タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『ひと夏のパパへ』
 7/2〜
TBS系 水曜10時  期待度 ★★☆☆☆

17年間、お互いにその存在を知らなかった父と娘が
様々な事件を乗り越えながら絆を深めていく物語。

娘役は上戸彩、
父親役は北村一輝。

ずっとゲイの役ばっかりやっていた北村一輝が
「大奥」の徳川家定役でプチブレイク。
ここで真価が問われるのか?

ありきたりのエピソードの積み重ねにならないことを祈る。





『ひと夏のパパへ』  「太陽は泣いている」♯1

プロデュース:大川博史
監督:廣木隆一
脚本:樫田正剛
音楽:川口大輔
主題歌:「感傷」上戸彩
制作:Joker、TBS
出演:上戸彩、桜井幸子、北村一輝、小林稔侍、渡辺いっけい、小日向文世、
   柳沢慎吾、松重豊、北川弘美、江波杏子、つぐみ、沢尻エリカ、
   臼田あさ美、市原隼人、松田悟志、小林千晴、山中聡、金原泰成、
   津乃村真子、豊川栄順、平沼紀久、他

悪ぶっている役の北村一輝がちょっと空回りで、
小日向文世、渡辺いっけい絡みでも笑いが取れず、
前半はかなりキツかった。

ただ、まりも(上戸彩)が
“女の子は万が一のことがあるんだよ…”
と言った橋の上のシーンが良くて、
ここから後半は締まった。
こういうシーンが作れるなら大丈夫そうかな。

最初はありきたりな設定でのめり込めなかったんだけど、
まりもと薪平(北村一輝)は本当の親子ではなさそうなので、
それならかなり面白くなりそうだ。

あと、麻美(桜井幸子)の存在。
初回ではほとんどまりもと絡ませなかったけど、
想像以上に重要な役のようなので
(テロップの順番も桜井幸子は北村一輝より上だった)
ここも今後に期待できそうだ。

まあ、この初回、
個人的にはルーガちゃん(小出由華)が出てきたので
全然OKです(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)



『ひと夏のパパへ』  「木綿のハンカチーフ」♯2

監督:廣木隆一
脚本:樫田正剛

いいセリフがないわけじゃないんだけど、
各シーンが独立してしまって
全体のうねりが出せないという
「ホットマン」と同じパターン。

薪平(北村一輝)と海老原(大沢樹生)、
まりも(上戸彩)とさつき(沢尻エリカ)の関係を
友達ということで括っていたわけだけど、
一生つき合いたいと思っている友達関係であることなどは
どこにも描かれてないので、
最後に薪平がいいセリフを吐いてもカタルシスは得られない。

そもそも今回は、
冒頭でまりもと燐太郎(市原隼人)のキスシーンを
リアルタイムの描写として取り入れたこと自体、
物語の構成としては間違っていると思う。

あそこはまりもがまねき猫などで
昼間にあった出来事を思い出している、
という構成で始めるべきだった。

メインストーリーはあくまでも
薪平が海老原を守る話。
まりもが燐太郎にキスされてしまうのはサブストーリー。

そこをしっかりと冒頭で示すことができてないから
全体の流れがギクシャクしたまま進んでしまう。

まあ、普通は気にしないか、そんなこと。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『ひと夏のパパへ』  「小さな恋のうた」♯3

監督:吉村達也
脚本:樫田正剛

薪平(北村一輝)がまりも(上戸彩)に、
お前は愛情の中で生まれた子供だよ、
と言ったシーンはまあ良かった。
でも相変わらず唐突すぎ。

薪平の心情がきめ細かく描けてないから
いきなり泣かれても…、って感じで。

仙頭(夏八木勲)のエピソードも
もう少し深いかと思ったのにこれまたアッサリだった。

上戸彩や桜井幸子がもったい気がしてきた。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『ひと夏のパパへ』  ♯4

監督:松永洋一
脚本:樫田正剛

プロットは悪くないんだろうな。
あと、映像も悪くない。
でも全体的な仕上がりがこうなっちゃうんだ…。

やっぱり前半で笑いが取れないのはツライな。

なぜか今回は各回のタイトル表示がなかった。
やめたのかも。

             採点  5.0(10点満点平均6)




『ひと夏のパパへ』  ♯5

監督:廣木隆一
脚本:樫田正剛

今回も前半は最悪。
後半、まりも(上戸彩)が鼻の頭を
切られるシーンから良くなった。

あと、北村一輝はセリフの途中で
オマエ、オマエと言い過ぎ。

オマエ星人か。

             採点  5.5(10点満点平均6)





『ひと夏のパパへ』  ♯6

監督:松永洋一
脚本:樫田正剛

ついに最後のダンスシーンも消滅。
見直して欲しいのはそういうことでもないんだけどな。

松永洋一は2度目だけど、
今回は演出も映像も全然良くなかった。
全体的に雑だし、バランスも悪かったし。

嶋大輔がアレだけってのが一番泣けた。

             採点  5.0(10点満点平均6)




『ひと夏のパパへ』  ♯7

監督:五木田亮一
脚本:樫田正剛

ダンサーの問題と
佐戸井(渡辺いっけい)が弁護士の夢を諦めるエピソードの
絡め方は悪くなかったけど、
全体的な出来は酷すぎた。

プロットをTVドラマという作品にする課程で
明らかにスタッフのスキルが足りてない感じ。

しかもこの回に関する話だけでなくて、
薪平(北村一輝)と麻美(桜井幸子)の関係や
宇都宮(林泰文)の絡め方など、
根本的な部分も揺るがすような描き方が今回はあった。

前回はついに視聴率も4%台まで下がって
当初の予定を変更する部分も出てきているんだろうけど、
もう少しプロの仕事をして欲しい。

ちなみにこの作品の不出来に関して
ヒロインの上戸彩に責任はないと思う。

             採点  4.5(10点満点平均6)





『ひと夏のパパへ』  ♯8

監督:唐木希浩
脚本:樫田正剛

今回はかなりプロットが良かった。
もっとクオリティーを上げる演出も脚本もあると思うけど、
そこまで贅沢は言わない。
ラスト3回、このままの流れで締めて欲しい。

外古葉(小日向文世)と娘(松本莉緒)の問題も
次回へ繋がるようなので一安心。
一話完結ではないのに毎回唐突に事件が起きるのは
全体の流れをかなり削いでいたので、
今回の問題のまま最後まで親子関係をきちんと描いて欲しい。

麻美(桜井幸子)のキャラや存在意味に関しては
もう今さらどうこう言ってもしょうがないけど、
まりも(上戸彩)と燐太郎(市原隼人)を診療所において
出ていく時の演出はさすがに酷かったなあ。

監督が代わっても
もう少し一貫したキャラ設定をお願いしたい。

             採点  6.0(10点満点平均6)





『ひと夏のパパへ』  ♯9

監督:松永洋一
脚本:樫田正剛

1話短縮がどの段階で決定していたのは分からないけど、
前回から今回にかけての話は良かった。

とくに子供から見た親の理想の姿、
親が抱く子供に対する愛情がバランス良く描けていて、
まねき猫のメンバーも加わった意見のぶつけ合いは
かなり見ごたえがあった。

中途半端なコメディースタイルにはせず、
最初からマジメに作っていればよかったのかも。

短縮作品の最終回は強引に終わってしまうケースが多いけど、
ここ2回の雰囲気を維持すればうまく締められそう。

最後ぐらい制作者の意地をみせて欲しい。

             採点  6.5(10点満点平均6)





『ひと夏のパパへ』  ♯10

監督:唐木希浩
脚本:樫田正剛

1話短縮なのでやむを得ないとはいえ、
プロットをなぞっただけの酷い出来だった。
上戸彩だけは最後まで良かったけど。

結局、まりも(上戸彩)と薪平(北村一輝)の関係は
普通の親子にしてしまったんだな。
看護学校の寮に入るから“ひと夏のパパ”だったという
強引なオチを使って…。

ここ2回の流れは良かったので
内容を変えるにしても
もっとうまい締め方はあったはずなんだけどな。
まあ、今となってはどうでもいっか。

キャストや基本的な企画は良かっただけに
それを成功に導けなかったスタッフの責任は重いと思う。

             採点  4.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★☆☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ☆☆☆☆☆

           平均採点  5.40(10点満点平均6)






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