ソウルエッジ・御剣×ジーク本『不自然な君が好き』(97年発行)より転載
ちょっと(相当?)あぶないギャグショートです(笑)
この手のネタが嫌いな方、済みません m(_ _)m


 『重力の罠』

「何だぁ、この部屋? 二人部屋なのに、ちっこい寝床がひとつだけか?」
 御剣は、粗末な安宿の一室を見回しながら言う。
「ひとつじゃねえよ。ベッドの上に、ハンモックが吊ってあるだろ」
 ジークに言われて、御剣はそのハンモックに近寄り、しげしげと観察する。
「こんな網の中で寝るのかよ、おい?」
「じゃあ、ミツルギはベッドを使えよ。俺、ハンモックでいいから」

 その夜。ハンモックに入ったジークが、少しうとうとしかけていた時だった。
 体の下で、ぷちっ、と小さな音がする。
「・・・・?」
 その音が、もう何度か聞こえた所で、いきなりハンモックが破れた。ジークはそのまま、どさりと音を立てて真下へ落ちる。
 そして、下のベッドには・・・
「おー、そうかぁ、そんなに俺と一緒がいいかぁ」
 もちろん、ニヤニヤ笑いを浮かべた御剣が待ち構えていた。



 『星京の不運』 〜責任感は怪我の元〜

「あら、黄じゃない。・・・一体どうしたのさ、その格好は?」
 タキが驚くのも当然だ。黄は、そこかしこに包帯を巻き、しかも片腕を吊り松葉杖をついている、というボロボロの格好なのだ。
「いやぁ、面目ない。闘技場でやられたんだ」
「闘技場? ジークとの試合では、勝ったって聞いたけど?」
 不審気に、タキは聞き返す。
「ああ、確かに。試合は勝ったんだが・・・」
 言いづらそうに、黄は答えた。
「決勝ラウンドで、ジークをリングアウトさせてしまったんだ。ああいう場所だから、気をつけていたんだが、つい・・・」
 闘技場のリングの外は、池になっている。重い鎧を着けているジークでは、もちろん溺れてしまう。
「それから、どうしたの?」
「仕方ないから、人工呼吸してやってたら、美那さんと御剣に見られてしまって」
・・・そして、美那の『いやぁっ、黄の変態!(成式奥義連弾儀)』と、御剣の『俺のジークに何しやがるっ!(三途の渡)』を一度に喰らってしまった黄なのであった・・・。



 『手段に難あり』

「タキさぁん、ジーク見なかった?」
 宿屋の一階の酒場。表の戸から駆け込んで来た美那が、テーブルについていたタキに声をかけた。何やら、届け物らしい包みを抱えているのは、果物か何かのおすそ分けだろう。
 タキは、少し戸惑ったような顔をして答える。
「ああ、部屋にいるけど・・・今ちょっと、現実逃避してるんだよ」
「???」
 美那は、一瞬首をかしげたが、
「まあ、部屋にはいるのよね? 行ってくるわ」
 と、二階への階段を駆け上がってゆく。
「あ、ちょっと・・・あーあ、行っちゃった」

 数秒後。
「きゃぁっ! いやあぁぁぁ〜〜〜っ!」
 絶叫が響き、そして美那が、転がるように階段を降りてくる。
「ジークったら・・・ジークったら、御剣と一緒に布団の中に!」
 真っ青になっている美那に、タキはため息をつく。
「だから言ったろ、現実逃避してるって・・・」



 『南蛮人の秘密』

「畜生っ、一体何だってんだよ、あの連中!」
 風呂から上がってきたジークは、カンカンに怒っていた。馴れない浴衣の紐を結び直しながら、御剣に向かって訴える。
「人を珍獣扱いしやがってさぁ! そりゃあ、異国の人間が珍しいって気持ちは分かるぜ。でもよ、何も風呂をのぞかなくたって!」
 二人は、瀬戸内海のとある城に滞在している所だ。
 しかし「南蛮人」であるジークは、珍しがられて周囲の視線にさらされ、すっかり閉口していた。
「ああ、そりゃあ・・・足の指があるかどうか、確かめたかったんじゃねえか?」
 御剣が、のんびりとした口調で言う。
「足の指・・・?」
「そうさ。南蛮人は靴をはいてるせいで、この国じゃ、足の指がないって噂があるんだ。おんなじ人間なのになぁ。ま、勉強させてやってると思って許してやれよ」
・・・しかし。その翌日・・・
「あいつら、もう許さねえ! 『下も金髪だ』なんて言いふらしやがって!」
激怒して大剣を持ち出すジークを、御剣は必死で止めていた。


    
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