マヤ系インディヘナ達はバスケット・ボールが、お気に入りだ。
ポロに来る前に訪ねた全ての村にもコートがあった。
バスケット・コートは教会や役場と並んで村の中心だ。
部屋の前のコートでも常に誰かがプレイしていた。
朝はドリブルの音で目が覚める。
夜は月影に浮かんだシルエットを眺める。
大人たちのレベルは驚くほど高い。
武装を解除して、バスケットで決着を付ければ良いのになどと思ってしまう。
真剣な大人たちのプレイが終了すると、すぐさま子供達の歓声が響き始める。
民族衣装を着た、ちいさな女の子達もボールを追う。
その姿は、可愛らしくて、いくら見ていても飽きない。
昼下がり、大型車のエンジン音が聞こえた。
集中した男達のプレイが止まった。
バスケット・コートの位置からは幹線道路が見上げられる。
木立の間から、走り去る軍隊の車が見えた。