この日は、数名の旅人との再会があった。
彼らも祭というオアシスを目指して旅を続けてきたのだ。
沖縄そばが食べれて良かった。
エイサーが見れて良かった。
そんな声を聞くことが出来たが、心から満足していない様子は明らかだった。
集まった旅人達は一様に、ある種の疎外感を感じていた。
ボリビア政府関係者。
日本からの来賓。
南米に散った入植者。
祭は、そんな関係者に向けて行われているような印象だった。
決められたプログラムが坦々と行われた。
沖縄が持つ外に開かれたおおらかさは無かった。
祭が持つ猥雑なエネルギーは無かった。
孤独な旅を続ける旅人が求める触れ合いは無かった。
風は吹かなかった。
風は吹かず、ただ埃が舞っていた。
感じられない自分を責めても仕方がない気がした。
これは彼らの祭なのだ。
仕方がない。
仕方がないが、残念だ。
明日、8月15日、入植50年目は、どんな日になるのだろう。
この日会った旅人達は、100キロ離れたサンタクルスから日帰りで来ていた。
「もう明日はいいや」
そう言って帰っていった。
自分はオキナワから50キロ離れた小さな町に宿をとることにした。