祖母の部屋を離れ、台所の奧のテーブルで両親と話す。

祖母は、2月くらいから歯が痛くなり、食事が出来なくなった。

歯の治療が済んでからも、食べられない。

そうこうしている間に、寝込むようになってしまった。

検査の結果、癌であることが分かった。

90歳の体力では手術も出来ない。

あと、ひと月の命。

「おばあちゃん、癌であること知ってんの」

「それが本人が聞いたんだよ。先生、私、癌なんですかと。

すぐに、違うよ、そんな事ないよ。と言ったんだけど」

「そうか、分かってるのかもね」



みんな、祖母のことを、100歳まで大丈夫なんじゃないかと思っていた。

それくらい、元気だった。

あんな、元気だった、おばあちゃんが・・・

それも、ひと月の命とは・・・

どうしたら良いのだろう・・・

何かしてあげられる事は無いのだろうか・・・

代われるものなら、代わってあげたい。