ツイステッド TWISTED (2004) |
|
2004年10月 | |
連続殺人犯カルターを一人で逮捕したジェシカは殺人課の捜査官に昇格する。やがて一体の水死体が発見されるのだがその男はジェシカと関係を持った男だった。その後もジェシカと関係した男が次々と死体で発見され・・・ 「寝た男たちが 次々と殺されていく--犯人は”私”?」というキャッチコピーがすでにテレ東の「木曜洋画劇場」とか「午後のロードショー」にもってこいの雰囲気がプンプン伝わってきます。っていうか実際ぴったりだったんですけどね。 真犯人はどうせサミュエル・L・ジャクソンかアンディ・ガルシアでしょ?って観る前から大体察しがつくから犯人が分かるまでの仮定を楽しもうと思ったら最後の10分くらいで唐突に判明しちゃいますから犯人。劇場プログラムに「ラストは仰天の大どんでん返し!!」って書いてあったけどこれをどんでん返しって言っていいものだろうかと思ってしまいましたよ。男と寝るか酒飲んで寝ている間に昔寝た男が殺されて苦悩するのジャッド・・・の繰り返しですから基本。 ジャッドの幼い頃父親が浮気性の母親を殺して自分も自殺した暗い過去があるから夜はバーで男を拾うか自宅で酒に溺れるかってって生活しているけどそのトラウマ感覚みたいなものが伝わってこないし、第一こんな人間に捜査官務まるのかって思ってしまいましたよ。 最後もネタバレ→事件解決後、薬を盛られて朦朧としているアンディ・ガルシアに「犯人(星)だと疑ってしまって、ごめんなさい。」とジャッドが言うと「僕は君の星(スター)だよ。」←なんて言うの。この状況で何言ってんの?みたいな感じでね。 でもどこか憎めないところがあるんですよね、この作品。なんだろう?やっぱりアシュレイ・ジャッドですかね。この人サスペンス系作品で主役やりますよねインテリ・エリート関連の職業で。日本でもそれほど人気ないし(というか認識されているのかな?)アメリカでもそんな人気あるとは思えないしハリウッドの女優達は「なんでジャッドばかりサスペンスに出るのよ。しかも主役で。」と思っているに違いありません。本当不思議ですよジャッド、確かにきれいだけど華やいだ感じがするわけでもないし結構いい年でしょ?「ノーマ・ジーンとマリリン」で改名前のマリリン・モンロー時代はよかったし「ヒート」でのヴァル・キルマーの妻とか準主役や脇役やると光るんですけどなぜかここの所主役なんですよね。アシュレイ・ジャッドおじさんうけがいいのかな?モガーン・フリーマンとかサミュエル・L・ジャクソンとか。どちらにしてもハリウッドの七不思議ですね。 |
|
日本人バージョンはこの人で!! | |
アシュレイ・ジャッド (ジェシカ・シェパード) |
高島礼子で。なんか強そうだし・・・ |
サミュエル・L・ジャクソン (ジョン・ミルズ) |
強面本部長という設定が梅宮辰夫的で。 |
アンディ・ガルシア (マイク・デルマルコ) |
ラストのあの台詞は日本じゃ石田純一にしか言えません。 |
ツーリスト THE TOURIST (2010) | |
2011年4月 | |
ヨーロッパへ一人旅をしていたフランクの目の前にエリーズと名乗る美女が現れ意気投合するが、やがてフランクは命を狙われ始めてしまい・・・ アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップのラブ・サスペンス。 「ナイト&デイ」とはタイプが違いますがスター共演というところは同じで(二人を追う捜査官のタイプもかぶっている)、どちらが面白いかといえば個人的には「ナイト&デイ」かなと思います。風景だけならこっちの方がいいと思います。 しっかり者のアンジェリーナ・ジョリーと軽くおとぼけ入ったジョニー・デップというキャラクターが新鮮味がなく、でもこれが逆だったらイタイかもと思うとこのキャラクター設定で合っているんだろうなと感じました。が、しかし、今回のアンジェリーナ・ジョリーは一味違います。ミステリアスなんですけど一切戦わないんです。(ボートくらいは運転しますが)ジョニー・デップが殺し屋に襲われて屋根の上を逃げ回っている姿を見つけても見ているだけというシーンがなんだか新鮮でした。 内容は軽く「北北西に進路を取れ」っぽい感じの巻き込まれ型サスペンス調のなんですけど、全体的に巻き込まれている感が少ないのでサスペンスかと言われたら微妙ですし、かといってアクションかと言われればそんなこともないので全体的に中途半端なのが残念でした。 監督が未見ですがかんり評判の良かった「善き人のためのソナタ」の人だったので期待していたのですが、ハリウッドで大作を撮ると大味になってしまうんですかね。 | |
日本人バージョンはこの人で!! | |
アンジェリーナ・ジョリー (エリーズ・クリフトン・ワード) | 姐さんという感じの高島礼子で。 |
ジョニー・デップ (フランク・トゥーペロ) | 豊川悦司あたりにお願いしたい。 |
ポール・ベタニー (ジョン・アチソン) |
イメージは佐々木蔵之介。 |
月に囚われた男 MOON (2009) | |
2010年4月 | |
3年契約でエネルギー採取するためにつきに派遣されているサム。任期残り僅かとなったある日、サムは自分そっくりな人間を見つけ・・・ デヴィッド・ボウイの息子、ダンカン・ジョーンズがSF映画を作りました。 ミニシアター系のSF映画というと派手ではないし何となく芸術しています。という感じがして眠くなることが多いのでこの映画もきっと眠くなるなぁと思っていたら確かに見た目は地味なのですが最後まで眠くなることもなく楽しくと言ったら何か違うのですが観ることが出来ました。 自分にそっくりな人間を発見してから面白くなるのですが、ある意味サム・ロックウェルと一緒に謎を解いていく感じが新鮮で、ほとんど一人芝居(と言ってもケヴィン・スペイシーの声相手だが)という変わった設定でいながら風刺も効いていてしかも今風というところにこの監督の才能を感じました。 ネタバレ→クローンなのに性格の全く違う二人が最初は反発しあいながらも、自分たちの秘密を解明するため段々協力し合ってお互いのことを気にかけたりしてラストの地球への脱出を譲り合うところはとても切なくなりました。それとクローンの入れ替えと目覚め方の設定がものすごく上手くて感心しました。←SFとしては稀に見る良作なんではないでしょうか。 あと、ケヴィン・スペイシーが声を担当しているロボットのディスプレイのスマイルマークが困った時は困った表情をしたりして表情豊かなところもよかったです。 | |
日本人バージョンはこの人で!! | |
サム・ロックウェル (サム・ベル) | こういうのは香川照之がやるとはまると思います。 |
月の輝く夜に MOONSTRUCK (1987) | |
2007年5月 | |
未亡人のロレッタはある日幼なじみのジョニーのプロポーズを受けるがジョニーと絶縁状態の弟のロニーに結婚式のことを伝えるよう頼まれロレッタはロニーに会いに行くのだが・・・ シェールとニコラス・ケイジ主演のロマンティック・コメディ。 「オンリー・ユー」の監督作品だし、アカデミー賞の主演女優賞、助演女優賞もとっているので期待していたのですが個人的には「オンリー・ユー」ほど盛り上がりませんでした。ロマンティック・コメディは作品ごとに出演者とか話の流れとかによって好き好きが分かれますね。 マフィアものではないのにイタリア系の街を舞台にして話が展開していくところが珍しいけれどなんといってもシェールが普通の格好をしているのが貴重です。婚約者は絶交している弟に会うのが怖いからシェールに結婚式のことを伝えてくれと情けないお使いを頼むのですがここで出てくるのがニコラス・ケイジ。義手のパン職人役なんですけど若い頃のニコラス・ケイジって髪もフサフサだけどいまより何倍もマヌケ面で見ていて飽きません。シェールと出来ちゃってどうするんだ?という展開なのですがそこにたどり着くまでに当然のようにひっぱたかれるニコラス・ケイジそれも2回連続で。いい音出してひっぱたくシェールもさすがですがひっぱたかれた後のあの顔ときたら・・・ニコラス・ケイジもひっぱたかれ上手です。 最後はロマンティック・コメディらしい終わり方をしますが一番印象に残ったのはシェールのビンタとビンタされた後のニコラス・ケイジのマヌケ面なのでした。 | |
日本人バージョンはこの人で!! | |
シェール (ロレッタ・カストリーニ) | ひっぱたくのが上手そうな大竹しのぶで。 |
ニコラス・ケイジ (ロニー・カマレリ) | ひっぱたかれ慣れしていそうな石田純一で。 |
つぐない ATONEMENT (2007) | |
2008年4月 | |
裕福な家の長女セシーリアは使用人の息子ロビーと距離を置いていたが些細な出来事がきっかけで急接近する。そのことが気に入らない妹のブライオニーの不満がある事件を期に二人を引き裂くことになり・・・ ベストセラー大河ロマンスの映画化。 13歳でアカデミー賞にノミネートされたブライオニー役の子も話題で今が旬のジェームズ・マカヴォイがキーラ・ナイトレイの相手役ということなのですが予告を観ただけでちょっとヘビーな雰囲気があったのですが実際観てみるとやっぱり重かったですが前半はとてもスリリングで思っていたよりよかったです。 使用人の息子が姉に渡そうと思っていた手紙をふざけて書いた手紙をよりによって妹に姉に渡すように頼んでしかも中を読まれてしまい、従姉妹の失踪事件がかさなり、ちょっと大人になったつもりの妹は嫉妬心から事件の犯人を使用人の息子と決め付けてしまう。という些細なことの積み重ねに嫉妬が加わると人生の歯車がずれてしまうんだなぁと感じてかなり残酷に思えました。 ブライオニー役の子もちょっと陰湿な感じがあってそれがまた無垢だからこそ犯してしまった残酷さみたいなのが出ていてよかったです。 使用人の息子ロビーが捕まってからはハラハラする感じがなくなってしまいましたが「贖罪」ということを考えるとやっぱりこういう展開になるんでしょうね。事実上ブライオニーが主役みたいなものですし。 キーラ・ナイトレイはこういう時代物をやらせるとさすがなぁと思いましたし、今話題のジェームズ・マカヴォイとの相性もなかなかよかったと思いました。この二人はまだまだ売れ続けていくように思うのでした。 | |
日本人バージョンはこの人で!! | |
キーラ・ナイトレイ (セシーリア・タリス) | 時代物も似合う感じの仲間由紀恵で。 |
ジェームズ・マカヴォイ (ロビー・ターナー) | 石原プロの星、徳重聡で。 |
シアーシャ・ローナン (ブライオニー・タリス) | 顔が整いすぎているけれど成海璃子あたりにお願いしたい。 |
冷たい雨に撃て、約束の銃弾を 復仇 (2009) | |
2010年5月 | |
娘一家が惨殺されかろうじて生き残った娘のもとにフランスからやって来たフランシス。かれは娘から犯人の特徴を聞き、偶然であった殺し屋のクワイたちに復讐の手助けを頼むのだが・・・ ジョニー・トー作品らしい男の映画。 いつものジョニー・トーの持ち味は健在なのですが、フランス語、英語、中国語?と三ヶ国語が飛び交う多国籍な内容でちょっと新鮮。フランス人が元殺し屋で今はレストラン経営者ということでアンソニー・ウォンたちに料理を振舞うシーンがあってそこから拳銃を使った中年なのに少年のような遊びをして友情と信頼を深めていくシーンがたまらなくよかったです。 そしてフランス人は記憶がなくなっていく病に冒されていて、これがポイントのひとつになっているのですが、個人的には記憶がなくなるという特性はいらなかったかなと思いつつこれが後半になって上手い具合に絡んでくるのでこういう特異な設定をジョニー・トーは上手く使う人なんだなと感心しました。 配役もいつもの通り、顔ぶれを見ただけで分かるジョニー・トーファミリーというところも安心して観ていられます。(アンソニー・ウォンは強面だけどたまにお茶目だし、ラム・シューはコミカル。サイモン・ヤムはジョニー・トー作品では悪役というイメージが強い。) | |
日本人バージョンはこの人で!! | |
ジョニー・アリディ (フランシス・コステロ) | 同じワニ顔の舘ひろしで。 |
アンソニー・ウォン (クワイ) | 渡辺謙にはこういう役もたまにはやってもらいたい。 |
ラム・カートン (チュウ) | クールな感じの椎名桔平。 |
ラム・シュー (フェイロク) | イメージは古田新太です。 |
サイモン・ヤム (ジョージ・ファン) | イメージは何となく役所広司といったところです。 |
ツリー・オブ・ライフ THE TREE OF LIF (2011) | |
2011年9月 | |
テレンス・マリック監督がカンヌでパルム・ドールを受賞した話題作。 観る前からこれは体調を整えてから挑まなくてはと割と体調は万全にして観に行ったはずなのですが、久しぶりにというか最大級に睡眠。ほとんど記憶にないのですが、ビッグバンから始まって地球が出来てみたいなドラマとは別次元のドキュメンタリー的な一番苦手な展開。ナレーションと壮大な音楽が心地よすぎて気が付いたらブラッド・ピットが出ていました。 この辺からようやく目が覚めた感じで何となく昭和の父親の元で育てられた息子がちょっとダークサイドというか心に闇を抱えてしまう感じななは何となくわかったのですがいつの間にか意識がもうろうと・・・ 気が付けばショーン・ペンが出ていて終わってしまいました。 ということで感想というより試合に負けた感じです。 こんなに眠くなったのは「惑星ソラリス」以来かもしれません。「惑星ソラリスは」何回見ても途中で記憶がなくなるので、この映画も何度観ても絶対途中で記憶がなくなること間違いなし。 それにしても最近のブラッド・ピットは演技に力が入る帆で顎が出てくるように思えます。 | |
日本人バージョンはこの人で!! | |
ブラッド・ピット (オブライエン) | 丹波哲郎あたりにお願いしたい。 |