横浜の自然
横浜南部の「市民の森」 2020/10/20 改訂
横浜市南部の「市民の森」には、港南区、栄区、磯子区、金沢区の区境を通り、
鎌倉に至る十数キロの散歩道があります。この道は三浦半島の付け根部分から、武蔵國と相模国の国境であった
三浦半島の尾根を通っているので、東は東京湾、西は相模湾を望むことになります。
道の大方は分水嶺になっていて横浜港に注ぐ大岡川の支流笹下川や日野川、相模湾の江ノ島のそばへ注ぐ境川の支流
柏尾川の源流がその一帯にあります。
瀬上市民の森から氷取沢市民の森
良く晴れた日、海上保安庁の建物から畑の中を東の方へ百メートル程いったところから、北へ横浜の中心地区ランドタワーや
横浜港そしてベイブリッジ、その先新横浜方面、さらに遠く新宿のビル群が望めます。東は東京湾の奥の千葉市方面、
幕張メッセさらに君津の製鉄所あたりと東京湾アクアラインの「うみほたる」が見えます。
海上保安庁の建物の入り口から西は相模湾を隔て、富士山や箱根の山々が見渡せます、富士山の右手から
北西に大山をはじめ丹沢の山々を望むことができます。南は近くの森に遮られてしまうため金沢動物園あたりまで
行かないと金沢八景などの眺望は開けません。鎌倉の方は建長寺の裏山の続きである鎌倉カントリーのクラブハウス
しか見えません。
日野地区
戦後首都圏への人口集中が始まると、このあたりも住宅地開発が企てられ、JR京浜東北根岸線が大船迄延長された。
緑豊かな里山を持つ田畑地帯だった日野地区は、このため円海山の麓まで開発され洋光台団地や港南台団地に
なってしまいました。
港南区南部の日野地区は、団地が出来る前東京オリンピックの頃までは、蛍が飛び交う里山地帯であったが、
昭和40年代に高速道路の建設が始まり、山々が削られ木々が伐採されて清水が枯れると、蛍などもいなくなってしまいました。
現在は横浜横須賀道路沿いにわずかにのこった山々が、少なくなってしまった横浜の森のなかで最も広い緑の空間で、
市民の貴重な憩いの場になっています。ここには、まだ多くの植物、昆虫、小動物、小鳥たちが住む環境が残っています。
しかし田圃が無くなってしまったため、ここに住んでいた蛙や小魚、それらを餌にしていた鳥などは殆どいなくなりました。