トイレット TOILET (2010) | |
2010年9月 | |
性格の違う3兄妹の母親が亡くなり、母親が呼び寄せた日本人のばーちゃんとの共同生活が始まるのだが・・・ もたいまさこっがオールカナダロケの日本映画に挑戦。 もたいまさこが主役と言うより、性格の違う3兄妹が主役でした。長男は引きこもりもピアニスト。次男はしっかり者ではあるけど、妙に冷たくてアニメオタク。末っ子の妹はズバリものをいいすぎて性格がちょっと悪い感じ。と個性的名のですがだれもが次男に感情移入できると思います。 とにかく長男と末っ子の妹が自分勝手でイライラするし、なんだか内容もこれという出来事が起きないので眠くなりそうな気もするのですが、これは荻上直子ともたいまさこというお馴染みの組み合わせでそこのところが回避できているんだなと感じました。これが別の監督だったら確実に眠くなりますから。ある意味すごいです。 あと女性監督らしいなと思ったのが、次男が日本のロボットアニメオタクでフィギュアなんかを集めているのですがそのフィギュアが偽のガンダムみたいな感じでどうもセンスが感じられないところが微笑ましかったです。 もたいまさこは英語が話せないという設定なので台詞を発しないのですが、表情ひとつでいろいろなことを物語っていてさすがだなと思いました。 TOTOが絡んでいるので話の随所にトイレに関する会話が出てくるのですが、最終的には日本のトイレ最高という感じにまとまっておりました。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
もたいまさこ (ばーちゃん) | フランシス・マクドーマンドあたりがやったらはまりそうです。 |
東海道四谷怪談 GHOST STORY OF YOTSUYA (1959) |
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2005年11月 | |
民谷伊右衛門は恋人の岩との交際を反対する岩の父親を殺害してしまう。岩には敵を討つとそそのかし一緒に暮らすようになるのだがやがて伊右衛門に婿入りの話が出てくる。岩が邪魔になった伊右衛門は毒薬を飲ませるのだが・・・ 誰もが知っている「四谷怪談」。 お岩さんが毒を盛られて顔が醜くただれるというところだけは良く知っていたのですが、それに至るまでの人間の汚い部分がじっくり描かれているのに感心しました。 伊右衛門がお岩の父親を斬ってしまったのは「忠臣蔵」における浅野内匠頭的な嫌がらせを受けていたから同情できるのですが、これを見ていた直助という奴が黙っているからお岩の妹の許婚を殺してくれと脅迫する展開になって仕方なく滝つぼに突き落として結局お岩と結婚して数年後、子供もいて伊右衛門は幸せか?と思ったらいきなりそっけないどころか冷たくなっていて博打に明け暮れるろくでなしに成り下がっていて正直唐突すぎて何で?と思いながらも金のためにお梅という女ろ結婚するためにお岩をこれでもかと影で陥れようとどんどん極悪になっていく様はいやーな感じなります。伊右衛門も悪いんですけど結局人間性も含め一番悪いのは直助なんですよねぇ。 後半毒を盛られて顔が醜くなって真相を知ったお岩が自殺して伊右衛門と直助を呪い殺しにかかるところがすばらしくおどろおどろしくて最高です。セットもすごいのですがなんと言ってもメイクがすばらしいですよ。顔半分ただれてしまったところにクシで髪をとかすとごっそり髪の毛が抜け落ちつシーンなんて恐ろしくてこの作品、世間的に「四谷怪談」の最高と言われているらしのですが観ているとそう言われている理由が良く分かりました。 伊右衛門役の天知茂見たさに観にいったのですけど今まで観てきたクールな天知茂像を覆し欲望に溺れていく人間の弱さみたいなところが斬新でした。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
天知茂 (民谷伊右衛門) |
ダニエル・デイ=ルイスあたり剣とか持たせても絵になりそう。 |
若杉嘉津子 (お岩) |
特殊メイクはミスティーク役でなれているレベッカ・ローミン=ステイモスで。 |
江見俊太郎 (直助) |
ドッキリ番組も持っているので、悪事を企んでいるイメージのアシュトン・カッチャーで。 |
東京おにぎり娘 (1961) | |
2009年1月 | |
かつてはその腕で盛況だったテーラー直江も今では低価格の既製服が主流となり客も来なくなっていた。毎月、借金の取立てもやって来て見かねた娘のまり子はおにぎり屋を初めたちまち流行りだし・・・ 若尾文子主演の爽やかなドラマ。 タイトルから想像できるように、流行らなくなった中村鴈治郎の仕立て屋を娘の若尾文子がおにぎり屋で盛り上げるというシンプルな内容をどやって広げていくのだろうかと思いきや、やっぱり若尾文子のモテっぷりがメインになっているのと意外にも中村鴈治郎のエピソードもボリュームがありました。舞台が新橋の烏森というところが馴染みがあってよかったです。 若尾文子は結婚したいとかに関わらず川口浩に幼なじみのジェリー藤尾に若尾文子が幼い頃に中村鴈治郎に意見を言ってクビになった弟子の川崎敬三、そして昔お得意さんだった社長の伊藤雄之助と相変わらずモテモテです。伊藤雄之助なんて美しく成長した若尾文子と話したくておにぎり屋に毎日通いますがそれを快く思っていないジェリー藤尾に毎回邪魔をされるというお約束みたいなシーンがほのぼのしていて和みます。 川崎敬三も酒の勢いで若尾文子に迫ってひっぱたかれるという、川崎敬三らしいエピソードもありなんだかホッとしました。 中村鴈治郎の方はといえば借金取りから逃げ回っているくせに他人の借金を踏み倒す手伝いをしたり、麻雀屋のママに淡い恋心を抱いたりして仕事に関してはプライドが高いけれどその他のことになるとちょっと間が抜けているというキャラクターはさすがに上手いと思います。そんな中村鴈治郎には隠し子がいてそれが叶順子。こちらも相変わらず若尾文子が太陽なら叶順子は日陰者という構図が可哀想だけどはまっています。そんな叶順子は実は舞台演出している川口浩の劇団の踊子で今回は踊りも披露。ネタバレ→しかも今回若尾文子は気がつけば川口浩が好きだった・・・という定番の展開ながら川口浩は若尾文子を振って叶順子を取るんです。意外な展開すぎて目を疑いましたが叶順子、若尾文子に勝ててよかったね。と思いました。← 内容はありがちですが、意外な人同士がくっつくので観ていて新鮮です。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
若尾文子 (直江まり子) | さっぱりした作品が似合うアン・ハサウェイで。 |
中村鴈治郎 (父鶴吉) | 頑固な親父さんという感じがするジョン・ヴォイドで。 |
東京オアシス TOKYO OASIS (2011) | |
2011年12月 | |
喪服姿のトウコは深夜のコンビニの前でトラックに突っ込むところをカガノという男に助けられるそのまま彼のトラックに乗り込んだトウコは・・・ 小林聡美とお馴染みの仲間たちで作られた癒し系?映画。 加瀬亮とか原田知世が出ていますが、基本的に章仕立てというか小林聡美と誰かの二人芝居形式なんですが、何というかこれは映画なのかなと思ってしまいました。このシリーズというか「めがね」「プール」「マザーウォーター」とか小林聡美を中心とした映画がコンスタントに作られているのですが、年々映画らしさがなくなって迷走しているような気がします。 物語らしきものがないので退屈なんですよ。残念ながら。小林聡美の演技はすごくいいのでもったいないです。そう考えると映画として成り立っていたのはやっぱり「かもめ食堂」だけなのかなと思います。 書いていて何が個人的にダメだったか何となくわかりました。恐らく何にも起きないんですよ。少なからず何か起きて欲しいのですが(映画なので)それがないのでいきなり退屈な感じになっちゃうんだなと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
小林聡美 (キリコ) | 何でもこなすマリサ・トメイで。 |
東京キッド TOKYO KID (1950) | |
2006年5月 | |
病気の母親と暮らすマリ子のもとに10年ぶりに仕事で成功した父親と名乗る谷本が現れるが母親は谷本を拒絶する。そんな母親も亡くなりホステスのトミ子はマリ子をかくまうために一緒に暮らすのだが・・・ 美空ひばりの映画で観ておきたい一本だったのですがようやく観ることが出来ました。 明るいミュージカルかと思っていたのですが戦後の日本を反映した感じの作品となっていてかなり内容はエグイ感じでした。 いきなり始まって病気で寝込んでいる母親が死んでその後、人のいい売れっ子ホステスのトミ子もいきなり交通事故に遭ってあっけなく死んでしまうところが想像と違う展開でちょっとへこみます。でトミ子にはさんちゃんとしんちゃんという流しの歌手が言い寄っていてさんちゃんはトミ子の気を引くためにマリ子にいい顔しているけどトミ子が死んだから邪魔になるわけですよ。そこでさんちゃんはマリ子を街に連れ出して撒こうとしたりボートで向こう岸に渡って隙を見て置いていこうとしたりさんちゃんはちょっとマヌケなところがあるから全部失敗するのですが普通に考えても子供相手に酷いことするなぁと思いました。 さんちゃんとマリ子の歌の才能を見出し、ついに心を通わせたなと思ったところで今度は父親の谷本が賞金を賭けてマリ子探しをしてアパートの住人に感づかれる・・・とこれでもかと災難が襲うのですが出演者のキャラが明るくて濃いのでそれほど悲惨に感じないところが好感が持てます。 〜丘のホテルの赤い灯も〜でおなじみの「悲しき口笛」や〜右のポッケにゃ夢がある、左のポッケにゃチュウインガム〜の「東京キッド」はやっぱり聞きごたえがあって美空ひばりの才能はすごいと改めて感じたのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
美空ひばり (マリ子) | ここは天才子役のダコタ・ファニングで。 |
川田晴久 (さんちゃん) | お調子者って感じのオーウェン・ウィルソンで。 |
花菱アチャコ (谷本) | 情けなくもあり面白くもあるところがアチャコっぽいポール・ジアマッティで。 |
東京島 TOKYO ISLAND (2010) | |
2010年9月 | |
結婚記念に夫とともに旅に出た清子は旅の途中で嵐に遭い無人島に流れ着く。夫と共に無人島で救助を待っていると16人の男たちが流れついて・・・ 木村多江が男たちに囲まれて無人島でサバイバル生活。 木村多江といったら幸薄や不幸というフレーズがぴったりな女優なのですが、この映画ではイメージ一新。逞しくてコミカルでよかったです。というか木村多江の小麦色の肌が似合っていてこんなにも健康的な役が出来るのかと感心しました。初っ端からヘビ捌いていましたから。 と前半は流れ着いた16人の男たちにちやほやされ、途中で流れ着いた中国人たちにもちやほやされ、こんなにモテル木村多江は後にも先にもこの映画だけというくらいのモテっぷりなのですが、男たちもそれなりに役割があって暴力的に支配する二番目の夫には逆らえなかったり、はみ出しものの窪塚洋介が一人木村多江に反抗的だったりとという集団生活をしていると必ず起きそうなことが次々と出てきて面白いのですが・・・ 後半ネタバレ→窪塚洋介が島を去ってからどう腑に落ちないことの連続でどんどん冷めてしまいました。窪塚が脱出して結局誰も来ないというのはまだいいのですが、いつの間にか他に女が流れ着いていて、、これは反則と思う。最後も子供を一人残して脱出したのはいいけど、迎えに来ないというのはどうなんであろうか?とか10年後は余計だとか最後に不満が残ってとっても残念でした。← | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
木村多江 (清子) | こういう役はジュリアン・ムーアがぴったりだと思います。 |
窪塚洋介 (ワタナベ) | シャイア・ラブーフあたりにお願いしたい。 |
福士誠治 (GM・森軍司) | イメージはエリック・バナで。 |
東京=ソウル=バンコック 実録麻薬地帯 (1973) |
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2004年7月 | |
新婚旅行中の和田達也の妹と夫の吉岡竜次が韓国で自動車事故で死亡したと知らせが入る。吉岡がレーサーだった事から事故死が信じられない和田は独自に調査を始めるのだが何者かに襲われ始める・・・ 死んだはずの妹の旦那が実は生きていたしかも麻薬の運び屋だったなんて・・・ということで千葉真一の怒りは頂点に達しソウルから香港、バンコクまで松方弘樹を追い続けるロードムービーなのです。 ここのところ松方弘樹と千葉真一のダブル主演作品を立て続けに鑑賞していて今回「東京=ソウル=バンコック 実録麻薬地帯」というタイトルで出だしも松方弘樹のカーチェイスシーンから始まったからこれはハードそうだと思ったらこれってアクションコメディ? っていうのも60年代の作品には微塵も感じられなかった千葉真一の「キル・ビル」テイストがどうも70年代に入ってから漂いだしたようです。今回出だしは案外普通だったように感じたけど今思うと中途半端なデコトラで韓国に乗り込んだ時点で怪しい雰囲気を出していたもんなぁ。激辛冷麺を辛そうに一気食いするシーンは愛嬌たっぷりで千葉ちゃんと呼びたくなりますもん。 さらに千葉ちゃんアジアの大陸をその熱いパッションと日本語だけで乗り切っちゃうし、クライマックスじゃヘリから銃で狙われて逃げまくるといったもろ70年代な展開で、えっ!千葉ちゃんに弾が命中しちゃったよぅ。と思ったら弾がケツにかすっただけでした。その時の千葉ちゃんったら「汚ねぇーところ狙いやがって。」なんて台詞に場内大爆笑。ほんと千葉ちゃん笑かしてくれますわ。 松方弘樹も逃げているわりには純白のスーツで目立つったらありゃしないし、ガングロのメイクになぜかデコに一本線を描いているわでこちらは見た目のインパクトで千葉ちゃんには負けていません。 ラストもネタバレ→黒幕を追い詰めたけど結局解決できず千葉ちゃんはご立腹のご様子←で終わっちゃうんですけどこんな終わり方もあるんだーと観たことのないラストに感心。 残念なのはフィルムの状態が悪くってたまに台詞や映像が飛んじゃうんですよね。それさえなければなぁと残念に思うのでした。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
千葉真一 (和田達也) |
ニコラス・ケイジは笑かしてくれそうな予感がする。 |
松方弘樹 (吉岡竜次) |
純白のスーツを強引に着こなしそうなジャン=クロード・ヴァン・ダムあたりで。 |
トウキョウソナタ TOKYO SONATA (2008) | |
2008年10月 | |
佐々木竜平はある日突然リストラに遭い会社をクビになってしまうが妻の恵に言い出せずにいた。長男もアメリカ軍へ入隊してしまい、次男も給食費を密かに始めたピアノ教室の支払いに使っていて・・・ 黒沢清監督の家族の崩壊と再生を描いたドラマ。 黒沢清と言えば何となくホラー的な印象が強かったので、今回はドラマかぁなんて思って観ていましたが全体的にホラーではないのに怖かったです。香川照之がまだ40代そこそこなのに簡単にリストラされてしまうというところが今そこにある危機という感じで油断ならない社会情勢であると再認識しましたし、次男は無茶な学校の担任に生徒全員の前で担任の秘密を暴露して学級崩壊に近いものを引き起こす。悪気はないと両者は分かっていて卒業までもう間もないからお互い関わらないでいようと言う担任の言葉。ひとつひとつのシーンにちょっとした笑いがあるものの(特に同級生で同じくリストラにあった津田寛治は悲しくもおかしい)それぞれに何となくゾッとする感じがして黒沢清節がスクリーンから感じられるところがすごいと思います。だけど役所広司のシーンは狙った感があっていらなかったように思います。 お母さん役の小泉今日子は理想のやさしいお母さんという感じで学校の給食費をピアノの月謝に使い込んでいた事を知っても叱らず「いいじゃないピアノ。あたしピアノできる男の人って結構好きだな。」だって。普通の家庭じゃひっぱたきものですが小泉今日子だからこそ許される台詞だなと思いました。小泉今日子はよかったのですが、個人的にはYOUあたりがやったらもっとはまっているかもなぁと感じました。 香川照之は「20世紀少年」とは全然違った役どころでこの人本当に上手いと思ったら両親の名前を見て納得。サラブレッドだったんですね。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
香川照之 (佐々木竜平) | 色々なジャンルの映画に出ているテレンス・ハワードあたりで。 |
小泉今日子 (佐々木恵) | 意外とシリアスな映画にも多く出ているジェニファー・アニストンで。 |
東京ドドンパ娘 (1961) | |
2009年5月 | |
ダイアモンドレコードの社長に呼ばれた専務は社長から隠し子を探し、社長の代わりをさせるように命じる。専務の小松はやくざの下っ端、並木五郎を隠し子に仕立てて密かに乗っ取りを企むが五郎の恋人の京子はそのことを心配して・・・ 歌い出しが「好きにーなーったらー」は始まりサビは「ドドンパっ、ドドンパっ、ドドンパー」でお馴染みの渡辺マリの曲でお馴染みの「ドドンパ娘」と同名タイトルの映画。 ダイアモンドレコードを乗っろうとするレコード会社イミテーションレコードという名前だったり洒落が利いているところは好きなのですが、ドタバタのコメディタッチに仕上がっていてちょっと好みと違うところが惜しかったです。多分普通に企業乗っ取りものとして出来ていれば結構面白かったのではないかと思います。 主役の沢本忠雄がどうしてもやくざの下っ端に見えなくてものすごーくいい人過ぎるし、恋人の京子というキャラクターも父親が元凄腕の刑事(しかしそんなかけらは微塵も感じられない)な割りにはこういう奴と結婚を前提に付き合っていたりと色々と気になるところはあるのですがコメディなのでしかたがないですね。 見せ掛けだけの社長になって何故か専属歌手や作曲家が次々と辞めていってようやくおかしいと気がついた主人公の五郎はこれじゃぁ社員の給料が払えないと思い色々手を尽くすも時既に遅し、最後の賭けで顔なじみの歌手志望の渡辺マリをデビューさせて「東京ドドンパ娘」が大ヒット。めでたしという感じなのですが、渡辺マリは無国籍過ぎる顔が気になりましたが歌はパンチが効いていていいですね。しかもこのキャラクターが流しでバーなんかで歌ったりしているのですが、一曲歌い終わったら、喉が渇いたからハイボールなんて17歳の女の子が言うんですよ。今のご時世なら無理目な描写に時代を感じました。(結局はミルクを出されていましたが。) ネタバレ→めでたしついでに主役の沢本忠雄がなんと本当に社長の隠し子という信じられない展開で何もかもめでたいという締めくくりにあいた口が塞がらないのでした。← | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
沢本忠雄 (並木五郎) | オーランド・ブルームがチンピラをやるような感じでしょうか。 |
香月美奈子 (吉田京子) | いい娘さんという感じのエミー・ロッサムで。 |
渡辺マリ (渡井マリ) | イメージはジェニファー・ハドソンです。 |
東京博徒 (1967) | |
2009年10月 | |
浅草で的屋をしている綾吉は仲間のために花笠組から金を取り返したことが原因で追われる羽目に。逃げる途中に貸衣装屋の娘、お島に助けられたことがきっかけで二人は惹かれ始めるが花笠組の親分の志村がお島を狙っていて・・・ 田宮二郎の敵役が天知茂というこの上ない組み合わせに相手役は昭和初期の雰囲気にぴったりで性格も凛としている藤村志保ということでそれだけで魅力的な仕上がりになっています。 天知茂は卑劣な親分かと思いきや意外といい人なんです。手下が浅草の町の人の金を集めて賭け事をしてその払戻金を払わなかったらそれはいかん。ということで全額返させて悪い人ではないというこういう世界を描いた映画の中では珍しい展開。 ただ、藤村志保のことが好きになった天知茂は田宮二郎がすでに藤村志保といい感じになっているということを知った時の顔が鬼のような形相になって怖いです。 浅草を仕切っている親分の天知茂はその辺の貧乏的的屋に意中の藤村志保をを取られたことでプライドがズタズタになって何としても藤村志保をを手に入れようと藤村志保の叔父さんを罠にかけて借金のカタに藤村志保を奪おうとするも気の強い藤村志保はそんなの無視。家族の借金より自分の幸せというところが現代的です。 クライマックスはもちろん田宮二郎と天知茂の一対一の対決。もう藤村志保が自分のところに来ることはないと分かっていてもする勝負。何でここまでするんだと聞かれ、意地だと子とある天知茂。戦いに勝っても本当の勝利にならないことは分かっているのですが戦わずにはどうにも気持ちが治まらないというその気持ち分かります。 ということで田宮二郎は良くも悪くも明るくて女好きで曲がったことが大嫌いといういつもの田宮二郎という感じですが天知茂が女の子と以外は筋が通った親分という設定が新鮮でした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
田宮二郎 (綾吉) | 調子のいい感じがマシュー・マコノヒーのようで。 |
藤村志保 (島子) | ちょっと地味目のケリー・ラッセルあたりで。 |
天知茂 (志村) | 敵に回すと怖いタイプという感じのテレンス・ハワードで。 |
東京物語 TOKYO STORY (1953) | |
2005年12月 | |
尾道から久しぶりに子供の住んでいる東京にやってきた平山周吉、とみ夫婦だったが子供達はそれぞれ忙しく相手をする時間がないのだが次男の未亡人の紀子だけが思いやりのある心遣いをするのだったが・・・ 小津作品いや日本映画でも屈指の名作という噂のこの作品をようやく観ました。 田舎から上京してきた両親を子供達が温かく迎えるような内容かなぁと思っていたらとんでもない、ネタバレ→最後お母さんが死んでなんか←結構おもたい内容なのでびっくりしました。最後は笠智衆ひとまわり小さくなった感じがして切なかったですねぇ。 前半はそれなりに家族は両親を迎えるけどそれぞれ独立して家庭も仕事もあるからあまりかまってあげられないから適当に温泉でも行かせとけみたいなところと実の子供達より嫁の方が仕事もわざわざ休んで東京見物に連れて行ったり心から両親をもてなすあたりが、成瀬巳喜男監督の「娘・妻・母」のような印象のように思えました。(こちらは嫁の高峰秀子と長女の原節子も母親のことを心底心配していましたが) 笠智衆一家も豪華で長男が山村聡、三男が大坂志郎、長女が杉村春子、次女が香川京子、そして嫁が原節子ですよこの豪華な顔ぶれだけで一見の価値ありますよ。そして原節子はいつものように天使のような思いやりだけで出来ているんじゃないか人間でさすが伝説の女優と言われるだけあるなぁと思いました。 そして原節子もいいんですけどやっぱり杉村春子に見入ってしまいます。山村聡宅を出るときに「忘れ物ないかしら?」もしくは「いい忘れたことないかしら?」といった雰囲気を台詞なしでもう一回戻ってきてすぐさま家を出てくところなんか杉村春子のちょっとした演技を見ると嬉しくなります。 と全体的にはいい映画だったのですが小津作品特有の無言の間というか沈黙の時間とこの映画ちょっと長いのでどちらかと言うと小津作品より成瀬作品の方が好みだなぁと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
笠智衆 (平山周吉) | やさしそうなジェームズ・クロムウェルで。 |
東山千栄子 (平山周吉) | 雰囲気はやさしげなジュディ・デンチ。 |
原節子 (平山紀子) | みんなに親切「アメリ」の時のオドレイ・トトゥで。 |
投資令嬢 (1961) | |
2008年8月 | |
大学で株の研究会に所属するチズ子とみさをは株の購入資金を得るために山小屋でラーメンを売り一儲けするが快く思わない愚連隊に襲われそうになったところを通りがかった研次郎に助けられる。 そんなチズ子は東京に戻ってきたとたんにお見合い話が持ちかけられるが・・・ 叶順子主演の証券ラブコメディ。 叶順子といえば大映の大作に出演してはいるもののいつも京マチ子、若尾文子、山本富士子なんかの大映看板女優の影にかすみがちでしたが今回は珍しく主役。しかも野添ひとみが準主役になっているところが貴重です。ネタバレ→野添ひとみと男を取り合って結局叶順子が勝つというところも珍しくてよかったです。← 株のいろはを覚えるのにもちょうどいい感じの内容で叶順子と野添ひとみが付き合う男についてあれこれ話すシーンは必ず「あの人は希望株ね。」とかものすごく有望な男に限っては「品薄株」なんて証券用語で男を品定めするところが今風でとても新鮮です。 野添ひとみが主役でも問題ないと思ったのですが証券用語をあやつり、お金にしっかりしていてどこかシニカルなキャラクターは叶順子にぴったりなのでこの映画の主役が叶順子というのは大正解に思えました。 相手役は「月光仮面」でお馴染みの大瀬康一。(役どころは実は株研究家の息子であるが職業は株とは無縁の建築技師。)さりげなく二人は両想いなのに二人ともお見合い話があるけれど乗り気でないから断るけれどじつはお見合い相手が大瀬康一だった。ラブコメディにとお決まりの展開も分かりやすくてよかったです。 こうしていつもはあまりじっくり観られない叶順子を観てみると他の他の大映女優にはない独特な雰囲気が今回一層引き立って他にも叶順子がメインで出演している映画をもっと観てみたくなるのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
叶順子 (牧村チズ子) | シニカルな感じも出せそうなエヴァ・グリーンで。 |
野添ひとみ (三枝みさを) | 案外はっきり自分の意見を言いそうなアン・ハサウェイで。 |
大瀬康一 (松田研次郎) | 株で儲けるより体を動かしてお金を稼ぐ感じのコリン・ファレルで。 |
動脈列島 (1975) | |
2010年9月 | |
新幹線の騒音公害で患者を亡くしてしまった秋山は新幹線に爆弾をしかけ脅迫文を送りつける。警察庁では犯人を捕まえるべく犯罪科学研究所の滝川に事件解決を命じ・・・ 増村保造監督の社会派サスペンス。 当時、高度経済成長の時代に慌てて作られた新幹線だから防音壁なんか全くなく線路からむき出しで爆音を上げて住宅街を走り去る新幹線というビジュアルがなんともインパクトがあります。そんな状況に憤りを感じた近藤正臣が新幹線爆破を決意しあの手この手で警察を翻弄するのですが、婚約者で薬剤師の関根恵子も利用してニトログリセリンなんかも手に入れたりして目的のためなら恋人も犠牲にさえする非情な犯人役の近藤正臣がよかったです。関根恵子も結局捕まって厳しい尋問を受けたりして可哀想なんですがこういう幸薄い役がはまっててこちらもよかったです。 そんな近藤正臣を追うFBI的な存在の田宮二郎は予想はほぼ的中なのですが肝心なところで逃がしてしまう感じなのですが、むしろ逃げられていることが楽しそうな感じで変なキャラクター。切羽詰った感じが全くしません。後半もそろそろツキが無くなって来る頃だから捕まえられるみたいな感じのことも言ったりして若干、近藤正臣に押され気味なのに何故か自信だけは満々という可笑しなキャラクターでした。 実は梶芽衣子が出ているので楽しみにしていたのですがなかなか出てこないなと思ったら後半、近藤正臣がふらっと入ったバーのママ?で登場。一瞬で犯人と見抜くも私も元看護婦で共感できるから新幹線爆破手伝うわといって色々手伝うところがカッコよかったです。梶芽衣子が出てくるだけで反逆精神満開という感じで。 スケールが大きそうなのですが舞台は愛知と東京で割りとこじんまりした感じなのですが内容は増村先生なので面白いです。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
田宮二郎 (滝川保) | 色々と余裕をかましそうなロバート・ダウニー・Jrで。 |
近藤正臣 (秋山宏) | 正義感溢れて苦悩する感じのクリスチャン・ベールで。 |
透明人間 THE INVISIBLE MAN (1954) | |
2009年12月 | |
透明人間の自殺という奇妙な事件が起き、もう一人透明人間がいることが明らかになった。そんな中、透明人間を名乗る男が強盗を繰り返す事件が多発するのだが・・・ 透明人間が切なすぎる特撮映画。 軍の実験で透明人間になってしまいもう元の人間には戻れないので透明人間の河津清三郎はピエロの格好をしてサンドイッチマンをして生計を立てているというところが既に切ないです。そしてそんな透明人間の存在を知った悪党たちが名前を利用して強盗を重ねて透明人間が悪者にされていく様が気の毒でたまりません。 悪党たちのアジトのナイトクラブで何も知らずに歌っている三条美紀もこの時代によくある設定のヒロインで何だかんだいって事件に巻き込まれその三条美紀と向井のアパートに住んでいる透明人間、河津清三郎はもちろん格差はありつつもちょっと惚れているので助けに行きます。が、逆に返り討ちにあって、今までの悪事の張本人に仕立て上げられたりと子供が観るには結構残酷なシーンが盛り込まれていて特撮監督が円谷さんの作品ってやっぱり大人向けだなと感じました。 透明人間役の河津清三郎はずっとピエロのメイクなので素顔は一切出てこないところが斬新。ピエロのメイクを取るとちゃんと透明になるところも面白い仕掛けだと思いましたし、どちらかというと悪役とまではいかないけれど権力のある役の印象が強い河津清三郎がこういう役をやっていたというのも新鮮でした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
河津清三郎 (南條) | 透明人間と言えばケヴィン・ベーコン。 |
三條美紀 (美千代) | ナイトクラブの歌手という役が似合いそうなヴァネッサ・パラディで。 |
徳川女系図 (1968) |
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2005年11月 | |
一言で表現するならば成人指定版「大奥」と言った感じの作品。 今ちょうどテレビで五代将軍徳川綱吉の頃の「大奥」をやっていてちょくちょく観ているのですが京の信子VS江戸のお伝という対立の仕方がそっくりそのまんまなので結構親近感があって分かりやすかったです。 綱吉の世継ぎを生ませるために信子とお伝は次々と綱吉の気に入るような女子を差し向けるよう画策しつつ相手側の女子が綱吉に気に入られようものなら拷問したり陥れたりとその繰り返しで結構えぐいです。最初の信子側の女の子なんて縛りあげられて隠し所をやかれちゃうし・・・でドラマだと内山理名的なキャラが出てきたとお思いきやそれらしきキャラは次々と拷問やら自殺やらで消えていくので明確なヒロインがいないままどんどん話が進んでいくので最初はびっくりします。 あとは拷問エピソードの間にとりあえず大奥にいる女たちがほぼ全裸で舞い踊ったり、女相撲したりととりあえず脱いどけみたいな展開がさすが成人映画。観た人誰もが感じると思いますが、こんなに裸を見たの初めてってくらい出てくるから試しに観てみてと誰かにいいたい! あとこの映画、ドラマと比べると信子は本当地味で藤原紀香とは別物ですが吉田輝雄のダメダメな綱吉が谷原章介とか三原葉子のすれっからし度が最高のお伝が小池栄子とかぶったりしてこの辺は面白かったです。 あといつもはクレイジーな小池朝雄が今回はすごーくまともだったのに驚いたりしてさすが「異常性愛」シリーズの1作目というだけあって何か分からないがただ強烈という印象が残る作品なのでした。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
吉田輝雄 (五代将軍綱吉) |
ダメキャラをやらせると光るチャウ・シンチーで。 |
三浦布美子 (御台所信子) |
しれーっとしたところがチェ・ジウっぽい。 |
三原葉子 (お伝の方) |
「SAYURI」の予告を観てこれはコン・リーにぴったりだと感じた。 |
徳川女刑罰史 (1968) |
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2005年11月 | |
江戸時代の初期、罪を犯した女たちが次々と刑罰に処せられる3話のオムニバス。 オープニングクレジットから罪人の女たちが次々と処刑されていくのですが、首切り、丸焼き、股裂きと本編始まる前から残虐シーンのオンパレードで一本映画を観た分の疲労感。もうお腹いっぱいです。 1話目は兄妹が近親相姦の罪で処刑される話ですが、これは意外にもちゃんとドラマしていました。兄が大工仕事中に大怪我して棟梁が勝手に高額な名医を呼んでしまい支払いができなくなった為妹が呉服屋の主人に金を借りて結局返せなくなるという罠にはめられ妹は呉服屋へ・・・という罠の中、兄は自殺全てを知った妹は呉服屋を斬りつけ捕まるという内容なのですが、処刑方法が逆さまに磔にされて浜辺に置き去りにし、潮が満ちたら死ぬっていう仕掛けの絶対苦しい処刑でこれは嫌です。とストーリー性はばっちりですが吉田輝雄が兄とその兄に瓜二つの拷問に疑問を持つ役人(全エピソードに登場)なのがぶっ飛びます。吉田輝雄はとりあえず「異常性愛」シリーズには欠かせないらしい人らしいです。 2話目は尼と坊主の密会に気がついた位の高い尼が尼に嫉妬し私刑を加えやがて自分も罰を受ける話なのですが、私刑がまた縛り上げて水風呂の中に入れておいてその中にドジョウをざるに何杯入れるんだよ?という位入れているのがクレイジーです。しかも最後は隠し所を焼くという定番の技?がエグイです。そんな好き勝手していた尼もついには役人達に乗り込まれますけど尼は自殺。それでも磔になって槍をさされてしまうのでした。 3話目は江戸一番の彫師が彫った地獄絵図の刺青をサドの役人(これが渡辺文雄)にこんなの本物じゃないと言われて本物の拷問を参考にさせてくれというこれまたクレイジーな話なのですが拷問しているところをうれしそうに観察している小池朝雄の狂った感がこれでこそ小池朝雄だ。と思わせるのですが結局最後、拷問役の渡辺文雄に「拷問している方も痛みを伴わなきゃいかん。」と意外にまっとうなことを言って刺し殺すところなんか普通の映画だったら絶対怪しい奴になるけど「異常性愛」シリーズで小池朝雄は案外普通に見えてしまうんだなぁと石井輝男ワールドに感心するのでした。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
吉田輝雄 (吉岡頼母) |
ヨアン・グリフィスは真面目そうだから拷問を疑問に思う役が合いそう。 |
渡辺文雄 (南原一之進) |
サディスティックなイメージのケヴィン・ベーコンで。 |
小池朝雄 (彫丁) |
キレたら手がつけられないレイ・リオッタで。 |
独眼竜政宗 (1958) | |
2010年7月 | |
頭角を表してきた伊達政宗。そんな政宗に豊臣秀吉は危機感を募らせ石田三成を使い命を狙わせるのだが・・・ 中村錦之助が若き日の伊達政宗を好演。 武将ものなのですが、どちらかと言うと若き日の事を描いているので青春ものという感じがしてはつらつとして真っ直ぐな伊達政宗のキャラクターが中村錦之助に合っていてよかったです。中村錦之助は当然いいのですが、脇を固める俳優たちも月形龍之介に浪花千栄子とか相性がいい人ベテランとの共演も安心感があります。個人的には中村錦之助作品でこの二人が共演しているものははずれがない気がします。 村のおじいちゃん大河内伝次郎が政宗と知らず説教というか礼儀を教えて政宗はそれを聞き入れて吸収する素直さ、そしてその孫娘佐久間良子との身分違いの恋愛エピソードなど青春要素が盛りだくさん。 途中刺客に襲われ失明した時、目が見えなくなることよりもそのことを知っているのに誰も真実を告げてくれなかったことに絶望する政宗の熱い演技が錦之助らしさが十分発揮されていて久しぶりに観たのですが相変わらず惚れ惚れしました。ちょっと調べてみたら本当の失明の原因は病気ということで刺客のせいではないのですがこれ、映画用にこうした方がダイナミックなエピソードになっているのでいいと思います。あと、割とスプラッターな感じのところもこの時代としては珍しいなと思って鑑賞しました。 青春ものとしてはよくまとまっているのですが「宮本武蔵」5部作と比べるとどうしてもパンチにかけるところがあるのが残念なところです。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
中村錦之助 (伊達政宗) | ギリギリやんちゃ路線で行けそうなポール・ウォーカーで。 |
毒蛇のお蘭 (1958) | |
2008年11月 | |
料亭の娘、志乃は安川という武士の財布を届け親しくなる。やがて安川は江戸に旅たち時代は明治へと移り変わった。志乃は安川に逢うために旅に出るのだが道中、源次にさらわれてしまい・・・ 小畑絹子の豹変ぶりが楽しい新東宝のドラマ。「どくへび」ではなく「どくじゃ」と読みます。 小畑絹子が惚れる反新撰組の中村竜三郎に惚れるというエピソードがあるのですがとりあえず幕末だから新撰組を絡ませとけといった無駄な展開があるのですが極悪非道な天知茂が出てきてからグッと面白くなります。 小畑絹子を手篭めにした天知茂は逃げられないように蛇の刺青を入れるのですが吹っ切れたのかいきなり女スリとしてデビュー。この頃には既に手下を引っさげて連携プレーも見事。もう一人前。 博打でいかさまをしてばれた時も「あたいを誰だと思っているんだい!毒蛇のお蘭とはあたいのことだよ!」的な啖呵を切って刺青バーン!というお嬢さんからの豹変っぷりが逞しい過ぎて観ていて気持ちがいいです。 ここまでの変貌っぷりにさすがの天知茂も本気で惚れてしまいます。もう一人の情婦、若杉嘉津子は嫉妬の嵐。最後の美人局のミッションは若杉嘉津子の密告で失敗するのですがこの嫉妬っぷりと取っ組み合いのキャットファイトも新東宝テイスト満載という感じでした。 明治維新後、警官になって謎の女の毒蛇のお蘭を逮捕しようとがんばる中村竜三郎は存在感が薄かったのでこの人のエピソードがもうちょっと濃かったらさらに面白くなりそうでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
小畑絹子 (志乃/毒蛇のお蘭) | シャーリーズ・セロンの刺青姿を見てみたい。 |
中村竜三郎 (安川元春) | いい人そうなパトリック・デンプシーで。 |
天知茂 (ザンギリ源次) | やっぱりショーン・ビーンにお願いしたい。 |
独立愚連隊 (1959) |
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2005年5月 | |
新聞記者の荒木は最前線にいる独立愚連隊のもとへ向かっていた。その途中でかつての婚約者トミと再会しながらようやく愚連隊のもとに到着するのだが・・・ この映画の愚連隊っておちこぼればかりの集まりですけど愚連隊ってやくざ一歩手前のチンピラたちの小さな集団、中島貞夫監督の「893愚連隊」の松方弘樹のような集まりが本当で、愚連隊とはいっているもののちょっと意味合いが違うんですよね。なんでこれが「独立愚連隊」というタイトルなのかは多分、佐藤允が独りで多少荒っぽくもいろいろやってくれるからだと勝手に思ってみたりしています。 それはさておきびっくりすのが三船敏郎と鶴田浩二の扱い。三船敏郎は隊長で大尉なんですがネタバレ→副官で中尉の中丸忠雄の陰謀で←頭が完全におかしくなっている役どころだし、鶴田浩二は中国人の山賊役みたいな役どころでカタコトの日本語しゃべるわで今までのカッコいい三船敏郎、真面目な鶴田浩二のイメージが完全に壊れて衝撃でした。 「四十八歳の抵抗」ので天然キャラでちょっと引いた雪村いづみは元婚約者で慰安婦となった女という役どころなんですけどストレートな性格がしっくりきていて2作しか観ていませんけどこういうキャラクターの方が断然いいと思いました。 後半、黒澤明もそうでしたけどこの時代の名監督と呼ばれる人の特徴なのか、最初から佐藤允のキャラクターは何かあると匂わせていましたが弟が何で死んだのか真相解明のサスペンス調に急に展開が変わるのですが無理なく変わるところに感心しました。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
佐藤允 (荒木) |
キーファー・サザーランドは無鉄砲ながよく似合う。(最近の印象) |
雪村いづみ (トミ) |
こういう図太い役こそケイト・ベッキンセールにやってもらいたい。 |
独立愚連隊西へ (1960) |
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2005年5月 | |
中国共産党軍に襲われ一人軍旗を持って逃げた北原少尉を厄介者の集まり愚連隊がひょんなことから軍旗を取り戻す旅に出る事になる・・・ 佐藤允も中谷一郎も出ているから「独立愚連隊」の続編かと思ったら、俳優陣はほぼ同じだし舞台も同じですけどキャラクターが微妙に違う全く内容の作品でした。でもこっちの方が加山雄三とかフランキー堺が新たに加わって断然面白かったです。 全作の愚連隊は本当しょうもない奴らが多かったんですが今回は佐藤允お愚連隊の一員だし愚連隊が本能の赴くまま雄叫び上げながら行動するから愚連隊は山賊ですか?みたいな感じで楽しかったです。その仲間の一人にそろばんで占いやるやつがいてそいつがまたウド鈴木ばりのボケっぷりが楽しいしおバカなんだけどみんな友情で結ばれているみたいなところが最高でした。 中国軍のボスのフランキー堺も愚連隊をつけねらっている中国軍のボスですが一触即発かというところでフランキー堺は今はお互い疲れているから今度会ったら正々堂々闘おうというと提案してくる敵ながらいい奴なんですよね。 軍旗を取り戻すまでが痛快すぎてその過程どうなっていたのがほとんど覚えていないという不思議な作品でこれはもう一回観直さなければならないと思いました。 男臭い映画の中で水野久美の恋愛エピソードは「インファナル・アフェア」でケリー・チャンが出てきた時に感じた感覚と同じような印象をうけました。(殺し合いや戦争から逃げようとするぬるい考えの女はこういう世界にはいらない) 後から知ったのですが、加山雄三はこの年にデビューしていきなり主役だそうで、なのにそれを感じさせない加山雄三に関心しました。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
加山雄三 (左文字少尉) |
ジュード・ロウのようなさわやかさを感じました。 |
佐藤允 (戸山軍曹) |
軽いやんちゃっぷりがマーク・ウォルバーグのようで。 |
怒号する巨弾 (1960) | |
2008年8月 | |
太平洋戦争の頃、天田の父親はスパイ容疑をかけられ拷問を受けて死んでしまう。それから時は経ち、事業に成功した天田は身分を偽り父親を死に追いやった人物に次々と復讐を遂げていくのだが警部の宇野の捜査のの手が回り始め・・・ 宇津井健が復讐のために処刑人と化した天知茂を追いつめるサスペンス。 宇津井健が主役ですが実質は天知茂が完全に主役だったように思えます。警察の取調べ中、目の前で父親を拷問をされすぎて殺されてしまうという暗い過去をもった設定なのですが10年前の設定なので学ラン姿の天知茂というレアなシーンもあります。このころはものすごく内気でいい子という細かい芸あり。 そして射撃の名手であったり身分を偽って次々と復讐を遂げていくところがクールな天知茂らしいのですが、最終的なターゲットの宇津井健の上司の警視総監に近づくために警視総監の娘と付き合ったりして抜け目ないです。だけど娘の三ツ矢歌子に本気で惚れてしまうところなどあったりするところも天知茂主義といったところでよかったです。 池内淳子と新東宝の清純派を二分している印象のある三ツ矢歌子も今回は珍しく気が強い役で、宇津井健に天知茂と付き合うのはお止めなさい。的なことを言われてものすごく逆ギレするところはちょっと可笑しかったです。宇津井健も寂しげだったし。 宇津井健はこの当時ちょっとドン臭い感じがするのですがいつもこういう正義感溢れる役が多いんですよねなぜか。でも宇津井健の正義ものは悪役が主役みたいなものだからいいのですが・・・ | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
宇津井健 (宇野次郎) | 刑事とか似合わない感じのジョン・キューザックで。 |
天知茂 (天田公一) | 影がある役が似合いそうなエドワード・ノートンで。 |
三ツ矢歌子 (志賀洋子) | エヴァ・グリーンあたりにお願いしたい。 |
ど根性物語 銭の踊り THE MONEY DANCE (1964) | |
2007年7月 | |
荒くれ者だが正義感の強い町田八百はある日怪しげな一味に連れ去られてしまう。八百を連れ去った一味は影で不正を行い巨万の富を得ている社会の害虫を密かに抹殺する集団で八百を仲間に招き入れる。仕事は順調に進み麻薬王のクロード・デントンを抹殺することになるのだが・・・ タイトルだけだと「悪名」みたいな感じで人情味をもっと濃くした感じの内容かと思いきや和製「トリプルX」みたいなスパイアクションものだったし、市川崑作品に勝新太郎と江利チエミという想像もつかない組み合わせだったので2度ビックリしました。 殺し屋集団は勝新以外は3人しかいないのですが理系と狙撃系とかちゃんと役割分担できているところもよかったです。特に船越英二は理系で秘密アイテムを作ったり、殺しのミッションもしっかりと計画と立てたりとチームになくてはならない存在でクールなんですけどどんな役をやっても船越英二らしさがあるところが相変わらずいい味出していました。 江利チエミの役どころも中華料理店だか定食屋かなんかの店員だったりいきなりホテルのメイドで勝新の前に現れる神出鬼没ぶりが一歩間違うとストーカーになりそうなところですがこの二人の組み合わせは案外しっくりきているのでこのいきなり的な展開も面白かったです。 話のほうも麻薬王を消すのが目的なのですがネタバレ→消そうとしている麻薬王が船越英二たちを金で縛り付けていてそいつを勝新の力を密かに利用して殺そうとするどんでん返しっぽい←話の展開も斬新でよかったです。 市川崑監督作品でこんなぶっ飛んだ内容の作品が観られて得した気分になりました。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
勝新太郎 (町田八百) | ここはやっぱりヴィン・ディーゼルで。 |
江利チエミ (十條月見) | ファニーな感じのマギー・ギレンホールで。 |
船越英二 (姫一枝) | 二枚目なのに三枚目のユーモアさもあるロバート・ダウニー・Jrで。 |
突貫小僧 A STRAIGHTFORWARD BOY (1929) |
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2004年5月 | |
かくれんぼをしている子供達、その中の一人鉄坊はひとさらいの文吉に声をかけられついていってしまうのだが鉄坊のワンパクぶりに文吉はすっかり手を焼いてしまうのであった・・・ 残念なことに20分ちょっとのフィルムしか存在していないらしので内容的にはほぼ短編という感じで初小津作品鑑賞にはいささか物足りなかったけどまぁしょうがないかなぁという思いです。(てことで感想短め) 話もひとさらいの文吉がさらった鉄坊が手に負えないガキでとほほ・・・となるようなコントの入門編みたいな感じの作品だったから印象に残るものといったら子役の青木富夫の本当に昔のガキって感じとカニパン(この時代からすでにあったことに驚く)ですかね。 でもこの作品が完全な形で観ることができたらと思うと残念な気もします・・・ |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! (短編なので今回はなし) |
嫁ぐ日まで (1940) | |
2008年10月 | |
母親を亡くし父と妹の三人で暮らす好子は家族を思い結婚の事は二の次の生活を送っていた。そんなある日、父親の光三に再婚話が持ち上がるが・・・ 原節子の父親を思って結婚できない娘をいう定番スタイルのホームドラマ。 1940年の作品なので小津作品より前ということになるのでしょうか?原節子の定番スタイルは戦前から出来上がっていたということになるんですねぇ。 話の方は小津作品でこういう展開は見慣れているので新鮮味がないのと70分くらい短い内容なので最後は矢継ぎ早にことが片付いてしまってあわただしいのですがこの時代に脇役が充実しているところに感心しました。 再婚相手がいたってノーマルな沢村貞子でその友達で女学校の厳しい教師役に杉村春子。(そしてその教え子に原節子の妹がいる)と戦前から活躍中というところが感慨深いです。 原節子には一応彼氏のような人がいてよく家に来たりするのですが、ある日屋根裏のネズミ捕りににネズミがかかったから取ってくれと彼に頼むのですが、彼は庭に逃がそうとするのですが、すごいことに猫がネズミを食べるのかと疑問に持っていた彼は猫を呼んで放したネズミを追いかけさせるのです。ネズミも猫も本物だから本当に逃げ回るしエキセントリックな動きをしてネズミが原節子の方に逃げたものだから思わず原節子も一瞬ひるむという貴重なシーンを観ることが出来てこれだけでも観た甲斐があったのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
原節子 (生方好子) | 家庭的な感じが似合いそうなクレア・デーンズで。 |
殿さま弥次喜多 捕物道中 (1959) |
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2004年11月 | |
徳川宗長と義道は以前、弥次喜多に扮して旅したことが忘れられず二人で城の者を騙し抜け出した。そんな中、義道は船で殺人の現場を目撃するわ二人は世間を騒がす義賊の観音小僧に間違われるわで追われる身となってしまい・・・ 中村錦之助と賀津雄兄弟が仲のよい若殿をしかもこの若殿が弥次さん喜多さんに変装して旅をするという設定が楽しそうで観てみました。確かに楽しかったんですけど前半はかなりドタバタしすぎたかな? 後半以降というか最後は殺人を犯した海賊達の船に乗り込んで大乱闘という展開ですが(このときすでにお互いの正体がわかっている)二人はおれんとお君に「今度俺の城に来いよー。」なんて言っちゃう若殿達があっけらかんとしすぎてよかった。若殿2人に対して海賊何十人なのに港じゃみんな「若殿しっかりー!」なんて手を振っているんだから、若殿が2人も死ぬかも分からないって一大事なのに平和だよなぁ。ちょっとは助けようとしないのかぁ。 ともあれ中村錦之助、賀津雄兄弟の喜劇が観られたのはやっぱりよかった。二人の掛け合いはばっちりだったし何しろ本当にこの兄弟は仲がいいんだなと感じましたから。しかし驚いたのが弟の中村賀津雄の方。数年後の作品「ちいさこべ」じゃ親なしで育ったためチンピラみたいな生活をしている若者とは全く違う雰囲気で何作品か見比べてみると役の幅が広くってさすが錦之助の弟、賀津雄と思うのでした。 実はこの作品シリーズ2作目。1作目の「殿さま弥次喜多 怪談道中」は見当たらなかったから見つけたらそっちも観てみようと思います。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
中村錦之助 (徳川宗長) |
ここ数年注目しているオーウェン&ルークのウィルソン兄弟は仲もよさそうで。 |
中村賀津雄 (徳川義直) |
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雪代敬子 (おれん) |
ジーナ・ガーションはもろ姉御肌で。 |
中原ひとみ (お君) |
義賊に救われたという設定がなんかドリュー・バリモア的で。 |
ドラゴンヘッド DRAGONHEAD (2003) | |
2006年6月 | |
修学旅行帰りに原因不明の事故でトンネルに閉じ込められ生き残った青木テルは奇跡的に生き残った同級生の瀬戸アコとトンネルから脱出しようとするのだが・・・ 高校のとき誰かが読んでいたのをちらっと見たことがあるくらいで、山田孝之のやった役の全身ボディペイントで精神が崩壊していくキャラがく印象に残っていて全体的には絵のタッチを含めものすごい不気味な感じだったのをふと思い出しました。 崩壊した日本というか地球で生き抜いていくサバイバルものなんですけど肝心の妻夫木くんの演技がものすごくへっぽこに見えてやっぱりダメでした。それに地上に出たときの灰だらけの世界で何日も歩いていて制服とか灰まみれになっているのですがなぜかSAYAKAの紺の靴下だけきれいだとかちっちゃいところが妙に気になってしかたありませんでした。 SAYAKAといえば演技は映画デビューだけあってよく言えばアイドルらしいけどやっぱり微妙。しかもキャラがすぐに泣き言言うようなぶりっ子キャラだからものすごくイライラします。そりゃ妻夫木くんも一人でさっさと行っちゃうよなぁと思いました。 そんなSAYAKAは足を怪我しているという設定でまともに歩けないのですが寺田農たちに襲われそうになったら普通に走ったりして松田聖子が昔、涙が出ないのに号泣という伝説と歩けないのに走れるというのが頭の中でかぶりさすが親子だなと思うのでした。 ケーブルテレビで録画したのを観たのですがどうも最近の日本映画って台詞が聞き取りにくいんですよね。聞き取りにくいから音量上げると今度は爆発音とか効果音が異常にでかくてなんかバランス悪いのはそういう仕様だからでしょうか?でも昔の日本映画は普通に台詞聞き取れるし多分今の若手俳優の発声が悪いんだなぁと思うのでした。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
妻夫木聡 (青木テル) | まだ学生役がいけそうなオーランド・ブルームで。 |
SAYAKA (瀬戸アコ) | リンジー・ローハンあたりにやってもらいたい。 |
虎の尾を踏む男達 THE MEN WHO TREAD ON THE TIGER'S TAIL (1945) |
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2004年5月 | |
兄の源頼朝に命を狙われている義経は弁慶達とともに山伏に扮装して関所を越えようとしていた。そこで一人の強力と出会い一緒に関所を越えることになったのだが・・・ 初黒澤明監督作品鑑賞ということで、始めは軽め(58分)の作品から観てみたんですけど、この短時間に綺麗にまとまっていてさすが世界の黒沢という感じがしましたよ。 榎本健一ってエノケンと呼ばれていることくらいは知っていたんですけど、全然イメージと違ってまいした。(ショーケン的なイメージだった)なんかエノケンって猿のようだったんですね、背もちっちゃいし。何といっても顔もちっちゃいせいか歯が普通の人間より多く感じるよー。このエノケンが「ケケケッ」と笑いながらちょこまか動き回って少々うざいんですがそれを中和する弁慶役の大河内伝次郎のどっしり感というか寡黙で頼れる男というで男が憧れる男って感じでかっこいいんですよね。 見所は何といっても後半の関所での弁慶の緊張感溢れる立ち振る舞い。山伏の証として巻物を読み上げろって迫られるときに中間達が一瞬にして感じる緊張の表情が音楽にあわせて見事にクローズアップされるシーンは本当すごいなって思いましたね。もちろん白紙の巻物をいかにも何か書いてある風に読み上げるシーンも緊迫感があって秀逸。 ラストもエピソードを広げようと思えばいくらでも広げられるのにあっさり終わってしまうところにも感心。(酔った弁慶達が襲われるんじゃないかと逆にこのシーンの方がハラハラしたもの)無理して話を広げないのも名監督の条件なのだと思うのでありました。 |
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ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
大河内伝次郎 (弁慶) |
常に冷静、頼れる男という感じのデンゼル・ワシントンで。 |
榎本健一 (強力) |
歯の出し具合とうざったさがマイク・マイヤーズ的でもあり。 |
ドリーム・クルーズ MASTERS OF HORROR: DREAM CRUISE (2007) | |
2009年9月 | |
弁護士のジャックはある日、仕事でトラブルを起こした親友の英治と打ち合わせをするため指定のマリーナに向かうがそこには不倫関係にある英治の妻、百合がいて、クルージングしながら仕事の話をすることになるのだが・・・ マスターズ・オブ・ホラーの中の一編で原作は鈴木光司、監督は鶴田法男というジャパニーズホラー。 木村佳乃と石橋凌が夫婦というところもすごいですが、なぜかモデル風の外人が木村佳乃と不倫関係中という設定が変な感じです。変な感じといえば木村佳乃と石橋凌も結構普通の会話が英語というところも不思議でした。 木村佳乃を目当てで観たのですが英語はもちろん流暢で素晴らしいのですが、石橋凌とは不倫の末の結婚しかも動機が愛ではなく金。それでいて木村佳乃は今度はイケメンな外人と再び不倫という役どころで、夫の石橋凌が殺した妻の怨霊で溺れかけていたら「誰も見ていないからほっとけ。」みたいな事をいう女でこの映画、感情移入する人物が一人もいないところが一番の問題点。 そしてクルージングといえばゴージャスなイメージ。がそこは日本が舞台なだけあってそれなりに豪華だとは思うし自分の船を持っているというのはすごいのですが、やっぱりイメージしていたのと違って船が小さかったのもがっかりしたポイントです。 怪談調の内容になんだか外人がミスマッチ。何だか無理して外人絡めなくても普通に日本人だけでやっても全然問題ない内容で木村佳乃の頑張りも活かされていないのがもったいないと思うのでした。 悪霊役は蜷川みほという人でもしやと思ったら蜷川さんの姪っ子でした。この役だけ気持ち悪くてよかったです。 | |
ハリウッドバージョンはこの人で!! | |
木村佳乃 (斉藤百合) | 気の強そうなレイチェル・マクアダムスで。 |
ダニエル・ギリス (ジャック・ミラー) | 優男という印象の藤木直人あたりで。 |
石橋凌 (斉藤英治) | こういう役が似合いそうなレイ・リオッタで。 |