くぼた沖縄日記2005 八重山久しぶり〜 小さな島に行きたい
★10月19日 風は水牛の香り 泡盛とともに最後の夜
6時半起床。沖縄での早起き記録更新。浜へ。同宿の女性2人と、男性一人が先に来ている。水平線の上に雲があり、残念ながら海から昇る朝日は見えず。
今日は竹富島に移動。9時のバスを待つ。やって来たおばあさんにあいさつすると、いきなり飴をもらう。「いろんな所にも行ったが、やっぱりここが一番きれいで好き。帰ってくる度そう思うね〜」いいですね。10時30分の船にぎりぎりで乗り、あっという間に竹富着。港からすぐのところに竹富島ゆがふ館というビジターセンターが出来ていた。映像を見たり、展示を見たり、なかなか充実した内容でたっぷり1時間かける。
宿への道を歩いていると、捕虫網を持った男性に会う。沖縄の蝶の名前を2つほど口にすると、「詳しいですなあ」と喜ばれる。「じいさん3人でチョウチョ捕りに来てるんだが、狙っているのがなかなかいなくて…」ご健闘を祈ります。もうしばらく歩くと!牧場の柵の有刺鉄線に引っかかって死んでいる小さな小さなヤギの子を見つける。ああ…
宿に着くと、おお、前回前々回と同じ部屋。でも増築されて広くなっている。相部屋といわれたが、アコーディオンカーテンで仕切られていて、別々のドアもついている。庭のテーブルで一服して、さて歩きだそう。適当に角を曲がって曲がって。島のあちこちに標識があり便利。御嶽があればごあいさつ。たくさんあるのよ、これが。
なかなか良さそうなコテージがあり、これがヴィラたけとみかぁ。まだ新しそうだ。パンフでももらおうかと思うが、誰もいない。立ち去ろうとして、ふと目の隅に?なモノが。近寄ってみると緑の葉の中に咲いているのは、ハイビスカスの造花ではないか!花がない時淋しく見えるからか?なんだかなあ。
赤瓦の屋根を修理しているところに出会う。初めて見るのでしばらく眺めていると、屋根の上のおじさんから声がかかる。おじさんが瓦に塗っているのは黄土色がかった灰色の漆喰で、見知っている白い漆喰ではない。そのことを聞くと、生の漆喰はわらの色が出るのでこんな色だが、しばらくたつと真っ白になるのだと教えてもらう。知らなかったー。「屋根の修理は暑くて暑くて大変だよ〜」日陰が全くないところでのお仕事、ごくろうさまです。
竹富島といえば、水牛車での島内観光が有名だ。歩いていると、何度も水牛車を見かける。今回初めて若い女性の御者を見る。また、若い男性御者も大勢見かける。で、若い人たちの三線が上手いのだ。レパートリーも昔の『安里屋ユンタ』一点張りではなく、BEGINとか色々歌っている。今までおじさんたちの三線と歌が下手と怒っていたが、あんまり上手いのを聞くと、下手な歌が妙に懐かしくなった。
遠浅のコンドイ浜に来る。おお、猫が!さっそくえさをやってなでまくる。おとなしい子だが、目があんまり見えてないような気がするなあ。満腹して去っていくところを見ると、足もちょっと不自由そう。小さい島で交配している影響だろうか…。木陰でハガキを書いたり、本を読んだりしていると、島内観光のワゴン車が次々やって来る。そして、だれも車から降りることなく、Uターンして帰っていく。はあ!?車の窓から見るだけかい!
泉屋さんのおいしいご飯。小さな食堂は満員。私と相部屋になった女性Mさんは、コンドイ浜で会った女性でした。名古屋から来た女性2人と4人で話が弾む。またまた出てくる民宿たましろ。八重山で一番有名な民宿だね。Mさんが波照間島で幻の泡盛「泡波」の3合瓶を2本手に入れたと言い、一同おお〜っ!すごい〜!と感心する。生産量が少なく、ほとんどが島で消費されるのでなかなか旅行者には手に入らないと言われ、島外では法外な値段がついている。でも、私には味の違いがわからない。
食事が済むと、あっという間に私たち4人を残して人がいなくなる。テーブルに泡盛が出されているというのに、男性も飲まないのだ。別のテーブルの泡盛ももらって、4人で飲む。4人とも今晩が旅行最後の夜。お楽しみはもうあとちょっとなのだ。哀しい。どこからか三線が聞こえてくる。
食堂の使用は夜10時までとのハリガミに従って、10時でお開き。名古屋組は夜のなごみの塔へ散歩に行くという。なごみの塔とは、竹富島で一番高い塔で、人間工学に全く基づかない反バリアフリー構造(荒川修作系かもしれない)の建物なのだ。月はきれいに見えただろうか。