くぼた沖縄日記2001 トラブル・トラベル

 4月14日 さまようぬけがら

時計を見ると、6時。何せカーテンがないので、明るい。 部屋の外では、まだ話し声が〜。ホントに坊ちゃん嬢ちゃん達は、おしゃべりが好きだなあ。また寝る。 布団の中で、シェフはちゃんと、7時に漁連に行けただろうかと、ぼんやり思う。 一晩中、薪を燃やしていたせいで、体も髪も服も、カバンの中もみんな燻されて、煙臭い。滅入る。
 

部屋を出て、朝ごはん代わりのプチトマトを食べる。もうひとり、朝ごはんを食べていた青年とおしゃべり。 北海道から来た彼の話では、北海道では雪が落ちるので、家と家は間隔を開けねばならず、沖縄のような、狭い路地(スージ小)はないとのこと。なるほど〜。 6月に北海道に戻る彼は、地図一つなく、北の方でアルバイトを探したいと言う。大丈夫?
 

ふらふらと歩き出す。すでに魂がぬけ出している。 確実猫ポイント、桜坂の希望ヶ丘公園に行く。 ぼんやり猫に餌をやる。今は晴明(シーミー)シーズン。 お墓にごちそうを持って、お参りに来る人たち。 壺屋からひめゆり通り。だいたいの見当だけで歩く。 猫を見かければ、そっちにふらふら。 そんな人はいるはずないが、もし誰かが私を尾行してたら、一体この女は、何の目的で歩いているのかと、首をひねるに違いない。

 

スーパーでおみやげを買う。今回のおみやげは、ほとんど食料品。 サンドイッチを買い、宿に戻って食べる。 居合わせた人間、すべて関西勢。 二日酔いでふらふらの兄ちゃん来て、後ろでひっくり返っている。 ドレッドをほどいたような長髪、無精ひげ、よれよれの服。 懐かしのヒッピー風。こんな所に生き残っていたのか。
 

何でこんなにバッグが重い…。バスに乗り、早い目に空港に着く。 搭乗手続きをして、ゲート前の待合い所に行くと、そこはもう関西弁だらけ。悲しい。 ホントに力が抜け、すいている椅子の所で、横になってしまう。 ゴムぞうりの跡がつき、体重がちょっと減って戻ってきた。 そして、からっぽになった。からっぽになった私には、一体これから何が入るのだろう。                      

おわり 

 

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