落差がすごい。すごいんだけど無理がないというか人間、いつ何時自分の身に起こるかわからないところをさらっとやってのけるところは単純にすごいなと思いました。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
片岡千恵蔵 (権八) |
ローレンス・フィッシュバーンは槍とか似合いそうで。 |
島田照夫 (酒匂小十郎) |
ジュード・ロウは若侍という雰囲気もしなくもない。 |
懲役太郎 まむしの兄弟 (1971) |
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2004年7月 | |
刑期を追え出所した政太郎は弟分の勝次に出迎えられ神戸へと足を運び暴れまくる。神戸では山北組と滝花組の争いが激しくなり山北組から滝花組の梅田を殺すように依頼され引き受けるのだが・・・ 菅原文太が一味違ったコミカルなやくざに扮しているとの噂を聞きちょっと期待したんですけどイマイチのれませんでたね。確かに頭の悪い兄貴に扮した菅原文太は悪くはなかったんですけど、このまむしの兄弟(のちにそう呼ばれる)のなりふりかまわず組に殴りこみを仕掛けたり一般人も巻き込んだりと迷惑掛けまくったりと行動にもうひとつ理解できなかったからかなぁ。 それに弟分の川地民夫が弟分というよりチーマーみたいなんですよね。それにどうみても腕っ節が強そうに見えないのにそこそこ強いところがどうも納得いかなくってねぇ。 一応、婦人警官に扮した佐藤友美が貧乏なゆきという少女を施設にいれれば幸せになるという思想とそれに反対するまむしの兄弟の人情物語?みたいのがあるんですけど傍若無人な振る舞いをしすぎた二人にいまさらなにをみたいな感じになっちゃうんですよね。 どうしてもコミカル(に見せている)二人が「悪名」シリーズとかぶるんですけど、あちらはまともに生きようする努力をしつつもその悪名っぷりが災いして毎回事件に巻き込まれて人情劇に・・・という一連の流れがみごとなんですよね。やっぱりこう観ると「悪名」シリーズは傑作なんだなぁと思うのでした。個人的には「悪名」派ですが「まむしの兄弟」シリーズとして次々と続編がつくられたみたいだから好きな人には空きなんでしょうね。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
菅原文太 (政太郎) |
「ランダウン」では知能指数低そうだったザ・ロックとショーン・ウィリアム・スコットのコンビで。 |
川地民夫 (勝次) |
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佐藤友美 (上月さや子) |
シャリーズ・セロンで。婦人警官のコスプレさせたらばっちりだと思う。 |
直撃地獄拳 大逆転 (1974) |
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2005年11月 | |
6億円の保険金がかけられた宝石を盗まれ持ち主の夫人の娘も誘拐される事件が発生した。保険会社の衆木は秘密組織の嵐山に助けを求め、甲賀竜一、桜一郎、隼猛が再び集結するのだが・・・ 「直撃!地獄拳」という石井輝男監督自身のちゃんとした版があるらしいのですがその続編。最初に前作のシーンがちょこっと出てくるのですが国際色豊かでお得意の国際秘密売春組織を暴く感じの内容のようでこちらもぜひ観てみたいです。 千葉真一が「野良猫ロック」シリーズの悪役でおなじみの郷^治(これが凄腕の金庫破りなんだけど相当バカ)の手を接着剤でくっつけてからかったりして(これがまた最後のほうまで机の切れ端を手につけていたりもする。)本当しょーもないことしていて千葉真一はやっぱり千葉ちゃんと呼びたくなるやんちゃさがあって楽しいです。しかも千葉ちゃんフェンスなんて軽くジャンプで飛び越える身体能力でここのところだけは普通に感心しました。 佐藤允もセスナで「ミッション・インポッシブル」並みの操縦を披露するけど着陸ができないからってセスナ乗り捨てでこんなの観たことないってくらいもう無茶苦茶です。 宝石の保管されているビルに忍び込む作戦を立てるときもビルのミニチュアしかも内部も詳細に作ってあってどこかの一流企業のプレゼンですか?という凝りようでもっとちゃんとするところあるだろうと思うのですがこのはちゃめちゃっぷりを観ているとこういうのもありかな?と思えてくるから不思議です。 最後はもちろん悪党と大乱闘なんですけどなんかいきなり丹波哲郎の秘書の志穂美悦子がチャイナ服で一緒に戦っていると思ったら丹波哲郎たちは警察の人間だったって分かりやすいオチなんですけどネタバレ→千葉ちゃんたちはなぜか逮捕されて網走刑務所行き。大逆転って大逆転負けってこと?←という衝撃の結末にただただ何故?と思わずにはいられない状態になるのでした。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
千葉真一 (甲賀竜一) |
ベン・スティラーを中心に。 |
佐藤允 (隼猛) |
オーウェン・ウィルソンと。 |
郷^治 (桜一郎) |
ヴィンス・ヴォーンのベン・スティラーファミリーで楽しくお願いしたい。 |
血を吸う薔薇 EVIL OF DRACULA (1974) | |
2006年7月 | |
田舎にある伝統的な女学園に白木は赴任してきた。春休みとなり生徒達は帰省し学園に残った久美とその親友2人と白木の周りで不可解な事件が起きはじめる・・・ 今度は女学園で生徒が吸血鬼、岸田森に襲われる「血を吸う」シリーズ第三弾。 今回は黒沢年男がガンガン行動して吸血鬼の謎を解いていくといった感じの内容なので、黒沢年男は嫌いじゃないんですがやっぱり前作の「呪いの館 血を吸う眼」みたいに吸血鬼ものは美女が主役の方がいいです。 話の展開は一人ずつやられていき最後に吸血鬼が倒されるという前回と同じような感じで新鮮味がないので一瞬眠くなったりもしたのですが前半、黒沢年男にいろいろ秘密を知っていて協力してくれる同僚の先生の田中邦衛が結構奮闘してくれるところは中々面白かったです。田中邦衛って青春ものから任侠ものからこんなホラーまで幅広い作品にちょこちょこを出ていて売れっ子だったんですね。 最後の死闘で吸血鬼はもちろんやられるわけですが岸田森は前作もそうでしたけどこんなやられ方しないよという最期が油断しすぎていて笑えます。そしてやっぱり岸田森が朽ちていく特撮はやっぱり見事でまた感心するのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
黒沢年男 (白木) | 豪快という感じのラッセル・クロウで。 |
岸田森 (学長) | 吸血鬼はやはりクリストファー・リーで。 |
鎮花祭 (1960) | |
2008年8月 | |
テレビ局のディレクターの古田にスカウトされCMガールとなった公仁子はやがて古田に体をゆるすようになる。一方その頃、公仁子の家に間借りしている親友の陽子は公仁子の兄、正方と結婚するのだが・・・ 若尾文子の家庭が次第に崩壊していくシニカルなドラマ。 若尾文子いきなりディレクターの川崎敬三を魅了してCMガールの仕事をゲットというキャラクターが相変わらずはまっています。が、しかし若尾文子がCMガールに選ばれたのは見た目がそれほど美人でなく庶民的だから。というくだりと若尾文子よりものすごい美人とされている親友役の新人、山内敬子が全く美人に見えず(というか大正時代の古いタイプの人)どうも納得いかないのですがそれを覗いては話が進んでいくにつれて怖い話になっていってなかなか面白かったです。 優柔不断気味の若尾文子の親友が兄の根上淳と結婚するのですが山内敬子がどういう理由か分かりませんが何故か初夜を拒んだあたりから根上淳が戦争後遺症の症状が出てサイコになっていって恐ろしいです。新婚旅行で新妻を抱けず家に帰ってきたら妻なんだから一緒に風呂に入れと言っても頑なに拒む新妻を縛り上げてすごいことになっています。新妻の山内敬子もだったら結婚しなければいいのにとお互い様なのですが。 若尾文子も川崎敬三と付き合い始めますが実は妻帯者ということが嫉妬深い根上淳にばれて川崎敬三の妻を一方的に襲って復讐したりしてやっぱり川崎敬三は情けないタイプのダメ男が似合う感じですが、根上淳はやさしそうな顔の裏に狂気を秘めている感じがしてこの人は敵に回すと怖そうです。 そんなことをされた若尾文子は川崎敬三が妻帯者だといい出せない雰囲気を作ったのは私のせいかもしれないし、リスクはお互い様だからとものすごく現代的な考えで根上淳を相手にしないところがカッコいいです。ラストもドロドロした話から爽快とまで行きませんがそれなりにスカッとする終わり方でこれも若尾文子のおかげだと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
若尾文子 (朝比奈公仁子) | ドライな感じのするキーラ・ナイトレイあたりにお願いしたい。 |
根上淳 (朝比奈正方) | くせのある役が上手い、ジャレット・レトで。 |
山内敬子 (戸狩陽子) | おとなしそうなブライス・ダラス・ハワードで。 |
川崎敬三 (古田明) | ちょっとダメンズな役はクライヴ・オーウェンで。 |