くぼた沖縄日記2005 八重山久しぶり〜 小さな島に行きたい
★10月20日 竹富島は歩くべし
帰りの飛行機は4時20分。2時15分の船で石垣島に戻ることにする。泉屋さんの庭のテーブルに座っていると、水牛車がやってくる。今日の三線も上手い。BEGINの『竹富島で会いましょう』がだんだん遠ざかっていく。出かけようとすると、スコール。
スコールが上がり、歩き出す。どこもここも、竹富は花がいっぱい。黄色のヒガンバナって初めて見たと思ったが、これはショウキズイセンという同じ科の花でした。昨日の午後は閉まっていた竹富民芸館に行くと、大学生の団体と一緒になる。引率の先生と民芸館の人たちは顔なじみらしく、話が弾んでいる。混じって話を聞く。側にいたおとなしそうな女子学生に尋ねると、沖縄国際大学で沖縄の伝統工芸や音楽に興味を持つ学生の集まりだそうだ。大阪から来ているというと「そんな遠いところから、沖縄に興味を持って来てくださってうれしいです」って、日本国中から来てるってば。
修学旅行の生徒たちがあっちもこっちもたくさん自転車で走り回っている。時間の制限があるのはわかるけど、こんなに小さい島でそんなに急いでどうするんだ?珍しく歩いている男子2人。どうやら片方は自転車に乗りたそうなのだが、もう一方の子が「自転車ですっと通り過ぎてしまうと、小さな事に気が付かない。歩かないとわからないことがきっとあるよ」おお、いいこと言うじゃないか少年!
石垣にうずくまっている猫発見。近寄ってみると、ひえ〜、左後ろ足の内側の皮が大きくはがれ、骨も見える大けがをしている。あんた、どないしたん!?かわいそうに。とても痛いだろう。食べやすいようにエサを置く。食べる猫を見ながら、この子は助かるだろうか、エサなんかやって、かえって長い苦痛を与えてしまうのではないかと迷う。昨日のヤギの子、以前ウミガメの死骸を見たのも竹富島だった。「海辺の生と死」(@島尾ミホ)という言葉が浮かぶ。
西桟橋に行くとMさんに会う。流木に並んで腰掛けて、主婦同士今日の晩ご飯どうします?などと話す。一緒にそばを食べようと竹乃子に行く。メニューの写真には、そばの上にオオタニワタリ(八重山で食べられるシダ科の植物。造形的に美しい)がのっているが、出てきたそばにのっていたのはキャベツだった。う〜ん。
港までMさんと一緒に車で送ってもらう。おみやげ物などをMさんと見ながらしゃべっていると、わわわ、船が出る〜!ごろごろ重い荷物を引っ張って、走りましたがな!乗ります〜!と叫んで飛び乗る。そうだよ、そもそも港に着いたのが出航時間の10分前だったんだよ。のんびりしゃべっていてはいかんのだった。
最後の買い物をして、バスターミナルへ歩いていると、写真館のウインドウに見たことのある写真が飾ってある。BEGINのCDジャケットの写真だ。ふむふむ、石垣市の写真館で撮影とライナーノーツに書いてあったが、ここだったのか。今や郷土の偉人でしょう。
帰りの飛行機は、初めての宮古経由便。いったん飛行機から降り、ロビーで待つ。初宮古島だ。紅芋ソフトクリームをなめながら、高校同級生のOがここに住んでいるんだなあと思う。いつか会いに来よう。
楽しかったのだが、微妙に自分の気持ちが変わってきていると感じた旅だった。もう、海はいいかもとも思った。飽きたのか?そう自問しながらの毎日だった。疲れたのかな。しばらく、考えてみよう。
民宿 泉屋 竹富町字竹富377 0980-85-2250
そば処 竹乃子 竹富町竹富101-1 0980-85-2251
※ 前回2005年6月編で書いた、シーナさん渡名喜島来島の話は、『にっぽん・海風魚旅5 南シナ海ドラゴン編』講談社に載りました。よかったよかった。