タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』 1/13〜

日テレ系 月曜10時  期待度 ★☆☆☆☆

スキャンダル雑誌の女性記者3人が
仕事で傷つきながらも成長していく姿を描く。

女性記者3人とは、真中瞳、山口もえ、りょう。
真中瞳、山口もえ…。
主役は真中瞳…。
しかも日テレ…。

期待しろという方がムリ。




『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  第1話

チーフプロデュース:藤井裕也
プロデュース:岡本浩一、次屋尚、千葉行利
監督:国本雅広
脚本:森下直
音楽監督:近藤由起夫、小西香葉
主題歌:「好きだなんて言えない」Fayray
制作:よみうりテレビ、MMJ
出演:真中瞳、りょう、山口もえ、宇崎竜童、倍賞美津子、玉山鉄二、
   伊武雅刀、柳沢慎吾、利重剛、佐戸井けん太、鷲尾真知子、
   村野武範、田中健、他

惜しい! 惜しいなあ。
設定もプロットも悪くない。
ただ、キャスティングが…。

決してオリジナリティーがあるわけじゃないけど、
そこそこ過激で救いのないところがいい。
ただ、キャスティングが…。

毎回これくらいの内容で作れたら
十分に見る価値はあるだろうな。
ただ、キャスティングが…。

本当に惜しい。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  第ニ話

監督:国本雅広
脚本:森下直

脚本がかなり良い。
いくつかの事件を同時進行させているのも
事件に重さが感じられていい構成だし。

今回は唯一、
江里(りょう)が取材を申し込む際に
荷物を運ぶ手伝いをして相手が応じてくれる、
というシーンがつまらなかった。
あそこはもっと捻らないとダメなのに。

でも、今回ぐらい真中瞳の出番が少ないと見やすいな(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)



『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  第三話

監督:国本雅広
脚本:森下直

今期の連ドラは全体的にオーソドックスで
気楽に見られる内容のものが多い。
視聴率もそこそこ取っている。

そんな中でこの作品はちょっと異質で、
かなりハードなテーマだ。
当然、視聴率も悪い。
でも意識的にこういう作品を作ろうとする姿勢はいいな。

今回、タマちゃんのシーンで、
そのことを江里(りょう)にズバっと言わせていた。

“ファンタジーを追いかけるより
 現実を直視するべきじゃないんですか”

…でも数字も取らなきゃダメじゃん(笑)

今回は岩崎ひろみと対峙するシーンがあったので
真中瞳には今まで以上に残酷な回だった。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  第四話

監督:塚本連平
脚本:武田百合子

おいおい、
脚本家と演出家が代わったら
別のドラマになってるよ。

このドラマでゴミ屋敷を扱って
こんなハートウォーミングな展開にしてどうする!

あと、汚職事件はどうなった?
あとで描くにしても、
少しは触れておかないとヘンだろ!

確かに編集長(宇崎竜童)の過去と真意、
夏ミチオ(利重剛)の存在など、
ちゃんと引っ張っているネタもある。

でもメインのゴミ屋敷ネタがこれじゃなあ。
プロデューサーは何やってんだ?

             採点  5.0(10点満点平均6)



『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  第五話

監督:塚本連平
脚本:森下直

全体的に余韻の残るカットが少なくて
ずっとバタバタとした感じだった。
でも後半、内容で持ち直したかな。

ちょっと硬質な印象は薄れたけど、
この程度ならいいと思う。

今回は山口もえがかなり頑張った。
意外とせつない感じが出てたぞ。
ただ依然として真中瞳は…。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  第六話

監督:国本雅広
脚本:森下直

今回は良かった。
このドラマの本質とも言うべき
真実を暴露することの功罪を
うまく描いていたと思う。

子供が犯人だったにも関わらず、
編集長(宇崎竜童)が
最後まで記事にすると言い続け、
“自分が書けなくてもどこかが書く。
 そういう世界に生きている”
とまで言ったシーンが印象的だった。

次回のゲストは河村隆一。
…このドラマのネックは
やっぱりキャスティングだな(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)





『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  第七話

監督:国本雅広
脚本:武田百合子

脚本は四話と同じ武田百合子。
内容は悪くなかったと思うけど、
少年犯罪を扱いながら
その報道という観点からは
踏み込み方が足らなかったと思う。
まあ、おそらく武田百合子だけの責任じゃないけどね。

次回が最終回なので
結局、当初の予定より2話短縮になった感じ。

ずいぶん前から打ち切りの噂は流れていたから
もしかしたら歩(山口もえ)の父親の
汚職事件がカットされたのかもしれないな。

ただ、今回の復讐の話と
最終回のテーマはつながりがあるようなので、
これはおそらく予定通りなんだと思う。

次回、期待してみよう。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  最終話

監督:岡本浩一
脚本:森下直

これ、当初は2話に分けて描く
最終エピソードだったんじゃないだろうか。

内容は良かったのに、
前半はバタバタとシーンをつないだだけの展開になって
かなりもったいなかった。

このドラマは今さら言うまでもなく、
営業的には完全に失敗だった作品。

8話中、最終回を含め3話も3%台の視聴率を出しては
2話短縮もやむを得なかっただろう。

ただ、映画「誘拐」で日本アカデミー賞脚本賞を取り、
最近は「13階段」の脚本も担当した森下直の仕事は
さすがに目を惹くものがあった。
これを活かせなかったのは残念だった。

もちろん最大の失敗はキャスティングだけど、
演出にも問題はあったと思う。
たとえ映画や舞台のように時間が取れなくても、
もう少し若い役者にダメ出しをして最善を尽くすべきだった。

ま、キャストが違っていたとしても
この手のテーマはあんまり視聴率が取れないんだけどね。

志の高さは認めてあげたい作品だった。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★☆☆☆☆
                  主題歌 ★★★★☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★☆☆☆☆

           平均採点  6.50(10点満点平均6)





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