タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『奥さまは魔女』 1/16〜
TBS系 金曜10時  期待度 ★★★★☆

“奥さまの名前はサマンサ。旦那さまの名前はダーリン。
 ごく普通の2人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。
 ただひとつ違っていたのは、奥さまは魔女だったのです”

この有名な中村正のナレーションで始まる
アメリカの傑作コメディーをリメイク。
全254話の中から選りすぐりのエピソードをピックアップする。

舞台を日本に移し、
主人公はサマンサではなくありさ(米倉涼子)、
旦那さまもダーリンではなく譲二(原田泰造)になるが、
ソニーピクチャーズとTBSの共同製作となり、
本気でドラマ化する。

魔法の部分はわざとワイヤーで吊したりして
レトロな雰囲気を出すらしい。

サマンサの母親は夏木マリ、
ダーリンの上司は竹中直人、
魔法を目撃するのに旦那に信じてもらえないグラディス役は
佐々木倉子という役名で冨士眞奈美が演じる。

あらゆる方面で評判を落としている米倉涼子が巻き返すには
もうこれしかない、と個人的には思っている。

日本人でサマンサができるのは米倉涼子だけ、
と思わせるくらいの熱演を期待したい。





『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第1話

チーフプロデュース:貴島誠一郎
アソシエイトプロデュース:後宮昌樹、本田慶充
プロデュース:利根鉄太
演出:吉田秋生
脚本:後藤法子
脚本監修:Gerald Sanoff
脚本原案:Barbara Avedon、Sol Saks
音楽:本間勇輔
主題歌:「Magic in your Eyes」Tommy February6
エンディングテーマ:「One True Love」
          「家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)」
10,000 Promises
制作協力:ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン・インターナショナル
制作:ソニー・ピクチャーズエンタテイメント、
   TBS、ドリマックス・テレビジョン
ナレーション:中村正
出演:米倉涼子、原田泰造、夏木マリ、竹中直人、冨士眞奈美、石川亜沙美、
   青木さやか、マギー司郎、塩谷瞬、吉行和子、岸田今日子、室井滋、他

ラストシーンがゆるくて惜しかった。
でも全体的には合格点でしょう。

冒頭、ありさ(米倉涼子)が
高級マンションの一部屋を当てるのは
確かに強引な展開だった。

でも、今後も多くなるであろう部屋の中のシーンを
日本のサラリーマン・譲二(原田泰造)が買える程度の部屋で演じていては
オリジナルの雰囲気とあまりにもかけ離れてしまう。

ここは多少強引な展開でも
アメリカチックな広い部屋をメインに使うことにしたのは正解だろう。

ありさのキャラクターがサマンサとは程遠かったり、
笑いの質がアメリカンジョーク的ではなかったりする点はやむを得ない。
むしろ日本人がそこまでやろうとするとムリが出るので
このあたりを着地点にしたのはベターだったと思う。

中村正のナレーション、魔法を使う時の効果音などで
オリジナルの雰囲気を残していたのは嬉しかった。

あと、お向かいの主婦・冨士眞奈美が
“あ〜た〜!”と旦那に大事件を告げる声がそっくり。
しかも旦那がマギー司郎だからな。
今後は“それは手品だよ”とか言いながら
自分で手品したりするんだろうな。

登場人物の名前が、
松井、鈴木、野茂、佐々木、長谷川、木田、(+イラブ広告)となっていたのは
もちろん日米合作を記念して大リーガーの名前を揃えたから。

この作品で日本の名前は記号としての意味しかないので
たいして笑えないけどこれはこれでいいと思う。
ちなみに冒頭の不動産会社の名前は曙だった。

本格的に話が転がるであろう2話以降が楽しみだ。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第2話

演出:吉田秋生
脚本:後藤法子

うーん、大まかなプロットは悪くなかったと思うけど、
セリフも芝居もこなれてないなあ。

まだ2話なのでキャラクターが固まってないのかもしれない。
でも、もっとリハーサルを重ねてスムーズにやって欲しい。

もしかして魔法シーンの撮影に時間を使い過ぎてる?
それじゃあ本末転倒だと思うけど…。

もっと内容を詰めてテンポ良くやって欲しい。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第3話

演出:酒井聖博
脚本:後藤法子

今回は石川亜沙美の出番が多かったせいもあるけど、
全体的に芝居がどんどん雑になっていく感じ。

演出や撮影、編集をもっと丁寧にするだけでも
だいぶ違うと思うんだけどなあ。
もったいない。

クララおばさんは岸田今日子がさくらおばさんという名前で登場。
これで冨士眞奈美、吉行和子、岸田今日子の揃い踏みとなった。
確信犯的キャスティングだな。

あとはタバサに期待しよう。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第4話

演出:酒井聖博
脚本:後藤法子

またプロットは良かったのに全体の仕上がりが…。
残念で仕方がない。

米倉涼子はよくやったと思うけど、
ここで2役を使ってしまったということは
セリーナ(サマンサの従姉)は出てこないということか。
これまた残念。

ていうか、ダリア(夏木マリ)出すぎだろ。
原田泰造も頑張ってるんだから、
もっとありさ(米倉涼子)と譲二(原田泰造)に
任せてもいいのにな。

それはそうと、
譲二の夢の中で出てきた子供(女の子)は
山内菜々(「ホットマン」の七海)だったぞ!

今、タバサを日本の子役が演じるなら
第一候補は間違いなく山内菜々だもんな。
ぜひ出てきて欲しい。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第5話

演出:吉田秋生
脚本:後藤法子

企画会議でアイディアが出てみんなで笑っても
実際にやっていいこととダメなことってあると思うけど…。
水戸黄門はTBSだからこそ出さない方がよかった。

でも最後にありさ(米倉涼子)が
雪子(水川あさみ)の恋の後押しをするところは
かなり感動的に描けたので良しとするか。

ちなみに雪子の名字は新庄だった。
とことん大リーグ漬けですな。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第6話

演出:吉田秋生
脚本:後藤法子

最後のまとめ方は日本的でいいけど、
前半のドタバタは…。

笑いの間が悪いというか、
リズム感がないというか。
これは好みの問題なのかな。

個人的には相当辛くなってきた。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第7話

演出:竹村謙太郎
脚本:後藤法子

やっぱりマギー司郎が手品したよ。
あんまり効果的じゃなかったけど。

ついでに原田泰造は巴投げ。
新たな登場人物の名前は、大家、田口。
もうお約束のオンパレードだ。

米倉涼子のファッションは毎回いいんだけどなあ…。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第8話

演出:酒井聖博
脚本:後藤法子

いつもと同じ。
テーマは悪くないし、
日本風なアレンジもあったけど、
前半のドタバタはもううんざり。

公式HPに出演者のアドリブが炸裂とか書いてあったけど、
それを止めさせた方がいいんじゃないかなあ。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第9話

演出:酒井聖博
脚本:後藤法子

親子は感動的に描けていた。
だからこそ前半のドタバタを
面白く描かなきゃいけないのに…。
そのセンスに欠けるんだよな、このスタッフは。

でも次回はいよいよ山内菜々の登場。
あと2回しかないけど彼女に賭けよう。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第10話

演出:吉田秋生
脚本:後藤法子

美山加恋が「はい」の天才なら山内菜々は「うん」の天才。
でも乳歯が抜けかけて歯がガチャガチャだったな(笑)
髪型もヘンだったし…

あと、タバサが魔法を使う時は
やっぱり指で鼻の頭をグリグリしてくれなくっちゃ。
そんなこんなで山内菜々が参加しても劇的に良くはならなかった。

最後の数分間はいつも悪くないけどね。

             採点  6.0(10点満点平均6)




『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  最終話

演出:吉田秋生
脚本:後藤法子

ムリに笑いを取りに行くシーンが少なかったおかげで
最終回は全体的に見やすかった。
それなりに感動もできたし。

このドラマはアメリカ版のオリジナル全254話の中から
1話につき数エピソードを取り入れて、
そこに嫁姑問題など日本らしい特徴も混ぜてまとめたわけだけど、
良く言えば身近で分かりやすく、
悪く言えば下世話なB級作品になっていた。

結果として個人的には見るたびに飽きてきたし、
笑えない分、感動も薄れていった。

笑いのポイントについては個人差があるので
ことさら問題にするつもりはないけど、
こんなにも有名な作品を連ドラ化するという企画においては、
やはり日本人スタッフにセンスが足りなかったと言っていいと思う。

当初、主要キャストについては文句ないと思っていたのに、
やはり米倉涼子のガサツな雰囲気は、
アメリカンコメディーの艶っぽさを再現する上で大きな障害になった。
これも大きなマイナス点だったと思う。

もちろん、あれだけの衣装をチャーミングに着こなせるのは
今、米倉涼子しかいないだろうことは分かっていても…。

キャスティングに関しては、
ハマっていたはずの夏木マリも
出すぎることでしつこく感じてしまった。

原田泰造と冨士眞奈美、岸田今日子くらいだったな、
結果的に許せたのは。

非常に期待していた作品だっただけに、
残念な結果となってしまった。

             採点  6.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★★★☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  6.18(10点満点平均6)




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