タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『木更津キャッツアイ』 

1/18〜 TBS系 金曜10時 期待度 ★★★☆☆

脚本が「IWGP」の宮藤官九郎
というだけでも見ておいた方がいい作品。

心配は主演の2人をジャニーズで揃えてしまったこと。
ジャニーズってなぜか複数で出ると良くないんだよね。
単独で出るとみんなけっこういい演技するのに。

木更津キャッツという
草野球チームのメンバー・公平(岡田准一)が
病気で余命半年と宣告されたことから、
残り少ない日々を好き放題に過ごそうと
怪盗団キャッツアイを結成する。

ストーリーはかなり面白そう。
宮藤官九郎は演出も何話か手がけるらしい。
当然の事ながら大人計画の阿部サダヲも出る。
(宮藤官九郎は劇団・大人計画の
 脚本家であり、演出家であり、役者)





『木更津キャッアイ』 第1回

プロデュース:磯山昌
主題歌:「a day in our life」嵐
音楽プロデュース:志田博英
音楽:中西匡
演出:金子文紀
脚本:宮藤官九郎
制作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:岡田准一、桜井翔、岡田義徳、佐藤隆太、塚本高史、薬師丸ひろ子、
   阿部サダヲ、森下愛子、酒井若菜、古田新太、山口智充、小日向文世、他

このドラマと同じ
宮藤官九郎が脚本を書いた「IWGP」で
一番印象の残っているのは第5話(ゴリラの回)。
性同一性障害で女から男になった
ショウ(青木堅治)に関するエピソードだ。

ショウが思いを寄せる女性がストーカーに狙われ、
マコト(長瀬智也)たちがその事件解決に乗り出す。
ところがかえって相手を逆上させ、
その女性は危険な目に…。

助けに行くのが間に合わないマコトは
慌てているショウに電話で
「お前も男なら好きな女を守れ!」
みたいなことを言う。

確かに最初はマコトも
久しぶりにあった友達が女から男へ変わっていたので
ちょっとビックリはした。
でもその後はすぐにもう男として見ていたりする。

こういう描写が好きだった。
世間一般的にはまだまだ素直に受け入れられない状況でも
若者はそれほど気にしたりしない(少なくとも都会では)。
そういう若者のリアルな(?)感覚を自然に表現できる魅力が
クドカンの脚本にはあるのだ。

で、この作品。
ぶっさん(岡田准一)の告白に対する友達のリアクションに、
やはりそういうリアリティーを感じてしまった。

もちろん、今回の場合はマイノリティーに関する告白じゃない。
死が近づいているという深刻な問題であり、
誰の身にも突然降りかかる可能性がある問題だ。

でも、友達はいきなりその事実を受け止められない。
だからちょっと冗談で返してみる。
すぐにマジだったらシャレにならないと思い直す。
だんだんと相手の顔を見られなくなる。
とりあえず席を立ってみたりする。
中には黙って泣き出しちゃうヤツもいる。

いいシーンだよなあ。
まあ、こういうテイストに好き嫌いはあるんだろうけど、
個人的には支持したいな。

ドラマ全体としても、
「ケイゾク」「IWGP」「ハンドク!!!」と、
堤幸彦と一緒に演出を手がけた
金子文紀がメイン演出を担当しているので、
雰囲気に統一感がある。

今回はさらに、
野球をモチーフにした表と裏という構成も取り入れて
新鮮さも感じられる作りだ。

もちろん、小ネタも満載で
取り調べを受けることを覚悟した美礼(薬師丸ひろ子)が
電気スタンド持参でカツ丼を食べにいったシーンは好きだった。
あと、うっちー(岡田義徳)のコスプレも。

こういう遊びも入れながら
若者の群像劇を最後まで貫いて欲しい。

野球のシーンも
今回のような映像ならダサくならなくていいんじゃないかな。
2アウトからのスクイズはまずありえないので
本当はサイン間違いとかいう問題じゃないんだけど…。

今のところ心配なのは
やっぱりバンビ(桜井翔)か。
初回はセリフが少なかったせいもあって
まだキャラがつかめていなかった感じだ。

ここがしっくりすれば
かなりの名作になる予感はあるんだけどね。

             採点  8.0(10点満点平均6)




『木更津キャッアイ』 第2回

演出:金子文紀
脚本:宮藤官九郎

今回はロシアンルーレットのシーンが印象的だった。
死が迫っているぶっさん(岡田准一)にとって
それはただふざけてるわけじゃない。
そのことをまわりの友達も感じて
黙ってしまうところが良かった。

その前の「正直、面倒くせえな」
というセリフもまたリアルですごいんだけど。

うっちー(岡田義徳)は相変わらずいい。
クスリを飲んだか確認するところなんか、
前回、涙を流していたシーンとオーバーラップして
キャラをしっかり固定しているのが分かる。

薬師丸ひろ子のキャラもいい。
今後はもっとキャッツアイのメンバーに
からんでくるとは思うけど、
このままのトーンでいって欲しい。

とにかく人間関係がベタベタしてないところ、
お涙頂戴の雰囲気になってないところがいい。

それでも最後は泣きそうだけどね。

             採点  8.0(10点満点平均6)




『木更津キャッアイ』 第3回

演出:片山修
脚本:宮藤官九郎

番宣CMでさかんに流れていた
“木更津キャッアイ、ニャア!”という決めセリフが
妙にツボに入っていた今回。
演出が変わって“3回の裏”が2度出てくるという
かなり掟破りの展開になったけど、
基本的なトーンは変わってなかった。

木更津キャッツアイの義賊ぶりと
メンバーの青春群像、
そして生と死の問題。
依然としてバランスがよくて面白い。

ぶっさん(岡田准一)の父親(小日向文世)の
モノマネのネタは1回、2回と引っ張っていたんだけど、
これが意外に深くて効果的。
今回は和田アキ子のところで思わず泣いてしまった。
(父親も前から息子の余命を知っていたのかもしれないけど)

桜井翔のキャラもだいぶ固まってきたし、
このまま最後まで安定して進みそうだな。

あ、そうそう、
今回、うっちー(岡田義徳)が
ホレてしまった女の子は、
平岩紙という、これまた大人計画の人ね。
(「この冬の恋」にも出てた)

「恋ノチカラ」で深津絵里の
元の会社の同僚役をやってる猫背椿も、
「初体験」の動物病院で
女性スタッフ役をやってる田村たがめも、
「恋するトップレディー」で
市長室のスタッフをやってる正名僕蔵も、
みんな大人計画。
すさまじい増殖ぶりだ。

それにしても、
ケーシー高峰の偽医学用語ネタ。
何十年ぶりかで聞いたな。

             採点  8.0(10点満点平均6)




『木更津キャッアイ』 第4回

演出:片山修
脚本:宮藤官九郎

最後のぶっさん(岡田准一)と美礼先生(薬師丸ひろ子)の
キャッチボールシーンは良かった。
美礼先生の出番も増えてきて、
今後が楽しみなところ。

ただ、今回は100万円奪取が
正当的なものだったこともあって、
ストーリーとしての盛り上がりは欠けた感じ。
うっちー(岡田義徳)の活躍もなかったしね。

増田恵子のハジケっぷりは面白かったけど、
個人的にはうっちーの彼女に
もっとスポットを当てて欲しかった。

今後も豪華(?)ゲストがありそうだけど、
基本的にはレギュラーメンバーを主体に描いて欲しい。
最後まで話を引っ張るだけのキャラは
もう十分に確立してると思うし。

そして美礼先生のカミングアウト。
これはかなり重要な伏線になる。
…という予感がする。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『木更津キャッアイ』 第5回

演出:金子文紀
脚本:宮藤官九郎

エンヤでドリフの振り付けしたり、
2組のカップル見て「アバかよ!」ってツッ込んだり、
相変わらずO-30ネタの連発。

モノマネ教室の講師が DonDokoDon 山口だったのも
当然の展開とはいえ面白かった。

序盤にぶっさんのお父さん(小日向文世)が
若者言葉をマネしているのも
後半の病院での身代わりにつながっていて
きめ細かい構成だった。

それにしても今回は泣けたなあ。

東京に一度帰る哀川翔にうっちー(岡田義徳)が
“木更津のこと嫌いにならないでください”
って言うのもいいジャブだったんだけど、
床屋でのぶっさん(岡田准一)とオジー(古田新太)の
会話あたりから最後までラッシュをかけられた。

みんなオジーを大切に思っているのが
画面の端々から感じられて
やたら泣けてしまうんだよね。
こういうところはクドカンの神髄だ。

ぶっさんが倒れた時や、
2時間だけ寝かせてとソファーに横になった時の
仲間の表情もせつなかった。

ここまでの最高傑作かも。

             採点  8.5(10点満点平均6)




『木更津キャッアイ』 第6回

演出:片山修
脚本:宮藤官九郎

前回、オジー(古田新太)が
やけにしっかりしゃべるな、と思っていたけど、
その理由が明かにされながら進んだ前半。
もう泣きっぱなしだった。

オジーの遺体発見現場で
“この世にただのホームレスなんていねえんだよ!”
と野次馬にキレるバンビ(桜井翔)。

葬式のあと、マスター(佐藤隆太)の店で、
オジーとぶっさん(岡田准一)のことを考えながら
取り乱すアニ(塚本高史)。

“ぶっさんさあ…、モー子さあ…、オジーってさあ…”
というバンビの言葉に
“誰の話するの? ”
と言いながらマジ泣きするモー子(酒井若菜)。

オジーという愛すべきキャラクターを失ったのは
このドラマにとって大きな損失だけど、
ぶっさんが死をリアルに感じるためには
どうしても必要なエピソードだった。

“…死ぬのって恐えなあ。
 普通に恐いって思うよ、…今。
 …やっべえなあ。
 いなくなっちゃうんだぜ、…どうする?”
“………うん”
この父子の会話はせつなかったな。

後半はオジーの弔い合戦だったけど、
そこはいつものキャッツに戻って
スパイ大作戦テイストの宝石強奪劇。

袋とじの「なっち誘惑の裸身」が
岡本夏生だったとか、
ど音痴の歌手が
歌田光子だったりとか、
小ネタも挟み込みながら笑わせてくれた。

うっちー(岡田義徳)の活躍は
ちょっとだけだったけどね。

オジーがらみの5・6話は、
保存版の名作かもしれない。

             採点  9.0(10点満点平均6)




『木更津キャッアイ』 第7回

演出:宮藤官九郎
脚本:宮藤官九郎

今回はついに
木更津が生んだカリスマヤンキー・綾小路翔が率いる
氣志團がゲストだった。
ついでにAV界のカリスマ男優・加藤鷹も。
で、演出は宮藤官九郎。

ハッキリ言って、
今までの「木更津〜」と比べると
かなり雰囲気の違うものになってしまった。

編集で切る決断ができなかったのか、
つめ込み過ぎて落ち着かなかったということもある。
でもそれよりも、
クドカン本人の照れなのか、
小ネタの笑いばかりが目立って、
作品全体のテーマがぼやけてしまった。

「甘えん坊ハウス」を助けるというストーリー自体、
パロディーなんだろうけど、
さほど面白くなかったしね。

次回以降に期待しよう。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『木更津キャッアイ』 第8回

演出:片山修
脚本:宮藤官九郎

前の木更津に戻った。
最後の第2アクアラインが
建設中止になるくだりは面白くなかったけど、
小ネタはことごとくヒット。

修学旅行の髪型、
うっちー(岡田義徳)の家族、
美礼先生(薬師丸ひろ子)のハジケっぷり、
YOUが看護婦で出てきて名前が観月あさり、
(「ナースのお仕事」のパロディー)
最後の“ハートを盗まれた”
(ルパン3世「カリオストロの城」のパロディー)
などなど。

死期が迫るぶっさん(岡田准一)の気持ちとかぶって
やたらせつない笑いだった。

でも、きわめつけは
ぶっさんがホテトル嬢を呼んだ時のセリフ。

“理想は2つか3つ年上で大人っぽい感じの。
 でも決してプロっぽくない、みたいな。
 ワンギャル以上、CCガールズ未満。
 つーか、学年で4番目にカワイイじゃん。
 でも、決して1番じゃあない、みたいな”

ラストカットは
次回が最終回であることを強烈に意識させる
ぶっさんの遺影(?)

何かあるに違いないクドカンの最終回に
とにかく期待したい。

ところで公式ホームページによると
シナリオ本が3月下旬に角川書店より発売されるとか。
たぶん買って損はないな。

             採点  8.0(10点満点平均6)




『木更津キャッアイ』 第9回

演出:金子文紀
脚本:宮藤官九郎

何かの間違いで死なない
という展開もアリだったけど、
前回のラストの遺影、
そして今回の冒頭の3回忌後のシーンで
必ず死ぬことを印象づけた描写はスゴかった。

しかも、前回、棚に隠してあった
公助(小日向文世)への伝言ノートにも
あんなエピソードがあったなんて…

とにかく、前回から今回にかけての構成は
見事としか言いようがない。

で、この最終回。
まず冒頭、ひとりで泣いてるぶっさん(岡田准一)が
モー子(酒井若菜)に
“泣いてんだよ!早く行けよ!バカ女!”
と、ひどい言葉を吐いた時、
モー子が怒らずに“…バイバイ”と
明るく言った時にいきなり泣けた。

その“バイバイ”という声のトーンに泣けた。
これはうまく説明できない。
でも結局、オレは「木更津〜」の笑いの中にある
こういうせつなさが好きだったんだと思う。

ぶっさんと美礼先生(薬師丸ひろ子)の
キャッチボールのシーンも同様。
思い出しただけでも涙でてくるよ。

その後、キャッツが木更津を飛び出しての活躍は
いつも通り、いや、いつも以上に楽しかった。
とくにお台場での
ぶっさんのハシャギっぷりは強烈だったなあ。

この一連のシーンがあったからこそ
“やっぱり木更津が一番いいなあ”と
砂浜に寝転がったシーンが活きてくる。

そしてぶっさんが病院に担ぎ込まれ、
看護婦が“ご家族の方からどうぞ”と言ってるのに
当然のように全員が病室へ入るところから
もう泣き笑いだった。

あの意識が朦朧としていく中で繰り広げられる
みんなの呼びかけと、それに対するぶっさんの心の声は
ある意味、ドラマ史に残る名シーンかもしれない。

で、何か仕掛けはあるはず、と思っていたら
やっぱりあった延長10回。

病院が霊安室にまで運んだのに
その日のうちに野球ができるまで回復するなんて
もちろんあり得ないと思う。

でも、メソメソした終わり方ではなく
最後まで「木更津〜」らしさを守った
いい締め括りだった。

“それからぶっさんは1年以上しぶとく
 生きのびて、22歳でこの世を去りました。”
という、うっちー(岡田義徳)のナレーションが
唯一、ぶっさんの死を明確に伝えたもの。

これを日本語で普通に入れるのが照れくさくて、
うっちーのオヤジがスパイだったなんていう
思いっきりバカバカしい設定にしたのかな、と思ったら、
クドカンが愛おしくなってしまった(笑)

空白の1年を作っておいて、
アンコールにも応える準備をしておくところもね(笑)
…やらない方がいいと思うけど。

“あそこで死んでりゃ伝説になれたのになあ”
というマスターの言葉も重かった。
そう、現実の死なんてそんなにカッコよくない。
でも、だからこのドラマはリアルだったのだ。

ドラマにはいろんなタイプがあるから
どれが一番なんて決められるものじゃないけど、
その時代の若者の感覚をリアルに切り取った
笑いあり涙ありの青春群像劇としては
10年に1度の傑作だったと思う。

あ、そうそう、
最終回のキャストロールだけアニ(塚本高史)の本名が
佐々木兆というフルネームで書いてあったの気づいた?

最後の最後まで粋なドラマだった。


            採点  9.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★★
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★★☆
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★★★★
                  話題性 ★★★☆☆

           平均採点  8.05(10点満点平均6)




2002.4.2
<木更津キャッツアイに関する一考察>

来週から4〜6月期の連ドラも始まるけど、
1〜3月期、最も印象に残った
『木更津キャッアイ』について
気になっていることをつれづれなるままに
書いてみたりして…。

 

最終回、美礼先生(薬師丸ひろ子)の肩に
なぜ“しじみ”がついていたのか。

もちろん、あのシーンは
死を目前にしても
人間なんて意外とああいうどうでもいいことが
気になってしまうものではないか、
ということを表す面白い描写だった。

そして木更津といえば潮干狩り。あさりとしじみ。
あさりは4話あたりから度々出てきているので、
最後にしじみが出てきても不思議ではない。

でも、本当にそれだけだろうか?

 

古典落語に「しじみ売り」という話がある。
あさりやしじみを担いで売りに来る
しじみ売りが出てくる噺で、
関東では古今亭志ん生が得意としていた人情噺だ。

志ん生のCDには入ってないけど、この噺をする時、
しじみ売りの「あさり〜、しじみ〜」という物売り声を
「あっさり〜、しんじめ〜(あっさり死んじまえ)」
「おい、縁起でもねえこと言うな」
とやる人もいるらしい。

死をテーマにした
今回の『木更津〜』のことを考えると
なかなか面白い符号だ。

そして、しじみ売りは朝の商売なので
「朝だよ〜」というかけ声と共にやってくる。

『木更津〜』の最初のセリフは
オジー(古田新太)の「朝だよ〜」で、
最後のセリフは狸の置物になった
オジーとぶっさん(岡田准一)の「朝だよ〜」だった。

あれ? これまた関連が…

しかし、『木更津〜』の脚本家・宮藤官九郎の
インタビューによると、
当初、舞台は東京から近い、中途半端な地方都市で、
都会でも田舎でもない、船橋や松戸を考えていた、
とのこと。

つまり、あさりやしじみで有名な木更津が舞台になったのは
ロケの都合などによる偶然だったらしい。
(ちなみに「しじみ売り」の舞台は汐留)

ということは、
この「しじみ売り」との符号は偶然なのか。

いや、どうしても気になる。
この「しじみ売り」は
大長編の講談の一部を落語にしたもので
主人公は天下の義賊、鼠小僧次郎吉なのだ。

『木更津〜』の主人公たちも
もちろんキャッアイを名乗る義賊。

これも偶然なのか?
本当は宮藤官九郎の頭の中には
最初から「しじみ売り」の噺が
インプットされていたのではないか?
だから最後に美礼先生の肩についているものは
他の何物でもなく、
しじみにこだわりたかったのではないか?

 

……そんなことを考える、春の一日なのであった。
(「しじみ売り」は『木更津〜』の放送時期と同じ冬の演題)



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