タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『ファイアーボーイズ・め組の大吾』 1/6〜
フジ系 火曜9時  期待度 ★★★☆☆

「少年サンデー」に95年から4年間連載された
消防士の活躍を描く社会派コミックをドラマ化。
「ウォーターボーイズ」の山田孝之が大吾を演じるため
このタイトルになった。
ちなみにスタッフは「ウォーターボーイズ」とまったく違う。

共演は、内山理名、小西真奈美、塚本高史、
石黒賢、鹿賀丈史など。
「ビギナー」のミムラも救急隊員役で出演する。

火災シーンは実際の火も使い、
かなりリアルな映像になるらしい。
大きく外れることはないと思われる作品。





『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  1

プロデュース:現王園佳正
演出:武内英樹
脚本:吉田智子
原作:曽田正人「め組の大吾」
音楽:佐藤直紀
主題歌:「ミチシルベ〜a rord home〜」ORANGE RANGE
制作:フジテレビ
出演:山田孝之、内山理名、小西真奈美、鹿賀丈史、石黒賢、ミムラ、
   塚本高史、葛山信吾、温水洋一、モロ師岡、江畑浩規、大島蓉子、
   小出早織、花原照子、嶋田久作、他

火事のシーンはさすがに評判通り迫力があった。
ただ、作り方自体は分かりやすさに徹した単純なもの。
初回ということもあっただろうけど、
もうちょっと工夫して欲しかったな。

め組のメンバーはバラエティーに富んだ役者を揃えているので
うまく描ければここに突破口がありそう。
男っぽい役が似合わない内山理名には
あまり期待できそうもないけど…。

ミムラはとりあえず無難な滑り出し。
緊迫した現場でのセリフが多くなるようだと
ちょっとツライかもしれない。

まあ、もうしばらく様子を見てみよう。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  2

演出:武内英樹
脚本:吉田智子

この分かりやすさ、単純さは
もうしょうがないんだろうなあ。
それが狙いなんだろうし。

それでも人物はもう少し丁寧に描いて欲しい。
表面的なセリフや行動が多くて
せっかくの脇役が活きてこない。

こういう作品の方が
脚本のテクニックを求められるからな。
頑張れ、吉田智子。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  3

演出:宮本理江子
脚本:吉田智子

まあ、何とか伝えたいことは
伝わったんじゃないでしょうか。

脚本も演出も
わざと分かりやすくしようとして安っぽくなってるけど。

ミムラの素人っぽさが前面に出たというより、
みんな素人っぽく見えてしまうのが
この手のドラマの難点だな。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  4

演出:宮本理江子
脚本:吉田智子

少々ドラマチックすぎる展開だけど、
消防の格好良さだけでなく、
厳しい部分も描けていて良かったと思う。

火災現場のテープの中身に迫力があったのは大きい。
思わず耳をふさごうとしてしまった純(ミムラ)のカットも
演出としては正しかったと思うし。

ただ、山田孝之はちょっと力みすぎかな。
興奮してしゃべる時の息使いがいつも一緒なので
もう少し工夫して欲しい。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  5

演出:武内英樹
脚本:吉田智子

今回の赤星のキャラクターと葛山信吾は合っていた。
そういう意味では全体的に芯が通っていたと思う。
ストーリーそのものは単純だけど。

仕事をしてない時のミムラはやっぱり可愛いな。
小西真奈美がそんなにお姉さん系じゃないので、
純(ミムラ)の方が大吾(山田孝之)に似合うような気がするんだけど。
余計なお世話か。

このドラマに続編ができて
「オレンジボーイズ」だったら萎えるな。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  6

演出:七高剛
脚本:吉田智子

また酸素マスクつけないで救助に行ったり
私服で現場に入ったりと、
リアリティーは無視の描き方。
でもこのドラマはこれでいいでしょう。

大吾(山田孝之)の家族だけでなく、
隊長(石黒賢)の家族も絡めた構成は効果的だったし。

おばあちゃん(花原照子)のセリフがかなり良かった。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  7

演出:宮本理江子
脚本:吉田智子

記者(山路和弘)のキャラクターが単純で
いつも以上に深みがなかった。
ていうか、ストーリー自体がよくある話なんだよな。

内山理名は多少まひるのキャラがつかめてきたか。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  8

演出:武内英樹
脚本:吉田智子

最初のマスコミの描き方は紋切り型で
導入を安っぽくした。
ただ、その後はテーマも重くて見ごたえがあった。

とくに女性消防官がいてよかったと言っていたおじいさん(山谷初男)が、
実はまひる(内山理名)を孫のように思っていた
という展開が良かった。
火災シーンも久々に迫力のある映像だったし。

でもやっぱり内山理名の演技にはヘンな癖があるなあ。
今、夜中に「なにさまっ!」を再放送してるけど、
デビューしたての内山理名はもっと自然だった。
あの頃の彼女に戻って欲しい。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  9

演出:成田岳
脚本:吉田智子

ポンプ隊の最年長、植木(モロ師岡)が
フラッシュオーバーに巻き込まれて死ぬという展開に。
消防官の仕事の厳しさを伝える意味では
必要なエピソードだった。

で、その描き方は
良くも悪くもこのドラマらしかった。

あとでいくらでも感動的なシーンは作れるんだから
あの事故のシーンは情よりも緊迫感に重点を置いた
描き方をした方がいいのにな。

ここは泣くシーンですよ、
という場面が延々と続いたのは残念だった。

まあ、こういう作り方が
「ファイアー・ボーイズ」なんだけどね。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  10

演出:宮本理江子
脚本:吉田智子

各署員のキャラクターは
今回が一番丁寧に描かれた。
そんな仲間に支えられて
大吾(山田孝之)も再び消防の道へ。

でもこのエピソードを
仕事をする姿も描きながらやって欲しかったな。
それでこそ消防だろう。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  最終回

演出:武田英樹
脚本:吉田智子

最後の敬礼、とくに女性2人は、
肘が伸びていてなかなかキマっていた。

この締め方はまあいいとして、
前半の構成はどうなんだろう。
CMの入れ方も含めてかなり雑だったと思うけど…。

このドラマは全体的に分かりやすさを重視していたので、
安っぽい展開や寒いセリフも多々あった。
それでも火事現場の迫力あるシーンや
4話、8話など、訴えかけるエピソードもあって、
それなりの水準には達していたと思う。

ただ、「ウォーターボーイズ」と同じく、
もっとうまく作れたはずなのに、
という気がしてならない。
結局は脚本なんだよな、この手の問題点は。

もしレスキュー編を本当にやるなら
もう少し細かい点も丁寧に作って欲しい。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★★★
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  6.68(10点満点平均6)





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