タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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『恋するトップレディー』
1/8〜 フジ系 火曜10時 期待度 ★★★☆☆フリーターの女の子(中谷美紀)が
ある日突然、市長になるという話。
政治ドラマというより
シチュエーションコメディーに近いらしい。番組CMの桃井かおりっぽい
中谷のナレーションが妙にハラ立つのはオレだけ?でも、掘り出し物を見つけるとしたら
だいたいこのあたりなんだけどね。共演は柳葉敏郎、奥菜恵、吉沢悠、
山口紗弥加、小野武彦、他
『恋するトップレディー』 1企画:濱星彦(関西テレビ)
プロデュース:笠置高弘(関西テレビ)、小椋久雄
主題歌:「ヒーロー」エンリケ・イグレシアス
音楽:林哲司
演出:西谷弘
脚本:小椋久雄、田辺満
制作:関西テレビ、共同テレビ
出演:中谷美紀、柳葉敏郎、吉沢悠、奥菜恵、小野武彦、高橋克実、山口紗弥加、
長野里美、松崎しげる、高知東生、鷲尾真知子、他これも共同テレビ制作の作品。
西谷弘の演出も安定していて、
スムーズに見ることができる。ただ、ストーリーがあまりにもオーソドックス過ぎるな。
ちはる(中谷美紀)が家を出る際のセリフも、
「自分の家族も幸せにできなくて何が市民のための政治よ」
ではあまりにもひねりがない。初回はコメディ要素が控えめで
ちはるが市長になる決心をするまでだったけど、
今後、コメディ要素を取り入れながらの
毎回のエピソードをどう展開させていくか…。このドラマはその脚本にかかっている、
という感じだな。採点 6.5(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 2演出:西谷弘
脚本:田辺満
選書参謀役で出てきた北見敏之。
彼が出てくると、
ぜったいワルに違いないと思ってしまう。
だから今回みたいにいい人だと
すごくガッカリした気分になるなあ(笑)まあ、それはいいとして…
人が成長していく瞬間を、
ドラマティックに、かつ
分かりやすく表現するために、
わざとそれ以前の行動をムチャクチャに描く。
そういうお決まりの手法が、
個人的には好きじゃない。もともと中谷美紀に関しても
等身大の女性という役が
一番似合わないような気もするし。市長になってからのエピソードを
どれだけ自然に表現できるか。
これからだな、このドラマは。採点 6.5(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 3演出:河野圭太
原案:高山直也
脚本:江頭美智留これだけのスタッフが揃っているんだから
もっと完成度を上げられると思うけどなあ。やっぱり中谷美紀のキャラが致命的なのか。
前半はわざとらしくて、
とても見ていられなかった。政治の世界を舞台にした
お仕事ドラマなのか、
シチュエーションコメディーなのか、
あるいは題名にもなっているように
ラブストーリーになるのか。そのあたりの的を絞れてないのも
安心して見られない原因なのかも。
採点 6.0(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 4演出:河野圭太
脚本:江頭美智留
基本的な内容はいいんだけど
やっぱり前振りがわざとらしいんだよな。沢村(葛山信吾)のホンネとかも、
ちはる(中谷美紀)の純粋さを際立たせるために
使い古されたステロタイプなものにしてしまうし…このへんの前振りが丁寧なら
最後にあった八潮(柳葉敏郎)とちはるの
市長室でのやりとりも
もっと効果的になるのに。とにかく全体的に
わかりやすさを重視しすぎて
軽い作品になってしまっている。採点 6.0(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 5演出:西谷弘
脚本:大野敏哉、小椋久雄
やっと「恋するトップレディー」になってきた感じ。
ちはる(中谷美紀)のこの気持ちを垣間見せながら
市政に関係する話を描いていけば、
ドラマとしての体裁は取れると思う。ただ、やっぱり毎回冒頭に流れる
ちはるのバカっぷりは白々しい。
前の回でどんなに成長するシーンを描いても
次の回の冒頭には必ず素人に戻る。こういう構成は、よくある成長物語の中でも
作品全体に引き込まれない典型だ。
1回見逃しても悔しいと思わない。
いいシーンも多々あるだけに、残念だ。採点 6.5(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 6演出:松田秀知
脚本:江頭美智留
今回は良かった!
6回目にしてやっと…という感じ。この時期、バレンタインネタは
ほとんどのドラマでやるけど、
今のところコレが一番いい。今回主役になった長野里美。
第三舞台の看板女優だった彼女を最初に見たのは
もう17年くらい前になる。
「もうひとつの地球にある水平線のあるピアノ」
という芝居だった。大高洋夫がいて、筧利夫がいて、
山下裕子がいて、小須田康人がいて、
今「人にやさしく」でオカマちゃんの役をやってる
京晋佑もいた。
筒井真理子はまだいなかったかな。とにかく、芝居の面白さを教えてくれた
女優さんのひとりだ。
“…まだ女は捨ててません”って
捨ててもらっちゃ困るよ(笑)ちはる(中谷美紀)の恋心と
純粋な気持ちで望む市政。
この調子で最後までいって欲しい。
採点 7.5(10点満点平均6点)
『恋するトップレディー』 7演出:河野圭太
脚本:江頭美智留やっぱりダメだなあ。
もうこの期に及んで前振りが長いと
いくら最後にちはる(中谷美紀)の
人間味あふれる行動を描いても
トータルのバランスが取れない。とくに今回は
良かれと思ってやったことが
友達を傷つけるという
ありきたりのエピソードだったので、
このドラマでやらなければいけない
必要性も感じなかった。自分がちはるの口添えで
役がもらえたことを知った時の
山口紗弥加の演技は良かったけどね。このドラマに関しては
中谷美紀より山口紗弥加の方がいい。西谷弘、河野圭太演出の回がダメで
松田秀知の回だけが良かったなんて
ちょっと意外だな。もう一回、松田秀知に演出して欲しい。
そうすれば演出に問題があるのかどうか
判断できそうな気がする。採点 5.5(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 8
演出:松田秀知
脚本:江頭美智留
今回は松田秀知の演出だったけど
やっぱりダメだった。
6話は偶然良かっただけか。何であそこまでバカな前振りをする必要があるのか。
いや、確かにそういうパターンのドラマは
過去にもたくさんあったけどね。
で、それを気楽に楽しく見る
視聴者がいることも事実だけどね。ただ個人的には
どちらにも振り切れてない中途半端さが
腹の立つ原因なんだなあ。一番始末に困るタイプの作品だ。
採点 5.5(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 9演出:河野圭太
脚本:江頭美智留、松田裕子出だしは相変わらずだったけど、
最後にやっとこのドラマの本筋が出てきた。結局、この作品は第1話と、
ここからの9・10・11話だけで良かったような気も…。2時間ドラマを引き延ばしてただけだったんだなあ、と
改めて思い知る今日この頃であった(笑)
採点 6.0(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 10演出:松田秀知
脚本:小椋久雄、田辺満
最初からこういう雰囲気で統一できれば
この作品もきっと面白かったんだろうな。山口紗弥加は相変わらずいいけど
今回は中谷美紀も可愛らしかった。ストーリーとしての興味はすでにないので
最終回ぐらいは中谷美紀の演技力で泣かせて欲しい。採点 7.0(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 11演出:河野圭太
脚本:小椋久雄
最後ぐらいうまく締めるのかな、
と思ってたけど、やっぱりダメだった(笑)ちはる(中谷美紀)の不信任案が回避されるあたりの
議会のやり取りなんかは何のひねりもない。
ていうか、議員はみんなバカばっかりの巻、みたいな(笑)ただ、ちはるが取り乱して
ずっとそばにいてよ、と
八潮(柳葉敏郎)に抱きついたシーンは良かった。
ああなると中谷美紀はスゴイ。結局、ちはると八潮の関係を
前半からもっとウエイトおいて描いていれば
きちんと「恋するトップレディー」に
なったと思うんだけどね。うーん、何とも中途半端な作品でした。
採点 5.5(10点満点平均6)
脚本 ★★☆☆☆
演出 ★★☆☆☆
配役 ★★★☆☆
主題歌 ★★★☆☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★☆☆☆☆
話題性 ★★☆☆☆平均採点 6.23(10点満点平均6)
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