タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

>>バックナンバー >>ドラマ別レビュー



『ご近所探偵TONOE』

制作:内藤敏雄、武藤克彦
企画:浜野隆、尾越浩文、柊田亮造
プロデュース:伊藤満、他
ディレクター:鬼頭理三
監督:堤幸彦
脚本:小原信治
原作:戸梶圭太「ご近所探偵TOMOE」
音楽:見岳学、武内享
主題歌:「ポルターガイスト」小嶋麻由美
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作:TIMESIM、WOWOW、ポニーキャニオン、カルチュア・パブリッシャーズ
出演:野波麻帆、宮藤官九郎、石橋蓮司、銀粉蝶、原知佐子、IZAM、麿赤兒
   浜丘麻矢、武内享、浜崎貴司、他

期待して見たWOWOWの「ドラマW・第2弾」。
民放地上波ではできないことを、という気持ちは分かるけど、
堤幸彦が思いっきり遊び過ぎた。

自由にやらせるのも考えものだな。

             採点  4.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆



『みにくいアヒルの子』  涙の再会スペシャル

企画:小林義和
プロデュース:保原賢一郎、多治見薫
演出:林徹
脚本:水橋文美江
音楽:石田勝範
主題歌:「君を忘れない」松山千春
制作:フジテレビ
出演:岸谷五朗、常盤貴子、原田泰造、大杉漣、田口浩正、小倉久寛、升毅、
   あめくみちこ、東根作寿英、江川有未、伊藤淳史、小出由華、浜丘麻矢、
   大村彩子、大野紋香、印部良、田中巧、高橋由衣夏、江成大輝、佐々木和穂、
   杉田まいと、渋谷桃子、関根直之、佐々木恵理、鳥居紀彦、増岡優、吉田和彦、
   秋山理美、渋谷泰蔵、竹島由夏、大平麻衣、森田夏姫、森安加代子、他

連ドラから7年、
前回のスペシャルから5年、
まったく雰囲気は変わっていなかった。

内容的にもただの記念碑的な側面だけじゃなくて、
北海道での“卒業しても先生でいられるか”という問題と
東京でかつての教え子たちと再会したエピソードをうまく絡めて、
単発モノとしても十分に見ごたえがあった。

ガースケ(岸谷五朗)とマチャコ(常盤貴子)の絡みを
もっと見たかったという気持ちもあるけど、
先生と生徒に焦点を絞った構成は良かったと思う。

残念だったのは、
かつての教え子が全員集まらなかったこと。
やっぱり末永遙はムリだったか。

奇跡の美少女だった大野紋香が出たのはうれしかったけど、
やっぱり昔の輝きはなかったな(笑)

このドラマの美和子役よりも
「ウゴウゴルーガ」のルーガちゃんの方が有名な小出由華も18歳。
彼女が一番いい感じで大人になっている。
しっかりアイドルをやって欲しい感じだ。

果たしてこのドラマに次回はあるのか?
ガースケとマチャコが結婚してない以上、
またいつかやって欲しい。

             採点  7.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★★☆
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★★☆☆



『女将になります』  第1週「夢みつけた」

制作統括:内藤愼介、佐野元彦
プロデュース:大山勝美
演出:堀川とんこう
脚本:小松江里子
原案:「旅館の女将に就職します」倉澤紀久子
音楽:沢田完
主題歌「元気を出して」島谷ひとみ
制作:NHK、NHKエンタープライズ21、カズモ
出演:酒井法子、高橋恵子、小林稔侍、山本太郎、中山忍、持田真樹、
   松井涼子、大谷みつほ、河相我聞、西尾まり、木内晶子、大河内浩、
   塩沢とき、田村たがめ、椿真由美、上原真希子、小林美江、鯨エマ、
   野村五十鈴、豊川栄順、稲生雅美、他

NHK深夜の連ドラ、新シリーズ。
実在する女将養成学校のノンフィクションをドラマ化したもの。
ドラマの作りとしては新しさが感じられず、
出だしはかなりキビシイ印象だった。

ただ、酒井法子はやっぱり芝居のカンがいいし、
高橋恵子の女将姿も色っぽい。
本格的に女将塾が始まる第2週以降に期待してみよう。

木内晶子にも女将塾の生徒側に入って欲しかったな。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『女将になります』  第2週「マニュアルなし」

演出:堀川とんこう
脚本:小松江里子

バカみたいに何も知らない塾生や、
塾生同士のお決まりの対立など、
ドラマの外枠となる部分が単純すぎ。

後半、人間ドラマが垣間見られるようになってからは
多少面白く感じられたけど。

もうだいたい出来は分かっちゃったな。
新シリーズ1作目なら
もう少し作品を吟味して欲しかった。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『女将になります』  第3週「ライバルは女」

演出:和田旭
脚本:小松江里子

最初の脱落者のひとりが田村たがめだった。
いろんなドラマで引っ張りだこだもんな。
他のドラマの収録に行ったんだ、きっと(笑)

で、肝心なこのドラマの中身は、
ありふれたエピソードの連続でまったく盛り上がらない。
演出も古くさいし。

しょうがないか。

             採点  5.0(10点満点平均6)




『女将になります』  第4週「逃げ出したい」

演出:和田旭
脚本:小松江里子

中山忍の英語はまあいいとして、
他の塾生はセリフをつっかえても
そのままオンエアしちゃってるぞ。

ストーリーもコテコテだしなあ。
いいのか? このシリーズがこんなことで…。

あ、そういえば
昨年度の第一シリーズ「真夜中は別の顔」も
こんな感じだったか。

じゃあいいや(笑)

             採点  5.0(10点満点平均6)



『女将になります』  第5週「ピンチは続く」

演出:堀川とんこう
脚本:小松江里子

ここまでやるか、というくらい
大衆的なコテコテの展開。
やれやれだな。

塾生だけじゃなく、
女将(高橋恵子)までバカっぽく描いてるよ。

しかもこの手のドラマは、
最後はすべてがまるく収まるようになってるんだよな。

もうお約束にまっしぐらだけど
最後まで見るか。

             採点  4.0(10点満点平均6)



『女将になります』  最終週「塾生からの旅立ち」

演出:堀川とんこう
脚本:小松江里子

まあ、こんなもんか。
実際に最後まで残ったのは3人だけ、
という部分はリアリティーがあったけど、
全体的な描き方は一貫してショボかった。

とくに大女将(塩沢とき)の変わり様はひどかったなあ。
ストーリーもなにもあったもんじゃない。

あと、オープニングに何でダンスをしてるのかは
最後まで分からなかった。
意味はないとは思っていたけど、
今思えば最初から安かったんだよな。

ただ、高橋恵子にしても酒井法子にしても
着物姿はみんな美しかった。
このへんの所作はきちんとしていて良かったと思う。

それくらいだな、このドラマは。
次のシリーズに期待しよう。

             採点  4.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★☆☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★☆☆☆☆
                  話題性 ★☆☆☆☆

           平均採点  4.92(10点満点平均6)



『ちゅらさん2』  全6回

制作統括:菅康弘
演出:大友啓史
脚本:岡田惠和
音楽:丸山和範
主題歌:「琉球ムーン」国仲涼子
制作:NHK
出演:国仲涼子、小橋賢児、堺正章、田中好子、平良とみ、山田孝之、ゴリ、
   山口あゆみ、佐藤藍子、菅野美穂、小西真奈美、余貴美子、村田雄浩、
   丹阿弥谷津子、北村和夫、真野響子、藤木勇人、沢詩奈々子、戸田恵子、
   清水ミチコ、川田広樹、鈴木翔吾、宮良忍、前原絵理、鮎川誠、川平慈英、
   香川京子、山本學、谷隼人、辺土名一茶、奥本健、玉城幸也、山里勇吉、他

「私の青空」に続き、朝ドラ2度目の続編。
スケジュールの都合で別撮りの出演者もいたけど、
ほぼレギュラーメンバーが揃っての続編となった。

賑やかな雰囲気と全体のトーンは朝ドラ本編のまま。
よくこれだけの人数をまた集めたな、という感じだった。

ただ、その人数がネックとなって、
全6回では個性豊かな脇役それぞれに
スポットを当てるのは不可能になってしまった。

つまり、物足りなかった、
というのが率直な印象。
1クール(3ヶ月)の連ドラにするか、
涙をのんで出演者を減らした方が、
作品としての質は高まったかもしれない。

柴田(村田雄浩)の“似ている!”シリーズを引っ張り過ぎていたり、
恵尚(ゴリ)の実の父親(谷隼人)のエピソードが
あっさり終わってしまったりと、不満点も多い。

じゃあ、見たくなかったのか、
というのとそんなことはなくて、
やっぱり「ちゅらさん」の世界観は微笑ましい。
また機会があったらぜひやって欲しい。

             採点  6.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★★★
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★★☆☆




『女神の恋』  第1週「吉子さんのバカンス」

制作統括:佐野元彦
演出:柴田岳志
脚本:田渕久美子
音楽:本間勇輔
主題歌:「元気を出して」島谷ひとみ
制作:NHK
出演:松本明子、山口祐一郎、辰巳琢郎、愛華みれ、高木ブー、
   国分佐智子、中野勇士、他  前田美波里(ナレーション)

松本明子、NHK初出演作。
自分らしい生き方を忘れていた主人公が、
ひとりの男性との出会いの中で
本来の自分に目覚めていくラブ・コメディー。

松本明子のコメディーは普通でも秀作が多いけど、
今回は相手役の山口祐一郎が抜群にいい。
かなり期待できそうだ。

あと、本間勇輔の音楽がかなり作品を盛り上げていて、
主題歌との相性もいい感じ。

大半のシーンがコテージの中で繰り広げられる
シチュエーション・コメディーっぽい作りになるようなので、
松本明子と山口祐一郎のバトルをじっくり楽しみたい。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『女神の恋』  第2週「恋の貧乏神」

演出:柴田岳志
脚本:田渕久美子

ちょっとテンポが悪いかなあ。
ていうか、段取りをさらに細かく決めるべきなのか。

もっと面白くなりそうなので、
スムーズに流れるように工夫してもらいたい。

設定としては十分にドラマティック。
笑わせて泣かせてもらいたい。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『女神の恋』  第3週「星に涙の夜もある」

演出:勝田夏子
脚本:田渕久美子

星空の下での父子の会話は良かった。
倫伝(中野勇士)がわんわん泣くシーンは
思わずもらい泣きしてしまったし。

その後も末吉(松本明子)が
こっぴどくフラれる展開があったりして
この第3週はかなりシリアスな場面が多かった。

第4週はまた宮崎に舞台が戻る模様。
期待してみよう。

             採点  6.0(10点満点平均6)





『女神の恋』  第4週「恋の復活祭」

演出:勝田夏子
脚本:田渕久美子

カッコばかりで心のない男、
辰巳琢郎にぴったりだな(笑)

展開としてはかなりお約束になりつつあるけど、
最後まで松本明子と山口祐一郎のやり取りを楽しもう。

もっと倫伝(中野勇士)が絡むと思ったんだけどな。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『女神の恋』  最終週「吉子さんの吉日」

演出:柴田岳志
脚本:田渕久美子

最後は微笑ましくまとめたけど、
全体的には予想よりのっぺりとした作りだった。
たぶん、15分×4日(月火水木)×5週というのは
構成が難しいんだろうな。

ハッキリ言えば
もっとエピソードを詰め込んでも大丈夫だった。
田渕久美子は朝ドラも書いたことがあるんだから
もう一回やったら相当良いものができそうな気がする。

まあ、松本明子と山口祐一郎の
ラブコメディーという企画自体は
十分に楽しめたけどね。

             採点  6.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  6.20(10点満点平均6)






[ロビー田中の自己紹介]

[トップへ]