旅の空からの伝言


2005年7月18日 ウブドより


たくさんの書き込みありがとうございます!

バルセロナ、ブリスベン、シャンハイ、トーキョー、オキナワ、etc・・・。

世界各地からのメッセージ。

うれしいです。

アイル島、メノ島、トラワンガン島。

ロンボク島の北西にある小島でのんびりして来ました。

どの島も2時間ほど歩けば一周出来てしまうくらいの小さな島です。

交通手段は小さな馬車(車・バイクは一切無し)

星の瞬きさえも聞こえそうなくらい静かな島でした。

メノ島が一番小さくて住んでる人は300人。

明るく素朴でフレンドリーで話し好きの人々が住んでいます。

ウブド(バリ)に戻って来ました。

6年前にも泊まった宿に落ち着いています。

此処でアルゼンチンで会ったヴィッキー(旅人・その2、くつろぐ横顔)と再会。

彼は中米へと上がり、マイアミ、ジャマイカ、スペイン、ロンドン、タイと飛んでバリへ。

アルゼンチンを起点にして逆向きにふたりでぐるっと地球を一周してまた会った訳です。

ひさしぶりにたくさん飲みました。

トッケーの鳴き声を数えながら寝ました。

今日のウブドはしっとりと暑く良い天気です。

田圃の中を裸足で歩いて来ました。







■しげちゃんへのレスポンスより


初書き込み&旅人登場ありがとう!

トップバッターに相応しいレイドバックした笑顔だよ。

寄りかかった椰子の木が似合うなあ。

しげちゃんとスペインは上手く結びつかない。

イースター島はホント良かった。

ラノララクもラノカウも3度行った。

パワーの相性も良かったのだと思う。

たくさん力をもらって俺の旅は新しくなった。

これからは東南アジアを陸路で上がってゆきます。

しげちゃんと何処で乾杯出来るか楽しみだ。

良い旅を!







■やじまくんへのレスポンスより


ホント最近は良く動いているよ。

同じ所に長くて三日。

イースター島からはたくさん力をもらった。

あの島のことを今も良く思い出す。

オーストラリアに行ってアジアに来て、それぞれの良さがあり、南米の良さにも改めて気付いた。

これからの旅もとても楽しみ。

ロンボクではギリ3島に行っていたのだけど、どの島も良かったな。

朝夕に面白い音が聞こえる。

飼っている鳩を空に放すのだけど、その鳩の首にホイッスルのような物が付いている。

鳩が飛ぶと風を受けてそれが鳴るんだ。

不思議な音を出しながら鳩が群れをなして大空を飛ぶ。

長閑で優雅な時間が流れていたよ。







■オスカルさんへのレスポンスより


マリ、イエメン、アラスカ、スリランカ、マダガスカル、アイスランド。

飛行機でしか行けない(行きづらい)場所を世界一周チケットで繋げないかと

オーストラリアにて色々と調べてもらったのですが厳しかったですね。

使える航空会社が限られていたり、細かいルールがあったり。

自分の旅には向いていませんでした。

全て世界を見た後でもう一度行ってみたい所を点で繋ぐには良いかなあと思っています。







■まっきーへのレスポンスより


おお!沖縄住人のまっきー!

あまり慣れないのもそれはそれで良いことだよ。

早く仕事が終わったらシュノーケリングというのがエクセレント。

海に潜ってどんどん泡盛飲んで下さい。

タヒチの物価も高かったけど、俺はオーストラリアがより辛かった。

ピーマン=4ドル。

ふざけんな。ブラジルだったら40個買えるぞ。

コインランドリー=3ドル。

ふざけんな。アルゼンチンだったらワイン1リットル&ステーキでお釣りが来るぞ。

極めつけはエアチケットのTAXが200ドル。

まあ、単純な比較は出来ないし、そこで生活している人も払っている訳だから

しょうがないのだけど、実際痛かったな。

まっきーのように10ドルで飛んでみたいよ。

俺がコザで話した基地のアメリカ人達は大きなストレスを抱えていて痛々しかった。

兵役が終わったばかりのイスライリーの旅先での破目の外し方を見ても

相当なプレッシャーを受けているのだと思うよ。

フェンスの向こうはアメリカだね。







■エトウさんへのレスポンスより


ひさしぶり!

静かな振動を見てくれてありがとう!

ブログの「笑顔」も読ませてもらいました。

話したことを憶えていてもらえて嬉しいな(自分では忘れていた)

笑顔もその逆も他人に移るからね。

不機嫌な顔をして歩いているだけで世間に迷惑をかけていると思った方が良い。

バリに来て見かける日本人が更に増えたのだけど、良い顔をしている人は思いのほか少ない。

日本の人はこんな強張ったような顔をしているんだと軽いショック。

周りには素晴らしい笑顔と親切がゆったりと溢れているのに、

土産屋の物色や自分のことばかりに一生懸命。

まだまだ旅は続けるのだけど、その延長線上にある自分の仕事が見え始めている。

楽しんでこそ旅。

楽しんでこそ人生。

少し前までいたロンボク島の小島は、水道もシャワーも塩水だし

食事の選択肢もないし、ネットも出来ないし、蚊にも刺されまくったのだけど

たくさんの素晴らしい笑顔を見せてもらって、おかげで俺は笑顔で旅が出来ています。







■ユリコさんへのレスポンスより


ウエルカムバック!

元気になったようで良かった。

ある状態から抜け出せなかった(抜け出さなかった)のもユリコさんだし

そこに行ってしまった(行った)のもユリコさんで、

今、此処に来たのもユリコさん自身なのでしょう。

人生の主人公はいつも私自身で、作者も私自身。

良くも悪くも、決して自分自身からは逃げ出せない。

ユリコさんが苦しんで到達した地点。

いつでも、ここからです。

いつでも、これからです。

繰り返すこともあるでしょう。

強いことも弱いことも高貴なことも愚かなことも全て人間の営み。

俺は俺の旅を続けます。

ユリコさんも旅を続けて下さい。

同じひとつの旅です。

もっと自由で良い!

もっと楽しんで良い!

もっと笑ってもっと泣いて良い!

俺はそう思います。







■みにみにさんへのレスポンスより


きっと上海でも相変わらずでやってることと思う。

そこは凄いスピードで動いてる街だという印象がある。

バンコクの変化も凄い。

ウブドでさえ大きく変わった。

アジアの変化は、人々の勤勉さを象徴している。

南米の人々を見ているとずっとあのままなんじゃないかと思ってしまう。

ただグローバリゼーションによる均一化の波はどんな場所にも訪れていて

早く世界を見ないとという思いが確実に俺の中にはある。

中国もそんな国で特にラサ、昆明、大理、麗江に行きたい。

上海からは南京、蘇州、杭州へ足を伸ばせればと思っている。

やっぱ餃子は水餃子なのかな。

美味い焼き餃子が喰いたい。

それでは、いつか、上海で再見!







2005年7月20日 ウブドより


「DO YOU HAVE A JAPANESE WEAR・・・KINOMO?」

ウブドの田圃を歩いています。

時々お茶をいただき色々な話をします。

ある女性(同い年くらいか?)との話。

インドネシアでは日本のドラマをいつも放送しているのだそうです。

彼女は「おしん」と「東京ラブストーリー」がとても好き。

(カンチ!と目がハートになっていました)

彼女の質問に「着物は持っていない」と答えるととても驚いていました。

日本人はみんな着物を着ているのではないのかと。

「だって東京ラブストーリーでは誰も着てないでしょ。

あの服装が今の日本で、おしんは昔の話」

バリには至る場所にヒンドゥー寺院があり毎日のようにお祭や儀式があります。

その度に多くの人がバリのKIMONOとも言えるサロンを身に付け着飾って集まります。

ほとんどの家の中(庭)にも寺院があり、一日に数回、お供えと祈りが捧げられます。

その祈りの際もやはりサロンを着て綺麗に着飾ります。

バリは宗教を中心に生活が動いている場所です。

カンチ・ハートの彼女は日本でもバリと同じように毎日お祈りや宗教儀式があり、

その際にみんなが着物を着ているのだと思い込んでいたようです。

やはり人は自分を中心にして世界を見るようです。

コミュニケーションはお互いのことを知ることから始まります。

「歳はいくつなんですか?」

38歳という実際の年齢を話すとほとんどの場合驚かれます。

26から28歳くらいと思っている方が多いようです。

宿の部屋が隣の女性(日本人)に年齢を聞き返すと「16です」との返事。

これには驚くというよりも単に冗談だろうと思いました。

しかし、よくよく聞いてみるとホントの事でした。

現在、彼女はバリに来て10ヶ月。

来た時は15歳で、来ることがイヤでイヤで仕方がなかったのだそうです。

当時、中学生だった彼女は、学校へも行かず遊びまわるだけの、どうしょもない不良。

見かねた父親に引きずられるように空港に連れて行かれ、

日本を離れた経験もないまま、ひとりバリに放り出されたそうです。

イヤで仕方が無かったバリの生活も好きになり

これからこちらの大学に入り、インドネシア語を学び、しばらくはバリで働きたいとのこと。

この10ヶ月で別の人間に生まれ変わったようですと語る彼女は

16歳とは思えないほどしっかりしていて、はっきりした自分の軸を持っています。

今、それぞれが立っている場所が世界の中心です。







■たけなかけんぞうさんへのレスポンスより


おひさしぶりです!

思い出していただいて、またサイトに来ていただいて、とても嬉しいです。

はじめにきよしのサイトにも行かせていただきました。

(ポンキッキーズで見かけて以来)

はじめさん、きよしさん共々、そして、それぞれに独自のペースとスタンス。

相変わらずの御活躍、自分のことのように嬉しく思いました。

正確に耳に届く「音」と胸を打つ「音」は違う。

スタッフ日記に書かれた震災以来忘れられていたピアノの話も凄く良かったです。

ホントはじきよらしい。

4thアルバム「楽」も早く聞いてみたい。

「雀の声 雨あがり」「夕暮れ時 豆腐屋が通る」など曲名だけでも良いですね。

たまらん。

ハピネス・ウィズ・リラックス。

日本の夏の夕涼みにも「はじきよ」は合いそうだなあ。

たけなかさんのような大先輩がフットワークも軽く楽しんで生きてること。

その存在だけでも大きな旅の励みになります。

お元気で歩み続けられること旅の空から御祈り致しております。


■ハピネス・ウィズ・リラックス:http://www1.u-netsurf.ne.jp/~silent/a-world-0195-taiyou.htm







2005年7月25日 ジョグジャカルタより


南海に国あり

名づけてジャヴァと言う

地肥え人豊かに風雨時を以ってし、また人界の楽土と称せらる

千余年の遺跡なお観るべきものあり

その最たるものをボロブドゥルと言う

バリ島からジャワ島へやって来ました。

早速、世界3大仏教遺跡であるボロブドゥールへ行って来ました。

壮大な石造遺跡に彫られたレリーフが生々しく躍動していました。

3構造からなる遺跡は天界・人界・地下界からなる宇宙を象徴しているのだそうです。

今はジョグジャカルタにいます。

此処はインドネシアの古都なのだそうですが、ずいぶんと賑やかです。

屋台で3500ルピーのミーアヤム(鶏そば)を食べて、

10000ルピーで会計を済ませ、

後でポケットに入れたお釣りを見ると中にあったのは2500ルピー。

5000ルピー札と思い込んでたのは1000ルピー札でした。

ひさしぶりにお布施をしてしまった。

欲望渦巻く人間界。

涼しい顔で歩いてゆきたい。







男有り

志を立てスサメリカに行く

心の赴くまま南に向いヒトに出会い、その有りようを楽しむ

大洋を渡りてヒトの行き来し道を遡る

今ジャワに至りテその豊穣な恵みを味わうことこそ幸いなれ

我この小さき土地に柵に囚われしもこの男の話し聞く事無常の喜び

まさに我が心の世界にこそあれば


by Qvixote del Pescamercado







■キホさんへのレスポンスより


いやいやいや。

勿体無いというか恐縮ですというか。

素敵な頌歌をありがとうございます!

旅を一緒に楽しんでもらえたら、こんなありがたいことはないですよ。

志なんでしょうか。

インドネシアの人や外国人旅行者とは英語がメインの会話になるのですが

長く旅をしていることに対して「ホワイ?(なぜ)」と聞かれることが多い。

相手の求めている返答と違うことは分っているのですが

「ビコーズ・アイ・ウォント・トゥ・トラベル(旅がしたいから)」としか答えられない。

もともと目的が無いのが目的のような旅。

それでもかけがえのない過ごした時間があり、流れてゆく先がある。

全ての風景は命の営み。

毎日、味の素がたっぷり入ったミーアヤムを味わっていますよ。

いやいやいや。

ホントその場所に実際に行くことによってしか味わうことの出来ない何か、

肌を通して世界が体内に沁み込んできているような気がします。

アイ・アム・ザ・ワールド。

ただ行ってみるということを大切にして旅は続きます。







■やじまくんへのレスポンスより


相変わらず仕事に旅に忙しい時を過ごしているね。

やりたいことがたくさんあって良い良い。

アジア(特にバリ)で見かける日本人の多くも忙しそうだよ。

日本人ってこんな感じだったなあと他人事のように思いつつ

ずいぶんと遠くまで来てしまった自分を感じる。

今泊まっている宿の近くのカフェは

13時から20時までがハッピーアワー(ビールが安くなる時間帯)

昼の暑い時は文庫本を友にビンタン祭。

22時からはアンディがベースを弾くレゲエバンドのライブがあるけど起きていられない。







■つじの夫妻へのレスポンスより


オラ!アミーゴ!

うーん、この気安さが懐かしい。

俺もラパスもルレナバケも好きだなあ。

ルレナバケに着くとぐっと気温が上がってビールが素晴らしく美味く感じた。

標高も下がって体も楽だし。

俺はアナコンダも見れたのだけど嬉しかったのはカピパラだった。

街の規模からしてジョグジャカルタの騒がしいのはしょうがないと思うのだけど

毎朝4時に大音量で始まるコーランはなんとかならないのだろうか。

せめてあと1時間遅くしてくれって感じ。

いよいよマチュピチュだね。

この時期は日本からの短期旅行者も多いので話してみると新鮮で面白いよ。

やっぱ南米までやってくる奴は旅に対する思い入れが違う。







2005年7月28日 ジョグジャカルタより


「どこ行きますか?」

「元気ですか?」

「ジャパン?」

「トランスポート?」

「ホォエアー・アー・ユー・ゴー?」

「アパ・カバー?」

「ジャパン!」

「あじのもとー!」

「どらえもーん!」

「チンピラ!」

宿を一歩出ると様々な声がかかります。

アジアに入って増えたのが「ナカタ!」

日本のテクノロジーは凄い、日本はアジアのリーダーだ。

アジアには日本に対して好意を持っている人も多く、

「ナカタ!」には、そんな気持ちもちょっぴり入っているように感じます。

南米で頻繁に言われていたのは「ジャッキーチェン!ブルースリー!」

アジアに入ってからは全く聞こえなくなりました。

民族(地理)が近くなったので見分けがつくのですね。

この旅で一番イヤだったことは道を尋ねるため声をかけた時、

全く存在してないかのごとく無視されたことです。

(忙しい、面倒くさいは良く分るのですが)

(こういうケースは英語圏で多いように思う。日本も似たような状況ではないか)

そんなこともあって、かけられた言葉には、出来る範囲で返事をするようにしています。

「どこ行きますか?」「どこ行こうかねー」

「ホォエアー・アー・ユー・ゴー?」「ミー・アヤム!(鶏そば)」

「アパ・カバー?(元気ですか)」「バグース!(最高)」

「チンピラ!」「うるせー!」

かなり適当な受け答ですが、続けるにはそれなりのパワーが要ります。

「トランスポート?トランスポート?」

多い時は3メートル歩くごとに声がかかります。

ほとんどの旅行者は無視しています。

相手は商売ですし、こちらも疲れてる時は、うるさくも感じます。

「トランスポート?」

「ノー、アイ・ウォント・トゥ・ウォーク、テリマカシ(ありがとう)」

「サマサマ(どういたしまして)」

立ち止まって相手の目を見て、必要ないことを伝える。

そして、声をかけてくれたことに対してお礼を言う。

「サマ・サマ」と返事があった時は、何だか温かいものを感じました。

「ミリオテ」(君、ここにいるね)

「ミリオネ」(うん、ここにいるよ)

これは旅を始めた当初出会ったトツィル族(マヤ系インディヘナ)の

「こんにちは」に相当する挨拶です。

明日、クアラルンプール(マレーシア)へ飛びます。

そうそう

「おはようございましたか?」

と聞かれたので

親指を立てて

「ございました!」と答えました。







■やじまくんへのレスポンスより


インドネシアの次はシンガポールへ飛ぼうと思っていた。

シンガポールからマレー半島の東側を上がろうと思っていた。

ジョグジャカルタの旅行代理店で「シンガポール行きの安いのある?」と聞いてみる。

(実際には空港でチケットを買おうと思っていた)

まず返ってきた返事が「クアラルンプールなら120ドルであるよ」

「あ、じゃそれにします」と即答。

マレーシア・インをクアラルンプールにしたので、どう動くかノープラン。

2年くらい先までの大きい予定(希望)はあるけど、今日の予定が決められない時もある。

世界地図(現在唯一のガイドブック)を広げて、何処に行こうかあれこれ考えるのは最高に楽しい。

「次、何処に行くの?」は旅人同士の挨拶代わり。

只、今後の予定を、この掲示板ではなるべく明かさないようにしてるんだ。

次はどこに行くのかなあと地球儀や世界地図を見ながら

想像することを楽しみにしてくれてる人もいるので。

質問には答えられるので良かったらメールを下さい。

よろしくお願いします。







■ライター浅野智哉へのレスポンスより


確かに大きな風景を前にした時は、無常の宇宙を感じるなあ。

地球が刻んできた時間の流れの大きさは途方も無い。

それに対して自分が生きることの出来る命の有限さ。

一瞬の夏に命を燃やす蝉もいる。

全ての命の儚さの中に無限の宇宙を感じて一瞬の命をどう生きるか。

そこに線を引いたのは誰だ。

自然に逆らい、神を利用して、自らの都合でのみ線を引いたのは誰だ。

しかし、また、そうせずにいられないのも人間だ。

今過ごしているこの一秒の中にも宇宙は全部入っている。

踏み出す一歩が境界を無化する旅そのものなんだね。

明日、国境を飛び越します。