プライマー
primer

Shane Carruth (2004)

映画館で見たが、一回ではよくわからなかった。それでDVDを購入して、何度か 見た。しかし、いまだにすっきりとしない。そこで、順に整理していくこと にした。

ネタバレというか、全解説になるので、未見の方は注意。

少しずつ追加していきます。

Chapter 1

00:00:10

アーロンの電話で始まる。この映画全体は、(ある)アーロンが語る、彼が経験し た時系列を振り返ったものである。どの時点の誰に対してかけたものであるかは 不明。直接応対したものか、留守番電話のようなものかも不明。

「未来を教えよう」ということから、少なくともこの一連の出来事が済んだ後に 電話していることがわかる。また、「知っていることもあるだろうが、最初から 全部話す」ということから、エイブまたは別の時点のアーロンに対しての電話で ある可能性が大きい。タイムマシンのことを「知っている」のはこの二人である から。また、電話をしているアーロンの中では、この時点が一連の「最初」であ ると考えられている。

00:01:28

登場人物は、アーロン、エイブ、ロバート、フィリップ。彼らは通常の仕事の後 にアーロンの家のガレージで研究を行っている。会社からの独立を狙っているが、 PCの拡張ボードしか売れていない。そのためか、4人の中で今後の研究方針でも めている。売れるものを作って投資家の注目を集めたいアーロン・エイブと自分 のやりたい研究をしたいロバート・フィリップの対立。ロバートたちのやりたい のはテスラコイルに関する研究。

リーダー的なのはアーロン。自宅だし、少なくともこれまではアーロンとエイブ の方が立場的に強かったらしい。

00:02:08

後で電話が鳴る。この電話が、この物語を語っているアーロンからの電話だと考 えるのは考え過ぎか?モデム音が聞こえるので多分注文かなにかのFAX。

00:02:48

プラッツは去年何をしたのか?彼らと何があったのか?プラッツは何者?

00:03:39

アーロンには、妻のカーラ、娘のローレンがいる。

Chapter 2

00:04:26

新しい超電導に関する議論。おそらくエイブのやっていた研究。「乗り気じゃな いと思ってた」というセリフは、エイブ自身もあまり金にならない研究だと考え ていたためと推測。

00:06:21

フィリップの研究スタイルについての会話。話の流れからはちょっと浮いている いるような気がしないでもない。前の「新しい工具がいる」というセリフを受け て、使えるものを流用しないスタイルを指しているかも。

00:06:40

ここからわかる4人の力関係は、アーロン>エイブ>ロバート>フィリップ。

00:08:50

4人の議論。ロバートは「失敗したらどうするんだ」と心配。 それに対してアーロンは「俺がいなくてもこれがうまくいけば未来が開ける」。 この後、アーロンとエイブの2人で研究が続くことから、ロバートはこの研究の 未来に対して懐疑的か?

Chapter 3

00:13:14

エイブが自宅で寝ているシーンから。意味ありげな暗転。さらにカットが細かく 切れて動作をリピート。ブラッド他がエイブの家に居候しているらしい。そのい きさつは不明。人助けと言っている。アーロンが迎えにきて、機械が安定したこ とをつげる。

00:17:37

ロバートとフィリップには秘密にし、害虫駆除だといってガレージから遠ざける ことにする。エイブには鍵を渡す。

00:18:01

ステーキ屋でお祝い。電話の声が重なる。

00:18:24

投資家のグレンジャーと会う機会を作るためにパーティを開いているという説明。 しかし、彼は娘のレイチェルに会うために顔をだすだけ。レイチェルはエイブの 恋人。「恋人だった」という過去形の表現が気になる。

アーロンはグレンジャーと対等な視点で会話をしたい。しかし、エイブはそこま で割り切れない。

「数ヵ月後には深みにはまったことに気づく」ということから、タイムトラベル を行うのは、ここからかなり(数ヵ月)時間が経った後だということになる。

タイムマシンの性質を考えると、ここまではさかのぼることができない。つまり、 ここまでの話は、これからの話に必要な人物設定の紹介である。


Chapter 4

00:19:30

ビルの屋上からアーロンを見下ろすエイブ。ここからは基本的にこのエイブの経 験した時系列に沿って話が進む。

実はこの時点のアーロンは既に過去から戻ってきて入れ替わっている。ラジオ を聞いているように見えるのは、前回録音した会話を確認のために聞いている。 このことは、一連の流れをリセットするために戻って来たエイブがこの時刻に来 た時にわかる(01:03:10ごろ)。

一方、エイブは初めてのタイムトラベルを済ませた後。15:00過ぎに「箱」に入 り、6時間さかのぼって、朝9:00に戻った。

アーロンが朝エイブに電話した時に留守だったのは、「箱」に入っているか、そ の準備のため。朝何時に電話したのか不明だが、5:00には非常用の「箱」のスイッ チを入れる必要がある。

ベンチのシーンは12:00よりは前くらい。「午後時間があるか」ということから。

この日は月曜日。翌日二人でタイムトラベルしたのが、火曜であるから。 (00:39:00に「火曜の8:50分」と言っている)

00:21:03

アーロンの会社のオフィス。エイブがアーロンの車を取りに行き、その間にアー ロンはウィルに会いに行く。会議の延期を知らせるため。ウィルとのシーンは後 でさかのぼって来たアーロンとエイブが見ているシーンがある(01:57:00ごろ)。

00:21:30

人形についた皮膜についての調査結果を聞きに行く。

00:24:36

時計は14:06分。スピーカから聞こえるような音での会話。これはおそらくアー ロンが聞いている音。ペンチをせわしなく動かしているのは、実際の会話がずれ てきていることに対するいらだちか?それとも、手の筋肉をほぐすための運動か?

(続く)

監督・シェーン・カルース
出演・シェーン・カルース、デヴィット・サリバン、他
バップ+ロングライド,DOLBY DIGITAL,日本語字幕,2004年作品,本編約77分

株式会社バップ,VPBU12490,5040円

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