ライヴレポ

20th Anniversary Live Tour “sora no uta” akino arai
at TOKYO SHIBUYA-AX


 2005年5月20日(金)。20周年記念ツアー初日、渋谷AX。新居昭乃さんのキャリアのうち何をもってメジャー(って単語を昭乃さんに用いるのは何故か違和感を覚えるが・笑)での音楽活動開始とするか正確にはビミョウらしいとはいえ、20周年である。もうただひたすら祝うしかない(笑)。

 昭乃さんの歌と初めて出逢ってから13年あまり。好きだと自覚するようになってから恐らく10年くらい。本格的にCDを集めたりするようになってからは7年程度だろうか。恐らく全然、古いファンってほどでもない(さすがに深いファンから浅めのファン、年長から年少のファンまでを全部並べてファン歴の長さで番号を付けたなら、そろそろ前半にはなるだろうけれど)。だからデビュー当初から昭乃さんの声を知っていて求め続けている方々には素直に敬意を持つと同時に羨望や嫉妬のココロを抱きもする。

 ・・・・・・もっとも6歳とか7歳くらいの自分に昭乃さんの歌を聴かせて一体ナニがあったかとゆーハナシではあるから(あとその頃は、たとえ欲しくてもCDやレコードを買うことが出来なかったはずだし・・・・・・てゆーか年齢がバレるっちゅーねん)出逢うべきときに出逢うべくして出逢ったのだろう、とも感じている。

 中学〜高校くらいの年ごろを、人格を形成・決定する上で軽視できる者はまず居ないだろう。僕自身としてもそうだ。いろいろなことを学び、笑い、怒り、泣き、真剣に友人と遊んだり喧嘩したりし、初めて人に「重く」恋をし・・・・・・時間が経った今になっても思い出したくないことだって沢山あるが、重要な時期だったことは否定のしようがない。当時意識していたかどうかはともかく(意識していなかったり、当時は意識していたことが後からすれば大した内容じゃなかったり・・・・・・言うまでもなく色々だ)。そのような――恐らく今の自分の在り方を決定付けてきた無数の分岐点のうち、重要なものが幾つも固まっていた――時期に、僕は昭乃さんと出逢い、恋をしたのだ。もちろん、昭乃さんに出逢う出逢わない、ということ自体も重要な分岐点のひとつだったわけだが。

 そーいやワリと最近になって気付いたのだが、僕は昭乃さんのことを「彼女は」とか「彼女の」と言い換えることが、皆無では恐らくないにしろ極めて少ない。「昭乃さんは」、「昭乃さんの」と、いちいちお名前で呼んでいるのだ。あと、アクセントが必ず「あ」に来る。いわゆる平板アクセントにならないのだ(参照)。お名前の後に何かを付ける際は別として(昭乃さんファン、とか昭乃さんML、という時に「あ」にアクセントが来たら日本語としてヘンだからね)。言語学的には、平板化アクセントは脳の省エネと言われている(少なくとも僕が専門としていた頃の説では)。平板化アクセントを否定する意図は全くないが(カレシ、の「か」にアクセントを置けとか言わないが・笑)、多分、僕の場合のこれは昭乃さんを尊重しているのが無意識に出ている結果だと思う。
 別に「彼女は」って呼び換えてたり平板アクセントで呼んでるヒトは愛が足りないと言いたいわけじゃないですよ?(笑)僕の場合は、ってハナシです(だって例えば某啓典の宗教系などでは神の名を発音するのが畏れ多いからって暗号で記したり言い換えたりするワケで。尊重の仕方は様々なのだ)。
 以上、言語学的に見た、ぐれねこの昭乃さんへの愛の考察でした(をい)。

 それはさておき(^^;)。

 今回は自分にとって4度目の昭乃さんライヴ。初の自由席だったこととライヴ限定のCD販売があるということで、本来的には価値のない懸念をしながら当日に臨んだ点が不本意と言えば不本意ではあったものの、やはり幸せな時間を過ごすことが出来た。

 今回は2人の友人を誘い(誘うのはいつもなのだが)幸い両方とも来られたので、初めて3人という大(?)人数での参加。
 ここで、判りやすいように呼称を決めよう>友人IMと友人TS。名前のイニシャルだけにすると友人Mと友人Sになるので倫理上モンダイがあり(笑)、また苗字の方だけにすると何か書いてて違和感があるため、そんなカンジの呼称で。ちなみに2000年8月15日『降るプラチナ』と2004年10月10日『エデンにて』で同伴して貰ったのが友人IM。2002年5月12日『RGB』に参加し、あと『エデンにて』のプログラムを見て「どこの美人なウサギさんかと思った」とのたまった(笑)のが友人TS。

 3人で合流後、まずグッズ先行販売へ。今回のライヴグッズはバッグ(2種類)、Tシャツ(各サイズ)、プログラム、そして最大の目玉たる、ライヴ会場販売限定CD(余った分はネット通販予定らしいが)。
 到着時はそれほどでもなかったが、時間が経つにつれ徐々に長〜い蛇さんな列に。早めに来てよかったと言いつつ販売開始を待つ。

 だが実は、早めに並んだことによる一番の収穫は、CDをはじめグッズが余裕をもって早めに手に入るとか、そういった点ではなかった・・・・・・リハーサルの音漏れを聴くことが出来たのである。途中で閉められて聴こえなくなったっぽかったが(後ろの方はどーだったのかな?)。曲目は「凍る砂」。ヤバい、昭乃さんの声がっ、とか、うわぁ、凍る砂を聴けるんだ、とか、イロイロ沸きあがってきて渦巻く。・・・・・・もう泣きそうになってる自分(汗)。

 その後、開場までは未だ幾ばくかの時間があったため(んで終演時間が遅くなる予想があったため)、荷物をコインロッカーへ預けてから軽く腹ごしらえに。某和風な名前のお店でスパゲッティを食べたのだが・・・・・・手が震える(笑)。そして、食べ物がのどを通らない(汗)。別に大食い大会や早食い大会で入賞できるような、ってコトはないにしろ、日ごろは体格に比してワリと大喰らいかつ早メシ野郎なのだが、この時は友人2人が食べ終わっても1/3くらいしか箸が進んでいない、という状況。からかい混じりに心配されつつ無事に(?)食べ終える。

 で、会場に戻って開場を待つ。整理番号順に並んでの入場なのだが、列作りの手際が悪い。別に今回のライヴだけのために初めて雇われたシロウトでもあるまいに。・・・・・・しかし下らないことで苛つきたくないので、可能な限り意識の外へ(笑)。

 立ち見の自由席だけあって、身長に恵まれてるわけでもない自分にとって視界は良好とはいかなかった。しかし、それがどうした、という感じである(笑)。昭乃さんの声を生で聴くことが出来るのならば。


 <演奏曲目>

01_凍る砂
02_さかさまの虹
03_Roundabout Drive
04_夜気
05_レインフォレスト
06_ポーリーヌ、ポーリーヌ
07_VOICES acoustic ver.
08_星の雨
xx_intermission(Zincite Trance)
09_バニラ
10_ガレキの楽園
11_New World
12_OMATSURI
13_降るプラチナ
14_人間の子供
15_虹色の惑星

 --encore--

16_金色の目
17_メロディ
18_Little Edie


 民族風の白い衣装で登場する昭乃さん。事前に公式サイトにて、今回のライヴ告知用のポップアップウィンドウの画像として使用された写真で着られていた服である。その画像でも着用され、あのかぶりものは一体なんだ!? と各方面で物議を醸した(<推測)謎の冠も着けて登場されたのには少しビックリした(笑)。
 オープニングは「凍る砂」。リズム隊(ベースはいないが)の音が立ち、エッジの利いた(?)カンジのヴァージョン。ライヴ時は編曲も大抵いじってあるからイントロで何が始まるか判らないことも多いのだが、これは昭乃さんが「透明な夢を・・・・・・」と歌い始めるまでまったく判らなかった・・・・・・事前にリハ聴いて、今回の演奏はほぼ確定事項だったわけだが(笑)。自分にとっては「凍る砂」を聴くことが出来るってのが既に奇跡のように思えるのだが、今回はもうひとつ偶然のめぐりあわせがあって、ライヴ前に行ったカラオケで最後に流したのが「凍る砂」だったのである。いやはやもう・・・・・・(ナゾ?)。
 最後の「Take me to your Dream〜♪」がカッコ良かった。原曲でもあるパートだが、アレンジがまた、これはこれで良い感じで(>_<)。

 え? 自分が泣いてないはずないからいちいち書いてませんがナニか?(笑)

 今回は、お馴染みの野口郁子さんが忙しいことも恐らく関係したのだろうけれど、違うコーラスの方。戸田和雅子さんという、またこれが素晴らしいお声の方で困っちゃうカンジでした(ナニがだ)。ツアーパンフによると種ともこさん経由で知り合った様子(歌は聴かれてた可能性も大ですが)。読みは「とだ・まさこ」さんだが、現時点で自分は「戸田・和雅子」さんなのか「戸田和・雅子」さんなのか知らない(恐らく前者?)。ちなみにCDは注文済みデス(笑)。

 「凍る砂」が終わると冠を取る昭乃さん。重そうだもんね(汗)。前回の黒髪ロングから一転して金っぽい茶髪。肩上くらいで切り揃えた髪型もちゃーみんぐだ(>_<)。皆さんこんばんは〜、と昭乃さん。20周年だからかMCも普段より多めで昔話とか聞けて幸せ(TT-TT)。

 それから次の曲のイントロ。おぉっ! と内心で歓声が上がる(なんですかそれわ)。「さかさまの虹」だ。この歌は元々、他の歌い手に提供されたものだったのだが、コレクションアルバム「RGB」でセルフカヴァー。歌い始めの第一声を聴いた瞬間にオリジナル版(他の方が歌ってるやつ)との決定的な違いが浮き彫りになった(ハッキリ言いなさい自分・笑)とゆー経緯を持つ。是非「光のすあし」もセルフカヴァー行っといて欲しい・・・・・・

 そして「枯〜れた〜」と始まる。ぞくっ、と身体が震える。いや、もちろん声が気持ちよくてですが(笑)。「Roundabout Drive」である。この歌は本当にもう・・・・・・犯罪的です。いやむしろ犯罪です(???)。それがもし堕落だとしてもすべてを委ねてしまいたい。そんな、知ってはならない感覚で満ちているのだ。「あなたが何も思わず眠れるまで」なんて言われちゃったら、もう僕にはどうすることも(TT-TT)。

 続いて、たららったーん、ぴろり〜ん♪で始まる「夜気」。このあたりまでで恐らく昭乃さんの緊張もいくぶん解け、のども暖まって来たのだろう。声の伸びが徐々にたまらなくたまらないカンジになって行く(意味不明ですみません)。「Fly me to the moon♪」の声の伸びも然ることながら、例えば「そよぐ葉陰に」の「はかげ」の発音とか、もうオリジナル版を何度聴いてもライヴで聴いても宇宙最強。

 続いてのMCでは、故郷や住み慣れた場所を離れて生活する人への共感が語られた。昭乃さん自身も(東京出身ながら)大学時代に過ごした福岡での生活が物凄く馴染んでしまい、東京へ戻る時に悲しくて仕方なかった経緯を持っている。んで、福岡からの1時間半くらいの飛行機の中で泣き通しで、フライトアテンダントのおにーさんに絵葉書や余ったお弁当で元気付けてもらったとゆー可愛すぎるエピソードが明かされたりしつつ(そのおにーさんエラい。そしてうらまやしい。僕と代わって下さい。てゆーか代われ!<をい・笑)。

 で、そういった方々への共感から生まれた歌、とのことで「レインフォレスト」(一瞬、まさか「地図を行く雲」っ!? とか思ったケドさすがに違いましたね・笑)。そういう歌なのだと思って聴くと、また違う印象も生まれますにゃ。聴き慣れた曲でも新鮮な気持ちで味わえるのは幸せデス。「選んでここにいるの」って部分で、あぁ、そういう意味なんだ、とか。泣けない日にスープに添える優しい花が最強に切ない(TT-TT)。「思慮深い雨」って歌詞も本当に素敵だにゃ〜。

 続いてギターを抱える昭乃さん。曲の紹介で「これも女の子の歌なんですが」と言う。がーん、「レインフォレスト」女の子の歌だったのか〜。男子禁制?(<笑) この場合、文法的に言って「『強調』の『も』」じゃないよね?(^^;) まぁそれはさておき次の曲です(笑)。
 昭乃さんが着られる服を作られる(いや、全部じゃないですが)パリ在住のポーリーヌさんのために作られた曲・・・・・・言うまでもなく「ポーリーヌ、ポーリーヌ」。すごくやさしい歌で、本当にポーリーヌさんが羨ましいと心底、聴くたびに感じる。特にライヴだとね(そーいや、この歌を初めて聴いたのもライヴでした。2002年5月の)。そしてこの曲、ポーリーヌさんご本人には送ったりしたのかなぁ、とふと思う。

 昭乃さんはピアノの前に。始まったのは「VOICES」。前回(2004年10月)のライヴで聴いたのでピアノ弾き語りであるとゆーコトには衝撃はなかったが(笑)、やはりこの歌が特別であることに変わりはなく、歌って貰えて本当に幸せだった。考えてみると僕が今までに参加した昭乃さんのライヴで、4回中3回は歌われてるワケで、そういう意味ではほぼ定番とも言い得るわけだが、この喜びは毎回、決して薄らぐことなく味わっていたりする。きっと今後もそうだろう。

 それから「星の雨」。ベストアルバム「空の森」の1曲目で、僕を昭乃さんの世界に引きずり込む力(<笑)の強さには定評のある歌である(定評?)。ちなみにピアノ弾き語り版。全国展開になったと思ったら放送が終わってしまった(涙)ラジオViridian Houseにて一度こちらのヴァージョンを耳にしたことがあったが、生はまた違うのだ。「Breath〜♪」のところが、もー死にそうだった。「b」、「r」、「ea」、「th」の、それぞれの音を丁寧な息遣いで発音する昭乃さんに、もうメロメロ(〜_〜)。

 昭乃さんは一旦、退場される。が、会場のスクリーンに昭乃さんのお顔が。このインターミッションが終わると昭乃さんは着替えられて再登場したので本来は場つなぎのよーなモノだったハズなのだが、単なる場つなぎではなかった(ヘンな文ですね)。コンセプトアルバム「鉱石ラジオ」の1曲目「Zincite Trance」の、エクステンデッドミックスなカンジのもの。昭乃さんが繰り返し「floating light, floating light, movin'」と歌われるのはライヴオリジナル(もしくは鉱石ラジオのときに採用しなかったヴァージョン?)。そりゃもー、トリップしそーな。

 で、お着替えされて再登場後、ギターを抱えた昭乃さん。演奏曲目は「バニラ」。「薄い木のスプーンですくえば」ってところの発音が、もう好きで好きで(>_<)。アイスクリームはやはりヴァニラが好きな自分としては(チョコやストロベリーなども好きだけどね)昭乃さんと一緒に硝子の塔にのぼる夢を見ちゃうわけです(意味不明)。

 昭乃さんはピアノへ。そして今回、自分にとって最もヤバかった曲、「ガレキの楽園」。涙が止まらない。身体が震える。印象が強烈すぎて、逆に感想を書くことがなくて困ってしまうカンジである(笑)。心が痛くて切なくてねじ切れそうで、でも昭乃さんの歌声に包まれているから幸せで、なんとも・・・・・・(TT-TT)。

 続く「New World」は、昭乃さんの声に誘なわれて本当に新しい世界が誕生するのではないかってカンジの歌だ。ライヴだと疑う必要もなく誕生してるし(断言かよ)。
 雪の女王のお話は、主人公の女の子の健気さと女王に攫われた男の子のダメっぷりの対照がなんとも苛立たしいのでございます(笑)。そーいや漆原友紀の「蟲師」6巻に一部似たよーな感想が書いてあって、やはりアレがダメだという感想はそこそこ普遍的なんだよなー、と思ったデス。世の女性たちはダメな男には向上心の類いではなくダメさそのものを求めているのかも知れないなぁ、と(ダメでありつつダメな部分は見せないように努力して生きている男の1人としては)切ない気分になってみたり(雪の女王の話のせいで脱線<笑)。
 さて、「New World」にて歌詞をところどころ間違えてしまわれた昭乃さん。演奏終了後メンバーに話しかけていた様子で、前回の「たくさん間違えちゃった」を思い出す。やーん思い出し幸せ〜(すいません)。

 それからMCでメンバー紹介。今回、ライヴのプログラムに昭乃さんがツアーメンバーの似顔絵を描いているのだが、ギターの堀越信泰さんのが本当にそっくり(^^;)。何も見ないで描いたらしいのだが「内面的な本質までも描き出してしまった(昭乃さん談)」カンジで(笑)。ツアーのメンバー(ドラムのASA-CHANGだったかな?)から、上野あたりの路上で似顔絵描きをやったらどうかと言われたらしい。で、出来上がった似顔絵は全て堀越さんの顔をしている、という(笑)。

 美大出身の昭乃さん、ご自身の美術の才能について初めて「凄い」と思ったのが、この堀越さんの似顔絵と、同じくツアープログラムやグッズの柄としてデザインされた蓮の花の模様(参照)だとか。昭乃さんは普段とても控え目な方なので自画自賛は珍しく、またそれ故に可愛く貴重な談話でした(>_<)。僕は控え目を必ずしも美徳とは考えないけど、昭乃さんの場合はあのキャラに合ってるよなー、と思うデスね(^^)。

 他にも「最近は逆のことをやっている」保刈久明さん(他人にライターを借りた際うっかり自宅まで持ち帰ってしまうことも多いらしく、最近は逆に、溜まったライターを外出先で置いてくるようにしてるとのこと・笑)や、注目の戸田和雅子さんらの紹介があって、今回の決め台詞。「こんな愉快な仲間たちと、なんだか深刻な音楽をやってます」(笑)

 で、そんな「深刻な音楽」の一環(笑)で「OMATSURI」。確かに深刻な歌・・・・・・カモ。実際、この曲で歌われるような――日常と非日常の境界が曖昧に感じられて、今あちらに行ったら二度と戻れないかも知れないというような――怖い、それでいてどこか甘美で魅力的な、体験をした人は少なくないと思うのだ。考えてみれば、幼い頃はそういった体験が日常であるような気もするし(それは一種のノスタルジアってやつなのかも知れないが)、大人になったからといって「それ」はいつ襲って来るか知れない感覚なのだから。

 そしてピアノ伴奏が始まる。あぁ、20周年だしなぁ、と思った。少なくとも僕の中では(笑)。曲目は「降るプラチナ」。
 別に然程に古い曲じゃない(って言っても5年前か・汗)のだが、この歌が昭乃さんにとって特別であることは痛いほどに想像できるし、記念の折、というかご自分の歩いて来られた道を振り返る際に、歌われるのはとても自然なことだと思えたのだ。実は今回「ガリレオの夜」をライヴで聴きたいなぁ、という希望があったのだが、これが流れた時点で残念ながらそれは叶わないことが判った。まぁ、それはそれで。僕は昭乃さんの選んだことに異存はないです。依存はあるけど(笑)。

 続けて「人間の子供」。僕にとっては「降るプラチナ」から「人間の子供」というのはすご〜く自然な流れの曲目だなぁ、と。
 たびたびあちこち(ってほど多方面じゃありませんが)で公言しているように僕はこの歌が少し怖くて苦手なんだけど(同じく公言しているように「物凄く好き」の中の「ちょっと苦手」だから分類するとやっぱり「大好き」でもあるんですが<笑)、ライヴの説得力は凄まじい。目の前にいたおにーさんが目許を拭っていたのも、むべなるかなってやつだ。え? 僕? わざわざ言う必要も(略<笑)。

 「最後の曲になるんですが」と言う昭乃さん。アンコールがあるのはほとんどのライヴのお約束とはいえ淋しい。そして始まったのは「虹色の惑星」。現在の昭乃さんの歌の中で、ライヴの最後の曲にこれほどふさわしいものはないだろうと思う。あ、もちろんアンコールは別としてね(^^;)。すべての存在を、罪悪や憎悪をも抱きしめ、融かし、許してしまう歌。痛くてもツラくても、歩いてゆく強さ。

 再度のメンバー紹介を終え、退場される昭乃さんら。

 --encore--

 アンコールの拍手を受けて昭乃さん再登場。お一人だ。今回もグッズのTシャツを着ての登場。CDはじめグッズ紹介や、横浜での追加公演が決定した話をしながら「なんだかお金を遣わせてしまってるような・・・・・・」と申し訳なさそうな昭乃さん。いやいや、大丈夫です! 昭乃さんのために他の事を削るのは幸せなのですから。うふ(<やめい)。

 デビューのきっかけとなった曲のひとつで、初めて認められた歌との紹介。この時点でアレかアレ、もしくはアレあたりだろうと想像。そして(音色が切り変わってて「!?」となる可愛いハプニングを経て)始まったピアノ伴奏がワルツだったので、もうコレしかありません(・・・・・・って思ったけど「白昼夢」でもあり得たか?)。「金色の目」。自分としては初の、ライヴでの「金色の目」。そして今まで聴いた中で最高の「金色の目」。えぇ、そりゃもうボロボロに泣きながら聴きましたともさ。
 日本語歌詞の直前の「Oh, Je t'aime」の部分(アルバム「懐かしい未来」収録版にはある)を、昭乃さんは歌わなかった。その瞬間、なんかさらに激しく涙が。昭乃さんは、歌うことでも歌わないことでも僕の心を乱すことが出来ちゃうのである。すごいや(TT-TT)。

 それからパンフやグッズ類の説明や、準備の時の裏話を聞かせてくれる昭乃さん。とにかく時間が押してしまい、楽屋などで空き時間があったらひたすらサインをしていた話など、とても可愛らしく愉快だった(昭乃さんはタイヘンだったんですが・^^;)。偽サイン疑惑とか発生してみたりね(笑)。進行具合をスタッフの方に訊ねられて「デザイン? ・・・・・・っ、・・・・・・やってますよ?(どきどき)」と答えたって話も良かったな〜。先刻も紹介した蓮の花などは5分でデザインされたらしい。また(プログラムの中に昭乃さんによる水彩画があるのだが)、水彩絵の具を買って来ていざ描こうとして筆がないことに気付き(それから買いに行く時間もなく)、綿棒で描かれたという話もあった。
 ・・・・・・それらグッズの話は手書きピアノ譜への振りの一環だったはずなのだが、なんとゆーかもう、幸せだ(・・・・・・ゴメンなさいすいませんこんなやつで)。

 昭乃さんは楽譜を1曲手書きするのに1日かかる、というハナシである。だから簡単なのを選んでしまう、とか(笑)。弾いて下さいねー、と少しはにかんだ感じで言う昭乃さん。で、そんな簡単な?手書きピアノ譜の「Melody」は今回、ライヴプログラムのページとして収録。
 直前にそういう話をしたので緊張しちゃう、と言いながらピアノに向かう昭乃さん(笑)。んで、マイクにゴンっとぶつかっちゃったりして。もう! 犯罪的に可愛いんですけど(〜_〜)。

 そして始まる「Melody」。アルバム「降るプラチナ」に収録の「メロディ」、ピアノ弾き語りヴァージョンである。作られた時期が恐らく近いからか、「音叉」を思い出したりもする。
 この調べはあなたへの想い。どうしたらいいかわからなくて、やがてすべてが失われるとわかっていたとしても、せめて今だけは――

 最後に会場の皆へ、生まれてきたことへの祝福をくれる昭乃さん。伴奏なしで「Little Edie」(って原曲もアカペラですね)。大塚宗一郎氏とのハモりパートは当然なしだが。
 甘くて小さなイーディ。あなたは小さな美人さん。午後の光の中、お母さんの腕の中で眠る。あなたのお母さんとお父さんは私の古い友人。そしてあなたは最も小さな、新しい友人。あなたに会えて嬉しいよ。ようこそ、この世界へ。ようこそ。

 僕のことはどーでもいいので、昭乃さんが生まれてきたことこそを祝福したい。あなたは唯一絶対の存在。宗教みたい? 違うのです。これは「信仰心」、そして「恋心」と「忠誠心」。それらの中間あたりの地点にある、昭乃さんへのあこがれ。

 歌い終えると昭乃さんは笑顔で手を振り、とててて〜、と舞台上手方向へと退場された。


 そして『20th Anniversary Live Tour “sora no uta” akino arai』は6月3日(金)福岡DRUM LOGOS、6月5日(日)大阪なんばHATCH、6月19日(日)横浜BLITZと続くのでした。

 ライヴ後は新幹線の時間の都合もあり、即時(というか渋谷駅で)解散となった。せっかくだし、またゴハンとか3人で一緒に食べられたりしたら楽しかったかもなぁ、などとも思うが、まぁ仕方ありますまい。めぐりあわせ次第では、また機会もあることでしょう。

 さてさて、ライヴ直後に昭乃さんの歌を聴くと泣いちゃって日常生活に支障が出るため(汗)、普段は聴けないのだが・・・・・・今回は聴かざるを得ない。だって新作CDが目の前にあるんだもん(>_<)。

 とゆーワケで、涙ぐみながら聴きました。「VHmusic」。「hoshi no ame(星の雨)」や「Melody」(共にピアノ弾き語りヴァージョン)と、今回のライヴで歌ってくれた曲(しかもそのままの編曲)も入っていたのでヤバさ倍増。他にも「Little Wing」の原型とか入ってて興味深くもあった。

 このアルバムはラジオViridian Houseのサントラみたいな扱いになるらしく、昭乃さんが喋る際のBGMとして作られ流された曲が主体。これとコンセプトアルバム「鉱石ラジオ」は、あるイミ対になるアルバムなんだと思われる。・・・・・・というか個人的には、2つで1つ、という印象すらある。たとえていうなら「攻殻機動隊2」で語られた、人類と珪素ベースの高度知的生命体の関係のような、とゆーカンジか(余計に判りづらくなるような例は挙げないで下さい)。

 収録された曲たちの音の性質から、「鉱石ラジオ」が本当にストレートに昭乃さんのアルバムなんだなぁ、などと今さらのように再認識した。魚さんという才能と出会った昭乃さんが作ったアルバム、という印象の方が強かったんだけど(んで恐らく、そういう面もあるんだろうと思うけど)、必ずしもそうでもない気がした。

 では、このアルバムを聴きながら1ヶ月後、6月19日(日)横浜BLITZでの公演を待つとしましょう。うふふ。2ヶ月連続で昭乃さんの生の歌声に触れられるなんて、比類なき幸せってやつだ。楽しみ〜(^^)。でへへ(<そんなユルんだ笑い声で引きですか)。

<2005年5月30日(月)―最終更新:2005年7月7日(木)> 


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