「くぼた沖縄日記2002-2 半袖で行こう!連日お友だち大感謝デー」 

10月24日 1日目 ★アートする浴槽

迷いに迷って半袖だけを持っていくことにする。大阪空港では昨日出た『ハリー・ポッター』4巻目のニュース。
大阪は晴れていたのに、沖縄は雨。それも、かなりの雨。関西の感覚でいくと、台風並みの雨風だ。那覇空港から、そのまま今日泊まるコザ行きのバスに乗る。

バスの窓から雨の中の街を見る。台風にも当たったけど、沖縄でここまで降られたのは初めて。ま、こういう時もあるでしょう。私が旅行の時だけ晴れってわけにはいかない。あとでこの雨で本島北部では土砂崩れが起こり、本島と離島間の飛行機が欠航したことを知る。

1時間半ほどかけて、コザ(沖縄市)到着。ありがたいことに、傘がいらないくらいの小雨になる。ここに来た目的のひとつ、銭湯「中乃湯」に行こう。デイゴホテルのフロントで、銭湯のことを話すと、フロントのおじさんは、「そんなところに銭湯ありますか?聞いたことがない」と言う。わざわざ地図をコピーしてくださり、「あとで教えてくださいね」。行ってきまーす。

歩いて15分くらいで「中乃湯」到着。営業時間の午後三時にはまだ10分ほどあったが、開いてますよと言われ、入浴料200円を払う。現在沖縄県の銭湯は、たったの7軒。沖縄の銭湯(ゆーふるやー)って、中に番台がなくて、映画館のチケットを買うように入り口でお金を払う。なんでも沖縄の人は恥ずかしがりだから、らしい。

しかし一番のビックリは、浴室と脱衣場を隔てる壁がないこと。そういえば、今まで泊まった民宿でも、脱衣場がなくて、浴室の中に棚が吊ってあって、そこに脱いだ服を入れる所が多かった。ビチャビチャの浴室で服を着るのは、すごくイヤだった。さすがに銭湯は、脱衣場と浴室の区切りはあるが、両者には共通するものがあるのかも。沖縄の銭湯については、『SENTO 廿世紀錢湯冩眞集』大沼ショージ撮影(DANぼ 7000円!)で知識を仕入れていったんだけど、やっぱり不思議な空間だ。

特にこの「中乃湯」は、湯船の形が日本一ユニークと書かれていた。三畳くらいの大きさの楕円形。それを白いセメントで塗り固めている。どこにも直線がない。「シュヴァルの理想宮」とか「養老天命反転地」とか「グエル公園」とか、ものすごく言い過ぎなんだけど、連想する。なんだか自然に盛り上がって出来たみたいな形。とても写真に撮りたかったのだが、先客が一人いて、そのおばさんがいなくなるまで粘ろうと思っていた矢先、次々三人もおばさんが現れ、断念。写真集、見てね!『銭湯読本』(アーティストハウス)にも載ってます。

洗い場の床が、微妙に湾曲していて、体が前傾姿勢になる。ううう、使い勝手が悪い。でも、お湯は地下からくみ上げたアルカリ鉱泉。いい湯加減。お湯の色は、なんつうか、バスクリン色。アルカリ鉱泉(バスクリン?)のおかげで、体はぽっかぽか。Tシャツ一枚で汗が出る。お昼を食べていないので帰り道、通りすがりのパン屋さんでパンを買い、まわりに人がいないのをいいことに、パンを食べながら裏道を歩く。

コザの目的二つ目、林賢さんのお母さんに会いに行く。いつものように、あれこれ女二人のおしゃべり。戦後、物がない時に50番の飛行機油でてんぷらをした話などを聞く。近所の喫茶店で、晩ご飯をごちそうになってしまう。おみやげまでいただいて、申し訳ない…。

喫茶店を出て、そこらをぶらつく。『ハリー・ポッター』4巻はまだ出ていない様子。中央パークアベニューは人気がない。ここだけでなく、コザはずいぶんさびれてしまっている。シャッターの降りたお店がとても多い。みんな北谷に行ってしまったんだろうか。うーん。

ホテルに戻り、ロビーの自由に使えるパソコンで、友人のHPや明日の天気などをチェック。ううむ、明日も雨か〜。となりのパソコンを見ていた、作業服姿の男性二人と、明日のお天気のことなど、しばらく話す。

部屋に戻って、テレビを見る。米軍のテレビ局(AFN)って、ニュース読むアナウンサーも軍服着てるんだよ。知ってた?本をちょっと読む。今回の旅のために選んだ本は、大竹昭子著『個人美術館への旅』 文春新書。旅では気が散りまくっているので、小説は不向き。大竹さんの文は大好き。旅の話だし、私の旅のお供にぴったり。

今回の旅からデジカメ導入。寝る前にチェックして「中乃湯」さんの入り口が、電池切れで写ってないことが判明。
なんでやー!ああ、ガックリ。明日の朝、もう一回行ってみよ。

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