QJYつうしん 平成111225
休日は山にいます

一年を振りかえって 遊びには限度が無いと思ったネ

QJYベスト1・2

一年に二度も沖縄に出かけた。

どちらもQJYつうしんで旅行記を書いたが、セイシカ(ツツジ科)とサガリバナ(サガリバナ科)を見るための旅行だった。

目的を持って出かけて、目的の花が見られるのはとても幸せなこと、その頃仕事は今ほど忙しくなかったのも幸いした。ちなみに12月ならとても安く行けるの出かけたかったのだが、仕事が混んでいて日程の都合がつかない。

セイシカは西表島でカヌーに乗らなければ見られない。サガリバナは夏の夜にしか咲かない。どちらも幻の花として、昔から見たかった花だ。

夢が実現すると、それで終わりになるものだが、沖縄は本当に花の多い所だから、出かけても出かけても新しい発見がある。真冬に春の花が満開なのだからこれほど素晴らしい所は無いのだ。

初めて出かけたのが18歳の冬、それ以来宮古島、石垣島、西表島を含めて何度も訪れている。シュノーケリングをしていて猛毒エラブウナギに出合ったり、サガリバナを見に行ってオオコウモリに驚かされたり、いつも何かの収穫があるのが沖縄だ。

何度も行く理由のひとつに、費用が安いことが挙げられる。個人で飛行機の往復をすると4万円くらいかかるが、旅行社のフリーツアーなら同額で二泊三日のリゾートホテル付きのコースもある。

本土がオフシーズンでも沖縄は花満開なのだ。

QJYベスト3・4

一番長い距離を歩いたのが、10月の韓国岳〜高千穂峰までの縦走。これは読売のバスツアーだが、自分で運転するのではなく、連れて行ってくれるのは助かる。

天候にも恵まれ、雲海も楽しめた。

山頂の山小屋は最近の若い女性が敬遠するような旧式なものだが、その分、山登りの本質に触れ合えたような気がする。

コスモスで有名な生駒高原にベストシーズンに出かけられたのもラッキーだった。

宿泊付きの山歩きは、5月連休にいつもの大山方面に出かけた。これは「とっとり花回廊」に寄りたかったからだが、この時出会えた花は素晴らしかった。

山道を飾るカタクリ、下山してサンカヨウの大群落に出合うなんて思ってもみなかったので嬉しい限りだ。イワナシやサンインスミレサイシンなど、この地方ならではの花もいい。

QJYベスト5〜7

春に咲くイズモコバイモを雪の中で見つけられたのが大江高山。縦走してポイントが理解できた。東からの登山道は、かなり急な坂を登るので、あまり一般的な山ではないかもしれない。

ヒゴスミレなど希少なスミレも見られて感激した。

夏の猫山はヒメユリを見るために登った。

雨の中だったが霧が晴れると真っ赤なヒメユリが点々と咲き、イブキジャコウソウやカワラナデシコに満足した。

その他、山歩きとしては50箇所以上は出かけている勘定になる。その数は例年なみだが、日帰りだと気ぜわしいので、国民宿舎あたりに泊まったことも多い。

岡山の三ガ上山〜県立森林公園の旅では、マツムシソウやクロバナヒキオコシの群落が素晴らしかった。

花が咲いていなくとも葉だけで希少な植物を見つけることも有る。県立公園で見つけたイワウチワの大群落は来年の約束手形を入手したようなもの。目指した花が見つかると、とても嬉しいものだから、来年はきっとQJYで報告できると思う。

東区ボランティア

昨年で終わったはずの「東区自然マップ作り」の作業だが、区の担当者が変わったこともあって、マップのさらなる充実のための作業が続いた。

それは実際にマップを使って山歩きをすると、細部で道の間違いや私有地などの弊害が判明したからだ。

区では看板や案内図などを作ると言うので、またメンバーが揃い実際に検分して見る作業を始めた。広報の担当も同行し、メンバーの中にはビデオ製作のプロもいてかなり大掛かりな作業となったが楽しいうちに終えることが出来たのは皆の熱意と人柄によるものと思う。

秋には区民まつりの会場で、シリブカガシや色んな木の実の展示、ササの葉を使った遊びを披露して好評を得た。

この利害関係の無い仲間との交流はとても楽しいものだ。

ホームページ

会社がインターネットのプロバイダをやっている関係で都合良くホームページを開設することが出来た。知人でも何人かインターネットを始めた人がいるが、とても安くできるので喜んでもらっている。

9月から始めたホームページだが、広島自然観察会もここで宣伝している。もちろんこのQJYつうしんを載せて、三人娘の写真も。いずれ与えられたディスク容量も一杯になることだろう。

ホームページのメンテは定期的に行わなければならず、ちょっと追われる格好だが、楽しく作れるのが嬉しい。

あまり手の込んだ内容にすると、しんどいので出来るだけシンプルで内容盛りだくさんにしている。恐らく全部見るには一週間かかることだろう。

ミレニアムに向けて

仕事の関係で正月は無い。

昔、カレンダーのプログラムを作ったことがある。カレンダーは次の二つの定義がわかれば作ることが可能だ。

@:西暦1年1月1日は月曜日

A:うるう年は4年に一度、ただし100年に一度はうるう年ではない、ただし400年に一度はうるう年。

Aさえわかれば今日が@から何日目か計算できる。そして7で割って余りから今日が何曜日かわかる。これが万年カレンダーだ。

あとは国民の祝日を反映させなければならないが、結構法律が変わるので厄介だ。

さて2000年は世紀末だということを知っているだろうか。暦が西暦1年から始まっている以上、1世紀は西暦1年からなのだ。

従って21世紀は2001年からということになる。

休日は山にいます

来年中にはQJY通信が150号となる。

よく続いたものだ。それでも毎年初めて見る花があるのが不思議。計画だけは心の内にあって、行きたい時期、場所が優先順に並んでいる。

幸い、子達に手がかからないし、そのうち彼らが独立したらいろんな山に登りたい。絶対に財産は残さない方針だから、旅行に金を使うだろう。

そう、遊びには限度が無いのだ。

新しい感動が得られる限り旅を続けたい。山の花は私を裏切らない、いつも待っていてくれる。そこに新しい発見がある限り、写真を撮りつづける。

たたみの上で死にたくないのが旅人だ。

グルメがフグで死ぬのが本望なら、私は旅の最中に死にたいと思う。何もしないで死を待つほど面白くないものは無い。

クマに会いたい。

マムシに噛まれたい。

でももうちょっと長生きして、花と出合いたいのだ。花に酔い、花と語り、花を愛でてやるのが私の生きがい。だよね。


【編集後記】

娘がパスタの店でバイトをしていたことがある。まず最初にバイトの子が覚えなければならないのは料理の名前だろう。そこで娘が驚いたことがある。客の注文メニューと厨房でのオーダー名が違うと言うのがそれだ。

そう言えば、「ちから」のうどんを昼食時に食べることがあるが、「きつねうどん」を注文すると、店内では「ノダいっちょう!」と掛け声が飛ぶ。

つまり「きつねうどん」が客先用の名前で、「ノダ」は厨房用の名前だ。

さて、店の女の子は「ノダ」の意味を分かって使っているのだろうか?これは「信太(しのだ)」を省略した言葉で符丁と呼ばれるもの。

泉州(大阪府南部)信太の森に住む白狐の伝説から、シノダは狐の好きな「油揚げ」の代名詞になったのだ。そこで油揚げの入った「きつねうどん」は「シノダ」から「ノダ」と変化し、「きつねうどん」をさす符丁となったのだと思う。

父が香川県出身で母が大阪府出身の我が家は「うどんや」だったこともあってこのくらいは常識だったが、この店の社長もなかなか物知りだったのだな、と思うと「きつねうどん」も一味違ってくるから不思議。

ところで「ちから」で人気の「カレーうどん」は、単に「カレーういっちょう!」と呼ばれているからあまりひねった符丁は多く無いようだ。