特選・幻のシーン集 初期シナリオ編

腐女子的すぎる感想は、一応隠しました(笑)

★その1・オールグレンの過去 〜なんかキャラ違ってます〜
初期シナリオは、やはりまだ未完成品との印象。主人公のキャラも固まりきってないし。この段階でのネイサン・オールグレンは、南北戦争でのトラウマを引きずったままの人物として描かれています。いわゆる「ベトナム戦争症候群」を連想させますね。キャラクターの性格付けとしては、「ランボー1」の主人公に近いものが。
インディアン討伐にも加わっていますが、虐殺に関わる詳しい設定はないようで。異文化に心を寄せ、インディアンたちの運命に涙する、ピュアで繊細なオールグレンはまだいません。

しかし、それだけあって回想シーンでは、北軍の騎兵隊でガンガン戦ってくれちゃってます。シナリオ5ページ、”He is a truly gifted swordsman.”との記述通り、当時からサーベルの名手です。敵陣に突っ込み、当たるを幸いぶった斬る勇戦シーンも有り。シロートがあの村で剣術始めて、いきなり強くなった訳ではないのです(笑)。
(19世紀にはまだ、白兵戦で剣が活躍する余地はありました。あのカスター将軍も、士官学校の成績は最悪だったものの、剣では一番の腕だったそうで。……映画本編設定で、カスターがオールグレンを気に入って部下に迎えたとしたら、このへんに理由が?)

でもって……オールグレンのトラウマについて。激戦地にて、壊滅寸前の部隊を率い、バグリー大佐の降伏命令を拒否して突撃。敵陣を突破して脱出を果たすものの、結局ガトリングガンにやられた、という。この時、目の前で弟を喪い、自らも重傷を負って、一度は死んだと思われ埋葬されかけてます……怖っ。
その後、痛みを痛みでごまかすように戦いを求め続け、ついにはぶっ壊れてアル中に……これはこれで凄絶な過去。
でも、映画本編がこうでなくて良かったです。本編のキャラクターの方が、ずっと説得力あるよ。ダンスウィズウルブスの焼き直し、なんて悪口言う奴がいてもさ(笑)。

ここでポイントになるのは、ある意味オールグレン以上に、バグリー大佐のキャラクターの違いです。「うまく立ち回ることばかり考えている卑怯者」との設定で、はっきり言ってヘタレ。どうも、魅力的な悪役とは言い難いですね。ましてや「最強の鬼畜攻め」などとは、とてもじゃないが……(笑) 悪役をどう魅せるかは重要ですので、オールグレンと連動しての変化は、映画にとって吉と出たのでは。


★その2・お約束@ゲイシャガール
初期シナリオには何と、ガント軍曹がオールグレンを引っ張って芸者屋へ乗り込むシーンが!(笑)嗚呼、お約束。
しかしながら、習慣を知らない外国人の悲しさ。なまじっか格のある、一見さんでは床入りできないような店へ行ってしまったらしい彼ら。芸者さんを強引に口説いたガントは、用心棒の合気道で思いっきり投げ飛ばされます。これもある意味お約束。

★その3・一言言ってよ、殿……
勝元とオールグレンが、長谷川大将について語り合う場面。何と勝元は「長谷川は幼馴染みだった」と言い出します。おそらくは没設定で、映画では「維新の頃に同志となった」ぐらいの関係になったはず。そうでなければ、一言言ってくれたって……ねぇ?

★その4・裸でカルチャーショック!
たかの頼みもあり、オールグレンを村の共同浴場(?)に連れてゆく信忠(初期設定では“頼朝”)。でもって、そのまま一緒に入ってしまいます。もちろんオールグレンは大慌て。
……しかも、さらに村のばーちゃんが裸で入ってくる! 混浴なのです!(当時としては珍しくもない)オールグレンは思わず、湯に潜りかけます(笑)。

★その5・いきなり大地震?
初期シナリオには、結構トンデモな場面がありますが、これはトンデモか美味しいのか結構微妙。村が地震に襲われます。
見所その1、村人たちを率いて消火活動に当たる氏尾。いざという時に頼りになる男。こんな場面も見たかった。
見所その2、孫次郎(初期設定では利家)を、家の崩落から庇うオールグレン。
実は、後の忍者襲撃が「勝元一行が上京する途中の宿」での出来事、となっていまして。その代わりに「たかの感情が変化するきっかけ=子供の命を救った」として存在したのが、この場面だと思われます。後に、この2つの場面が「忍者が村を襲う」という設定に昇華したのでしょう。

ネタはまだまだありますが、続きはまた後日。


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