タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『マルサ!!』 4/8〜
フジ系 火曜10時  ★★☆☆☆

そのままズバリ、
マルサ(国税局査察部)の活躍を
江角マキコ主演で描く。

これだけでドラマの雰囲気が想像できてしまうのはツライ。
これもオリジナリティーは感じられないと思うので
どこまでクオリティーを上げられるかが勝負だと思う。

渡哲也、香川照之あたりの共演陣に期待か。




『マルサ!!』  MISSION 1

プロデュース:安藤和久(関西テレビ)、指田貴行、神山明子、塚田哲也
演出:若松節朗
脚本:戸田山雅司
音楽:住友紀人
主題歌「GET HAPPY」星村麻衣
制作協力:ジェニック、テレビ朝日クリエイト、TMCレモンスタジオ
制作:関西テレビ、アズバーズ
出演:江角マキコ、渡哲也、東幹久、香川照之、三宅健、佐藤二朗、猫背椿、
   永井大、池田真紀、山田辰夫、嶋尾康史、他

やっぱりオリジナリティーは感じなかった。
江角マキコのキャラもなあ…。

ただ、最近の連ドラとしては渡哲也の使い方が新鮮だったし、
冷静なキャラの香川照之もいい。

出だしのお色気、初回のラーメンネタなど、
作為的な部分も見えたけど、
全体的にはそつなくまとめていた方だと思う。

まあ、普通のドラマか。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『マルサ!!』  MISSION 2

演出:若松節朗
脚本:戸田山雅司

やっぱり国領(渡哲也)は大物か。
査察総括第三課の存在意味も
裏ストーリーとしてありそうなので、
そうなると面白みは増しそうだ。

ていうか、だったら余計に江角マキコが浮いてるな。
このキャラでやるなら別の主役で見たかった。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『マルサ!!』  MISSION 3

演出:本橋圭太
脚本:戸田山雅司

まあ、しばらくはこれでいいんだと思う。
最終的に査察総括第三課自体の話も出てくるんだろうけど、
今回のように一課、二課との対立なしで描くと
かなりスッキリする。

イヤになるくらい大衆的な
分かりやすい作り方だけど、
それは始めから狙いだと思うしね。

江角マキコのキャラも
ここまでバカバカしく作り込んであれば
それはそれでアリって気がするし。

当分はこのパターンでやった方がいい。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『マルサ!!』  MISSION 4

演出:三宅喜重
脚本:戸田山雅司

休眠口座を売買し、自ら脱税もしていた
知草(辺見えみり)にたどり着くという、
本来は一番大変であろう部分は、
やっぱりドラマなのでアッサリと描いていた。

そのかわりパスワードを見つける部分に
ハラハラとする展開を設け、
(実際はそんなにハラハラもしないんだけど・笑)
エンターテイメント性を高めるというやり方。
まあ、ドラマらしいドラマですな。

江角マキコはもっと作り込んで演技しないと
ヘタに見えるだけだから注意した方がいい。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『マルサ!!』  MISSION 5

演出:若松節朗
脚本:戸田山雅司

国税局OBの脱税という内容で
エンターテイメント性は十分にあった。

ただ、最大の強敵という設定なのに
肝心の潜入捜査が始まってからの描写はお粗末。

何で加音子(江角マキコ)が堂々とイヤホンをしてるのに
荻杜(村井国夫)はあんなにアッサリ信じるんだよ。
全然強敵じゃないじゃん。

せめて加音子の髪を降ろして
耳が隠れるようにはして欲しかったなあ。

あと、このストーリーなら
国領(渡哲也)の出演は必須だろう。
予算をケチったのかな。

裏金を作っても
渡哲也のギャラを捻出するべきだったんじゃないの?(笑)

             採点  6.0(10点満点平均6)



『マルサ!!』  MISSION 6

演出:本橋圭太
脚本:戸田山雅司

今までで一番バランスが良かった。
偽の絵画を作ってオークションに掛けるシーンも
十分に盛り上がったし、
財津(香川照之)の家族の話も絡めることで
ドラマ性も確保していた。

必ず入る税金・脱税の説明シーンにしても
今回のマネーロンダリングに関する説明は
実に分かりやすかった。

決してクオリティーが高い作品ではないけど、
これがこのドラマのベストな作り方だと思う。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『マルサ!!』  MISSION 7

演出:三宅喜重
脚本:戸田山雅司、田中江里夏

潜入捜査にミスがあったと思わせておいて
実は作戦通りだった、という展開は良かった。

ただ、連ドラとしては
蔵持(東幹久)の行動にムリがあったと思う。

確かに自分本位のキャラではあったけど、
すでにチームと協力していくつかの捜査をしているので
序盤の言動はやはり強引な取っ掛かりだった。

まあ、全体的にもガサツな作り方だったかな。
吉井怜の出番はもう少し多くして欲しかった。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『マルサ!!』  MISSION 8

演出:石川剛
脚本:戸田山雅司

今回はミッションそのものが凝っていて面白かった。
このドラマの一番の見せ場はやはり潜入捜査なので、
そこでこれくらい凝った作りができると
全体的な密度も濃くなって見ごたえがある。

まあ、江角マキコのコスプレは
あんまりやりすぎない方がいいけどね(笑)

あと、今回は敵役が吉田日出子だったことも
作品の質を上げた大きな要素。

ふてぶてしくて、
すべてを見透かしているようで、
それでいて何か大事なものが欠落した人物像を
見事に演じていた。

やっぱりモノが違うな。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『マルサ!!』  MISSION 9

演出:若松節朗
脚本:稲葉一広

脚本家が違ったせいか、
査察第三課の仕事がプロっぽくなくて
つまらなかった。

加音子(江角マキコ)がバイオリンを弾くシーンもねえ。
実際に手を合わせるほど練習できないなら
やる必要もなかったのに…。

“骨壺まで持っていく”という
佐久間(石黒賢)のセリフが決め手になっていたのも
お粗末な作りだった。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『マルサ!!』  MISSION 10

演出:石川剛
脚本:田中江里夏

脱税の時効と相続税を絡めた話。
今回もまたいつもと雰囲気が違ったんだけど、
これはこれでアリの内容だった。

潜入捜査ではコミカルな演出を多用しつつ、
最後は三課の男性陣が自分の母親に電話するシーンも入れたりして
ちょっとホロっとさせる演出も用意していた。

でまたラストには
ちゃっかりしてる母親の姿も入れてあったりして…。

やっぱりこのドラマに欠けていたのは
こういう雰囲気のコミカルさだったのかな。

エンターテイメントとして脱税捜査を描いているんだから
これくらいのバカバカしさが丁度いいのかもしれない。
そうすればシリアスな部分も浮き立つわけだしね。

終わり間際になってそんなこと言ってもしょうがないか。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『マルサ!!』  MISSION 11

演出:本橋圭太
脚本:戸田山雅司

やっと国領(渡哲也)が帰ってきたと思ったら
三課最大の敵? というかなり強引な展開。

まあ、これが正しい選択なのかどうかは
最終回を見てから判断しよう。

ただ、今回のミッション、
廊下に取り付けた隠しカメラの位置が悪い。
ただそれだけだけの問題じゃないの?(笑)

部屋への出入口を押さえているカメラがないなんて…。
そうやってこのドラマはムリヤリ盛り上げてきた、
とも言えるんだけどね。

             採点  6.5(10点満点平均6)





『マルサ!!』  FINAL MISSION

演出:若松節朗
脚本:戸田山雅司

おお。
大局を見て動いているという国領(渡哲也)は
なかなか魅力的な敵だった。

“100%の正義はない”と
自信を持って言い切るシーンも説得力があったし。

でも、だったら余計に
国領が途中まったく出てこなくなった回はもったいなかったなあ。
ほんの少しでも出演させて、
何か暗示させるセリフでも吐いていて欲しかった。

そうすれば最終回に向けて
徐々に盛り上がってくる雰囲気も出ただろうに。

ただこれはもう、構成とかいうより、
裏事情が絡んでくることなんだろうな。
しょうがないか。

峰葉(森口瑤子)はどうなったのか、とか、
どういう手順で三課が再編成されたのかなども
もう少し説明があった方がよかった。

まあ、ラストのなぜあの2人が結婚?というシーンから
やっぱりミッションだったという締めは
このドラマらしくて良かったけどね。

単純に一話完結と考えると
最終回が一番面白かったかもしれない。

この最終回に向けて最初からプロットを組み直すと
もう少し見ごたえのあるドラマが作れるかもね(笑)

気楽に見られる作品という意味では
まあ合格点だった、
という印象に最終回を見てなった(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★☆☆☆☆
                  話題性 ★☆☆☆☆

           平均採点  6.17(10点満点平均6)





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