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朝の時間をガンジス河で過ごして、少し気分が良くなった。
今日こそは、何か食べないと。
普通に食べられたのは、27日の夜の食事。
もう3日前の事だ。
それ以来、ほとんど食べてない。
これだけ、食べられなくなったのは、初めてだ。
「食べる」という行為の大切さが身に沁みる。
食事が出来る店を探し、繁盛してそうな店に入る。
一人で食事をしている日本人に同席させてもらう。
彼が食べていたラーメンが、さっぱりしてそうだったので
ねぎラーメンをオーダーする。
インドではラーメンは日本食としてメニューに載っていた。
インスタントのチキンラーメンにスパイスを効かせたような味。
結構おいしく、全部食べた。
ただ、ねぎは入ってなかった。
ザッツ・インディア!
キャベツが少々。
少し元気は出たが、腹痛・下痢は相変わらずだ。
熱も下がってないようだ。
夕方まで宿で休もう。
バラナシは頻繁に停電がある。
不定期に一日4〜5回。
5分くらいで終わる時から、長いときは3時間。
停電になると当然エアコンは停止する。
部屋の温度は急上昇。
そのたびに目が覚める。
下の階からは、おばあちゃんが怒り出す声が聞こえてくる。
あの温和そうな、おばあちゃんは
停電のたびにオーナーである、大きな息子を叱る。
30分もすると部屋の温度は外気と同じくらいになる。
吹き抜けで、風が通るロビーに降りる。
さっきまで怒っていた、おばあちゃんが
にっこり笑いかけてくれる。
ミネラル・ウォーターを飲みながら
従業員がチェスをしているのを眺める。
ガンジス河での情景を思い出す。
悠久の流れと静寂の中、祈りを捧げる人々。
やさしい風に吹かれ、穏やかな時間の一部となっていた。
一方、街を歩けば、ずけずけとやってきて
平気で人をだまし、1ルピーでも多く奪おうとする奴らがいる。
同じ民族とは考えがたい隔たりがある。
実際、だましたりする奴らは、ほんの一部なのだろう。
自分が旅行者であるために、そんな奴らばかりが寄ってくるのだ。
インド人はやさしい親切な人達だと思いたい。
そんな人達にも出会ったし、きっと、そうなのだ。
  
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