タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『ごくせん』 

4/17〜
日テレ系 水曜10時  期待度 ★★☆☆☆

コミック原作のドラマ化で、
主演の仲間由紀恵は高校の新米教師。
でも実は任侠集団の4代目跡取りだった。

「お前、どこの組や!?」
「3年D組の担任や!」
という決めセリフがあるらしい。

プライムタイム初主演を果たす仲間由紀恵が
山田奈緒子を超えるキャラを構築できるか、
そこがすべてのような気がする。

共演は松本潤、伊東美咲、沢村一樹、宇津井健。
「トリック」つながりの生瀬勝久、
元ヤンキー役で中澤裕子も出る。





『ごくせん』

チーフプロデューサー:増田一穂
統括:井上健
プロデュース:加藤正俊
演出:佐藤東弥
脚本:江頭美智留
原作:森本梢子(集英社「YOU」連載)
音楽:大島ミチル
主題歌:「Feel your breeze」V6
制作:日本テレビ
出演:仲間由紀恵、松本潤、宇津井健、沢村一樹、金子賢、伊東美咲、
   生瀬勝久、中澤裕子、小栗旬、石垣佑磨、成宮寛貴、脇知弘、
   田山涼成、斉藤暁、なべおさみ、甲本雅裕、大隈いちろう、阿南健治、
   内山信二、村田宏、坂田聡、他

いきなり仲間由紀恵の
貧乳ネタが炸裂したかと思えば、
歓迎会の席では生瀬勝久と仲間由紀恵が
“新しく入られた山田先生”
“いえ、山口です”
という会話があったりして…。

局が違っても、
ここはやっぱり『トリック』ネタだな。
(仲間由紀恵の役名が山田奈緒子だったから)

まあ、そんな小ネタを抜きにしても
かなり面白かった。
キャラの強い先生が不良を立ち直らせるという
使い古されたストーリーではあるけどね。

これはもう「水戸黄門」みたいなもんだから、
想像通りの展開になるのは分かってる。
むしろそこが気持ちいいわけで。

仲間由紀恵の任侠“お嬢”ぶりは、
ハッキリ言って声が細すぎるんだけど、
そのズレ加減がいいんだろうと思う。
山田奈緒子もそのズレが面白かったわけだしね。

不良役の生徒は
松本潤(嵐、二代目金田一)
小栗旬(「SUMMER SNOW」で堂本剛の弟)
石垣佑磨(「R-17」や「夏休みのサンタさん」)
成宮寛貴(「木更津〜」でアニの弟)
脇知弘(「小津先生」の秋本)
など、かなり豪華。

中澤裕子も今度は足を引っ張らないような気がするし、
職員室、大江戸一家、ともにキャラは豊富に揃ってる。
まあ、これからも安心して楽しめるはずだ。

好き嫌いはあるにしても、水曜日は
「ウエディングプランナー」
「First Love」「ごくせん」と
かなり密度の高いラインナップが揃ったな。
これは忙しいぞ。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『ごくせん』 第二話

演出:大谷太郎
脚本:江頭美智留

始まって45分ぐらい経つと
久美子(仲間由紀恵)がキレて
“アタシがこいつらの担任の先生だ!”
と、啖呵を切る。
紛れもない水戸黄門パターン。

大江戸一家と学校との対比も
分かりやすく描いていて
ある意味、セオリーをきちんと守った
安心して見ていられるコメディーだ。

ただ、ステレオタイプに描かれた教頭が
ちょっと残念だな。
せっかく生瀬勝久を使ってるんだから
もう少し個性的な教頭にして欲しかった。

このドラマ、あとはもう
どれだけ視聴者を飽きさせないで
引っ張っていけるか、という点だけ。

キャラとしては金子賢に期待だな。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『ごくせん』 第三話

演出:佐藤東弥
脚本:横田理恵

1・2話の江頭美智留から脚本家が変わったことが
明らかにマイナスに作用してしまった。

決めゼリフがないパターンがあってもいい。
ただ、いくらお約束の内容だからって
今どき傷ついた子犬を助けてはないだろう。

最後の締めのセリフもユル過ぎ。
とにかく今回は脚本が悪かった。

こういう王道タイプのドラマは
簡単なようで難しい。
ちょっと間違えると
まあ、見逃してもいいか、ってことになるぞ。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『ごくせん』 第四話

演出:大谷太郎
脚本:江頭美智留

やっぱり江頭美智留が
脚本を書いた方がしっくりする。
想像通りの展開だけど、
全体のメリハリのつけ方もうまいし。

今回のネタは伊東美咲のキャスティングが活きたな。
高校生が憧れる女教師、
でも本人は教師という仕事にまだ目覚めていない。
ピッタリな人選だ。

あと、サントラを持ってないから確認できなかったけど、
伊東美咲がバイトしてたクラブの映像で流れたBGMは
「お水の花道」のものじゃなかった?
伊東美咲は「お水の花道」でホステス役だったからね。

このドラマ、
平気で他局のパロディーをガンガンやるなあ。

そういうとこ、好き(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)




『ごくせん』 第五話

演出:佐藤東弥
脚本:横田理恵

脚本が3話と同じ横田理恵だったけど、
今回は良かった。

ストーリーとしては準主役の沢田(松本潤)が
久美子(仲間由紀恵)の秘密を知ってしまう展開。
ただ、ここまでの久美子の行動を
じっくり観察していた沢田なので、
当然、誰にも言わない。
そこは自然だった。

久美子の祖父(宇津井健)が
沢田をひとりの男として認めた上で、
黙ってくれるようにお願いしたシーンも良かったしね。

あと、今回はクマ(脇知弘)が大活躍。
最後に土手を歩きながら、みんなで
“クマさんが、言うことにゃ、お嬢さん、お逃げなさい”
と歌ったのには笑った。

篠原(沢村一樹)にモジモジする久美子。
髪留めとメガネを取って変身する久美子。
ケンカのやり方も分かってない生徒たちの前で
啖呵を切る久美子。
そして、暴力とケンカの違いを
身を持って教える久美子。

このドラマであって欲しい要素がすべて詰まった
かなり上質の回だった。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ごくせん』 第六話

演出:大谷太郎
脚本:松田裕子

クマ(脇知弘)、
「さよなら、小津先生」で
田村正和に習ったバスケの基本をみんな忘れる、の巻。

まあ、最後に不登校の生徒が来るのも
クマたちと仲直りするのもお約束なんだから、
そのあたりを楽しまないとね(笑)

今回も悪くはなかったけど、
微妙に切れ味が悪かったな。

演出家と脚本家でちょっとしたテイストが変わる。
このドラマはそこを比べるのも面白い。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『ごくせん』 第七話

演出:佐藤東弥
脚本:横田理恵

今回は3話、5話と同じ
佐藤・横田コンビの演出・脚本だったけど、
5話のようなテイストでいい仕上がりだった。

前半、笑いを取りにきた部分が
すべて効果的にキマっていたので
全体として締まった感じ。

突然、沢田(松本潤)が
ひとり暮らしをしていることが明かされたり、
父親が代議士であることを誰も知らなかったりと、
ツッコもうと思えばツッコむところはいっぱいあるけど、
このドラマに関してはそういうことがあまり気にならない。

いつものように事件が起きて、
不良クラスが友情でひとつになって、
42分頃にヤンクミ(仲間由紀恵)が変身して、
啖呵を切ってまるく収まる。
それでいい。

ああ、そういえば「春ランマン」に続いて
ここでもボーリングのシーンで
ポール・アンカの「YOU ARE MY DESTINY」が流れたね。
やっと自分の局の番組をパロッてくれた。
それでいい(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ごくせん』 第八話

演出:大谷太郎
脚本:江頭美智留

親子モノに弱いので
なにげに号泣(笑)

でも、関係ない話のようで
グレた高校生の境遇とか、
任侠の世界とも接点があって
なかなかいい回だった。

それにしても
BGMや効果音がいちいち面白いな。
今回は金田一ちっくなものや
当然のようにトリックっぽいものもあったし。

あと、中澤姉さん、
今回は主役扱いだったけど
「ギンザの恋」よりは良かった。
少しずつでいいから女優への階段を上っていこう。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『ごくせん』 第九話

演出:佐藤東弥
脚本:横田理恵

アニ(塚本高史)が登場!
さすがに「木更津〜」で兄弟だった
成宮寛貴との絡みは避けてたけど。

今回も5・7話と同じ
佐藤、横田コンビでいいバランスだった。
こうなると
3話がたまたまダメだったということか。

前半の「アタックNO.1」ネタで笑いを取って
後半は立ち回りもアリの啖呵シーン。
いちばん理想的なパターンだ。
ヤンクミ(仲間由紀恵)の説教の内容も
かなり納得できるものだったしね。

伊東美咲のチアリーダーの格好は
オレも見たかった(笑)

             採点  7.5(10点満点平均6)




『ごくせん』 第十話

演出:高橋直治
脚本:松田裕子

スパゲッティーはミエミエだったなあ。
よく使う手なので、
最初に映った瞬間に絶対手を離す、
と思ってしまった。

でも今回も笑いを取る部分は
ほとんどヒットだったんじゃないだろうか。

全体としては単純な作りだったけど、
学園ドラマとしてはいい内容。

てつ(金子賢)の
“先生の代わりはいくらだっているじゃないですか。
 けど、大江戸一家の4代目をお継ぎになれるのは
 お嬢しかいねえんですよ”
という意見に、
“違うよ、先生にだって代わりはいないんだよ
 コイツらの先生はアタシしかいないんだよ”
と久美子(仲間由紀恵)が答えたところがとくに良かった。

あとはいつもと同じ(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ごくせん』 第十一話

演出:大谷太郎
脚本:江頭美智留

キャラの立ってるクマ(脇知弘)をメインにした話。
単純だけどツボを押さえたいい回だった。

チンピラをなぎ倒す
ヤンクミ(仲間由紀恵)も格好良く撮れてたし。

そして週刊誌の取材をキッカケに
ついにヤンクミの素性がバレる。

急遽、1話増やしたわりには
中だるみもなく最終回を迎えられそうだ。

きっと最後もベタな展開になりそうだけど
このドラマはそれでいい。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ごくせん』 最終話

演出:佐藤東弥
脚本:江頭美智留

まあ、ストーリー的には
どうってことないんだけど、
なかなか感動的な
まとめ方だったんじゃないでしょうか。

最後に沢田(松本潤)も
ヤンクミ(仲間由紀恵)を狙っていると
篠原(沢村一樹)やてつ(金子賢)に
宣言したのは意外だったけど。

理事長(平泉成)が完全に納得しなかったことからも
このあたりはスペシャルやパート2への
布石なんだろうな。

とりあえず今の生徒たちの卒業シーンは
なんだかの形で作りそう。

今回、このドラマを見て思ったのは、
やっぱり今の時代、
視聴率も残して、
世間の反発も買わず、
ある程度のクオリティーを確保する作品は、
この手のコメディー路線なのではないかということ。

で、設定は分かりやすい学校とか病院。
笑いを取りながら最後にホロッと泣かす、みたいな。

それでいいのか?
って気もするけど、
ドラマ見てる時くらい
アタマ使いたくないんだよな、きっと。

全部がこういうドラマになったら寂しいけど、
1クールにひとつくらいあるのはいっか。

とにかく全体的には安心して見ていられる
王道のコメディーだった。

             採点  7.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★★☆☆

           平均採点  6.83(10点満点平均6)



『ごくせん』

チーフプロデューサー:井上健
プロデュース:加藤正俊
演出:佐藤東弥
脚本:江頭美智留、松田裕子
脚本協力:横田理恵
原作:森本梢子(集英社「YOU」連載)
音楽:大島ミチル
主題歌:「Feel your breeze」V6
制作:日本テレビ
出演:仲間由紀恵、松本潤、小栗旬、石垣佑磨、成宮寛貴、脇知弘、伊東美咲、
   中澤裕子、生瀬勝久、宇津井健、金子賢、金田明夫、松本莉緒、沢村一樹、
   田山涼成、斉藤暁、なべおさみ、甲本雅裕、大隈いちろう、阿南健治、
   内山信二、村田宏、坂田聡、他

昨年4〜6月に放送された「ごくせん」の
3年D組卒業スペシャル。
連ドラのテイストを変えずに
無難にまとめていた。

前半のヤンクミ(仲間由紀恵)が生徒たちを守るパーツと
後半の生徒たち自身が問題を解決して
みんなで卒業を迎えるパーツとの構成が良かった。

この構成によって
ヤンクミが教えてきたことが
生徒たちにきちんと伝わっていたことも表していたし。

まあ、びっくりするくらいの単純な展開や
全体のゴツゴツとした雰囲気は相変わらずだったんだけど
この作品はそれでかまわないと思う。

ちなみに4月13日に
ディレクターズカット版が放送されるとか。
見逃した方はどうぞ。

             採点  7.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★★☆☆





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