タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『エースをねらえ!』 1/15〜
テレ朝系 木曜9時  期待度 ★★★☆☆

30年前に連載がスタートし、
一大テニスブームを巻き起こした
伝説コミックのドラマ化。

上戸彩が岡ひろみを、
松本莉緒がお蝶夫人を、
内野聖陽が宗方コーチを演じる。

コミック原作ならテレ朝という図式はあるけど、
今回はメイン演出も松田秀知で、
共同テレビ主導になる模様。

「ガラスの仮面」のような作品にはならないかもしれない。
とりあえず初回は要チェックか。




『エースをねらえ!』  STORY 1

チーフプロデュース:松本基弘、関口静夫
プロデュース:三輪祐見子、森安彩
演出:松田秀知
脚本:瀧川晃代
原作:山本鈴美香
音楽:住友紀人
オープニングテーマ:「エースをねらえ!」HIROMI
エンディングテーマ:「愛のために」上戸彩
制作:テレビ朝日、共同テレビ
出演:上戸彩、吉沢悠、松本莉緒、内野聖陽、酒井彩名、石垣佑麿、
   柏原収史、金子さやか、森田彩華、甲本雅裕、高橋ひとみ、
   高橋克実、塩山みさこ、平岩紙、若葉由奈、他

思ったより良くってよ(お蝶夫人風)

原作のイメージとは違うけど、
上戸彩がヘンに作り込まず、
自然にやってたのはむしろ好印象だった。

ただ、吉沢悠、柏原収史、平岩紙あたりが24〜25歳なので、
21歳の松本莉緒(お蝶夫人)が若く見えてしまったのが難点。
みんな高校生役なのでおかしな話だけど…。

あとはやっぱりテニスのプレーか。
ウソみたいなファインショットはCGを使うからいいとして、
ヘタなプレーは演技しないといけないから難しい。
しばらくはこれが気になるかもしれないな。

全体的なテンポはいい。
とりあえず細かいことは気にせず
このまま突き進んでよくってよ(お蝶…)

             採点  6.5(10点満点平均6)




『エースをねらえ!』  STORY 2

演出:松田秀知
脚本:瀧川晃代

おもろいなあ〜。
じゃなかった、おもしろくってよ。

ガンガン話が進むんだけど、
逆に見せ場が満載でダレない。
…ダレなくってよ、か。

CG込みのテニスシーンは
ハッキリ言ってショボイんだけど、
全体のテイストを考慮すればたいして気にならないし。

でもなるべくなら引きの絵より
寄った絵を多様した方がよろしいんじゃないかしら。
加賀のお蘭(酒井彩名)が練習している時の最初のサーブなんて
かなり迫力があったとお思いにならない?

でも、音羽京子を演じる金子さやかと
フジのアナウンサー・内田恭子の区別が未だにつかない私には
そんなこと言う資格ないのかしら…。

、、、_| ̄|○ ガクッ

負けないで、ひろみ。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『エースをねらえ!』  STORY 3

演出:六車俊治
脚本:金杉弘子

新聞部の記事は新聞じゃなくてHPで発表されるのか。
時代だなあ。
でも、藤堂(吉沢悠)のおやつはリンゴなんだね(笑)

“そこにボールがある限り、お前の足は動く!”みたいに
この作品は完全なスポコンなんだけど、
お蝶夫人(松本莉緒)の細かい心情まで描かれているようなところがいい。

松本莉緒はホントにいいよ。
今、こんなに暖炉の前が似合う女優がいるか?

いなくってよ、ひろみ。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『エースをねらえ!』  STORY 4

演出:小林義則
脚本:高山直也

今回はかなり泣けた。
お蝶夫人(松本莉緒)だけでなく、
音羽さん(金子さやか)の気持ちもよく描けていて。

しかし見れば見るほど見事なキャスティングだよな、
尾崎(石垣佑麿)以外は。
お蝶夫人と尾崎の絡みがもっと良くなれば…、
と思うと残念だ。

しばらくは“わたくし、頭痛がするので失礼します”とか言って
早退する女子高生やOLが急増しそう。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『エースをねらえ!』  STORY 5

演出:六車俊治
脚本:瀧川晃代

さすがお蝶夫人(松本莉緒)、
合宿所でも優雅なお姿だ。
しかし、どんな大荷物で参加したんだろう。
ちょっとした引越だったろうな(笑)

今回の見どころは
やっぱり宗方コーチ(内野聖陽)の浴衣の柄?(笑)
ちゃんと蜘蛛の巣だったよ。
素敵なドラマだなあ。

藤堂(吉沢悠)がひろみ(上戸彩)を呼び出して話すシーン、
最後に“じゃ、失敬”って言って!と思っていたら、
“握手しよう”だった。
それはそれでウケたな。

さあ、もう世界に挑戦だ!
早い、早い!
青春ってホントにアッという間だ。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『エースをねらえ!』  STORY 6

演出:小林義則
脚本:高山直也

緑川蘭子(酒井彩名)がテニスコーチにバイクではねられる、という
笑うに笑えない事故のニュースが飛び込んで来て心配したものの、
どうやらドラマの収録は予定通りに参加している模様。

酒井彩名は今回もいい味だしてたしな。
何とか最後まで頑張って欲しい。

で、今回はひろみ(上戸彩)の
メンタルな部分にスポットが当たったストーリー。
お蝶夫人(松本莉緒)に
“恥を知りなさい!”とまで言われてしまった(×_×)

でも、見どころはそのへんだけだったかなあ。
今までの流れからすると
ちょっとスピード感に欠けた感じ。

また次回以降に期待しよう。

             採点  6.5(10点満点平均6)





『エースをねらえ!』  STORY 7

演出:松田秀知
脚本:高山直也

前半はまた恋愛絡みの話で
ドラマ全体としてはややスピード感に欠けた感じ。

藤堂(吉沢悠)が自分はまだまだだな、
みたいなことを言った時は、
高校生なんだからいいんじゃないの? と、
思わず突っこんでしまったし。

そして水野真紀が姉役で出てきた時には
1時間早いよ! と、冷静に突っこんでしまったし。

でも後半、ひろみ(上戸彩)と緑川蘭子(酒井彩名)の試合後、
2人が握手する場面はちょっとグッときた。
やっぱりこういうシーンがないとな。

しかし、お蝶夫人(松本莉緒)の出番が少ないと
物足りない気持ちになっている自分は確かにいる。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『エースをねらえ!』  STORY 8

演出:小林義則
脚本:瀧川晃代

ひろみ(上戸彩)、藤堂(吉沢悠)、
お蝶夫人(松本莉緒)、蘭子(酒井彩名)、
尾崎(石垣佑麿)、音羽(金子さやか)…、
それぞれの内面が整理されて、
ひろみ VS お蝶夫人に集中できる状態。
最終回前としては上々の盛り上げ方だった。

墓前での宗方(内野聖陽)と蘭子、
病室での宗方と音羽のシーンはとくに印象的だったな。
宗方の今後を考えると…。

とりあえず最終回はじっくり楽しもう。
細かいことはそれからだ。

じゃあ、失敬(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)




『エースをねらえ!』  STORY 9

演出:六車俊治
脚本:瀧川晃代

吹き替えもあったような感じだけど、
今までで最も迫力ある映像に仕上がった
ひろみ(上戸彩)・竜崎(松本莉緒)戦。

ひろみやお蝶夫人の心情も描きつつ
うまく見せたと思う。

そしてストーリー的には
ひろみと藤堂(吉沢悠)がアメリカに旅立ち、
宗方(内野聖陽)が病室で亡くなるところまで。
…と思ったら、
数年後にひろみがUSAオープンに出場するシーンも加えていた。

回数表記が「LAST STORY」ではなく「STORY 9」だったので、
続編も作る気満々だと思ったんだけどなあ。
でもその気になれば空白の数年間をまた作ることも可能か。
キャストのスケジュールが押さえられればやりそうだな。

ま、ひとつの作品としては
あのラストは全体を引き締めていたと思うので
いい終わり方だったと言っていいだろう。

さて、全9話の全体的な印象だけど、
正直言って後半はやや失速したと思う。
でも、今回読み直したわけじゃないけど、
原作も確かひろみが世界を意識するようになってからは
失速していたように記憶している。

等身大だったひろみが
どんどん手の届かない存在になってしまったのが
感情移入を薄れさせたのかも知れない。

ただ、この作品の最も優れた点は、
テニスをテーマにしたスポコン物語でありながら、
登場人物の人間関係や恋愛感情を
かなり繊細に描いていた部分だ。

今回のドラマも
その部分はきちんと押さえていたと思う。
そういう意味では正しいドラマ化だったと言っていいだろう。

とくにお蝶夫人を演じた松本莉緒の貢献度は高かった。
その得意なキャラクターだけに頼ることなく、
父(夏八木勲)との関係、
ライバル・お蘭(酒井彩名)との関係、
後輩・ひろみとの関係を繊細に演じていたと思う。

いずれにしてもこのドラマは
キャストがみんな頑張ったな。
いつかまた見てみたい。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★★☆☆

           平均採点  6.83(10点満点平均6)





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