体中がギシギシいっている。
ふつか連続、床での仮眠となってしまった。
「金子さん、これからどうしますか」
目覚めたパクくんに聞かれる。
「うーん、何も考えてない」
とりあえず2日ぶりのシャワーを浴びさせてもらう。
ひろしさんは現れない。
さて、どうしようか。
「パクくん、俺、もう一度、宿を探してみるよ」
「そうですか」
「だから、少しの間、ここで待っててもらえないかな」
ふたりで外出して、また、中に入れなくなるのも辛い。
外に出ると、祭ならではの華やかさがあった。
「ドンデ・ハビタシオン?」
農協、肉屋、食堂、雑貨屋、道行く人。
片っ端から、聞いてみる。
片っ端から、訪ねてみる。
しばらく、歩き廻るが、宿は見つからなかった。
「もう、これ以上しんどいのはイヤです」
精神的にも体力的にも強そうなパクくんが根を上げた。
彼は別の町に移っていった。
時刻はお昼近かった。
宿は日が暮れるまでに何とかしよう。
幸いなことに祭の会場で荷物を預かってもらえた。
入り口でプログラムをもらう。
農機具を展示した企業のブースが多い。
発泡スチロールのドンブリから沖縄そばを食べる。
ブラジルからやってきた日系人の団体に囲まれる。
再会を喜び合う姿。
ビールを飲む。
「コロニア・オキナワ父の像」除幕式。
「オキナワ移民資料館」落成式。
実行委員長の挨拶。
来賓の挨拶。
「祝オキナワ入植50周年」の幕をなびかせたセスナが飛ぶ。
ボリビアの踊り。
島歌のバンド演奏。
エイサー。
カチャーシー。
夜空に打ち上げ花火が開いた。