赤い土ぼこりの道で会った。
2頭の牛と歩いていた。
一緒に馬でビニャーレスを巡ることにした。
ドミンゴ(日曜日)と名のった。
「俺は毎日が日曜日だ」
英語で言ったが全く通じなかった。
俺の乗る馬の名はカバーユ。
初めての乗馬だった。
谷を越え、川を越え、丘を越える。
ドミンゴと交わす言葉はふたつ。
時々振り向き「ビエン?」
俺は「ビエン!」と答える。
速く走らせた時は「ブラボー!」
俺は「グラシアス!」と答える。
それだけで充分だった。
谷を越え、川を越え、丘を越える。
後ろから別の馬が走ってきた。
馬上の男からラムをもらう。
馬に跨ったまま廻し飲む。
谷を越え、川を越え、丘を越える。
ドミンゴは馬から降り葉巻を巻く。
互いに煙を燻らす。
ドミンゴが俺と自分を指差し言った。
「トゥー・アミーゴス!」