珈琲時光

新宿・テアトルタイムズスクエア

引っ越していらい寄せて置いてあったダンボールの束をやっと捨てる.さらに ここ一年くらい溜っていた雑誌も捨てる.さすがに広くなった気がする.

今日は,金曜日で終わってしまう「 珈琲時光 」.渋谷の「 ユーロスペース 」でもやってるけど,みるならやっぱり「 テアトルタイムズスクエア 」の方がいいに決まっている.そんなわけで新宿.

着いたら既に開場していた.中に入ると思ったよりも混んでいた. ここの場合は最後列がベストなのでとにかく上にあがる.最後列でスクリーン内 に入る位置で手をうつ.

予告.「 岸辺のふたり 」が上映されるらしい.もちろん単独ではなく.しかし,8分の作品を予告で1分 くらい見せちゃっていいのか?

「珈琲時光」.フリーライターの陽子は台湾出身の音楽家,江文也について調べ ている.久しぶりに実家に戻った彼女は,妊娠していることを両親に告げる.相 手は台湾で日本語を教えていた時の生徒.でも結婚はしないつもりだ.

えーと,ストーリーを分かるように書いてしまうと,全部説明することになりそ うなのでやめときます.

松竹による,小津安二郎生誕100年記念作品.小津安二郎に捧げるオマージュ. オープニングから当時の松竹マークを使ったそうです.一瞬,全編スタンダード サイズなのかと思いました.

一青窈が主演ということで話題だったもよう.監督さんも台湾の方でして,「 悲情城市 」の侯孝賢.

「21世紀の『東京物語』」というコピーがついてるんですが,「東京物語」自体 は未見.こないだTVでやってたのは見ましたけど.しかし,全編から小津スタイ ルがひしひしと伝わって来る.あまり動かないカメラ,アップにならない構図. そして,切り取られた日常のひとコマ.

小津スタイルの踏襲は完璧で,演技らしくない演技に引き込まれていくのですが, 一青窈目当てになんとなく来た人なんかはどうなんでしょうね? 普段邦画を見な い人がいきなりこれを見に来たら,悪い意味ではないのだけど,日本映画ってこ ういう感じなんだと思ってしまうかもしれない.

ひとつ気になるのは,登場人物の背景が分かって来たところで唐突に終わってし まうこと.これからの展開は見た人に委ねるとしても,なんか一通り説明しただ けで,彼女の心境の変化というものが,いまひとつ分からなかった.彼女が複雑 な身の上なのは分かった,シングルマザーを選択したのもわかった.で? という. むしろ,両親の戸惑いの方が伝わって来た.ストーリーの要約が難しいのもポイ ントがみつからないからだと思います.

一青窈の演技は自然でした.自然すぎて浅野忠信の方が不自然なくらいでした.

東京は素敵に撮れてましたね.でも「 東京日和 」の方が好きですけど.

あ,はてなダイアリー始めてみました

[一覧] [前の日記] [今日は2004年10月17日] [次の日記]

[Top Page]