土地購入までのプロセス

1.ライフスタイルの見直しと田舎生活への憧れ

 ここ数年の週末は、パソコンに振り回されてしまい、趣味である山に登った後は、パソコン通信フォーラムへ報告書を書き、コメントが付けばその返答や、他の人の報告へコメントを付けたりで忙しく、ホームページを開設してからは写真の選別や編集も加わり、一日中パソコンの前に座っている休日が多くなっていた。 そういう生活を見直し、のんびりと田舎生活をしてみたくなった。

 このページでは、土地を買うことになった経緯などを掲載して行きますが、掲示板にて書いて来た内容と重複していますのであしからず。

2.山との係わり合い

 私が山登りに興味を持ったのは、1986年頃だったと思う。上高地の河童橋から眺めた穂高の峰々、室堂から眺めた立山や剱岳に感動し、その後は、新田次郎の山岳小説を読み漁り、ガイドブックを眺めながらの机上登山へと進み、本格的に山登りが始まった。

3.別荘地への憧れ

 1988年5月、茅ヶ岳からの下山中に見上げた甲斐駒ヶ岳に憧れ、こんな場所に住んでみたいな! と、思い続けていた。

4.土地を買うキッカケ

 2000年8月、単独で登った黒戸尾根からの甲斐駒登山がキッカケとなった。私はマイカーを竹宇駒ヶ岳神社へ停め、下山地は北沢峠、そして種々の交通機関を使って車の回収をすることにしていたのだ。

 ところが運良く、七丈小屋で知り合った武川村や白州町の人のグループのご好意に甘えて広河原からタクシーで駐車場まで帰ってこられた。その皆さんと一緒に乗ったタクシーの後部座席には、白州町で農業を営んでいる女性Iさん、そして武川村に別荘を持っている女性、助手席には白州町でログハウスに住んでいる男性Uさんだった。そこから竹宇の駐車場までは長い道のりだったが時間を忘れてしまうほど種々の楽しい話を聞かせてもらい、おかげで私も将来、甲斐駒ヶ岳の麓に住みたいなと思う気持ちが高まってしまったのだ。その時、タクシーの中で『良い物件があったら紹介して下さい。』とお願いしていたのだ。

5.物件の紹介

 それから約1ヵ月後のある日、同じタクシーの助手席に乗っていたUさんから我家に電話が入った。

 『白州町横手に住んでいた友人“Aさん”が引っ越したので、家付きの土地が空いています。一度見に来ませんか!』

 私は迷ったが、『さっそく今週、見に行きます!』と返事をしてしまったのだ。

 2000年10月8日。紹介された土地は、我家から約2時間の場所なので、土地だけ見て帰るのはもったいない。ということで、その日の午前中は以前から登って見たかった日向山に登った。下山後、紹介して戴いたUさんとIさんの椎茸農園即売所で待ち合わせたのだ。ここには甲斐駒ヶ岳へ一緒に登った人が大勢いた。皆さん、どうなるのか興味を持っていたようだ。

 さて、横手といえば、竹宇(ちくう)と並ぶ黒戸尾根登山口である『横手駒ヶ岳神社』が有名だ。Uさんが先導してくれた道を進むと、なんと、その横手駒ヶ岳神社へ向かっているではないか。なんと、その土地は横手駒ヶ岳神社の近くだったのだ。

 案内された土地は、広葉樹林に囲まれており、その土地のみ伐採された平地である。敷地の北側は小川、西側は農業用の水路が流れていた。そして、半年前まで住んでいた人の小さなプレハブの家が建っていた。(左の写真のように物置や舞台?もあった)

 周囲には殆ど家が無いという静かな環境でもある。

 その土地は正直言って気に入ったが、今後は時間を掛けてジックリ検討することにした。その日は図々しくも案内してくれたUさんのお宅を訪問し、庭で栽培している椎茸を戴いちゃった。(^^; おかげで自分でも椎茸栽培がしてみたいという気が湧いてきた。私は子供の頃から土いじりが好きで、今で言うガーデニングが趣味だったのだ。従って、土いじりの生活を復活させたいという願望が再燃してきた。

 正直言って、その時以来、興奮状態が続き、仕事が手につかなくなってしまった。(^^;

6.別荘地の研究と土地売買契約の勉強

 現地視察(10月8日)の数日後(10月11日)、意を決して現所有者“Aさん”に直接電話をかけて挨拶し、『前向きに考えている。そして年内には決着をつける。』と話してしまった。

 なお、不動産会社を通さずに個人間取引をすることで合意し、その日以来、毎日、不動産売買契約関連の本を読んだり、各地の別荘地の物件を調べたりという週末生活が始まった。パソコン通信のフォーラム仲間が武川村に住んでいるので、例の土地を見てもらい、その感想や当地で住むに当っての心構えなどを教えて貰った。

7.現地体験宿泊と決心

 その後は、疑問点があれば“Aさん”にFAXで質問をし、FAXで回答を貰うという行為が数回続いた。そして約1ヵ月後、“Aさん”に、現地の家に一晩泊まらせて欲しいと頼んだ。という訳で、11月12日に観光ドライブを兼ね、白州町の隣にある武川村を視察しに行った。

 私は当初、別荘地を選ぶ基準として“展望”を重視していた。この武川村は甲斐駒ヶ岳の展望が良いので、サントリーの南アルプス天然水CMの撮影現場に選ばれたという場所でもある。

 まず、真原(サネハラ)という桜並木が有名で別荘地が立ち並ぶ地区を見て歩いた。確かに、ここは展望が素晴らしい場所なので別荘が林立している。そこで、展望を優先するか、周囲に別荘が少ない静かな場所を選ぶかで非常に迷った。

 武川村の視察を終え、当時は未だ“Aさん”が所有していた家にて一晩過ごした。その家は半年以上も空家だったので、部屋に入るとカビ臭いし、部屋の中は蜘蛛の巣や虫の死骸、そして、テントウムシが無数に這っているのだ。すべての雨戸を開き、空気の入れ換えを行い、虫の死骸やテントウムシを掃除して寝場所を確保したのだ。(^^; 

 電気は契約を継続中だったで照明は点くのだが、水道はポンプで地下水を汲み上げる方式なので操作が分からないし、ガスは契約停止中なので使えない。このことは分かっていたので、山の避難小屋装備を持って行った。なお、明け方の寒さは厳しかったのだが、シュラフでも何とかなった。

 翌日(11月13日)は、精進ヶ滝へハイキングに行ったが、周辺の別荘の様子を見ることも目的だった。そして、天気が最高だったこともあり、素晴らしい展望を得られたことで、『静かな環境に住み、チョット歩けば展望の良い場所がある。そして即、住める家がある。』という条件を満たす例の土地を買う決心をしたのだ。

8.土地売買契約

 その後は私が土地売買契約書を作成し、“Aさん”と契約書の内容を調整し合う。そして、11月28日(火)を契約日とすることにし、当日までに、その土地に建っていた不要な施設を解体してもらうことや、契約日以降は使用権を私に譲ることなどを取り決めたのだ。

 当日は私と妻、“Aさん”も奥様を連れて現地へ集合した。土地の境界杭を確認したり、井戸ポンプの操作方法を教えてもらい、さっそく私が作った契約書をお互いに確認し合い、前金を支払い、押印。 契約完了だ。\(^o^)/

 そして、登記手続に関する打ち合わせを行ない、“Aさん”が探してくれた地元の司法書士に依頼すること、残金の支払日なども決定した。

9.登記手続

 12月11日(月)に残金の支払いと司法書士へ登記手続を依頼することになった。

 9日(土)と10日(日)に、部屋の掃除や庭の草刈りを行い、11日の午後に“Aさん”が到着。一緒に長坂の司法書士事務所へ行った。そこで登記手続を依頼し、残金の支払いも完了。これで晴れて私も地主となったのである。\(^o^)/

ログハウス風の井戸ポンプ小屋

悠歩山荘