日本映画

ゆ


誘拐
(1962)
3
2008年7月
金融会社の社長、井上庄蔵の一人息子が誘拐されてしまい、庄蔵は必死で息子の行方を探すが一向に見つかる気配もなく犯人からの連絡もほとんどないまま時が過ぎていった。そんな中、井上家の妻の妹が弁護士の百谷に誘拐事件を相談に行き・・・
宇津井健が誘拐犯を見つけることは出来るのか?という感じのサスペンス。10年くらい前にあった渡哲也のものとは別物です。
人物関係が複雑で連続ドラマにしたら面白そうな内容でした。
小沢栄太郎と中田康子の子供が誘拐されたというだけでこの夫婦わけありと思いきややっぱり中田康子は後妻であったり、川崎敬三は小沢栄太郎の腹違いの弟だったり、お手伝いさんに生ませた大学生くらいの子供も同居していて同じ家に住みながら贅沢な暮らしをさせてもらえなかったりとかなりドロドロした家庭でおきた誘拐事件なのでいろいろなことが一筋縄でいきません。
と設定はよさそうですけど大映作品なのに主演が宇津井健そしてその妻が万里昌代と思いっきり新東宝の人たちなのでどうも調子が狂います。万里昌代なんて新東宝だと悪女の役しか印象に残っていないですから。
そんな中、大映カラーをがんばって出しているのが川崎敬三。いつもは大映スター女優やら田宮二郎とかと共演するとどうしても影が薄くなるのですが
今回は同じ大映スターが川崎敬三だけなので存在感が十分に発揮されていて川崎敬三やはりただ者ではなかったのであります。
誘拐事件の方もハードで現実味のある顛末だっただけに普通に大映の俳優で主役をやってくれたらかなりいい線いったのではないかと思うのでした。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
宇津井健
(百谷泉一郎)
悪役をやったところを見たことがないような気がするマット・デイモンで。
小沢栄太郎
(井上庄蔵)
性格悪そうな役もいけそうなジェフリー・ラッシュで。
川崎敬三
(井上卓二)
エドワード・ノートンあたりにお願いしたい感じです。


有楽町で逢いましょう
LET'S MEET IN YURAKUCHO
(1958)
4
2007年1月
大阪のデパートでファッションショーを成功させた新進デザイナーの小柳亜矢は東京に戻り女子大生の篠原加奈にデザインしたドレスを加奈の兄、練太郎に酷評され怒り心頭。しかも亜矢の弟の武士が加奈と付き合っていることが発覚し・・・
京マチ子らしい勝気でパワフルなキャラクターが楽しいラブコメディ。相手役も渋カッコいい菅原謙二。もう一組のカップルは川口浩と野添ひとみの黄金カップルで乳母が浪花千栄子におばあちゃんが北林谷栄と出演者も文句なしで面白くないわけがありません。
みんな相変わらずよかったのですが特によかったのがおばあちゃん役の北林谷栄。口うるさい京マチ子の目をかいくぐって川口浩の恋のサポートするあたりは見ていて微笑ましくも笑えました。
口げんかしてばかりしている二人、そしてその二人に交際を反対されている弟妹カップルが
最終的にめでたしめでたしとなることは分かりきっているのにやっぱり楽しいのはこの時代のスターがとても魅力的だからだと思います。
「有楽町で逢いましょう」というタイトル通りキーワードは有楽町で舞台は今はあのビックカメラになってしまっていますが昔はそごうデパートだったあの場所。本物のデパートとタイアップしているのも興味深かったのですが、川口浩と野添ひとみが待ち合わせする女神像というロマンティックなアイテムが昔はあったんだなと思ったり毎週通っている有楽町の昔をこうもじっくり見ることが出来てなんだかうれしかったです。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
京マチ子
(小柳亜矢)
最近さらによくなってきているトニ・コレットで。
菅原謙二
(篠原練太郎)
堅物そうなエリック・バナで。
川口浩
(小柳武志)
高感度がある青年という感じのジェイク・ギレンホールで。
野添ひとみ
(篠原加奈)
お嬢様系のエミー・ロッサムで。


夢野久作の少女地獄
(1977)
3
2004年9月
名門女子学校、風変わりで仲間はずれの甘川歌江をなにかと気にかける成績優秀の殿宮アイ子は学校で友達以上の関係を噂される仲だがある日、甘川歌江は校長の森栖に犯され妊娠してしまい・・・
「少女地獄」というタイトル、少女が地獄のような酷い目に遭うのか、それとも地獄のような酷い事をするのかどっちかなんだろうなぁって思っていたら両方でした。前半はクリスチャン系の学校で校長に酷い目にあった少女が後半、校長や周りの大人たちに復讐するって内容なのか?大雑把に言うと・・・
いじめられっこの甘川さんは校長先生に犯され、金持ちで成績優秀の殿宮さんも実は母親が校長に犯されその時出来た子供だったとすごい設定で彼女たちは復讐を決意する訳ですが、ネタバレ→
甘川が作法教室で焼身自殺した事にして(実際死んだというか殺したのは女浮浪者)その脳髄の黒焼きを校長に食べさせて発狂させる←という精神的にかなり効く復讐。二人を目の敵にしていた女教師には彼女の飼い猫を惨殺するし、見た目もどう見ても高校生じゃないのにやることも普通じゃなかったお騒がせな二人なのです。
最後もネタバレ→
二人は本当に焼身自殺して火星に行っちゃうんですよね。←しかも風船で。は?何この展開ところどころでボートに全裸で抱き合う二人のショットが挿入されたり「幻の湖」よりある意味分からないというかぶっ飛びすぎです。
この女子高生二人、特に甘川さん走ることしか能がないらしく、校庭で走る訓練の途中で突然の大雨で胸とか透けちゃってても全く平気なところが天然な感じで恐かったです。
成人映画だけあって意味があろうとなかろうと出てくる女は確実に脱ぎ、見飽きましたというくらい裸が出てきます。序盤に出てくる岡本麗も25年以上前とはいえ脱いでいて正直引きました。
ハリウッドバージョンはこの人で!!
飛鳥裕子
(殿宮アイ子)
なにかとお騒がせのヒルトン姉妹に。
小川亜佐美
(甘川歌江)


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