ヒゲよさらば〜序

「ヒゲよさらば」、第一回 (初出 2002/9/22)

私はヒゲが濃い。
と言うと、そんなことはないと思われる読者がほとんどであろう。
しかし否定されようが肯定されようが、敢えてここに告白しよう。
「私はヒゲが濃い」、と。
そしてこの事実は私の人生に大きく影響し、また密接に関わっている。
私の場合、人生の考察はヒゲの考察抜きにはありえず、よって私は約28年間、絶えずヒゲについて考えてきた。
しかしそんなことに私の貴重な時間を費やしていってよいものだろうか。
そんなことをしている暇があったら、大学のレポートや卒論に、あるいは散歩や昼寝や暇つぶし等に時間を割くべきではなかろうか。
そこでこの場を借りてヒゲについての考察を極め、結論を出し、「ヒゲの考察」ときっぱり決別しようというのが本稿の狙いである。

まずはヒゲが濃いことのよい点と、悪い点を考えてみよう。


「ヒゲよさらば」、第二回 (初出 2002/9/23)

長所・短所、メリット・デメリットを列挙することは、何か決断を下すとき、あるいは何かを判断するときに、非常に有効なメソッドとなりうる。
所謂「pros and cons(賛否)」のリストアップという、一種の意志決定・価値判断のプロセスであり、より客観的に判断するための手段と言える。

ここで私は「ヒゲが濃いこと」に関する長所・短所、メリット・デメリットを以下において挙げていくわけであるが、その前に必然的に不可避的に一つの問題にぶち当たるのである。
すなわち「長所を先に挙げるか、それとも短所を先に挙げるか」である。

私は先に短所・デメリットを挙げていきたい。
そしてその理由には、私のヒゲに対する姿勢、価値観が背景にあるということを理解してもらいたい。


「ヒゲよさらば」、第三回 (初出 2002/9/24)

長所よりも先に短所を挙げていこうとする理由は、私がヒゲに対してポジティブである、あるいはあろうとしているという、まさにその点にある。
このことは次の例文を見ればすぐに理解できるだろう。
例えば、「たいがはスケベであるが浮気はしない」という文があったとする(注:実在の人物とは何ら関係ありません)。
この場合、先にきた「スケベである」ということよりも、後にくる「浮気はしない」ということが言いたいことである。
逆に、「たいがは浮気はしないがスケベである」と言った場合(注:実在の人物とは何ら関係ありません)、「スケベである」ということに重点を置いているのである。
このように、内容(言語学的に言うと意味論的観点から見た「命題内容」)が同一であっても、「何が言いたいか」は、先に述べるか後に述べるかによって変わってくる。

私はヒゲについてポジティブでありたい。
このコラムはその態度表明でもあるのだ。
よって短所を先に挙げ、短所よりも強調したい長所は後に挙げていく。

短所を先に挙げる理由をここまでで説明した。
わざわざ二回分も使って説明したが、それほど重要なことであったということもまた付言しておきたい。
二回分も使ったのは「字数かせぎのため」とか、「ヒゲについて書くネタがないから時間稼ぎするため」とか、「ちょっとじらしてみてアクセスカウンタを回転させるため」ではないかと考える人がいるかもしれないが、それは邪推というものである。

では早速(といってもネタがなかったのとカウンタをあげるために二回分も遅くなってしまったが)ヒゲの短所から挙げていってみることにしよう。

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