WJ感想
(やや妄想入り)
207話「悪夢」 渾身の力で剣を振り抜き、ビビとチョッパーを空中へ飛ばす。 それと入れ違いのように、目の前で爆発が起こった。 ゾロに避けるすべは無い。傷口をえぐるような衝撃。気が遠くなる。 頭を下にして落ちているのが分かったが、全身が痺れ、体勢を変えられない。 受け身さえ取れそうになかった。いくら鍛えていても、落下速度に、 爆発の衝撃力も加わった勢いで、頭を強打したなら。 (ああ、死ぬな) ゾロはそう思った。恐れはしないが、悔しい。だがどうすることも出来ない。 仲間たちはきっと、砲撃阻止をやり遂げてくれるだろうが。 (仲間・・・せめて、あいつらを巻き込まずに落ちられれば) そんなことを思った瞬間、はっと気づく。 自分から、下敷きになりに来るような馬鹿が、一人いると。 サンジは負傷している。さっき見た様子では、彼の肋骨はひどい状態だろう。 (そんな身体で、俺の下敷きになんてなったら・・・死んじまうぞ!) 声も出せない喉が、意のままにならない手足がもどかしい。 ほんの数秒の落下時間が、ひどく長く感じる。 一思いに終わってくれ、いや、永遠に終わらないでくれ。 (サンジ、馬鹿な真似はしてくれるな!) 祈るように、そう思った時。 ・・・どっと、強風が吹き上げた。風圧がゾロの身体を捕らえ、落下を止める。 真っさかさまの体勢から辛うじて、頭が上に上がった。 次の瞬間、地面に叩きつけられる。だが衝撃は、予想よりずっと小さい。 呻き声を上げるゾロに、傍らに立つ影が言う。 「・・・何だ、生きてたのか」 乱暴に、礼など期待さえせずに、ポケットに手を突っ込んだままで。 ゾロは気づいていた。煙草の匂いがした、あの風。サンジの、蹴りの風圧だ。 着地後、いや、ゾロが撃たれるのを見た瞬間から、体勢を整えていたのだろう。 脚をやられぬよう全身で受け身を取り、ゾロの落下ポイントを一瞬で見切り、 絶妙のタイミングで、蹴りの爆風を放った。 それだけのことを成し遂げたサンジは、砂混じりの風をまとったまま、 ビビが消えた時計台の上を見上げている。 ゾロが死んだりはしないと、信じている顔で。 (良かった・・・こいつ、俺が思ってた程にゃ馬鹿じゃねえんだ) そんなことを思いつつ、ゾロは、砲撃阻止の成否を尋ねた。 ・・・とまあ、このぐらい密かにやってて欲しいなぁ、なんて(笑)。 (私はもしかして、ゾロに内助の功を尽くすサンジが好きなのか?(爆)) あと、今回ビビちゃんカッコイイです。「戦闘力がない」との印象を払拭する、 Mr.7コンビとの決着。中間距離からの補助戦力、応用も利くとなると 「アラバスタ編後の新メンバー」としては申し分ない? とか何とか言って、まだまだ絶体絶命は続いてるんで、 一番砲弾の側にいるビビは大丈夫なんでしょうか・・・。 |